3月のニクの日は RICOH GR III で小岩ビリエットのおいしい肉料理を撮る

投稿者: | 2019年4月5日

 毎月29日はニクの日です。先月末に迎えた3月29日は年度末で月末で週末で、東京ではソメイヨシノも咲き始めたという、とても慌ただしい日でした。でも私はもちろん万難を排して毎月1回しかやってこない「ニクの日」を祝うために、小岩にある超おいしいトラットリア「ビリエット」に向かいました。

 実はニクの日エントリーを書くのは今年始めてですが、1月や2月ももちろんお祝いはしました。ただブログ記事にするのをサボっていただけです。で、今月はただ復活するのも芸がないと言うことで、先日手に入れたばかりのGR IIIのレビューを兼ねてしまおうと思います。

 ”最強のスナップシューター”たるGR IIIは、外食時のテーブルフォトでどのくらい使えるでしょうか? 近接撮影距離は十分なはずですが、28mmという難しい画角とか、薄暗いところでのAFとか、ホワイトバランスとか、色々気になるところがあります。

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 でも、GR IIIの性能がどうのこうのよりももっと気になるのは、今日のお肉はどんな料理なのか? どのくらい美味しいのか?という点です。そう、やっぱり今日の主役は美味しい肉料理です。なんと言っても「ニクの日」ですから!

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 お店に到着して予約してあった席に着くと、いつものニクの日スペシャルメニューが用意されていました。今月は仔羊の塩釜焼きです。下準備にかなり時間がかかると言うことで、予約限定となっていました。焼き上がるのが楽しみ!

 ちなみにGR IIIの設定ですが、絞り優先でほぼ開放に設定。感度はISO3200上限のAUTO、ホワイトバランスもAUTOです。JPEGではなくRAWで撮ったのでLightroom Classic CCで現像していますが、まだカメラプロファイルがサポートされていないので、これが「GR IIIの絵か?」と言われると、ちょっと違うのかも知れません。

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 さて、まずやってきたのはいつもの前菜盛り合わせ! シェフ手作りの各種生ハムにはじまり、中央にカプレーゼ、ラタトゥイユやイワシの香草パン粉焼き、牡蠣のムースなどなど、見た目に美しく、写真に撮っても美しく、そして食べるととてもおいしいです。

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 さて、先ほどのお皿から一人前取り分けてもこのボリュームがあります。イワシの香草パン粉焼きが特に気に入りました。

 さて、28mm相当の画角というのは画角が広すぎて余計なものが入りやすいし、それを避けようとすると被写体に近づきすぎてパース感が強くなりすぎるのでは?と、思っていたのですが、実際やってみると意外に自然というか、あまり違和感を感じません。椅子に座った状態で目の前に出されたお皿を撮るには、むしろ目で見た感じに近いのでは?思えてきました。

 ちなみに開放付近ではわりと周辺減光が目立ちます。JPEGではかなりしっかり補正されていますが、RAWで撮るとレンズ(とセンサー)の素の特性が良く分かります。この周辺減光はGRっぽさを表現するのに実は便利で、それはこういうおよそGRらしさなどとは無縁なシーンでも同じだな、と感じました。なので、この記事で使用してるカットは現像時に周辺減光補正をしていません。

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 さて、次にやってきたのは季節ものということでホワイトアスパラのソテー。なんと目玉焼きが乗っています! なにこれ美味そう!

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 マクロモードにしなくても標準状態のままレンズ前10cmまで寄れるので、思わずがぶり寄りしても全然大丈夫です。ピント位置はアスパラの先っちょよりも後ろにずれてしまいましたが、これは私の失敗だと思います。そして背後のボケ量も絶妙だし、ボケ方もとても自然でいい感じ。

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 なお、シェフのお勧めの食べ方はこうして目玉焼きをぐちゃぐちゃにして混ぜるように、とのこと。見た目が悪くなりましたが超美味しかったです。

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 そうこうしているうちにシェフがこんなものを持ってきてくれました。ルクレーゼ風の四角い耐熱皿になにやら白い粒々が山盛り。実はこの白いやつが全部岩塩かなにかで、塩釜の正体です。で、この中に仔羊のお肉が埋まってるわけです。これをこれから焼くということで、一体どんなお肉が出てくるのか、焼き上がりが楽しみです。

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 お肉が焼き上がる前にパスタを頂きましょう。今度もまたアスパラですが、今度はホワイトではなくグリーンアスパラです。それにしてもなんという美しさでしょう。

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 さらにまだちょっと炭水化物が足りない感じなので、お豆のリゾットも頂きました。

