極上しゃぶしゃぶ

 今年に入ってから3回目のしゃぶしゃぶです。ということは今月だけで3回目。こんなに集中的にしゃぶしゃぶばかり食べたのは人生初です。今年の食のテーマにしようかと思うくらい。
 さて、今回のお店は地元亀戸にある「すみや」という焼肉兼しゃぶしゃぶの専門店。食肉の問屋さんが経営しているとあって、肉質には期待が持てます。当初は焼き肉にしようかと思っていたのですが、急遽現場についてメニューを眺めながら協議した結果、今回もしゃぶしゃぶにすることに。

《極上銘柄和牛のしゃぶしゃぶ肉!白い!真っ白だ!》


《こちらは普通の黒毛和牛もも肉。これだけ見たら美しい霜降り》

 しかし今回は今までとは方針が違います。なるべく安くてそこそこおいしいしゃぶしゃぶを求めるのではなく、最高級品を逝ってみようということに。メニューの中にあるしゃぶしゃぶ食べ放題コースの中で最高位にランクされる「極上銘柄和牛コース」に決定。ちなみにお一人様当たり7,350円という破格のお値段。いわばしゃぶしゃぶの大人買いです。
 出てきたお肉は壮絶な霜降り肉。脂が多いと言うよりは、脂のなかにピンク色の肉が混ざってる感じ。箸でそうっと持ち上げてしゃぶしゃぶし口の中に入れると… じゅわーっと溶けていくのです。噛む必要は全くなし。そう、しゃぶしゃぶは飲み物だ!ということを発見しました。


《お酒は基本ぬる燗を手酌で》
 宴会コースで頼まないと飲み放題はつかないと最初言われたのですが、極上コースを5人前も発注したためか、特別に飲み放題にしてくれるとのこと。素晴らしい!そうでなくては。ビールにはじまり熱燗(というよりぬる燗)からカクテル系へ。しゃぶしゃぶには意外にどんなお酒でも合います。

《〆のきしめんの前にお餅をしゃぶしゃぶ》

 極上肉に飽きたので、途中でもっとランクの低い(^^; お肉も食べてみました。下に行くに従ってだんだん赤身の割合が増えてきたり、脂が霜降りではなく固まりになってたりします。それでも美味いことには変わりませんが、飲み物ではなくなってきます。
 極上肉満腹食べた後は、亀戸の飲み屋街にある立ち飲み屋へ。ここは千円もだせば十分に飲み食いができてしまいます。高級肉もイイですが、こういうジャンクな立ち飲みやも最高!というか、ホッとします。150円のチューハイで泥酔コースまっしぐら。亀戸の夜は更けていきます。

向井帯刀の発心

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向井帯刀の発心 <物書同心居眠り紋蔵> (講談社文庫)

 物書同心居眠り紋蔵シリーズの文庫版の最新刊です。前作「白い息」から2年。非常にゆっくりしたペースですすんでいるこのシリーズも、これで8作目となります。その間実に16年。しかしこの居眠り紋蔵シリーズは、私の最も好きな時代小説のひとつです。
 そんな背景を持つこのシリーズですが、物語の中の時間は前作から2年も経過しているわけではありません。定廻同心に出世したのもつかの間、またすぐに例繰方へ戻された紋蔵のその後の日常の物語。

 佐藤雅美さんの小説らしく、当時の町奉行所に関する正確な時代考証に裏付けされた物語は、前半でややその面が強すぎて、背景説明がくど過ぎる感じさえしますが、後半に向けて初期の紋蔵シリーズらしい、ホッとする暖かさ感じさせる展開に。佐藤雅美さんは実はこういう物語力もあるんだよなぁ、と改めて認識させられました。
 ちなみに今作のテーマは「家」だと思います。もう少し砕けて「家族」と言っても良いのかも。江戸時代は封建社会。その中心は「家」制度でした。紋蔵の藤木家は不浄役人のしがない御家人ではあっても、代々受け継がれた「家」に代わりはありません。子だくさんの紋蔵にも、跡継ぎ問題は重くのしかかります。
 そして事情は八丁堀のご近所さんも同じ。そして大身の旗本も同じ。跡継ぎ問題は"お家騒動"の一番の火種です。大名家で起こればそれは歴史になりますが、家の大小、家格に関わらず、その他無数の下級武士たちにも問題の大きさは同じで、"小さなお家騒動"はあちこちで起こっていたはずです。そんな、武家の世相に揉まれる紋蔵。

「腹は立つだろうが結束を乱してはならぬ。このようなことは日がたつうちに丸くおさまる。悪いがここは我慢をしてくれ。それが紋次郎のためでもある。分かってくれるな」
紋蔵はただ黙って首をたれた。

 スパーマンのヒーローでも何でもない紋蔵。一人のしがない下級役人にして人の親。世間と仕事と家族の板挟みに遭いながらも、「藤木家」の小さな幸福を追い求める彼の姿は、単なる時代劇上の架空の人物ではなく、現代にも通じる人間ドラマを感じます。それがこのシリーズの一番面白いところです。
 なお、残念なことに今作の解説は最低です。最初の2行で読む気をなくしました。
 【お気に入り度:★★★★☆】