K-3 + HD20-40mmでまだ残っている秋を探しに行く

投稿者: | 2013年12月10日

 HD20-40mmの初レビューはいきなり回転寿司の写真でお茶を濁してしまいましたが、日曜日に少し出歩いて散歩しながら写真を撮ってきました。もちろんカメラは手に入れたばかりのPENTAX K-3、レンズは買いたてほやほやのHD DA20-40mmF2.8-4 Limitedです。早くも12月の中旬にさしかかろうかというこの時期、気候はすっかり冬めいてきましたが、日が出ていれば暖かく感じることもあり、東京都心ではまだ探せば秋の気配が残っています。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/400sec, F7.1, ISO100, クロスプロセス, 20mm

 いつもの散歩道で、そんな晩秋の景色を愉しみながら写真を撮ってきました。さて、HD DA20-40mmはK-3の常用レンズとなり得るのでしょうか? 普通に使ってみながら、描写性能はもちろん使い勝手とK-3との相性も確かめてみました。

黄色

 折しも東京では銀杏の最盛期か、最盛期を少し過ぎたあたりを迎えています。黄色く色づいたものを集めてみました。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/250sec, F4, ISO100, AWB, 20mm
 猫じゃらし… 自身は黄色くないですが、なにやら黄色というかオレンジ色の可憐な花壇の中にすくっとい2本だけ猫じゃらしが立っていました。40mmのF4ですが近距離と言うこともあってピントは薄いです。風でゆらゆら揺れていたので、AF.Cモードにして追尾しながら適当に撮影。AFに信頼が置けるようになったからこそ出来る技かと思います。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/250sec, F5.6, ISO100, AWB, 20mm
 黄色いといえば銀杏です。木場公園のドッグランにはちょうど見頃の銀杏がありました。その中でも色づき具合に差があります。右端は散り始めていますが、左から2本目の木はまだ黄色になりきっていません。銀杏は散っている木も多くなってきましたが、もう少しの間楽しめそうです。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/160sec, F5.6, ISO100, AWB, 40mm
 ドッグランの中なので近くに行けないのが残念。奇跡的に犬が一頭も写っていません。いや、写ってくれた方が絵になったのに(A^^;

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/400sec, F4, ISO100, AWB, 36mm
 何の木だか分かりませんが(桜の一種かな?)これも綺麗に黄色く色づいていました。青空に日が差し込んで綺麗ですよね。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/320sec, F5.6, ISO100, AWB, 40mm
 見頃の銀杏の木をボーッと見上げる二人。テントの中には赤ちゃんがいるようです。寒いからと家に閉じこもらずに、こうして公園で繰り出して何をするわけでもないというのは、良い休日の過ごし方ですよね。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/640sec, F4, ISO100, AWB, 40mm
 子供はいつでも元気ですね。なんだか縦位置ばかりになってしまいました。木だから仕方がありません。

 紅葉と言えばその名の通り「紅」です。黄色よりも赤のイメージの方が強いかもしれません。「紅」と言えばそれこそその名もずばりモミジです。こちらは銀杏に先立ち、もうほとんどが散り始めていますが、最後に滑り込みでなんとか見られる木を見つけました。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/250sec, F4, ISO200, -1EV, AWB, 40mm

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/800sec, F4.5, ISO200, -1.7EV, AWB, 40mm
 曇りがちな日でしたが上手いこと日が差し込んでくれました。最盛期を過ぎてくすんだ色の葉っぱが多くなり、曇り空の日陰ではどうしていいか分からなくなりますが、こうなるとモミジはどう撮っても普通に綺麗です。 

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/500sec, F2.8, ISO100, +0.7EV, AWB, 20mm
 バックのガラス張りの建物は東京現代美術館です。日よけがかかっていなければ三角形の面白い構造物が見えたのですが。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/80sec, F4, ISO200, リバーサル, 40mm
 色も褪せ、縁もだいぶ傷んできている木がほとんど。もうモミジは今年は見納めでしょう。

