梅雨入り直前つかの間の快晴の下「小岩菖蒲園」で満開になった花菖蒲を撮りに行く

投稿者: | 2018年6月5日

 東京では連日暑い日が続いています。これまでは湿度が低く乾いた空気で気温が高いなりにそれでも過ごしやすかったのが、5月下旬からは次第に湿気を感じるようになり蒸し暑くなってきました。季節の進み方が早い今年の春ですが、梅雨入りまではあと一息というところです。こういう気候になってくると、真っ先に気になるのは紫陽花の開花ですが、その前に見頃を迎える花があるのを思い出しました。それが花菖蒲です。

 菖蒲と言えば水を張って年中通してしっかり管理された菖蒲田で咲くものなので、桜や紫陽花のように街角のあちらこちらでふと見かけると言うことはあまりありません。我が家周辺の公園にもいくつか菖蒲田はあるのですが、中でも一番のお気に入りは江戸川河川敷に作られた江戸川区営の小岩菖蒲園です。

 昨年は色々とタイミングを逃し訪れていなかったので約2年ぶりと言うことになります。先の週末は特に朝からスッキリ快晴の青空が広がり、河川敷はさぞかし気持ちよかろうと言うことで、麦わら帽子を引っ張り出し、日焼け止めを塗って、熱中症対策をした上でカメラを持って散歩がてらでかけてみました。

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 果たして、花菖蒲はほぼ満開状態で最高の見頃を迎えていました!

知る人ぞ知る小岩菖蒲園

 まずは小岩菖蒲園について少し紹介しておきます。ここは知る人ぞ知る… というか地元の人にだけは有名な都会のオアシスです。
 花菖蒲が見頃を迎える6月初旬には「菖蒲まつり」が行われています。と言っても、いくつか屋台が出てるだけで特に何か催しがあるわけでもないし、出入りは自由。というか、ゲートもなく四方は完全にオープン。もちろん料金も必要ありません。


 場所は東京都と千葉県の県境、江戸川にかかる市川橋と京成線の鉄橋のすぐそばの河川敷です。周辺は草野球場が広がっていて、週末は多くの人が訪れて賑やかな場所でもあります。そんな一角にかなり本格的で大きな菖蒲田があります。

 ここの特徴は田んぼの中に咲く菖蒲の花とその間を通るあぜ道の距離がとにかく近いこと。しゃがめば目の高さに花が咲いてますし、手を伸ばせば触れることも出来るくらいです(花の保護のために触ってはいけません)。

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 手入れも非常に行き届いていて、多くの種類の見事な花菖蒲が高い密度で咲き誇っています。周辺はだだっ広い河川敷ですので風情のある場所ではないのですが、菖蒲田自体を見ればここよりも立派なものは見たことがありません。

寄るも引くも自由自在に楽しめる花菖蒲撮影!

 
 遮るものがほとんど無い炎天下ですが、多くの人が見物に訪れています。この時期三脚や一脚は禁止されていますが、そんなに混んでいるわけでもなく、押し合いへし合いしながらベストポイントへにじり寄る必要はありません。距離がとにかく近いので写真撮影は自由自在。ただし、撮影に夢中になりすぎて水に落ちないように注意!

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 さっそくやってしまうのは前ボケですね。だんだん前ボケポイントを見分けるコツが分かってきました。もちろんレンズにもよるのですが、やはり望遠系が有利です。

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 でもここは一面の菖蒲棚で背景にどこまでも菖蒲の花が広がってる様が見事ですから、素直に後ボケを撮った方がそれっぽいような気もします。

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 なんだったら全部入りで!

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 でもでも、せっかくこれだけ広い菖蒲田ですから、特定の花をアップにするより一面のお花畑感を撮った方が良いかも! でもこういう場合は絞りに悩みますね。ビシッとパンフォーカスに擦る勇気がなくて、やはりふんわりぼかそうとしてしまいます。

 そしてこの2枚目の写真のように、背後に走る京成線の鉄橋も何とか絡めたいですよね。これぞ都会の菖蒲田の姿ですから。しかも滅多にやらないハイキー調にしてみました。

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 いっそのこと電車にピント合わせてしまえ… とか。決してピントが後ろに抜けた失敗作ではありません。

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 ちなみに、この小岩菖蒲園には全国各地の様々な品種が植えられています。

