2回目の離島ホッピングは奄美群島を飛びまくる12フライトの旅:前半は那覇から鹿児島へ北上する

投稿者: | 2019年4月19日

 JGC入会権利獲得を目指すマイル修行の一環として、先月に続きJALグループ便による離島ホッピングの旅に再び行ってきました。前回は初心者コースとして1泊2日で8フライトというもっとも余裕のあるコースでしたが、今回はひとつグレード(?)を上げて1泊2日で12フライトという中級者コースに参加してみました。

 この離島ホッピングのツアーは私が参加した1泊2日で8フライトと12フライトコース以外にも、1泊2日で14フライト、さらには2泊3日で15フライトという計4コースあります。1日当たりのフライト密度で言うと、14フライトコースが一番濃いわけですが、今回私が行ってきた12フライトコースも1日で6フライトとなかなか忙しい行程が組まれています(詳細は末尾にリンクを張りました)。

 前回の8フライトコースでは乗り継ぎにも余裕があったはずなのに、あいにく3月にしては天候が悪くて、搭乗予定だった便に遅延や欠航などが多発し、乗り継ぎがスレスレの綱渡りの連発になりましたが、さらに密度が濃くなる今回の1日6フライトはどうなってしまうのでしょうか?

R0004487.jpg
 でも、そんな前回の経験があるのでトラブルが発生するかも知れないというは覚悟の上(それも楽しむつもりで)で、懲りずに2回目に行ってきました。そして実際どうなったのか?結果を報告したいと思います。

 わずか1泊2日なれども合計12フライトもあって盛りだくさんなので2回に分けることにしました。まずは初日分の前編です。

3月に行った 2019冬シーズン 8フライトコースのおさらい

 その前に、前回3月初旬に行ってきた1泊2日8フライトコースの結果を振り返っておきましょう。

 初めての離島ホッピングツアーということで、もっとも初心者向けの8フライトコースにしたのですが、冒頭にも書いた通りトラブル続きでハラハラドキドキの展開でした。でもなんとか8フライトを完遂できましたし、途中で徳島、屋久島、那覇で少し観光も出来てとても楽しかったです。

 そして多発したトラブルのおかげで、このホッピングツアーへの参加心がけをしっかりと胸に刻むことが出来ました。その心得とは「欠航したり乗り継ぎ失敗したらその時はその時!なんとかなるさ!という心の余裕と覚悟を持っておくこと!」です(ビックリマーク多め)。

2019年春シーズン 12フライトコースの概要

 ということで、今回行ってきた離島ホッピングの旅12フライトコースの予定と行程を確認しておきましょう。

 離島ホッピングツアー各コースに組み込まれたルートは時期によって変化するのですが、今年も4月から春夏シーズン向けにニューアルされました。3月までの12フライトコースは南西諸島を中心に巡り久米島に泊まるコースが設定されていましたが、4月以降の新ルートは鹿児島と那覇の間、奄美大島、徳之島、沖永良部などなど奄美群島を巡るルートとなっています。

 具体的には以下のとおりです。

f:id:hisway306:20190414214015j:plain
 ますは羽田を出発し、福岡を経由して那覇まで一気に飛びます。そこから沖永良部、徳之島、奄美大島と文字通り「離島ホッピング」をして、鹿児島までの計6フライトが初日の行程。

 2日目は宿泊地である鹿児島を朝出発し、まずは奄美大島へ。そこから奄美大島と喜界島間を一往復し、さらに奄美大島から与論島を経由して那覇へ。最後は那覇から一気に羽田へと帰ってくるという計6フライト。

 つまり那覇と鹿児島の間、奄美群島を2日かけて9フライト乗り継ぎつつ一往復する感じで、羽田との行き帰りを含めて合計12フライトとなります。。

 これをタイムスケジュールで見てみましょう。
f:id:hisway306:20190414214016j:plain
 はい、こうなります。前回問題が多発した乗り継ぎに関してですが、福岡や那覇などの主要空港では1時間以上の余裕がありますが、離島間は軒並み30分ずつしかありません。

 前回の経験で、離島便は乗り継ぎ客を最大限待ってくれるとは言えこれは心配… と、最初は思っていたのですが、実はこのルート組み立ては非常に良く出来ていて、乗り継ぎの失敗はほぼ発生しないようなルート構成になっていました。それはどういうことなのか? は以下、フライト実録で追々説明します。

