酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

色とりどりの襤褸をまとった美しい舟がゆく世界観に引き込まれる「11 (Eleven)」など最近読んだ本3冊

 ここ最近(と言っても4月以降に)読んだ本の感想文です。今回も結局時代小説ではなく、ネット上の話題になった記事に関連して紹介されていた本の中から、雑食気味に興味を持ったものを余り深く考えず買って読んでみました。

 今まで読んだことのない分野の本を読むのは、とても新鮮で気分の良いものですが、今回紹介する3冊のうちの最初の2冊は特に、今まであまり使ったことない脳と心の一部を強く刺激されたような、強烈な印象が残りました。まるではじめて時代小説に触れたときのように、小説を読む面白さを再発見した気がします。

 ただしどちらも、決して美しくて感動的な物語ではありません。むしろその逆で、心がザワザワとして不快なものに触れているのに、気になってやめられない... と言った感じです。こういうのは中毒を起こしそうでちょっと怖い気がします(A^^:

理屈ではなく肌で感じるSF&ホラー小説短編集:11 (Eleven)/津原泰水

11 eleven (河出文庫)

11 eleven (河出文庫)

百年に一度生まれ、未来を予言するといわれる生き物「くだん」。鬼の面をした怪物が「異形の家族」に見せた世界の真実とは(「五色の舟」)―各メディアでジャンルを超えた絶賛を受け、各種ランキングを席巻した至極の作品集がついに文庫化!津原泰水最高傑作短篇との呼び声が高い「五色の舟」を始め、垂涎の11篇を収録。文庫版オリジナル、著者による自作解題も併録。

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もうすぐ退役するサーブ340Bに乗って北海道の大地を空から眺めるホッピング旅

 前回の続きです。北海道旅行シリーズはこれで最後です。

 さて、今回の旅には100名城スタンプ厚岸の牡蠣以外に、実はもう一つの目的がありました。それはこれまで何度も話題にしてきた「マイル修行」です。せっかく北海道まで飛行機に乗って出かけるのなら、やはり今回もわざと遠回りをして、搭乗回数を稼いでやろう!と当然思いつくわけです。

 そこで問題となるのはフライトルートです。今回の最終目的地は釧路なので、そんなに選択肢はありません。ですが、北海道にはJALグループ傘下の地域航空会社として北海道エアシステム(通称HAC)があり、釧路にも飛んでいます。ということで、HACを利用し北海道内の空を少し周遊してみることにしました。

 HACが現在運航している飛行機はサーブ340B-WTが3機のみ。3機ともすでに導入から20年以上が経ち、間もなく退役する予定だとか。

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 うん、だったらなおさらこの機会にサーブ340Bに乗っておかなくてはなりません! これが最後になるかも知れないですから。

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道東の海鮮グルメを楽しむ! 厚岸エーウロコの生牡蠣と釧路和商市場の勝手丼は最高だった

 前回からの続きです。今回の旅の一番の目的は、日本100名城スタンプ最難関と言われる「根室半島チャシ跡群」に行ってスタンプを押してくることですが、それとは別にもう一つ楽しみにしていたことがあります。

 と言うのは、釧路から根室に向かう国道44号線沿いにある厚岸に寄り道して、美味しい生牡蠣を食べること。「厚岸の牡蠣」と言えばブランドものですから、生牡蠣好きとしてはとても憧れていました。今回の旅ではせっかく厚岸を通りかかるのだから立ち寄らないわけにはいきません。

 そして宿泊先の釧路にも美味しい海産物はいっぱいあって、特に釧路駅からほど近い和商市場では、ご飯のどんぶりに好きな海産物を載せて自分オリジナルの海鮮丼を作る、いわゆる「勝手丼」というシステムがあります。これも是非試してみたいと思っていました。

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 ということで、メインは厚岸の牡蠣と釧路の勝手丼ですが、それ以外も含めて今回の釧路-根室の旅で周辺で食べてきた超美味しい食べ物をまとめておきたいと思います。

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日本100名城巡り最大の難関!「根室半島チャシ跡群」へスタンプを押しに行く

 100名城スタンプを集めるという趣味をはじめて今年で4年目に入っています。これまでに集めたスタンプは先月訪れた伊予松山城で38個目となり、予想していたよりもかなり良いペースで進捗しているのですが、やはり後半にかけては、なかなか行きづらい城跡が残りがちで、だんだんとペースは落ちてくるはずです。

 そんな100名城の中でも特にハードルが高いとされているのが、最北端かつ最東端に位置する名城跡である「根室半島チャシ跡群」です。100名城リストは北から順に番号が振られているので、この「根室半島チャシ跡群」はリストのトップにあって、堂々たる「No.1」という番号が振られています。

 根室と言えば北海道のほとんど東端にあり、東京はじめ大抵の場所から行くには、遠くて時間もお金もかかりますが、とは言え場所は道東です。根室半島の先端には納沙布岬。その他周辺の見どころには事欠きません。どんなルートでどんな日程を組んだとしても、根室への道程は単純に旅として楽しめるはず。

