iMac導入以来少しずつPC環境を整理整頓しています。PT2による録画サーバーとして自作PCは1台残しているのですが、もともとメインPCだったこいつは6コアのハイパフォーマンスCPUを積んでいるなど、録画サーバーとして縁の下で運用するには、無駄に高パフォーマンスで、ノイズや消費電力がかなり気になります。
色々考えた末、PT2は今までのサブPCのほうへに移設して、こちらを録再サーバーとして残存させることに方針変更。この元サブPCはAMD E-450を搭載した超低消費電力PCです。
超低消費電力であるということは、超低騒音が可能であると言うことになります。しかし今までは特に使う当てのなかった元サブPCなので、静音化にはあまりまじめに取り組んでいませんでした。しかし今後録再PCとして使っていくからには、PC本体の存在を感じさせない空気のようなPCにしなくては、と思い立ちました。
この元サブPCに搭載されているAMD E-450はグラフィックやノースブリッジ含めてTDPがわずか18Wなので、マザーボード自体はすでにファンレス化されています。残る大きな騒音源はHDDとケースファンと電源ファン。HDDは仕方ないですし、ケースファンは9cmですがファンコントロールを効かせることでほぼ無音。一番の問題は安物の電源が発生するファンのノイズ(と筐体のビビリ)でした。
ということで、ようやくタイトルにあるファンレス電源に行き着きました(^^; 静音PCの理想はファンレスです。それは電源も同じ。ファンレス電源は昔は数えるほどしか製品がなく、しかも3万円近くするものばかりで高価でしたが、久々に調べてみるといくつか1万円前後のお手頃な製品が出ていました。
ということで購入したのはSeasonicのSS-400FLという製品です。箱は思いの外大きくて、立派な化粧箱でした。
この製品はSeasonicの製品ラインアップの中ではX seriesに属するもので容量は400W。最近のATX電源としてはかなり小容量ですが、実測でピーク時に50Wを切るようなPCにはこれでも大きすぎるくらい。そして80PLUS GOLDを取得しているので品質は悪くなさそう。逆に言えば効率がこのくらい良くないと、ファンレス化は難しいはずです。
箱を開けてみて驚いたことに、電源本体はこんな綺麗な起毛生地の袋にくるまれていました。こんなに過剰包装された電源は初めてです。
中身はやっぱりATX電源です。メタリック風な塗装がされています。スイッチのついている面にはもちろんファンはありません。
ひっくり返すと目の粗いハニカム状のメッシュの奥に電源回路が見えます。ここにももちろんファンはありません。外装をヒートシンク代わりにしているような感じもありません。
付属品もこんな袋に入っていました。なんてことでしょう。驚くばかりですが、最近の自作パーツはこんななのでしょうか? これ、ファンレスとは言え、1万3千円あまりで買える普通の電源なのに。
中身はACケーブルと、マザーボードやドライブ類へ接続する電源供給ケーブル。プラグ式なので必要なケーブルだけ電源本体に接続します。
さらに小物としてタイラップやケーブルを束ねておくベルクロのバンドなども入っていました。至れり尽くせりで感動が止まりません。
ということで、超低消費電力な元2号機に搭載完了。作業を始めて気づいたのですが、ファンレスなためか電源の長手方向が今まで使っていた無名の電源より長く、光学ドライブとの隙間が非常に狭くなってしまいました。何とか無茶をせずに押し込むことができましたが、ちょっと冷や汗が出ました。ま、光学ドライブももはや使わないのでいざとなれば外してしまっても良いのですが。
ちなみにこの元2号機には、廃止となった元1号機から、RealSSD C300の256GBとWesernDigitalのGreenシリーズ3TB、DDR3-1333の4GBx2pcs、そして肝心のPT2を移植しました。
さて、どの程度静かになったかというと… ほぼ完全に無音です。当たり前ですが電源から出るノイズは全く無し。残る騒音源はケースファンとHDDのみです。ケースファンは約1000rpm程度で緩く回していますのでほとんど音は気になりません。HDDの音も激しくアクセスしていなければほとんど聞こえません。ということで、これなら常時動かしていても全く問題ないレベルになりました。いえ、実際には常時電源ONにはしませんけど。
パーツ単位で好きなように組み合わせて自己満足に浸れる自作PCの楽しさを少し思い出してしまいました。せっかくだったらマザーボードとCPUも最新の低消費電力版に… とか妄想したのは一瞬だけで、たぶん(しばらくは)やらないと思います。