 さらに前回は途中に3時間程度の空き時間があった上に屋久島宿泊だったので、途中下車して観光することもできましたが、今回の行程表では途中の観光はかなり難しそうです。

 なお、このツアーは指定便の航空券と宿泊がセット販売されてるだけで、いわゆる団体行動をするツアーではありません。実際の行動は全て個人行動となります。

1レグ&2レグ:羽田から福岡経由で那覇へ飛ぶ(JAL303 → JTA053)

 出発日は4月12日金曜日。仕事を休んで平日を1日絡めて行ってきました。そのほうが空いているし、旅行代金も週末より幾分安く済みますから。

 まず最初は離島ホッピングの出発地点である那覇へ向かうのですが、直行便を使わずわざわざ福岡を経由します。マイル数と搭乗回数を稼ぐためには遠回り上等です。羽田から那覇まで直行便は984マイルですが、福岡を経由すると1104マイルになります。

R0004410.jpg
 始発の福岡行きは超朝早くて6:15出発でした。この時間だと羽田で朝ご飯を調達することは出来ません。福岡まで我慢するか… と思ったのですが、先々何があるか分からないので、コンビニで少し食料を買っておいて、出発前に羽田で食べることにしました。

 羽田発の始発便は、飛行機遅れの一番の原因となりがちな「使用機材の到着遅れ」が発生しないので、よほど運が悪くないと10分以上の遅れは発生しません。この日ももちろんオンタイムで出発しました。うん、幸先良いです。

R0004416.jpg
 厚い雲が垂れ込めていますが、もうすぐ福岡空港に着陸という時の機窓の風景です。市街地の北部、海側からアプローチしていきます。

R0004421.jpg
 ちなみに羽田ー福岡JAL303便の機材はボーイング767−300ERでした。そう言えば羽田ー福岡間には今年の9月から最新鋭のエアバスA350が就航する予定です。JALの国内線機材では久しぶりの新型投入となります。是非乗らなくては!

R0004435.jpg
 福岡から今度は那覇へ向かいます。この路線は日本トランスオーシャン航空(JTA)が運航しています。機材は一昨年に導入された2代目の青ジンベエジェットでした。カワええ!

 ということで、結局のところ那覇への到着は20分ほど遅れたのですが、まだ乗り継ぎ時間には余裕があるので大丈夫です。慌てない慌てない。

3レグ:那覇から沖永良部へ離島ホッピング開始(JAC3715)

 さて、この先がいよいよ本番。那覇から鹿児島に向かって奄美群島をプロペラ機でホッピングしていきます。まずは那覇から沖永良部へ約50分ほどのフライトです。

R0004440.jpg
 便名が表すとおり、この便はジャパン・エアコミューター(JAC)が運航します。機材は最新のATR42-600で、座席数は48。乗客は後ろのドアから乗降し、前側は貨物室という変わった構造の機体です。

 ちなみにレジ番号JA05JCのこの機体は、JACに導入されたATR42-600の5号機で、昨年11月にデリバリーされたばかりの新品同様です。しかもこの機体のオーナーは運航しているJACではなく、兵庫県の但馬市だそうです。伊丹-但馬間の路線維持のために自治体が投資しているのだとか。もちろんだからと言ってこのJA05JCが但馬線専用というわけではなく、こうして奄美群島線でも使われているわけです。

 那覇空港を北に向けて離陸する際に機窓からiPhoneで動画を撮りました。那覇空港は現在拡張工事中です。そして那覇周辺といえどもやはり海の色が全く違います。でもこの動画の見所はそれよりもプロペラ。iPhone内蔵カメラはローリングシャッター歪みがそこそこ出るので、高速回転するプロペラを撮るとこんな辺な感じに写ります。それをやってみたくて撮ってみました。

R0004462.jpg
 さて、那覇空港を離陸し沖縄本島沿いに北上していくと、眼下に見えてくるのは美ら海水族館がある本部半島と瀨底島です。大型のジェット機と違ってATR42などのプロペラ機による短距離線は、飛行高度が低いので晴れていれば景色がよく見えます。というか、そもそも目的の半分くらいはこうして機窓から景色を眺めることにあります。

 このあとも伊江島、伊是名島や伊平屋島など順次眼下に眺めることが出来ました。

R0004490.jpg
 ということで、沖永良部島に着きました。この空港には「えらぶゆりの島空港」という名前が付けられているようです。滑走路長は1350mでILSはなし、屋久島空港とほぼ同規模の平屋の小さな建物が建つだけの典型的離島空港です。

 ちなみにこのJAC3715便は那覇出発が20分も遅れて「やっぱり今回もさっそくこれか!」とドキドキしたのですが、沖永良部に到着したらなぜか5分遅れくらいまで回復していました。もともと那覇空港の混雑を織り込み済みでダイヤに余裕を持たせてあるのか、あるいは遅れを取り戻すべくかっ飛ばしたのか?

