207SWにはパイオニア製の楽ナビLiteの2010年モデル AVIC-MRZ99を取り付けたのですが、このナビにはスマートループというネット経由で渋滞情報を得る通信機能が付いています。単体でもFM-VICSは付いていますので、それなりに渋滞情報は利用できるのですが、ネット上の専用サーバーから詳細でリアルタイムかつローカルな情報が得られ、ルート検索もその最新渋滞情報を考慮することで、より高精度で的確なルートが引けるという触れ込みです。
このスマートループをはじめとした通信機能を使うには、専用の通信モジュール(別売り)か、DUNプロファイルに対応した(つまりデータ通信可能な)Bluetooth入りの携帯電話が必要です。専用通信モジュールはWillcom回線を利用し月々定額(1,050円)で使用できるのですが、接続はiPod接続と排他となってしまうため没。一方、Bluetooth付きの携帯と言ってもiPhone4はもちろん、スマートフォンの多くは、Bluetoothは付いていてもデーター通信には対応していません。
ということで、ドコモ回線の携帯電話をN-06Aに機種変更した目的は、このナビに接続してスマートループを利用するためなのです。そのためにBluetoothが必要だったのです。しかもN-06Aの、というか”ガラケー”のBluetooth付き機種は、スマートフォンと違ってたいていの場合データ通信に対応しています。そしてN-06Aはパイオニアのサイトの互換性情報で、MRZ99とデータ通信含めて接続可能であることが確認済みです。
しかしBluetooth機器を触るのが実は初めてだったせいか、ちょっと接続するまでに手間取りました。今後のための備忘録としてポイントをまとめておきます。
Bluetoothの接続設定
まずはナビと携帯電話の間でBluetooth接続の初期設定を行います。基本的にはナビ側の説明書の手順通りにやれば良いはずなのですが、実際には携帯電話側の操作も色々必要になります。が、その辺の細かいことはナビの説明書にも携帯電話の説明書にも当然書かれていません。試行錯誤およびネットの力を借りて、なんとかできました。
ということで、お互いに相手が見つかり機器登録できました。めでたしめでたし。が、これだけではまだスマートループは使えません。
通信機能の設定
Bluetooth接続した携帯電話を通じて通信をするにはナビ側でもう一つ作業があります。
利用する機能の選択はナビ側からやってもなぜかうまくいきませんでした。そもそもナビ側にはダイヤルアップ接続の選択肢が出てきません。なのでこれもまた携帯電話側で作業します。携帯電話側の登録機器一覧から”楽ナビLite”を選び、まずは”ハンズフリー”を選択。ここで接続に成功すれば右側に接続された旨を示すアイコンが表示されます。これでハンズフリーは使えるようになりました。
次にデータ通信をするには”ダイヤルアップ”も有効にします。ただし、通信は必要に応じて行われるので、この時点では接続アイコンはグレーアウトのまま待ち受け状態となります。とりあえずここではこれで問題ありません。
最後にスマートループの初期設定を行います。これはまた別メニューになっています。スマートループを使うにはPCから事前にお客様登録をしておく必要があり、そこで決めたIDとパスワードを、ナビの「スマートループ初期登録」で設定しておきます。
さらにこのメニューで「プローブ情報送信」を”ON”にします(初期状態はOFF)。これをONにしないとスマートループのプローブ情報は利用できず、オンデマンドVICSのみとなります。
さらにその下の「プローブ情報受信」の設定はお好みで。自動受信にすると便利ですが、勝手にパケットを使うことになるので、料金プランを考慮に入れて設定した方が良いようです。私の場合は必要なときに手動受信をするようにして、一度手動受信開始した後は、一定間隔(20分)で自動受信するように設定しました。
これでスマートループを使用する準備は完了です。
いざスマートループ接続!
