松戸のあじさい寺「本土寺」で開花し始めの紫陽花を撮る

投稿者: | 2018年6月8日

 今週に入って関東地方もようやく梅雨入りしました。春も初夏も早めにやってきたわりに、梅雨前線は平年よりも少し早かっただけのようです。しかし紫陽花はそんな梅雨本番の訪れを待たずに、5月末からあちこちで開花が進んでいるという情報を聞きつけ、まだ梅雨入り直前で真夏のように晴れ上がった先週日曜日に今年最初の紫陽花見物&撮影に出かけてきました。

 紫陽花はその辺の街角にも一杯咲いていて、毎年それだけでも十分に愉しむことが出来るのですが、今回は紫陽花の名所と言われるところにも行ってみようと言うことで、東京のすぐ東隣、千葉県は松戸市にある「あじさい寺」こと「本土寺」に行ってきました。東京近郊の「あじさい寺」と言えば鎌倉の明月院を筆頭に、西には高幡不動尊などもありますが、この松戸の本土寺も約1万株の紫陽花があるとのことで、最盛期は素晴らしい景色が見られるそうです。

 首都高速湾岸線から、先の土曜日に開通したばかりの東京外環道を経由して松戸まではひとっ走りです。本土寺周辺は駐車場も少なくて混雑するので、少し離れたコインパーキングに停めて炎天下を少し散歩してきました。

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 しかし結果から言うと、先週末時点ではまだまだ咲き始めたばかりで、「あじさい寺」という風情にはほど遠い感じでした。ちょうど今週になって梅雨に入ったことですし、シトシト降る雨の中、これから1〜2週間こそが見頃なのではないかと思います。

東のあじさい寺「本土寺」

 まずは本土寺の場所を確認しておきましょう。住所で言えば千葉県松戸市にあり、最寄り駅で言えばJR常磐線の北小金井駅から徒歩10分ほどにあります。東京を起点に南のあじさい寺が鎌倉は明月院だとすれば、こちらは東のあじさい寺とも呼ばれています。さて、どんなところなのでしょうか?


 本土寺は700年以上前に建立された由緒のある日蓮宗の寺院です。境内には本堂を始め17世紀ごろに建てられた古い建築物が幾つも残っており、純粋に寺社仏閣としても魅力があるのですが、それに加えて広い境内には一万株以上の紫陽花が咲き、さらには菖蒲田もあったりして、この時期の写真スポットとしてもなかなか人気があります。さらに秋には素晴らしい紅葉も見られるそうです。

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 入り口の参道に立つ仁王門。あまり大きな建物ではありませんが、これは17世紀に建てられた現存建築物です。全体的になかなか雰囲気があってとても良い感じです。紫陽花はこの仁王門をくぐった先から一杯咲いてるそうです!

 早速行ってみましょう!

まだ3分咲きだった…

 
 冒頭に書いた通り「あじさい寺」の風情を味わうにはちょっと気が早すぎたようで、先週末の時点で本土寺境内の紫陽花はまだ3分咲きくらいでした。今週末ならもうそこそこ開花は進んでいるかもしれませんが、一番の見頃はもうちょっと先になるのかも? でも早咲きの紫陽花もそこそこあったので、思っていたような鈴なりの紫陽花の風景は撮れませんでしたが、それなりに楽しめました。

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 階段の上に立つ正面の建物が本堂。これも17世紀の建築物です。まずはお参りを先に済ませておきましょう。

 それにしても階段両脇の紫陽花はこうして引いて撮るとちょっと寂しいですね。

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 いやいや、近寄って切り取ってしまえば結構良い感じです。せっかく参拝してる人の背中を入れたりしたのですが、絞る勇気が無くて何が何だか分からなくなってしまいました。

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 もう一つの見所はこの五重塔なのですが、ここも紫陽花はまだ色づいていません。最盛期にはなかなか良い光景が見られそう&撮れそうです。

 ちなみにこの五重塔はそんなに古くなくて、平成3年に建てられたものだそうです。再建なのかもしれません。

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 さて、本土寺はもっと奥の方まであるそうなので、順路に沿って進んでいきましょう。この参道沿いもずっと奥まで全て紫陽花です。やっぱりまだ三分咲き!