4レグ:沖永良部から徳之島へわずか30マイルの空の旅(JAC3710)

 さて、沖永良部で観光してる暇は全くなくて、次はすぐに徳之島行きへ乗ります。時刻表上はわずか30分の超短距離線で、区間マイル数はわずか30マイルです。実際の飛行時間は15分程度で、距離感としては都心から八王子くらいの感じでしょうか。

R0004495.jpg
 で、実は沖永良部発徳之島行きJAC3710便に使われる機材は、さっき那覇から乗ってきたATR42-600のレジ番JA05JCでした。要するにさっき乗って来たのと同じ飛行機です。

 この機体は沖永良部から那覇へ折り返すのではなく、そのまま私と一緒に徳之島を経由し奄美大島まで北上していくことになっているようです。そういうダイヤ編成のほうが色々効率が良いってことなんでしょうかね。

 なので、もし那覇からのJAC3715便が大幅に遅れたとしても、自動的に次の徳之島行きも遅れることになるので、この乗り継ぎ時間が短い離島ホッピング区間では、乗り継ぎ失敗は基本的に起こらないようになっていました。なるほど! その代わり天候等の何らかの理由で1便欠航してしまうと、自動的つながってる便が全て欠航になります。

R0004516.jpg
 ということで、先ほどと同じ飛行機ながらも今度は反対側の窓際の席に座り機窓を眺めます。

 短距離線なので沖永良部を離陸したかと思ったら高度もそれほど稼がないうちに、10分ほどで徳之島が見えてきて降下開始。青い海とゴツゴツした岩場と断崖が続く海岸線、そしてパッチワークのような畑が広がる島の風景が良く見通せました。

 この動画は徳之島空港着陸時に機窓から撮ったもの。出だしの方にちょっとだけ写ってますが、青い海と海岸線の様子がいかにも南国な感じです。もちろん徳之島だけじゃなくて沖永良部もこんな感じでとても綺麗でした。

R0004526.jpg
 あっという間に徳之島に到着しました。沖永良部よりは少し立派なターミナルビルのようですし、駐機スペースも広いです。でも、ボーディングブリッジなどは当然なくて、飛行機を降りたらエプロンをてくてくと歩いて到着口へ向かいます。

R0004527.jpg
 なのでこんな写真も撮り放題! いえ、あまりグズグズしてると係の人に怒られそうなので、サッと撮ってサッと撤収です。いずれにしてもこうして飛行機を間近に眺められるのも、離島便ならではの楽しみです。

R0004534.jpg
 この徳之島の小さな空港へは、プロペラ機しか就航してないと思い込んでいたのですが、気がついたらERJ-170がいました。どうやら鹿児島−徳之島間にはこの小型のジェット機が就航しているようです。

 調べてみると徳之島空港は滑走路長が2,000mもあり、ローカライザだけは装備されているとか。その昔は150席クラスのMD-81などが就航していた時代もあるそうです。

5レグ:奄美群島路線のハブ空港へ(JAC3842)

 そして30分後に再び同じ飛行機JA05JCに搭乗し次は奄美大島へ向かいます。この路線も超短距離路線ですが、それでも65マイルなので沖永良部−徳之島間よりは倍くらいあります。それでも時刻表上の所要時間は同じく30分。実際の飛行時間は20分程度でした。

 なお機体だけでなく客室乗務員も那覇からずっと同じ人が乗務しています。なので、3フライト目になるとさすがに顔を覚えられて、このJAC3842に搭乗した際に「お帰りなさい」という言葉を聞くことが出来ました。この言葉を聞けたらマイル修行僧として一人前だとか…(^^;

