Kマウントの望遠レンズを買いました。ニコンD500+AF-S200-500mmF5.6と引き換えにKマウントの超望遠ズーム DFA150-450mm F4.5-5.6を手放して以来、PENTAX K-1 Mark IIで使うことが出来る望遠レンズはDFA★70-200mmF2.8に限られていました。超望遠域はニコンに任せてしまえば良いという考えは変わっていないのですが、たまにはK-1 IIでも飛行機を撮ってみたい気もするし、200mmよりももう少し長いレンズがあれば… と、思うようになってきていました。
レンズの選択肢が少ないと言われる現在の35mmフルサイズ対応のKマウントですが、実はDFA★70-200mmとDFA150-450mmの2本のズームの間を埋める望遠レンズがラインナップされています。それが今回手に入れたDA★300mmF4です。
2008年に発売された比較的古いレンズで、名前にあるとおり本来はAPS-C専用のレンズとして登場したものです。しかし2016年にKマウント初のフルサイズのデジタル一眼レフカメラK-1が発売されたときに、メーカーから公式に「”DA”と名乗っていたけど実はフルサイズをカバーしています」とアナウンスされた3本のレンズのうちの1本です(ちなみに残りの2本はDA★200mmF2.8とDA560mmF5.6です)。
そして、私にとってはこのDA★300mmF4を手にするのは今回が初めてではありません。今から約5年ほど前、PENTAX K-3を使っていた頃に新品で買ってしばらく使っていたことがあります。しかしその後DFA150-450mmを手に入れるために下取りに出したという経緯があります。
ということで、いろいろと紆余曲折はありつつも再びこのレンズを手にすることになりました。一度手放したレンズを買い戻したのはこれが初めてだと思います。
前回のおさらい
DA★300mmF4を1回目に手に入れたときのことを過去記事で振り返っておきたいと思います。
これが購入時に書いたエントリー。タイトルで「最終的このレンズに行き着く」とか書いていますが、実際にこれ以前にもSIGMAの超望遠ズームを使ってみたりとか、いろいろ試行錯誤していました。で、単焦点だけどやっぱりこれがファイナルアンサーなんじゃないか? と思ったわけです。が、理想の望遠レンズを探す旅はその後も続いています。
で、DA★300mmに先だって手に入れていた HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AW と組み合わせて使っていました。単体なら300mmですがこのx1.4テレコンを付けると420mmとなり、APS-C一眼レフと組み合わせると630mm相当という、なかなか本格的な超望遠撮影が出来たので、DFA150-450mmまではこれしかないと思って使っていました。
これがDA★300mmF4で撮った写真を使った記事リストです。飛行機やF1なんかが主でしたが、他の用途でも結構使っていました。
だいたい↓こんな感じです。
中でも最後の糸トンボの写真はとても気に入っています。
当時使っていた時の印象としては、やはり単焦点と言うことでなかなか使いづらい面もありつつ、近距離でも遠距離でも安定していて、AFもしっかり決まるし、ピントがカチッときたときのシャープさと抜けの良さは、ズームレンズにはないキレを感じます。
今時ではなかなかない6群8枚というレンズ構成で設計が古いと言いつつも、その解像力の高さは、APS-Cで24Mピクセルという超高ピッチセンサーを積んでいたK-3/K-3IIでもまったくビクともしないレベルでした。となれば、これはK-1でも十分通用するのではないかと思います。
しかも冒頭にも書いた通り、このレンズはAPS-C用のDAシリーズを名乗りながらも、実は35mmフルサイズに対応するイメージサークルを持っているので、K-1/K-1 IIでもクロップする必要がない、とメーカーが公式にアナウンスしています。
つまり、実際のところこのレンズ「DFA★300mmF4」であるわけです。ならばやはりK-1 IIで使ってみたいですよね!
中古で買い戻す
ということで、買い戻してみることにしました。しかし今回は新品ではなくて中古で探すことにしました。
我らがマップカメラで検索してみるとだいたいお値段は美品で8万円以上、良品で7万円台という感じです。
どうしたものか?と、年末あたりから躊躇していたのですが、ちょうど先週のとある平日の夜、マップカメラ恒例のバーゲンセール「夜市」がWEB上で行われているのを発見。もしやと思ってPENTAX製品を見てみると、まさにDA★300mmF4の美品が約2万円値下げされて6万円台で出ていました。1本だけなので早い者勝ち状態です。
昨年中のマップカメラとの取引では、購入よりも売却の方が金額が多く、その差額はポイントにしてプールしてありました。それを全額つぎ込めば、ほぼ追い金なしで手に入る… というところまで0.2秒で判断し、即決し注文ボタンを押していました。
さて、届いた実物を眺めてみましょう。「元箱付き」となっていたのですが、届いた箱は懐かしいHOYA時代の旧デザインのものでした。リコーに買収されてからはグレーベースの箱に変わっています。私が前回新品で買った個体はすでにリコー版になっていましたから、今回のこのレンズはそれよりもずっと古い生産時期のもののようです。もちろん、それでもなんの問題もありません。
付属品も全て揃っています。と言っても、専用フードと前後キャップは付いていて当たり前ですけど。
純正のレンズポーチもちゃんと同梱されていました。しかも結構綺麗な状態です。
フィルター径は77mmで前玉はそのフィルター径ギリギリ一杯のサイズがあります。大きなレンズが見ていて気持ちいいですね。なおコーティングは伝統のsmcで、前玉はSPコーティングされています。HDDとかABCとかは使われていませんが、何しろ6群7枚ですから、そこまですることもないのかも。
マウントはいわゆるKAF2と言われるもので、レンズ内にSDMを搭載しつつも非対応ボディでもAF出来るようにするため、ボディ内モーターでAF駆動するためのカプラーも付いています。K-1/K-1 IIではもちろんSDM駆動となり、ボディ内モーター駆動することは出来ません。