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 弁天池を右手身見て、一番奥の方にある妙朗堂までやってきました。ここもずっと参道脇が紫陽花で埋め尽くされています。ここも満開になったら綺麗だろうなぁ〜という感じ。ちなみにこのお堂は大正時代のものです。

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 白い紫陽花はけっこう咲いていましたが、撮るのが難しいですね。特にコントラストがある場面は露出をどうしたものやら。

 日本全国大抵のお寺あるいは神社はそうですが、神仏習合の名残でお寺の中にも鳥居があります。神様は… どこにいたんだっけ? スミマセン、お参りしてきませんでした。

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 こちらも白い紫陽花。背後にうっすらボケているのは瑞鳳門という小さな門です。19世紀初期の建築だそうです。

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 何とか「あじさい寺」らしい写真を撮ろうと、背後に建物が写るアングルを探して歩き回っていました。せっかく見つけてもボカしまくって何がなんだか分からなくしてしまいがち。この写真の背後にある屋根は瑞鳳門です。それよりも葉っぱの前ボケが気に入ってシャッターを切ったわけですが(^^;

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 石塔なんかもありました。それにしてもやっぱり紫陽花はまだ咲き始めのかなり若い花が多いです。そのせいか、こうして燦々と降り注ぐ明るい太陽の光も、それなりに似合うような気がします。紫陽花は満開になると、どんよりした青白い光の中でアンダー目に撮りたくなりますから。雨が降って水滴が付いていたらなお最高です。

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 そして本当に境内の一番奥、少し山を越えて低く落ち込んだ窪地には菖蒲田がありました。花菖蒲の名所としてもそれなりに有名なようです。

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 うん、でもやっぱり小岩菖蒲園のほうが私は好きです。

「あじさい寺」は諦めて紫陽花だけを撮る

 
 さて、ここまではせっかく本土寺まできたのだから、一生懸命お寺の建物と絡めて「あじさい寺」らしく撮ろうと努めてきましたが、肝心の紫陽花がまだしっかり咲いていなかったので、イマイチな出来でした。ここからはそういうのは諦めて、いつも通り紫陽花だけにフォーカスしてみます。「縛り」を外すと一気に楽になってシャッターを切る回数が増えていきます。

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 いつものこんな感じでどうでしょうか? 日陰でバックが暗くて形の良い青い紫陽花をうまく見つけることが出来ました。背後の玉ボケした青い紫陽花も良いですよね。

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 ぎゃきに日なたで燦々と太陽を浴びる青い紫陽花なんかも瑞々しくて綺麗ですよね。青い紫陽花はわりと早咲きだったりするのか、この色の株はそこそこ咲いてる花が多かったです。

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 なのでもちろん前ボケもやり放題。自動的に後ボケもついてきます。これもやっぱり青いですね。

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 全体的に額紫陽花は少なかったように感じました。単に遅咲きなのかもしれません。これもまだかなり花が小さくてかわいいです。

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 これもまだ小さい!

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 そう言えば今回多用したDFA100mmはマクロレンズなんだからもっと寄ってみようとか思いついて撮ってみたのですが、このくらいはまだまだ寄り切れていないです。等倍までいけるはずなのに… でも手持ち高倍率マクロはちょっと難しいですね。

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 その一方で久々に超広角ズームDFA15-30mmも持ち出してみたので使ってみました。あまり花を撮るレンズというイメージではないですが、やはりこの強烈なパースペクティブは、近距離のものを撮るとより強調されて面白いですね。やっぱりK-1/K-1 Mark IIと組み合わせて一番楽しめるのはこのレンズではないかと思います。

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 ということで、少し気の早い紫陽花巡りは以上です。シーズンはじめとしてはまぁこんなものかと思います。

 梅雨入りしたことですし、もう一度見頃を迎えた頃に行ってみたいような気もしますが… まぁ様子は分かったので本土寺はまた来年と言うことにして、こん後のハイシーズン中は近所を巡ろうかとも思います。

使ったカメラとレンズ

 カメラは今回もPENTAX K-1 MarkIIですが、レンズは大三元の3本にDFAマクロ100mmF2.8を持って行きました。このセットがあればもうほとんどのことには対応できると思います。あまり面白みや味わいはないかもしれませんが。


 それにしても今回の撮影データを見て貰うと分かるとおり、半分は100mmマクロを使っています。そもそも昨年の今ごろ、紫陽花を撮りたくて買ったレンズですから当たり前なのかもしれません。相性は本当にバッチリです。しかも基本設計が古いとは思えないくらいしっかり写るレンズで、ボケもとても綺麗です。Kマウントでは神レンズと言っても差し支えない一本だと思います。

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 100mmマクロを並べるのを忘れましたが、ちゃんとバッグの中に入ってます。Peak DesignのEverday backpack 20Lには、このセットがきっちり入りますし、背負って歩き回っていても不思議なくらい苦になりませんでした。うん、これは良いバッグです。