先日ふとしたことから昔撮ったフィルムの山を発掘してしまいました。これはずっと以前に間違って捨ててしまったと思い込んでいたものです。私の写真趣味は高校生の頃からなのですが、ネガフィルムで撮った学校関係や旅行の写真は残っているのですが、純粋に趣味で撮ったポジフィルム、それもスリーブではなくマウントしたものだけが行方不明になっていたのです。それが段ボール箱にきちんと入れて、押し入れの奥に眠っていました。その数60本ほど。いったい何をそんなに撮ったんだっけ?
ということで、久しぶりにライトボックスとルーペを引っ張り出して、何が写っているのか見てみることにしました。さすがポジフィルムは20年以上経った今でも、それほど傷まずにきちんと映像が残っています。
ほとんどはいったい何を考えて撮ったのかよく分からないものや、とても人には見せられないものが多いのですが、恥ずかしながら、20年前のことだから… と言い訳できる程度のカットを何枚か貼ってしまいます。と言っても、懐かしい!という意外にはコレといってコメントは出てこないですし、しかもこれは私個人にしか分からないものなのですが。
ちなみに、各フィルムにはケースごとに、日付と撮影機材と使用したフィルムの銘柄がメモしてありましたが、明らかに中身がごちゃ混ぜになっていたりして、正確なのかどうか分かりません。また、当然ながら各1枚ごとの詳細な露出データはさすがにありません。なので以下のキャプションはおおよそ推測です。
1987年11月, Nikon F-501, AiAF Nikkor 70-210mmF4, Fujichrome100
東京タワーと富士山の夕焼けの景色です。今ではもうこのポイントに行っても、ビル群に遮られて富士山も東京タワーもほんの一部しか見えません。東京の街の様子もずいぶん変わったものです。条件の良い日にはもっと綺麗にくっきり富士山が見えたと思います。
ちなみにこの当時使っていたカメラはニコンF-501。これは高校入学祝いとして買ってもらった当時のニコンの最新鋭機です。と言っても、いろいろと鈍くさいカメラでしたが、ニコンらしさもあって気に入って使っていました。残念ながらこのカメラは知人にあげてしまって、もう手元にはありません。
撮影年月不明(多分1988年頃) Nikon F-501, AiAF Nikkor 70-210mmF4, Kodachrome200
当時から飛行機が好きで羽田空港に時々出かけて行っていたようです。沖合移転する前の古い羽田空港で、この写真はB滑走路の西側エンドです。今と比べると展望デッキからも滑走路はずいぶん間近に見えたものです。写っている機体はJALのB747SR-46。旧々塗装ですね。
1988年7月 Nikomat FTn, Auto Micro Nikkor 55mmF3.5, Kodachrome64
どこかに生えていた草の葉っぱについた水滴。この頃は古いマクロレンズを手に入れて、やたらにマクロ撮影して遊んでいました。カメラ本体はこの時代すでにクラシックな部類のNikomat FTn。父親が持っていたカメラをかり出しました。このカメラはなぜか今でも手元に残っています。もちろん動きます。
1992年9月 Nikon F-801s, AiAF Nikkor 180mm F2.8 IF-ED, Ektachrome100 PLUS
近所のビル建設現場のクレーン。こうしてみてみると、やたらに夕方の写真ばかり撮っていたりします。確かに、夕焼けの風景はポジじゃないとちゃんと色もコントラストも出なかったですから。ちなみにフィルムはKodakが好きでよく使っていたのですが、Ektachromeはあまりにも渋い発色で使いづらかったのに、PLUSバージョンになってからはFujichrome並に鮮やかな発色するようになって驚いた記憶があります。
この頃になると、カメラはF-801sに変わっています。これ、すごく良いカメラでした。フィルムのニコンAF機では一番出来が良かったのではないかと思います。F一桁を除いて。レンズも伝統の180mmF2.8ですね。このレンズ、Dタイプになって今でもラインアップに残っています。ちなみに、残念ながらカメラもレンズどちらも手元にありません。
1991年12月 Nikon F-801s, AiAF Nikkor 50mm F1.4, Fujichrome100 Pro
これぞ意味不明というか、全くの失敗作なのですが、何が撮りたかったのかは明白。東京に珍しいくらいの大雪が降っている日、空から振ってくる雪玉を撮りたかったのだと思います。普通にシャッター切ってもグレー一面の写真しか写らないので、思い立ってフラッシュ焚いたのでしょう。近くの雪玉はぼけた上にフラッシュで白く輝いています。アイディアは面白いのですが、なんか残念な結果になってしまった写真です。今になって見ると面白いですけど。
1992年8月 Nikon F-801s, AiAF Nikkor 180mm F2.8 IF-ED, Ektachrome100 PLUS
恐らく東京湾花火大会の写真と思われます。昨年の写真と比べるとよく分かるのですが、やはりこの時代はまだビルがかなり少なくて見通しがかなり良かったようです。晴海トリトンスクエアなど影も形もありません。また、写真を撮ってないだけかも知れませんが、打ち上げていた花火も 現在よりは小さかったのではないかと思われます。
花火の写真はフィルム2本、約70枚ほど撮ってありますが、意外にどのカットも良く写っています。デジタルになってから闇雲にシャッター切るようになりましたが、この頃は1枚1枚大切にシャッター切ってんでしょうね。しかもどう写ったかは仕上がるまで分からないわけですし。良くフィルムで花火なんぞ撮ったもんだと我ながら感心してしまいます(A^^;
最後に自慢話なのですが、実は高校時代にはCAPAという写真&カメラ情報誌のフォトコンテストで入選したことが3回ほどあります。そのうちの1枚が一番上に貼った夕焼けの富士山の写真。こんな変な色の不鮮明な写真が何で?って思いますが、当時の自信作だったのを覚えています。その雑誌はしっかりと保存してあるのですが、表紙にも時代を感じますね。中を読んだらもっと感じますけど。何しろ20年以上前のことですから…。
すばらしいですね、宝もの級の発見ですね。
BPさん、コメントありがとうございます。
はい、捨てていなくて良かったです。どうでも良い写真も20年も経てば特別な意味がでてきますね。これからも大切に取っておこうと思います。
私の苦手としていたKLも、こうしてみるとデジタルよりは数段良い色だしてますね。
…仁藤優子懐かしい(^^;
黄金な人さん、
私はKL結構好きで使っていました。KRとも違う独特の発色でしたし、粒状性も目立ちましたよね。ここに貼った写真のようなシーンにはピッタリでした。
コダクロームはもう本国でも絶滅したんでしたっけ。思えば贅沢なフィルムでしたね。
ピンバック: FA50mmF1.4 – 酔人日月抄