今年に入ってからWindows 7のベータ版が一般個人にも配布され始めました。PC関係の各種ネットメディアでもいろいろとレビュー記事が掲載されています。恐らくPC自作erの間でも多くの人が実際にダウンロードして試してみていることでしょう。ということで、早速私もダウンロードして触ってみることにしました。Windows 7 ベータ版にはx86版(32bit)とx64版(64bit)の二種類があります。私は今後も64bit版しか使うつもりがないので、迷わずx64をダウンロードしました。なお、Windows 7ベータ版をダウンロードするにはWindows Live IDが必要です。
—ベータ版を使用する条件
で、このベータ版配布の目的は、いわゆるお試し用途ということではなく、広く一般から現時点でのバグや不具合、周辺機器との相性情報などのフィードバックを得て、来年にはリリースされるであろうWindows7正式版の完成度を上げることが目的となっています。そのため、このベータ版をダウンロードするにはいくつかの条件がMicrosoftから提示されています。
詳細はこちらのページに書いてあるのですが、ざっくりまとめると、専用のPCが用意でき、インストールメディアの作成やインストール作業、基本的なトラブルシューティングが自力でできること、ベータ版のリスクについて理解していること、そしてテストとフィードバックに積極的に参加する意志があること、となっており、これらに該当しない場合はダウンロードを遠慮してくれ、とまで書かれています。
実際にWindows 7 ベータ版をインストールすると、デスクトップには「フィードバックの送信」というアイコンが置かれ、それのみならず、開いたウィンドウの右上には常に「フィードバックの送信」というリンクが表示されるようになります。これらによって、いろいろテストしながら出会った現象を即座にMicrosoftに送信できるようになっています。
そういう点では、私は本当はWindows 7 betaを試用する資格がないのかもしれません。インストール先は専用のPCではなく、Virtual Boxによる仮想PCで、正直なところ半分興味本位というのが実際のところです。でも、ダウンロードしてインストールしてみたからにはせっかくなのでいろいろ触り倒してみたいと思います。ということで、今回のエントリーはとりあえずのファースト・インプレッションです。
詳しくはこちらへ↓
Microsoft Windows 7 ホームページ:http://www.microsoft.com/japan/windows/windows-7/default.mspx
—インストール
さて、上にも書いたように今回はVirtual Boxにインストールしてみました。ちなみにVirtual Boxの最新バージョンは2.1.2。クライアントOSとしてWindows 7がサポートされた最新版です。ダウンロードしたWindows 7ベータはインストールメディアの.isoフォーマットなので、Virtual Boxにインストールするには仮想DVDメディアとしてマウントするだけ。インストール作業は他のWindows系OSと同じようにあっさりと終了しました。一説によるとインストールも非常に早いそうですが、ながら仕事をしていたためか特にインストール時間については気がつきませんでした。
インストール後、AC97サウンドだけは自動でドライバがインストールされなかったので、RealtekのVista用AC97ドライバを手動でインストール。無事に音が鳴りました。Virtual BoxのGuest Additionは2.1.2であればWindows 7に対応していますのでそのままインストールできます。もしそれ以前のバージョンを使用する場合、インストーラーをVista互換モードで実行すれば、問題なくインストールできるようです。(2.1.0で実際にこの方法で試しました)
インストール時のディスク容量ですが、インストール直後で約10GB。一方同じようにVirtual Box上にインストールしたVista Home Premiumは17GBほどです。Microsoftの推奨条件ではWindows 7は16GB、Vistaは15GBとなっていますが。Vistaの方はインストール直後ではないのですが特にアプリケーションはインストールしていないので、ほぼ素の状態と思われます。Windows 7 ベータ版はフル機能搭載のUltimate相当だそうですので、いずれにしてもインストールサイズはかなりコンパクト化されているようです。
—Windows 7は軽い?
