雨のち曇りの土曜日はDスタンドを徹底攻略:F1 2016 日本GP 観戦記(その3)

投稿者: | 2016年10月16日

 10月8日土曜日の朝は天気予報通り雨から始まりました。雨の鈴鹿サーキットは慣れていますが、やはり少しテンションが下がります。降るなら昨年の金曜日のように、派手な水しぶきが上がるくらい降ってくれた方が、撮影目的としてはモチベーションが上がります。でもこの日は幸か不幸か回復傾向で、微妙な天候。この日に予定されているフリー走行3回目と予選は、ウェットとなるのかどうか分かりません。ただの観戦客がそう思い悩んでるくらいだから、チームとドライバー達も困っていることでしょう。

 さて、前日は西コース方面を一通り巡ってみたところですが、この日は東コースエリアでも人気のあるDスタンドへ行ってみることにしました。特にD-1スタンドの上部はヘアピンのIスタンド下並みに人気のポイント。今年からDスタンドのカメラマンエリアは拡大されたのですが、良いポジションというのは決まっています。ダメ元で行ってみたら何とかそこそこ良い場所がまだ空いていました。

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 この日の午前中はサポートレースが中心で、フリー走行3回目は12時からとなります。走行時間は1時間のみ。そして予選は遅めの時間で午後3時から。9時頃までには雨は上がりましたが空は重たい雲に覆われています。風は吹いているのでもしかした路面は乾くかも?

フリー走行3回目(D-1スタンド上部)

 昨年の金曜日は予報に反して雨が終日降り続いたということもあって、鈴鹿にいる限りにおいては天気は予報よりも悪くなる、というイメージがあるのですが、この日は予報通り朝に上がった雨が再び降ってくることはなくお昼を迎えました。路面は思ったより早く乾いてきています。

 フリー走行3回目が始まると、最初のインストレーションだけウェットタイヤを履いて出てきて、コース上の確認を行った後は、全てのマシンがドライタイヤで最後のセットアップを行うことになりました。ウェットでリスクを冒す必要はないからと、軒並み様子見なんてことにならなくてよかった!

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 D-1スタンド上部からの眺めはこんな感じ。S字を抜けて逆バンクからダンロップへ駆け上がるあたりまでが見通せます。コースとスタンドの高低差の関係で、比較的低い目線で撮れるのが特徴。フルサイズに450mmではまったく足りないのですが、もっと長い超望遠があれば逆バンクへのアプローチ付近は、まるでコース脇で撮ったかのような写真になるそうです。

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 インスペクション中のセーフティカー。F1マシンより車高が高いわけですが、フロア下が抜けているのが分かりますよね。WTCCをここで撮ったことを思い出しました。F1もこういう写真撮ってみたいですね。

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 さて、インターミディエイトを履いてコース状況確認を含むインストレーションに出てきたロマン・グロージャン。路面はまだら模様で半乾きに見えますが、ほとんどのマシンはウェットタイヤでの走行を一周で終えて、すぐにドライに履き替えました。

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 ルノーのケビン・マグヌッセンと、後でぶれているのはフォースインディアのセルジオ・ペレス。

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 トップチームのメルセデスも、様子見はせずにセッションの最初から精力的に走ります。金曜日はロズベルグにトップタイムを奪われていたハミルトンですが、まだポケットに余裕を残しているのかどうか? 予選へ向けての戦略が気になります。

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 もちろんフェラーリも。ライコネンは絶好調でフリー走行では常にベッテルより良いタイムを出していました。

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 ハースのエスティバン・グティエレス。ハースにとっては初めての鈴鹿、どうなるでしょうか。

 私の持ってるレンズの長さ的には、やはり逆バンクをコーナリング中のマシンを撮るのが中心になります。絶妙な曲率の中速コーナーですから、縁石と絡めるのが定石。もっとシャッター速度落としたいんですが、歩留まり考えるとこれが精一杯。トップの写真だけは1/60secまで落としましたが、ノーズに芯が来てしまいました。

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 マクラーレン・ホンダ勢では、アロンソはそこそこ良いタイムを刻み続けるものの、バトンはフリー走行3回目でも奮いません。でもアロンソだけでもQ3に何とか残ってくれるか…?と期待を持っていました。まだこの時までは。

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 遠くS字の出口あたりはほぼ真っ直ぐ水平なので、車高の低いF1でもフロアの下が抜けますが、何しろ遠すぎ。奥には1コーナー飛び込み脇にあるAスタンドがあります。人気席なのでフリー走行にしては人が入ってます。

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 ウィリアムズは昨年あたりまでは3強というか2強に迫る速さを見せていましたが、今年は完全に中段勢に埋没してしまいました。マクラーレンと並ぶ名門なのでがんばって欲しいです。

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 マノーのエスティバン・オコン。スポンサーロゴが少なくて寂しいですが、綺麗なマシンだと思います。下位チームだと撮影はさぼりがちになるのですが、なぜか今回はマノーをたくさん撮っていました。

 逆バンクのクリップをクリアしていくあたりはD-1スタンドの目の前なのでかなり近くて、こうした真横の流し撮りが可能。焦点距離は250mm付近でマシン全体が入ります。スタンド上部ですが目線の高さも低くて良い感じです。

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 レッドブルのダニエル・リカルド。つや消し濃紺のボディに真っ赤なロゴは格好良いです。このマシンを撮るには曇り空でちょうど良かったかも。

