猛暑の霞んだ空気の向こうに輝く東京湾大華火祭

投稿者: | 2013年8月11日

 自宅に居ながらにして見える花火大会はいくつかあるのですが、その中でもおそらく一番近く、一番大きく見えるのが晴海埠頭で打ち上げられる東京湾大華火祭です。海上で打ち上げると言うこともあって、都内で行われる花火の中でもひときわ大玉が上がることでも有名です。ということで、その花火を自宅から撮るという行為もほぼ年中行事となっています。思えばフィルムの頃からやってるかも。

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PENTAX K-30, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 13sec, F13, ISO100, RAW

 東京の湾岸地域は開発がめざましく、ニョキニョキと超高層ビルが建っていますが、10年前にできた晴海トリトンスクエア以降、幸いまだ我が家から花火を遮る建物はそれほど増えていません。ということで、毎年ほとんど代わり映えのしない写真に今年も挑戦してみました。

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PENTAX K-30, DA18-135mmF3.5-5.6ED AL [IF] DC WR, 1/40sec, F3.5, ISO400, CTE
 この日8月10日は全国で記録的な暑さとなった日。夕方には一瞬空が紫色に染まっていました。日中は東京都心でも38℃くらいになったそうで、夜になっても気温は下がらず30℃以上あったそうです。心配した雷雨はなかったものの、空気はどんよりと霞んでいてまるで春先のよう。視界はいつになく悪く、これは花火もぼんやりと霞んで見えないかも… と心配したのですが、それも杞憂に終わりました。もちろんスッキリ晴れている時には敵いませんが、それなりに花火の輝きは我が家まで届いてきました。

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PENTAX Q7, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 10sec, 約F10, ISO100, RAW

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PENTAX K-30, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 10sec, F13, ISO100, RAW
 大小様々な花火が次から次へと上がりますが、ほとんどの花火はこんな感じで晴海トリトンスクエアなど周辺ビルの影に隠れてしまいます。が、これはこれで都会の花火らしくはあります。

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PENTAX Q7, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 10sec, 約F10, ISO100, RAW
 思い切りどアップにするとこういう状態です。写真的にはビルがあるおかげで面白いとも言えますが、花火見物には邪魔なことこの上ありません。

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PENTAX K-30, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 10sec, F13, ISO100, RAW
 晴海トリトンスクエアが真っ赤な線香花火のように燃えている! …かのようです。

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PENTAX K-30, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 10sec, F13, ISO100, RAW
 しかし時折これらのビルを遙かに超える大きさの大玉が上がります。大きさの予測がつかなくていつもこの大玉の写真は外してしまうことが多かったのですが、今回は狙っていたこともあって、ひとつだけしっかりと全体をフレームに入れることができました。綺麗な花火写真かどうかは別にして満足満足(A^^;

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PENTAX Q7, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 10sec, 約F10, ISO100, RAW

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PENTAX Q7, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 10sec, 約F10, ISO100, RAW
 中盤には中規模の双子の花火が上がりました。これも毎年恒例ですね。とても見応えあります。結構上がる高さと大きさがまちまちで、これもちゃんと隅々までフレームに収められるようにしなくては。かといって引きすぎてトリミングしまくるのも癪なんですよね。ついついズームしてしまいます。

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PENTAX K-30, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 13sec, F13, ISO100, RAW

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PENTAX K-30, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 13sec, F13, ISO100, RAW
 終盤にはわりと大きな花火がドカドカと連打されます。10秒あまりの間にこれだけたくさん打ち上げられます。遠くから見ていてもドカンドカンと轟音が(かなり遅れて)伝わってきますし、ど迫力です。
 そしてこれだけたくさん一度に打ち上げてしまうと、黒い煙が立ちこめてきてしまいます。この日は特に風がなかったので、煙は溜まる一方でした。