 でも私のようなマイル修行中の人も何人かいましたが、それ以外に純粋に那覇から徳之島や、沖永良部から奄美大島など、目的地があって乗り継いでる人もいました。しかも南国リゾートな奄美群島でも、この日は平日とあって意外なくらいにスーツを着たビジネスマン風の人も多かったです。

R0004559.jpg
 先月に続いて再びやってきました奄美空港。沖永良部や徳之島と比べると奄美大島の空港はずっと大きくて立派です。滑走路こそ2,000mで徳之島と同じですが、ボーディングブリッジ付きの立派なターミナルビルがあって、就航便も鹿児島や那覇だけでなく、大阪や福岡、羽田からの直行便もあって、まさに奄美群島のハブ空港と言えます。

R0004561.jpg
 ここで次のフライトまでの時間がぽっかりと2時間ほど空いてしまいました。これだけ時間があれば、少しは観光できたと思うのですが、事前に何も考えていなかったことと、気がつけばお昼ごはんをまだ食べていなかったので、遅めの昼食を空港内のレストラン(Joyfulですけど)で食べてゆっくり過ごすことにしました。

R0004575.jpg
 奄美空港内でこんな看板を見つけました。赤い線はまさにこの日私がたどってきたルートです。今回の12フライトツアーはまさにこのアイランドホッピングルートを利用していることになります。

R0004580.jpg
 空港内でお茶かお水を買おうと思ったら、こんなものが置いてあったので思わず買ってしまいました。いやいや、飲んだことあるようなないような、不思議な味わいのお茶でした。もちろん最後まで全部飲み干しました。

6レグ:1日目最後のフライトは奄美大島から宿泊地の鹿児島へ(JAC3734)

 さて、次はいよいよ本日最後のフライト、6レグ目となります。奄美大島から一気に鹿児島まで飛びます。区間マイルは242もあるので、東京−大阪間とほぼ同じくらい。

 この路線では昼間の便はジェット機(ERJ-170)で運航されているのですが、朝夕の一部はATR42-600となっています。ERJ-170なら所要時間は50分ですが、ATR42-600だと1時間5分かかります。

R0004583.jpg
 搭乗機は先ほどまでと同じATR42-600ですが、那覇からずっと乗って来たJA05JCはすでに別の路線へと飛んで行ってしまったようです。代わりにどこかから飛んできたJA03JCに乗り換えとなりました。もちろん客室乗務員の方も変わっています。「お帰りなさい」と言われなくて残念というか、ホッとしたというか…。

R0004587.jpg
 時刻的にはちょうど夕暮れ時。奄美大島を離陸し鹿児島までの間に日没を迎えるはずです。それをあらかじめ分かっていて夕日が見える側のA席を確保しておきました。やや雲は多めですが、海も見えるし夕日も眩しいくらいです。

R0004602.jpg
 ほぼ日没の時間帯、眼下にはちょうど桜島が見えました。間もなく鹿児島です。

R0004607.jpg
 そしてすっかり日が暮れて暗くなった頃、鹿児島空港に到着しました。今までの離島空港と比べると、鹿児島空港はずっと大きいですが、降機したらバスに乗るでもなく、そのまま徒歩でターミナルまで歩きます。

f:id:hisway306:20190412190729j:plain:w800
 ということで1日目の宿泊はここ鹿児島です。鹿児島空港は鹿児島市街地からわりと遠くにあるので、観光はすっぱり諦めて空港横のホテルに泊まりました。明日も朝早いですからゆっくり休息することにしましょう。

1日目まとめ

 ということで初日の6フライトは、途中で多少の遅れはあったものの、全体的にはトラブル無く予定通りにこなすことが出来ました。この日、鹿児島から沖縄にかけてはとても穏やかに晴れていて、低い高度を飛ぶ飛行機から南国の海と点在する島島の風景はとても綺麗に見えました。

 この日の反省点は奄美大島での時間の使い方くらいです。がんばればちょっとくらい観光できたかもしれません。でも、まぁ奄美大島は2時間でどうにかなるところではないですし、この辺りの離島はいつかゆっくり訪れることにして「旅行したい場所リスト」に入れておきたいと思います。

 さて、翌日もあと6フライト残っています。お天気はやや下り坂のようですが大きな崩れはなさそうなので、きっとうまく行くはず!

 (後編へ続く)

 なお、現在は10月分までのツアーが販売中です。詳しくは↓公式WEBページで!

関連エントリー