老眼が進んでもコンタクトレンズを諦めない! 遠近両用の「生感覚レンズ」を試してみる

投稿者: | 2018年12月30日

 老眼が進行して遠近両用の眼鏡をかけるようになって早7年。その眼鏡は度が進むにつれて作り直しているうちに、今年とうとう3本目となりました。しかもとうとう「遠近両用」ではなく「中近両用」にしたりして、確実にそして急速に目の老化は進行しています。この老眼は40代になってからの私個人にとって、生活習慣やリズムを大きく乱す、健康上の一大問題となっていました。

 老眼が無視できなくなるまでは、視力矯正には主に使い捨てコンタクトレンズを使っていました。技術の進歩により使い捨てコンタクトレンズにも遠近両用タイプが出たりしたので、一時期はそれも試してみたのですが、やはりコンタクトレンズで矯正できる範囲は限られており、最近はすっかりコンタクトレンズの使用は諦めて眼鏡のみに頼っていました。

 でも! やはりコンタクトレンズを使いたいと思うことが時々あります。スキーをする時はもちろん、夏場でも太陽が眩しくてサングラスをしたいと思うこともあるし、暑い夏にはなるべく身につけるものを最小限にしたいところ。汗をかくと眼鏡も鬱陶しくなります。そして一番眼鏡に不便を感じるのは写真を撮るときです。ファインダーはなるべく目を密着して覗きたいですよね?

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 ということで、久しぶりにコンタクトレンズ屋さんに出向いて、最新の遠近両用コンタクトレンズの状況を聞いてきました。その結果、前回試したものよりもさらに老眼の矯正力が高まったという最新の遠近両用コンタクトレンズに再挑戦してみることにしました。

これまでの老眼対策状況

 まずは過去記事でこれまでの老眼対策状況を振り返っておきます。今から約3年前、すでに老眼はそれなりに進行していましたが、当時出たばかりの遠近両用コンタクトレンズを使ってみました。

 そのときの記事がこれです。遠近両用ワンデーコンタクトレンズとしてはかあんり初期の段階で出てきた、クーパービジョンのプロクリア・ワンデー・マルチフォーカルです。老眼の矯正度は1種類のみで、乱視矯正は出来ないというものでした。

 当時はそれなりに役に立ち、1年くらいはこのコンタクトレンズを常用していましたが、そのうちやはり手元が見えづらくなってきて、何となく眼鏡に戻っていました。そしてこのコンタクトレンズは、写真を撮りに行くときとスキー専用に。さらに老眼が進行するに従って、そのうち写真を撮る場合でもファインダーはともかく、背面液晶が見えなくなってきたので、ここ1年くらいはほぼ使わなくなってしまいました。

 それもそのはず、今年になって眼鏡を新しく作り直してみたら「遠近」ではなく「中近」を勧められるという状況になっていました。老眼度が特別強いというわけではないのですが、近視とのバランスとか、さらには日常的にパソコンとかスマホとか手元を見る時間が長いことで、特にストレスを感じてるのだろうと。であれば、遠くを捨てて中近距離に合わせてしまえ! という作戦です。実際この眼鏡にしてQoLは劇的に回復しました。

 でも、冒頭でも書いたとおり、この眼鏡でも鬱陶しく感じることがあるんですよね。カメラのファインダーを覗くときとか。PENTAX K-1のファインダーはアイポイントも十分にあるのですが、やはり裸眼(またはコンタクトレンズ)で接眼窓にグイッと目を押しつけて覗くのが一番です。

 そこで、ふと最近の遠近両用コンタクトレンズはどうなんだろう? と思いつきました。

やっぱりコンタクトレンズも使えるようにしたい

 早速行きつけのコンタクトレンズ屋さんに出向き、事情を話していろいろと最近の製品事情を説明してもらったところ、装着感が特に優れていて老眼度も3段階から選べるというアルコンのデイリーズ・トータルワンに興味を持ちました。実際、これが遠近両用タイプでは最新で一番お勧めとのこと。

 綾野剛さんが出演しているCMでおなじみの「生感覚レンズ」です。

 製品の概要はこの動画にまとまっています。含水率と酸素透過度の高さがポイントで、装着感が極限まで「生」に近い!そうです。コンタクトレンズの場合、矯正度の問題だけでなく、装着感が良いと言うことは、長い時間付けていた場合に「見やすさ」に与える影響は非常に大きいです。

 ただし遠近両用タイプは乱視矯正出来ない点はプロクリア・ワンデー・マルチフォーカルと同じです。そこまで出来ると完璧なんですけど仕方ありません。

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デイリーズ トータル ワン®遠近両用 | コンタクトレンズのアルコン(Alcon)