 なお、ビリエットは店内の照明がなかなかカメラ泣かせで非常にホワイトバランスを取りにくかったりします。ただし今回は軒並みお皿が白かったのでかなり助かりました。それでもGR IIIの撮って出しJPEGは少し照明色に引きずられていたのですが、それはもしかしたら人工光源下でむやみに補正しない設定になっているのかもしれません。

 今回ここに貼った画像はLightroom Classic CCでお皿の白に合わせてホワイトバランスを取り直しました。RAWだから普通に出来て当たり前と言えそうな気もしますが、2000K台までホワイトバランスを補正すると、わりと色々ととっちらかって絵が崩れるカメラも多い中で、さすがに24MピクセルのAPS-Cセンサーから得られる14bitのRAWとあって、現像していると情報量の豊かさみたいなものを感じます。

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 前菜とアスパラ中心のプリモは、もちろん白ワインと良く合います。シェフのお勧めで SOAVE CLASSICO を頂きました。甘さというかフルーティさが抑えられたしっかりした白ワインでした。

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 そして!! 焼き上がりました。こんがり焼けた塩竈から掘り出された仔羊の肉塊!格好良いですね。そしてお肉は実はレタスの葉っぱで包まれていたようです。色々手が込んでますね。

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 肉塊は一度厨房に下げられて切り分けてもらいます。その間、味付けの薬味がやってきました。上の3つ並んでいるのはいつものラインナップですが、真ん中手前に追加されたガラスの器に入っているのは、シェフが思いつきで作ってみたというトリュフ塩だそうです。なにそれ、絶対おいしいに決まってるやつ!

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 はい、先ほどの肉塊がこんなに綺麗に切り分けられてきました。イヤー、綺麗な赤味ですね。一つ一つ骨付きになっています。そして付け合わせの野菜として、小さな新玉葱と新じゃがもあります。これらも塩釜の中で一緒に焼かれたものです。

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 もっともっと寄ってみましょう。開放からやや絞ってF3.2で撮影していますが(意図したものではなくたまたまそうなってしまっただけです)、近接撮影のわりに深度はそれなりにあって、ボケすぎずほどよい感じ。こういう赤身肉のテクスチャは、意外にAFがあわなくて適当に撮ると変なところにピントが来たりしがちですが、GR IIIは指定したポイントで思った通りの位置に合わせてくれました。

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 一人前は2本なのでこんな感じ。大きめのブロックと小さめのブロックを1本ずつもらいました。そして贅沢にも全部トリュフ塩で頂いてしまいました。ジャガイモも玉葱も含めて(^^;

 さらに、もちろんお肉に合わせて赤ワインも頂いたんですが、写真撮るの忘れてしまいました。

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 最後は恒例の〆のドルチェ盛り合わせを頂きました。翌日は朝から予定があったのでグラッパは自粛。そして最近は睡眠化以前のためにカフェインも止めているので、エスプレッソもなし。ドルチェを頂くにはちょっと物足りないんですけど、そこまでフルコースでやるのはまた別の機会にしましょう。

 ということで、3月のニクの日を祝うビリエットのスペシャル肉料理の宴は以上です。いつもながらとても美味しかったです。来月はいよいよ平成最後のニクの日です! 多分またビリエットにやってくると思います!

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 最後にGR IIIをテーブルフォトで使ってみた感想をまとめておきます。

 一言でまとめると「思ったよりもずっと使える!」です。上の方でも書きましたが、28mm相当の画角は予想に反して非常に使いやすいです。もちろん、わりと大きなお皿にたっぷり盛り付けられている料理だったからで、寿司を一貫だけ撮るみたいな場合は、やはりもう少し長いレンズが欲しくなるかも知れません。

 薄暗いシーンのAFもほぼ問題は無くて、そんなにイライラすることなくピントは合いました。ただし、オートエリアはただ単に合わせやすいところに合わせているだけみたいな挙動をするので、ピント位置がシビアな近接時はタッチ操作でAFポイントを指定するのは必須だと思います。

 何しろ料理は被写体ブレも心配ないので、手ぶれ補正に頼れば高感度もそれほど要りません。ホワイトバランスはJPEGではちょっと心配ですが、RAWで撮っておけば、かなり現像での自由度は高そうです。以前使っていたLUMIX GX7 Mark IIやLX100M2よりは、RAWデータ自体の現像耐性は強いと感じます。

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 ということで、出先のレストランや飲み屋さんで食べたものを記録していくのにもGR IIIは適していると思います。今後もどんどん使って行こうと思います。