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 こうしてそれぞれの品種の名前と産地が書かれたプレートが立っていたり。

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 さらにこうして株分けした時期によって田んぼが区切られています。一年目から四年目まで一年ごとに分けられていました。もしかして気付かなかっただけで五年目以降もあったのかもしれません。

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 作業服を着た人達が田んぼの中に入って萎れた花を摘んでいました。見栄えのためでもあり、花のためでもあるのかも。既に萎れた花もある一方で次々に蕾も出ていたので、まだしばらくはこの風景を楽しめるのではないかと思います。

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 とにかく、アングルが自由自在なので、こうして地面スレスレ、水面スレスレにカメラを構えてローアングルにしてみたり。個人的にコスモスを撮るときにやりたくなるヤツです。ただ、ちょっと今回はこれをやるにはレンズの選択を間違えたかも。

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 わりと背が高い株が多いので、水平に構えても美味くすると背後に青空が入ります。なんか梅雨時期と言うよりは真夏な感じ。一般的に花菖蒲ってこうじゃないよな、と思いますが、それがまた面白いです。

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 そして前ボケ以上に気に入って色々やっていたのが、水面に反射した太陽です。キラキラしてファインダーを覗いていても眩しいのですが、光がたっぷりあるので意外にしっかりコントラストが出てちゃんと写ります。

 一枚目の白い花菖蒲なんて、これはもしかしたら月夜に撮ったって言い張れるんじゃないかと思えてきました。それらしく現像すれば何とかなりそうです。

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 ということで、花菖蒲は以上です。もう満足しましたが、次の週末に雨が降ったらまた行ってみたいな〜なんて思ってはいます。さて、どうなりますかね。

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 周辺は野球のグラウンドの他にも、こんな何でもない草地や大きな木もあって、木陰にはたくさんの人がレジャーシートを敷いてちょっとしたピクニックを楽しんでいました。そんなこともふくめて自由な雰囲気でとても良いところです。わざわざ遠くから時間をかけて訪れる価値があるかどうかは微妙なところですが、とりあえず私的にはこの時期のお勧め散歩ポイントです。

 京成線江戸川駅からもすぐですし、京成小岩駅からはバスも出ています。またそれなりに広い駐車場もあるので、車で来ても何とかなると思います。

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 ちなみに菖蒲を撮る合間にクールダウンのために木陰でボケーッとして休んでいたら、空を何やら大型の四発機が旋回していました。望遠は200mmまでしか持っていませんでしたが、とりあえず撮ってみたら… 海上自衛隊のP-3Cでした。この辺は訓練空域なんでしたっけ?

使用したカメラとレンズ

 さて、今回使用したカメラとレンズは以下の写真の通りです。

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 ボディはPENTAX K-1 Mark IIで、レンズはD FA24-70mm F2.8、D FA★70-200mm F2.8の定番ズームに加え、久々にFA77mmF1.8Limitedの3本を持って行きましたが、結局望遠の2本しか使いませんでした。いや、FA77mmは良いですね。ファインダ像を見てるだけでうっとりしますし、使っていて楽しいです。太陽の反射を画面に写し込んでも、まるで現代のレンズのようにビシッとコントラストが出ますし、古さを感じさせません… と言いたいところですが、トップの写真は軸上色収差でまくりです。この辺は味と思って楽しむしかありません。

 それに比べるとDFA★70-200mmは圧倒的に安定していて個性がないと感じるくらいです。いや、これは現在のKマウントでは唯一「DFAスター」を名乗るだけあって、本当に素晴らしいレンズだと思います。

PENTAX 一眼レフ K-1 Mark II ボディ  15996

PENTAX 一眼レフ K-1 Mark II ボディ 15996

 あと、写真にわざわざカメラバッグを写し込みましたが、これはついこの前手に入れたばかりのPeak Design Everyday Backpack の20L版です。色はジェットブラックです。今回の機材は余裕で入りますし、重たい機材ながらも型崩れやよじれたりせず、取り回しは非常に良いです。バックを地面におろすことなく機材の出し入れが出来るし、細かいところに気が利いていて、噂通り本当に素晴らしいカメラバッグです。もっと早く買っておけば良かった!

 なお、このバッグはカメラ専用ではなく通勤にも使っています。普段使いのバッグとしてもとても軽量で使い心地は最高です。