 ちなみに、コンタクトレンズによる遠近両用のメカニズムは↑こういうことになっています。中心部が近距離用で、そこから外周に行くに従って遠距離用の度に変化していきます。この構造は以前使っていたプロクリア・ワンデー・マルチフォーカルでも同じでした。

 こんな構造で違和感もなく手元から遠くまで見えるのだから不思議なもんです。

 ちなみに、コンタクトレンズは購入するのに医師の処方箋が必要なはずですが、なぜかAmazonで普通に売ってます。注意書きに「処方箋が必要です」と書いてありますが、特に注文にあたって特別な手続きは必要なのでしょうか?

 それはさておき、ここにAmazonリンクを張った理由はその値段を見て貰いたいから。もともとワンデータイプのコンタクトレンズは高価なのですが、これは一箱(片目一ヶ月分)でなんと5,000円超え! プロクリア・ワンデー・マルチフォーカルも高いレンズでしたがそれでも4000円台でした。その前に使っていた遠近両用ではない代わりに乱視矯正が入ったタイプだと3,000円台。たんなる近視矯正のみだとさらに安いはずです。

 ということで、これは常用するとなるとランニングコストがバカになりません。やはり基本的に眼鏡主体で日常生活を送りつつ、スキーや写真を撮るとき、あるいは勝負の時(何の?)だけこのコンタクトを使う、という運用にした方が良さそうです。

装着感良好!スマホも見える!ファインダーもクリア!

 ということで、さっそく眼科に行って処方箋を書いてもらいました。お医者さんも「あー、生感覚レンズ? あれ良いんじゃない?試してみなよ〜」と言う感じ。

 ただし、老眼矯正度はいきなり一番強いやつにはせず、中間を選んでおいて近視の矯正度とバランスをうまく取った方が良いということで、いつもより時間をかけて視力測定をし、度を決めてもらいました。

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 左が今回新たに購入したデイリーズ・トータルワンで、右が今まで使っていたプロクリア・ワンデー・マルチフォーカルです。

 私の場合近視の度は実はそんなに強くありません。今までのレンズは右が-3.75で左が-3.50でした。老眼に関しては+1.50です。それに対し今回はやや近視矯正度を落とし、右が-3.50で左は-3.25とにした上で、老眼矯正は+2.00になりました。これでも3段階あるうちの真ん中です。いざとなったら老眼に関してはもう一段上の選択肢がありますが、それは最後の手段に撮っておきましょう。

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 前回コンタクトレンズを入れたのは今年1月のスキー以来なので、かなり久しぶりでしたが、自転車と同じで一度からだが覚えたものはそう簡単には忘れません。レンズは今までのもの以上に薄くて柔らかく感じました。レンズの縁がブルーに見えるのが特徴的です。

 そして装着感は正に「生感覚」と言ってる意味が分かるような気がします。これはうっかりするとコンタクト入れてることを忘れそうです。そして問題の手元の見え方も非常に自然で、あまり画面サイズが大きくないiPhoneXも無理なく見ることができます。これならカメラの操作やライブビューだって問題ないはず。

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 その代わり近視矯正を少し弱めたために、遠くが少し見づらいという欠点があるのですが、それは中近両用眼鏡も同じですし、一応今回のコンタクトレンズは車の運転に支障が無い程度には合わせてもらったので、そんなに不便はありません。

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 購入後さっそく装着し、PENTAX K-1で写真を撮ったり、車を運転したり、スマホでTwitterやゲームをしてみたり… という一日を過ごしてみました。装着時間は連続で14時間ほどでしたが、いわゆる目が乾いてきたり、ゴロゴロと異物感を感じたり、夕方になると霞んできたりと言うことはなく、目に起因する疲れみたいなものは感じませんでした。瞬きとともにずれてしまうようなこともなく、ピタッと目に張り付いて溶け込んでる感じです。

 装着感は体調によって変わるかもしれないので、しばらくはコンタクトレンズ主流の生活に戻してみようかと思っています。と言っても、お正月休みに入ってしまったので、日中仕事で使うとどうなるか?というテストは来年に持ち越しです。


 ちなみにコンタクトを使うとなると、目薬は欠かせません。いくら装着感が良い「生感覚」レンズとは言え、日常的なメンテナンスは必要です。過去私が愛用してきたのはロートのCキューブです。清涼感でスーッとするやつはあまり好きではないので、赤いパッケージの低刺激タイプを愛用していました。これもまた買ってこなくては!