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PENTAX K-30, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 13sec, F13, ISO100, RAW
 丸く開く花火はもちろんですが、こういう花火ももイイですよね。
 さてこの花火大会、2時間くらいやるものと勝手に思っいこんでいたのですが、開始から1時間20分で約1万2千発を打ち上げて終了となりました。会場で上を見上げながらのど迫力、にあこがれますが、自宅でお気軽に花火見物、花火撮影は楽ちんでやめられません。でもいつか会場に繰り出したいです。そして広角レンズで巨大な花火を撮りたいです。

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 ちなみに今回の機材ですが、基本的にK-30に望遠ズームと言う組み合わせなのですが、今回はふと思いついてPENTAX Q7も使ってみました。しかも06 TELEPHOTO ZOOMではなく、K-QマウントアダプターでDA★60-250mmF4を付けてみました。フルサイズ換算で276~1150mmの超望遠ズームとなります。三脚に乗っけてもズームリングやピントリングに触れるだけで、画面ががくがく動きますが、なんとかピント合わせはできました。花火や夜景の場合、ピーキングは使わない方がわかりやすいようです。

 ちなみにK-30の場合もライブビューを使ってマニュアルでピント合わせしました。最近はズームと名乗るバリフォーカルレンズが多いですし、そうでなくてもデジタルはピントにシビアですので。フレーミングを変えるたびにAFしても良いのですが、ライブビューボタンとOKボタンを押せばすぐに背面液晶でピントチェックができます。絞り込むこともあってピントでの失敗はほぼありませんでした。

 ちなみに過去の経験上、ISO100でF16くらいまでは普通に絞り込めると思っていたのですが、この日はやはり空気の透明度が悪かったせいか、少し明るさが足りてないようでした。RAWで撮ったのでいくらか現像処理で救えましたけど。

 それにしても去年撮った写真と比べてみたら、やはり今年のは全体にキレがなく色が濁っています。Q7で撮ったものはともかくK-30が悪いわけはありません。やはり濃いモヤのせいと思われます。こういうのを指して「空気が写った!」と喜んでる場合ではありません。

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 さて、花火撮影でもう一つ問題になるのがレリーズ方法です。これまでは横着して2秒セルフタイマーを使っていたのですが、これだとタイミングがかなりあやふやになり、花火が上がる光跡を見つけてからでは遅く、開き始めた途中から露光開始して妙なことになってしまったりします。
 K-5やK-30にはケーブルレリーズが用意されていますが、Q/Q7にはありません。そこでリモコンの出番なわけですが、わざわざ専用リモコンを買わなくても、赤外線ポートの付いた携帯電話で代用できます。iPhoneには赤外線は付いていないので、別途ライフラインとして持っているdocomoのガラケーを使いました。アプリはこちらのものを使わせて頂きました。

 見ての通り超シンプルなアプリです。バルブは機種によって動いたり動かなかったりするようですので、普通にシャッターを切るためだけに使いました。K-30もQ7もシャッタースピードは30秒まで設定できますので、花火にはバルブを使わなくてもたいていの場合は間に合うかと思います。
 K-30もQ7もリモコンの受光部は前面にしかないのでちょっと工夫が要りますが、いずれにしてもリモコンがあると花火撮影はとてもはかどります。滅多に使わないので専用品買わなくても、この携帯電話代用で十分だと思います。

猛暑の霞んだ空気の向こうに輝く東京湾大華火祭」への2件のフィードバック

  1. Akira

    見事な写りですね。
    K30に混じってQ7の写真が混ざっていたのは気づきませんでした。
    若干、煙の影が写り込んでいるのは少々残念でした。
    昨晩は流星を撮ろうかと思っていたのですが雷雨で三脚を立てられませんでした。

  2. hisway306

    Akiraさん、ありがとうございます。
    はい、自分でも選別していて「あれ?これQ7??」と見分けの付かないカットがたくさんありました。Q7もそうですがDA★60-250が優秀なんだろうと思います。
    煙は花火の宿命ですね。遠くから撮るから余計に影響受けやすいのかもしれません。スッキリ晴れていて適度に風がある日がベストでしょうかね。

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