カモメ

 いきなり秋との関連が薄れましたが。木場公園には、この地域の伝統芸「角乗り」用のプールがあります。普段は使われていないので水鳥たちの憩いの場になっています。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/125sec, F8, ISO100, AWB, 20mm
 こんな感じです。背景の木々がほとんど散ってしまっていました。もう少し早い時期に来ればもっと綺麗だったかも。主にカルガモとユリカモメがいます。プールの外には鳩、周囲の木にはその他スズメやカラスなども。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/800sec, F4, ISO100, AWB, 40mm
 しかしプールの中は彼らの天下。居心地がよさそうです。魚などがいるような池ではないので、純粋に休んでいるだけなのでしょう。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/640sec, F4, ISO200, AWB, 40mm
 このカットはややトリミングしていますが、意外に警戒心が薄くそこそこ近寄れました。一応こっち見て気にしていますけど。近寄ることに気を取られていたので、串刺しになってしまいました(^^; 足に何か付いているので一応行動が追跡されている鳥なのでしょうか。

その他

 それ以外に見つけた、秋とは関係なさそうな秋の風景です。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/5000sec, F4, ISO200, 銀残し, 20mm
 木場公園に架かる吊り橋。空がスッキリ晴れ渡っていなくて、そのままだとどんよりとしてつまらなさそうだったので、困ったときの「銀残し」を使ってしまいました。秋らしさとは無縁ですね。カスタムイメージの設定ラインナップや調整項目はK-30と同じです。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/1000sec, F4, ISO100, AWB, 27mm
 紅葉するのが早かった桜の木はすっかり散ってしまいました。しかしもう枝には花の準備が着々と進んでいます。ここには季節外れな春の気配が少しだけありました。木の枝を背景にしてぼかすとごちゃごちゃとうるさくなりがちですが、結構綺麗に自然なボケではないかと思います。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/400sec, F5.6, ISO100, AWB, 40mm
 なんですかね、これ。朝顔に見えますが、こんな晩秋の午後に咲いていましたので、普通の朝顔ではなさそう。うん、やっぱりボケ味は悪くないと思います。

定点観測

 最後に最近よく使っている定点観測ポイントへ。驚きの高倍率… ではなく驚きの低倍率ズームを試してみます。絞りは開放に設定し、全ての収差補正機能をOFFにしてみました。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/1600sec, F2.8, ISO100, AWB, 20mm
 ワイド端の20mm。意外に広角で普通にオールラウンドに使えそうです。ちなみにこのカット… もしかしたらピントがちゃんと(無限遠に)合ってないかも。なんとも締まりがありません。ちゃんと確かめず、1枚しか撮らなかったので解像感については評価を保留しておきたいと思います。歪曲はこのカットでは分かりません。周辺光量低下はそれなりにあるようです。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/1250sec, F3.5, ISO100, AWB, 30mm
 中間の30mm。開放絞り値はF3.5と表示されました。うん、これは文句なしと思います。遠景の木の小枝もなんとか解像しています。画面の隅も崩れはほとんどありません。周辺光量低下はやはりそれなりに見られます。

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PENTAX K-3, HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/1000sec, F4, ISO100, AWB, 40mm
 テレ端の40mmです。悪くありませんが解像感は30mmのほうが良いような気がします。周辺光量低下も一番目立つかも。画面下の地面の様子を見る限り、歪曲はほとんどなさそうです。

 20mmだけちょっと心配ですが、全体的に十分K-3の性能は生かせそうです。また2倍ズームとはいえ、実際に使っていると意外に画角変化を感じます。このレンズは基本30mmF3.5のレンズにフレーミング微調整機能が付いてる、と考えた方が良いかな?と思っていましたが、むしろ20mmと40mmの2焦点レンズ+フレーミング調整機能付き、と言った使い方になりそうな気がします。実際今回撮った写真も、ほとんどが両端しか使っていません。しかも私の場合、やはりテレ端側が多くなっています。単焦点ではほとんど使わない40mmも、このレンズだと使い道が出てくるから不思議です。機材に撮らされてるってことなんでしょう…(A^^;;