そして重要なことは、このレンズはスターレンズと言うことで、簡易防滴ではなく完全な防塵防滴仕様であること。単焦点で可動部も少ないので特にその辺は信頼が置けそうです。
かなり昔に見せてもらった防滴デモでは、K-5にDA★300mmが使われていました。こうしてジャーッと水を掛けても問題なく動作します。K-1/K-1 Iとの組み合わせでももちろん同じ防滴性能は確保されます。I
さて、この手の望遠レンズのは、いろいろスイッチが付いてるレンズが多いですが、このDA★300mmF4はとてもシンプルで、AF/MF切替スイッチしかありません。
最短撮影距離は1.4mで最大撮影倍率は0.24と、かなり寄れる方です。なお、フォーカスリミッターはありません。ピント駆動は超音波モーターSDM駆動ですが、他社と違って結構のんびりしています。
着脱式の三脚座が付いていますが、かなり平べったいので隙間に指を入れてグリップ代わりにすることは出来ません。通常手持ちで使うときは外してしまっても良いかも。
フードはかなり厚手のプラスチック製で、先端にはゴムが巻かれているなど作りはしっかりしています。そしてペンタックス製フードの常として、PLフィルター用の操作窓が付いています。が、窓は外れてしまうタイプなので無くさないようにしなくては。もちろん本体レンズに逆さ付けしておけます。
ということで、生産時期がかなり古そうではありましたが、外装はほぼ無傷ですし、マウント周辺もとても綺麗で、絞りレバーにかろうじて使用痕が感じられるくらい。フードの内側もあまり擦れておらず、あまり使われていなかったのかな?と思わせる素晴らしい美品コンディションでした。これが6万円台ならかなり大峡毒だったと思います。
光学系もザッと覗いて見たところとても綺麗で、内部にごくわずかにチリが確認できる程度。ただし、それも新品でもあり得る程度のものです。
気になる点と言えば、ほぼ無音のSDM駆動のはずなのに、AF時にシャーというギア音が感じられる程度でしょうか。SDM駆動時もAFカプラーって回ってるんでしたっけ? とりあえずAF動作自体には問題ないので実仕様上は大丈夫だと思います。
さっそくPENTAX K-1改に取り付けてみました。細身のレンズなのでK-1の押し出しあるボディに付けるとどうかな?と思っていましたが、バランスはそんなに悪く成さそうです。
何より軽いのが良いです。DFA★70-200mmF2.8やDFA150-450mmF4.5-5.6は2kg近くあるわけで、それに比べるとこのDA★300mmは半分の1kgしかありません。重さだけで言えばDFA★50mmF1.4とあまり変わらないくらいです。持ち運びもカバンに隙間さえ確保できれば、わりと気軽に持ち出せそうです。
本当にフルサイズで使えるのか?
絞り開放で東京スカイツリーを撮ってみたのですが、左はレンズ補正OFF、右がONです。それ以外の現像パラメーターは変えていません。わずかに左の方が周辺が暗くなっています。どちらも開放とは思えない安定した映像です。
こちらはF8まで絞ってみました。やはり左がレンズ補正OFFで右がONです。こうなるともはやレンズ補正なんてどうでも良い感じで、どちらにしても素晴らしい解像度を見せます。
もちろん周辺光量だけではなく、各種収差とかいろいろ他にも見るべき点はあると思いますが、このレンズはやはり元々フルサイズ用に設計された光学系だったのだろうと思います。フレアカッターなども敢えて入れなかったのか、入れる必要がなかったのか?
こうして見ると端っこの方はちょっとフリンジというか色収差が感じられますが、全然許容範囲内。それよりも開放からしてまったく曖昧さがなく均一な画質に改めて驚きます。このレンズは今でも十分に、特にK-1 IIで使っても通用するレンズだと思います。名前を変えてDFA★300mmを本格的に名乗っても良いくらいではないでしょうか。
ということで、とりあえず出会い頭で思わず買ってしまったので、撮影に行く予定が今のところ組めていませんが、久々にまたK-1 IIを持って羽田空港か成田空港あたりに出かけて見たいと思います。ニコンD500との、動体撮影に関する差をもう一度確認しておいたほうが良いでしょうし。もしかしたらまた「PENTAXで十分じゃないか?」と思い始めないとも限りません(A^^;
いずれにしろ、フルサイズのPENTAX K-1 IIに300mmのレンズという組み合わせは、APS-CのNikon D500でいうと200-500mmズームのワイド端と同じ画角ですから、結局のところD500との棲み分けは出来ると思っています。もしK-3 II後継機が出てきたらどうなるか分かりませんけど。
最新のKマウントの保有ラインナップ
この結果、現在私が持っているKマウントレンズのラインナップは下図のようになりました。
過去何度もレンズは整理してきたのに、結局また節操ない感じに戻ってきていまいましたが、今のところどれも手放すつもりはありません。それよりも、そろそろ新しいレンズを出して欲しいですね。つぎはDFA★85mmF1.4と言われていますが… どうなるでしょう? いや、そのまでにDA★11-18mmでしたっけ?手軽に使える超広角ズームもちょっと気になっています。
今年はPENTAXというか旭光学創業から100周年だそうですから、いろいろ新製品に期待しています!
PENTAX スターレンズ 超望遠単焦点レンズ DA★300mmF4ED[IF]SDM Kマウント APS-Cサイズ 21760
- 出版社/メーカー: ペンタックス
- 発売日: 2008/03/31
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
PENTAX 一眼レフ K-1 Mark II ボディ 15996
- 出版社/メーカー: ペンタックス
- 発売日: 2018/04/20
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る