さて、それでは実際にスマートループに接続してみましょう。上記の初期設定はやや煩雑でしたが、今後普段車に乗るときにスマートループに接続する作業は簡単です。
Bluetoothが有効になれば携帯電話にもナビにもBluetoothアイコンが点灯します。ただし携帯電話側はBluetoothの電源をONにするだけでアイコンが表示されますので、必ずしも接続が成功したことを示しているわけではありません。一方、ナビのアイコンは相手機器が接続されてはじめて表示されます。
1〜2分くらいで1回の通信は終了します。終了すればもちろん自動的に携帯電話の回線は自動的に切断されます。このあと地図上に渋滞情報が表示されるわけですが、残念ながらこのテストをしたときには周囲にそれほど渋滞はなく、画面表示に目立って大きな変化は見られませんでした。
しかし周辺に渋滞はなくても目的地へのルート検索などに、このスマートループ情報は威力を発揮するそうなので、その情報の正確さ詳細さ的確さについては、後日何度か使ってみてからまたレポート書きたいと思います。今回は下準備編と言うことで。
と言うことで、スマートループとお天気情報を取得すると、地図画面の下にこんな表示が出てきます。”F”と書かれているのはFM-VICSの取得時刻これはいつも自動で取得されます。”S”がスマートループのプローブ情報の取得時刻。何らかの理由でスマートループ取得ができない場合はオンデマンドVICS情報を取得します。その場合は”O”と表示されます。そしてお日様のマークは見ての通り天気情報。
通信をやめる
さて、スマートループの初期設定で、データの自動取得や連続取得をオフにしていれば、ナビが勝手にデータ通信をすることはありません。しかし自動取得や連続取得をオンに設定した場合でも、データ通信させたくない場合もあるかもしれません。その場合は…
接続を切るには、やはり携帯電話からBluetooth電源をオフにするだけです。ハンズフリーもダイヤルアップ接続も同時に切れます。
ここでハンズフリーだけ生かしてスマートループ接続だけ確実に切りたいときは、もう少し複雑な手順が必要になると思います。また、複数の携帯電話やBluetooth機器をナビに接続して、それぞれ用途別に使い分けることも出来ますが、そこまでは試していません。例えば、ハンズフリーとデータ通信用にN-06Aを使いつつ、iPhone4はBT Audioとして使う等々。
パケット代は…?
さて、いったいパケットはどのくらい使うのでしょうか? 私の場合、ドコモのタイプシンプル・バリューという一番安い料金プランで契約していおり、パケットプランは0円スタートのパケホーダイ・シンプルを利用しています。
このプランだと、メール送受信は相手先にかかわらず常に無料なのですが、iモード接続は上限が4,410円、フルブラウザ接続は上限5,985円、それ以外のデータ通信では上限が8,190円となり、上限に達するまでは従量制(5,980円までは0.084円/パケット、それ以上は0.021円/パケット)です。
ドコモの携帯電話は普段、家族間通話(無料)とメール(無料)しか利用しておらず、iモード接続含めパケット通信は使っていません。なので月々の請求額は1,100円ほどです。しかし、スマートループでパケット通信をするとなると、それにかかる費用がこれに上乗せされることとなり、コスト増分がそのまま目に見えることになります。
もし、普段からiモード接続などでパケットを上限まで使っていたとしても、外部機器によるデータ通信は上限額が変わる(4,410円→8,190円)ので、やはりスマートループによるコスト増は発生します。Wi-Fiルーター機能などを使用して、PCからネット接続を常に使用し、既にパケット上限額に達している場合は、見掛け上追加コストなしになります。
さて、今回上記のように接続試験をした結果のパケット使用量を確認したところ、大ざっぱな見積もりですが、1回あたりのプローブ情報送受信で概ね500パケット以内に収まるようです。仮に500パケットとして料金に直すと42円。2時間の運転で6回情報受信したとして、250円そこそこです。
私はサンデードライバーですし、毎週長距離を運転するわけでもないので、恐らく月に1,000円もかからないのではないかと予想しています。スマートループ情報が今後どのくらい役に立つかにもよりますが、コスト的にはリーズナブルではないかと期待しています。その辺の運用状況についてはまたそのうち機会があれば書きたいと思います。
スマフォだとPANでの接続が可能でした。
まると さん、
情報ありがとうございます。ガラケーやめてからスマートループには繋いでませんでしたが、Bluetoothでつなげるかもしてないんですね。リンク先のブログを参考に試してみたいと思います。
Hi (id:hisway306)さんのこの記事で理解を深めてからメーカーに問い合わせて何とか接続できた次第です。
最近のナビは再起動で安定するなんて、パソコンのようですね。
まるとさん、
そうでしたか。ずいぶん昔のことなので自分でやったことも半分忘れかけていました。
この時代もナビはほとんどLinuxなどで動いているのでしょうね。いまだとAndroidだったりするかも。