今年は皆既月食があったり、何度もスーパームーンがあったり、さらにはミラクルムーンがあったりと、月にまつわる天体ショーが目白押しでした。デジタルカメラの高性能化で、月であれば東京のような都会でも手軽に撮影できるようになってきて嬉しい限りです。しかし、残念ながらタイミングが合わず、最近はそういった話題の月をなかなか撮れずにいたのですが、今日の珍しいお月様の姿はちゃんとおさえました。
と言っても結構微妙な現象です。上の写真を見て、どこが普段と違うか分かるでしょうか? この横640ピクセルのサムネイルでは恐らく分からないと思われます(^^;
というのは、今日は半月のちょうど欠け際に「X」の文字が浮かび上がる、その名も「月面X」という現象が見られる日だったのです。
月も自転していますので、月面上の日の出の位置は時々刻々変わっています。月面の凸凹の地形に差し込む太陽の光がちょうど「X」の字を作り出す時間は、ほんの1時間ほどの間。その時間帯に月がまともに見える位置にあるのは、平均すると年に2回ほどしかないそうです。
今日11月29日はその「月面X」が日本からよく見える日で、午後8時前後にピークを迎えました。今日の東京は朝からずっと雨が降り続き、夕方には晴れたものの地表付近は深い霧が立ちこめていましたが、まだ月の高度が十分い高かったこともあって、観測条件はかなり良い方だったと思われます。
さて、上の写真から「X」の場所を等倍切り出ししたのがこれ。真ん中にXマークが見えますよね? 場合によっては漢字の「火」の字みたいになることもあるようです。
今回ここに貼ったカットは午後7時40分頃のもの。午後7時前と8時過ぎにも撮ってみたのですが、あまり差がわかりませんでした。なので一番良いやつということで、これだけにしておきます。
なお、カメラはPENTAX K-3、レンズはDA★300mmF4EDにHD-DAテレコン1.4xをつけ、珍しく一脚を使いました。ISO200で絞りF8、シャッター速度1/100、RAW記録してLightroomで現像し思い切りトリミングしています。
なお月面Xの詳細については、以下のページがとても詳しいです。今回の撮影と観測にあたって参考にさせていただきました。
月面X | 月世界への招待