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 トロロッソのダニエル・クピアト。はじめての鈴鹿だった昨年はレッドブルのマシンで大分このコースに苦しんでいたようですが、今年は問題なさそうです。

 このポイントも距離の変動が激しいので、テレ端の450mmで遠くを狙ったまま、勢いでマシンを追いかけ続けているとこうやって一部を切り取ることになります。やはりズームリングを回している余裕はありません。ダメ元でほとんど惰性でシャッター切っているのですが、たまにこうしてピタリと当たることがあります。

 ちなみにAFは1ポイントセレクトで、中央か、たまに一つ下のポイントを選んでいます。AF追従性能はほぼ問題ありません。前回書いた通り手ぶれ補正は全てオフ。流し撮り検知は信用できないので使っていません。昨年のK-3IIの時も書きましたが、決め打ちで横方向(ヨー軸回転)のみオフという設定が欲しいです。

 1回目と2回目は90分あったフリー走行ですが、3回目は60分のみ。あっという間に終わってしまいました。さて、次は2時間後にいよいよ予選です。もう雨の心配はなさそう。

公式予選(D-5スタンド)

 今年から増設されたDスタンドのカメラマンエリアの中に、D-5スタンド上部というのがあります。横に長いDスタンドの中で、Cスタンドに近い一番端っこになります。今年初めてということもあるのか、それほど混んでいないと言うことなので、D-1スタンドから移動してD-5スタンドへ行ってみました。

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 眺めはこんな感じ。かなり高さがあってコースを見下ろす形になりますが、その分見通しは良いです。メインストレートの出口からS字全体が見渡せるので、写真はさておき、レース状況を見守るには良い場所だと思います。

 この写真ではS字コーナーにかかるポールが邪魔ですが、実際に撮影したのはもう少し右寄りで、なんとかコーナーに被らない位置に陣取りました。

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 トロロッソのカルロス・サインツ・ジュニア。物議を醸した前日の記者会見でSnapchatでハミルトンに弄られていましたが… その後大人な対応をしたようです。

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 マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ。

 予選はノックアウト方式で3ヒート制ですから、下位チームは最初の20分くらいで姿を消してしまいます。上位チームは後で撮るチャンスがあるので、後回しにして最初の方は下位チームを重点的に撮っておきました。マクラーレンを下位チームに入れてしまうのがアレですが、どうも調子が悪そうで、タイムが伸びす、バトンはQ1落ち、アロンソもQ2に進出するのがやっとで、Q3は到底無理でした。

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 メルセデスはQ1でミディアムタイヤを使い、1回のみのアタック。余裕を見せます。

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 フェラーリはQ1からソフトタイヤを使い、ライコネンがトップ、ベッテルが2位のタイムを出しますが、この辺は順当なところでしょう。

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 今回の予選の目玉はなんと言ってもハース勢。グロージャンもグティエレスも揃ってQ3に進出し、8位と10位を獲得! フォースインディアと良い戦いをしました。ハースが2台揃ってQ3に行ったのは初だそうです。

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 鈴鹿最後の予選となったマッサは12位。がんばれ!

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 コンストラクターズ・ポイントで2位の位置を確実にしつつあるレッドブルは、今回はどうしてもフェラーリに敵わず、フェルスタッペンが5位でリカルドが6位に終わってしまいました。

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 フェラーリは最後まで粘ってセカンドロウを取ります。ライコネンが3位、ベッテルが4位。特にライコネンの好調さが光ります。ベッテルは前戦のペナルティでグリッド降格が決まっていましたが、結局ライコネンもその後ギアボックスを交換して、グリッド降格ペナルティを受けてしまいました。フェラーリは文字通り、まったく歯車がかみ合ってません。

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 チャンピオン争いの二人は、予選ではロズベルグに軍配が上がりました。Q3では一時ハミルトンが逆転し、現地はどよめきましたが、最後のアタックでロズベルグが再逆転。とても面白い予選でした。

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 D-5スタンドからは遠く1コーナ出口から2コーナーあたりまでよく見えます。遠いですけど。雨予報が出たいたこともあってBスタンドはあまりお客さんが入っていません。ちょっとF1の風景としては寂しいですが、決勝日はもっと混むはず。

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 S字コーナーはマシンの姿勢変動も大きく、本気でアタックしていると火花を飛ばすマシンが多く見られました。それを撮りたいとがんばったのですが… またもや思うようには行かず。難しいですねぇ…。

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 遠くメインストレートエンドも無理矢理撮ってみました。ここも火花ポイントのようです。ちょっと無理矢理過ぎましたかね。この距離だともっと低速シャッター切らないとダメかと思います。

いざ決勝へ!

 ということで、予選も終了。あとは明日の決勝を残すのみとなりました。天気は回復してきたように見えて、実は未明から明日の午前中にかけて再び雨の予報が出ています。秋雨前線が通過するので、雨は短時間で上がるようですが、時間が1〜2時間もずれると決勝に影響が出るかも。さて、どうなることやら。

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 雨の鈴鹿決勝というと2014年を思い出してしまいます。メディカルカーの出動がないレースであることを祈りたいと思います。

 観戦記(その4)に続く。

土曜日の観戦&撮影ポイント


 黄色い印がフリー走行3回目を撮影したD-1スタンド。赤い印が予選を撮影したD-5スタンドです。

使用したカメラとレンズ

RICOH PENTAX 望遠ズームレンズ HD PENTAX-D FA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW 21340

RICOH PENTAX 望遠ズームレンズ HD PENTAX-D FA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW 21340

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