巷ではWindows 7はVistaと比べて動作が「非常に軽い」と評判なのですが、実際にVirtual Boxにインストールした仮想環境でも、その軽さは細かい機能変更やUIの変化などよりも真っ先に実感できます。CPUにPhenom 9350eを積む私のPCでは、Virtual Box上でもWindowsXPはそこそこ実用的な速度で動きますが、Windows Vistaは非常に反応が遅くかなりストレスがたまります。しかしWindows 7は起動時間は長いような気がしますが、いったん起動してしまえばあとはWindows XPと遜色ない反応速度でサクサクと動きます。
ちなみに仮想Windows 7に割り当てたメインメモリは1GB。Virtual Box上ではDirect3Dはエミュレートされず、グラフィックはアクセラレーションが無いも同然。当然Aeroも有効になりません。そしてCPUはPhenomの2GHz動作ながらも、シングルCPUとして認識されます。CPU能力はともかく、グラフィックを中心とした性能としては今時のPCとしてはかなり貧弱なスペックに相当します。それでもこれだけ動くのだから、実機では相当軽快に動くことが期待できます。今流行のネットブックでも画面が小さいことを除けば十分実用になることでしょう。
—その他インプレ
Windows 7の新機能については、詳しい解説があちこちのネットメディアにあるので、そちらをご覧頂くとして、私が触ってみた限りにおいてはユーザーI/Fを中心にVistaとかなり互換性が高いように思います。XPからVistaに移行するときのような戸惑いは感じません。内部バージョンがVistaのNT6.0に対し、7はNT6.1であるところからも、その互換性の高さが想像できます。
見た目にはタスクバーのデザインと機能がかなり変わったことが真っ先に感じられますが、便利になった、というよりは画面の占有率が高くなってしまったことがむしろ気になります。WUXGAくらいの解像度を前提にしているのでしょうか。
さて、インストールしてからすでに2週間くらい経ちますが、今のところ特に変な問題には出会っていません。終了に時々失敗することはありますが、それはおそらくVirtual Box側の問題と思われます。現状のビルド7000は未だ日本語化の途中らしく、設定メニューやダイアログボックスに表示されるメッセージの多くが英語のまま残されていたりします。しかし、口コミで言われているとおり、非常に動作は安定しており、軽快さも含めベータ版とは思えない完成度です。ドライバー類もVistaのものがほとんどそのまま使用できますし、このまま普通に常用できてしまうのではないかと思えるほどです。
—VISTA vs 7
Windows VistaはWindows ME以来の地雷OSと言われることもありますが、私はそこまでひどいOSだとは思いません。しかしVistaは4GB以上のメモリを積んでx64で使用することで初めて力を発揮するOSではないかと思います。メモリーの価格はこれだけ安くなったにもかかわらずx64の普及が進まないのがもどかしいところです。それにはいろいろ理由はあるのだと思いますが、x64化への移行ができなかったという点でVistaはやはり失敗作なのかも。
それはさておき、Windows 7にはかなり期待できそうです。x64化によるメリットというものがますます不明確になってしまうような気はしますが、少ないリソースで軽快に動き、Vista以上のことができるならそれに越したことはないわけですし、今の時代にも合っています。
過去、Windowsのバージョンアップにはすぐに飛びつかず慎重に手を出してきましたが、Windows 7にはすぐに手を出してしまいそうな気がします。それくらいこのBeta版はよくできてると感じました。
お初です。
タスクバーが大きいとのことでちょっとコメントさせてもらいますと、
プロパティから「小さいアイコンを使用する」にチェックをつけるとタスクバーが小さくなりますよ。
もしもう既にお試しになられているようであればすいません
○照巳さん、
初めまして。コメントありがとうございます。
カスタマイズ情報ありがとうございます。ご指摘の件、全然知りませんでした。やはり色々触ってみるべきですね。
で、早速やってみました。小さいアイコン化すると、タスクバーはほぼ従来並ですね。画面の小さなPCではこっちの方が良いかも。なんか、アイコン間隔が開いて間抜けになりますけど。