フィルムで撮る秋の気配

投稿者: | 2011年11月25日

 「気配」というよりは、もう東京でもすっかり秋真っ盛り、もうすぐ冬の気配が感じられる今日この頃です。今月になってから久しぶりにフィルムを使ってみました。前回のように、ネガとプリントではやはりどうもしっくりこないところがあるので、ここは思い切ってリバーサルを使ってみることに。フィルムはすっかり種類も減ってしまったようですが、135ならまだリバーサルでもいくつか選べます。

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 で、買ってきたフィルムはFUJIFILMのVelvia、ISO100のやつです。デジタルになる以前、フィルム全盛期には実はほとんど使ったことがないフィルムだったりします。「超極彩」と銘打ってあるとおり、鮮やかな発色が特徴のフィルムです。もちろん撮る対象物によりますが、デジタルに慣れてしまった目には、特徴があってどぎついくらいでがちょうどいいのかもしれません。

 ちなみに使ったカメラはPENTAX MZ-S、レンズはFA50mmF1.4です。せっかくフィルムなら機械式シャッターのマニュアルの方が雰囲気あるのに… という気もしなくもないのですが、フィルムカメラとしては比較的新しいMZ-Sでも、十分に「フィルムで撮ってる」感を味わうことが出来ます。私が経験したフィルム一眼レフ全盛期とはAF/AE当たり前の時代でしたので。

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 何よりも違いを感じるのはファインダー。大きくて明るくて見やすい(当然)フルサイズ。APS-Cのデジタル一眼レフとは雲泥の差です。絞り優先で撮るには絞りリングを使います。これも懐かしい感覚。シャッターボタンはストロークが深くてちょっと重め。シャッターを切るとショックはほとんどありませんが、フィルムを巻き上げるモーター音が盛大にします。たった約10年前のPENTAX最後のフィルム一眼レフですが、それでも今とは違うのんびり感があります。

 ということで、以下上記の機材の組み合わせで撮影し、原像から上がってきたフィルムをEPSONのプリンタ複合機PM-A900でスキャンした画像を貼っていきます。

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PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, F2.0 Auto, 1/1000sec, FIJICHROME Velvia 100

 日光の紅葉。ひたすら紅くて綺麗でした。真ん中だけ日が当たっていてフォトジェニックだと思ったのですが、仕上がり見たらただの紅葉写真ですね。

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PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, F2.0 Auto, 1/30sec, FIJICHROME Velvia 100

 東照宮の獅子の木鼻… と思ったら、これ象さんですね。鼻が長い!象の木鼻があるなんて!それにしても派手派手なのはVelviaのせいだけではありません。

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PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, F5.6 Auto, 1/3000sec, -0.5EV, FIJICHROME Velvia 100

 雲の隙間から日が差す中禅寺湖。ドラマチックトーン風。

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PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, F8.0 Auto, 1/250sec, -0.5EV, FIJICHROME Velvia 100

 夕焼け。このカット、本当は下にちゃんと町並みがシルエットで入っているのですが、スキャナがどうしてもその部分をコマ間としてしか認識してくれませんでした。それはともかく、こういうのはリバーサルフィルムの得意分野かも。

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PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, F2.0 Auto, 1/180sec, FIJICHROME Velvia 100

 木の根元に佇む野良猫。カメラも完全無視で凛々しいです。

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PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, F2.4 Auto, 1/750sec, FIJICHROME Velvia 100

 桜の木に絡みついていた蔦系の植物。この季節に青々とした葉っぱ。何でしょうかね、これ。ルーペでフィルムを覗いていると、つやつやした質感も伝わってきて結構生々しいです。

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PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, F11 Auto, 1/125sec, FIJICHROME Velvia 100

 大横川に映る逆さスカイツリー。桜並木もかなり紅葉してもうかなり葉っぱが散ってしまっています。東京スカイツリーは外観がほとんど出来上がっていて、クレーンもすべて撤去されました。開業は間もなくです。3千円は高いですけど登りたい!

 ということで、「写真」としてどうかはさておき、思ったよりも普通に綺麗に写ってしまったなぁと言うのが正直な感想。スキャンしてこうしてPCモニター上で見ても「いかにもフィルム」って言う感じでもないですし。クラシックとは言えないわりと最近のレンズとカメラと最新のフィルムを使ったから当たり前なのかも。いずれにしても、やはりフィルムで撮るならリバーサルだなぁ、と再認識しました。

 と言うことで、味を占めてまたVelvia 100を買ってきてしまいました。MZ-Sで今度はFA31mmF1.8ALを使ってみるか、それともGR-1に入れてみようか? あるいはNikomat FTnでマニュアル&機械シャッターを楽しんでみようか… あ、そういえば借りたままのハッセルもあったんだ… と色々と妄想&画策中です。

フィルムで撮る秋の気配」への2件のフィードバック

  1. BP

    こんにちは、とても綺麗に撮れてますね。
    フイルムも挑戦していたのですが、スキャナーがうまくできないので、今は諦めています。
    ライトボックスでルーペを覗くときは、感動ものですね。

  2. Hi

    ○BPさん、
    ありがとうございます。ライトボックスとルーペも昔のやつを引っ張り出してきて使っています。ライトボックスも白の純度とか、規格があったんですよね。古いので黄ばんでるのかも知れませんが、ポジフィルムを覗き込む感覚は懐かしくもあり、新鮮でもあり。
    ブローニーのポジも使ってみたいのですが、そうなるとスキャンする手段がないので躊躇しています。でも、ブログに載せられなくても、一人で楽しめば良いかと思っているのですが。

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