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 そんなことを考えつつ、今年からはじめたマイル修行も兼ねて、週末一泊で根室までスタンプを押しに行ってくることにしました。

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15年以上にわたって通いつめた焼肉屋さん 新小岩「慶州苑」が閉店し途方に暮れる

 毎月やってくる29日=肉の日に小岩のトラットリア「ビリエット」に通うようになってから2年ほど経っています。イタリアンをベースに毎月いろいろな種類のお肉をいろいろな調理法で、プロが完璧に仕上げてくれる肉料理はとても美味しくてやめられません。

 しかし私にとって「肉の日」の原点を追い求めると、それは「焼肉」なのです。生肉に下味を付けただけで料理としては未完成な状態で出くる焼肉は、最後に自力でやる仕上げも「直火で焼く」だけ。というシンプルさなのに、とてもとても奥が深い食べ物です。そして美味しくて美味しくて、やっぱりやめられません。

 幸い日本全国津々浦々、焼肉屋さんはたくさんあるので、その気になればどこに行っても食べられるのですが、しかし「焼肉好き」と自称するからには、そんな自分の"標準原器"とも言える行きつけの焼肉屋さんが必要です。私にとってはここ15年来、新小岩の「慶州苑」というお店がその役割を果たしていました。

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 ところが4月のある日、久々に「慶州苑」を訪ねてみると、なんと閉店していました。

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ワイドコンバージョンレンズ GW-4 で RICOH GR III を超広角化する

 これまで自分は望遠好きだと思っていたのですが、最近は超広角レンズがとても気になっています。と言っても、Kマウントでは魚眼ズームDA10-17mmをかなり昔から持っていたし、K-1に合わせて最初に買ったフルサイズ対応レンズはDFA15-30mm でした。なので、それなりに超広角の世界も知っているつもりではあるのですが、それまでは「必要なときに持ち出すオプションレンズ」という位置づけだったのが、最近は「これってもしかして常用できるんじゃね?」と思い始めたところです。

 そこでGR IIIです。言わずと知れた、28mm相当の固定焦点レンズが搭載された硬派なカメラ。望遠でも超広角でもない28mmというのは、スマホとほぼ同じで万能であると同時にとても難しいレンズです。好きな焦点距離のGR作ってあげるよ!と仮に言われたとしたら、多分私は28mmを選ばないでしょう。いや、だからと言って28mmレンズじゃなければ良いのにとか、それが欠点だと言ってるわけではありません。28mmであることがGRをGRたらしめていることはよく分かった上で手にしています。

 でもでも... フィルム時代のGR21みたいな超広角単焦点も面白そう... と気になりだしてしまい、ワイドコンバージョンレンズを使ってみることにしました。デジタル化後のGRシリーズには常にワイドコンバージョンレンズが用意されていました。GR III用にももちろん用意されています。

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 この手のフロントコンバージョンレンズを使ってみるのは初めてです。コンパクトさは失われてしまいますが、それでも「GRで超広角」という独自の世界が手に入ります。さて、どんな感じに写るのでしょうか?

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まもなくホノルルへ就航! ANAが導入した巨人機エアバスA380 "FLYING HONU" 初号機を撮りに行く

 今月末の5月24日にANAの成田−ホノルル線に世界最大の旅客機エアバスA380−800(以下A380)が就航します。A380が初飛行したのは今から10年以上前のことですが、ANAだけでなく日本のエアラインがA380を導入するのはこれが初めてとなります。その経緯は色々ありましたし先行きも不安があるのですが(末尾にその辺は書きます)、純粋に飛行機ファンとしてはANAロゴの入ったA380は是非とも一度この目で見て、カメラに収めておきたいところです(もちろんいずれは是非搭乗もしてみたいです ^^;)。

 ANA向けA380はホノルル便専用ということもあって、通常のANA塗装ではなく、特別にウミガメをあしらった塗装がされ、愛称として「FLYING HONU」=「空飛ぶウミガメ」と名付けられました。"FLYING HONU"は全3機となる予定で、1号機はブルー、2号機はグリーン、3号機はオレンジでペイントされることが決まっています。

 そんな FLYING HONU 初号機となる登録番号 JA381A がロールアウトし初飛行したのは昨年のこと。いろいろなテストを経て今年3月21日にANAに引き渡され、フランスのツールーズから成田までフェリーされてきました。その日は成田空港周辺の撮影スポットは大変なにぎわいだったそうです、私はそこには参加せず、いずれ定期便として就航したら撮りに行こうと思っていました。

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 が、成田にやってきてからのFLYING HONU初号機は、パイロットはじめ乗務員達の訓練およびテスト目的で、ほぼ毎日慣熟飛行を行っている様子です。しかもその飛行区間は片道わずか1時間程度の成田−関空間を毎日1~2往復しているのです。となると、就航前にその姿を撮ることができるはず!ということで、天気の良さそうな連休中のある日、成田空港までカメラを担いで出かけてきました。

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