西南の嵐

西南の嵐―銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)

西南の嵐―銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)

熊本、秋月、萩、次々と士族による乱が起こる。銀座に棲むサムライ・久保田宗八郎は西から吹く風に男たちの絶望のにおいを嗅いだ。そして西南戦争が勃発。友たる市来巡査も複雑な心境を抱え出征してゆく。ご一新から九年、命の捨てどころを探し続けた宗八郎。ふたりの女からひたむきな愛を受け取り、悪鬼羅刹の如き宿敵との対決に赴く。傑作の誉れ高き三部作、熱涙溢れる完結篇。

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四文屋

四文屋―並木拍子郎種取帳 (ハルキ文庫 ま 9-5 時代小説文庫)

四文屋―並木拍子郎種取帳 (ハルキ文庫 ま 9-5 時代小説文庫)

トンボ返りの名人が坂東三津五郎の舞台で大失態を演じてしまう。その理由とは・・・・・・(「蔦と幹」)。頼母子講に絡んだいやがらせ事件の裏には・・・・・・(「頼もしい男」)。二枚目で生意気な人気役者が、茶店の娘に惚れてしまい・・・・・・(「惚れた弱み」)。人気狂言作者並木五瓶の弟子・拍子郎は、遭遇する様々な事件の真相を次々と明らかにしていく―――。

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三世相

三世相―並木拍子郎種取帳 (時代小説文庫)

三世相―並木拍子郎種取帳 (時代小説文庫)

貧乏人にも親切だと評判で、診察にもかなりの信用があった医者・良庵が殺された。人気狂言作者並木五瓶の弟子・拍子郎と料理茶屋の娘・おあさは、半月前に占断所で偶然、良庵の女房を見かけていた。早速、拍子郎は事件に首をつっこむことに…(「三世相」より)。表題作他全五篇を収録。江戸の芝居町を舞台に、男と女の情の濃やかさと、人生の奥ゆきを余すことなく描いた傑作捕物帳シリーズ、待望の第三弾。

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二枚目

二枚目―並木拍子郎種取帳 (時代小説文庫)

二枚目―並木拍子郎種取帳 (時代小説文庫)

人気狂言作者・並木五瓶の弟子拍子郎は、今日も“町のうわさ”を集め、師匠のうちにやって来た。材木問屋の崇り、芝居小屋での娘の神隠し事件、吉原の女郎あがりと大店に勤める手代の心中事件…。拍子郎は遭遇する事件の真相を、五瓶とその妻の小でん、料理茶屋のおあさ、北町奉行所に勤めている兄を巻き込んで、次々と明らかにしていく。江戸に生きる男と女の心の機微が織りなす、粋で心優しい捕物帳の傑作シリーズ第二弾。

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道絶えずば、また

道絶えずば、また (集英社文庫)

道絶えずば、また (集英社文庫)

江戸中村座。立女形三代目荻野沢之丞が、引退を決めて臨んだ舞台で、奈落へ落ちて死んだ。大道具方の甚兵衛が疑われたが、後日首を吊った姿で見つかる。次に沢之丞の次男・宇源次が、跡目相続がらみで怪しまれた。探索にあたる北町奉行所同心・薗部は、水死体であがった大工の筋から、大奥を巻き込んでの事件の繋がりに気づくのだが…。多彩な生き様のなかに芸の理を説く長編時代ミステリー。

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幕末あどれさん

幕末あどれさん (幻冬舎時代小説文庫)

幕末あどれさん (幻冬舎時代小説文庫)

黒船の砲声が切って落とした維新の幕。あらゆる価値観が激変する中、旗本の二男坊、久保田宗八郎と片瀬源之介の人生も激流に飲み込まれていく。武士に嫌気がさした宗八郎は芝居に出会 い、狂言で生きる決心をする。一方、源之介は徳川家への忠誠心から陸軍に志願するが……。時代に翻弄される名もなき若者(=あどれさん)の青春と鬱屈を活写した傑作。

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円朝の女

円朝の女 (文春文庫)

円朝の女 (文春文庫)

江戸から明治へ。歴史の転換期を乗り越えた、大名人と女たちの人生が深い感慨を呼ぶ傑作時代長編。生き生きとした語り口が絶品! 時代の絶頂を極め、近代落語の祖と言われた大名人・三遊亭円朝と彼を愛した五人の女。江戸から明治に変わる歴史の大転換期に生きた彼らの姿、いつの世も深く果てない男女の仲を、語りの名手がいま鮮やかに炙り出す―全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで、女を活写する傑作時代小説。

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東洲しゃらくさし

東州しゃらくさし (幻冬舎時代小説文庫)

東州しゃらくさし (幻冬舎時代小説文庫)

江戸へ下ると決めた上方の人気戯作者・並木五兵衛。一足先に行って様子を報せてほしい–。頼まれた彦三は、蔦屋重三郎の元に身を寄せる。彦三に自らを描かせた蔦屋は、顔の癖を容赦なくとらえた絵に息を呑む。彦三の絵を大きく仕掛ける肚を決めた蔦屋。一方、彦三からろくな報せのないまま江戸へ向かった五兵衛には、思わぬ挫折が待っていた–。

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そろそろ旅に

そろそろ旅に (講談社文庫)

そろそろ旅に (講談社文庫)

『東海道中膝栗毛』で一世を風靡するのはまだ先のこと。若き日の十返舎一九、与七郎は平穏な暮らしに満たされず、憑かれたように旅を繰り返す。駿府から大坂、そして江戸へ。稀代のユーモア作家が心に抱いた暗闇とは何だったのか。意外な結末が深い感動を呼ぶ、直木賞作家渾身の長編小説。

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果ての花火

果ての花火―銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)

果ての花火―銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)

命を賭して信じる道に突き進めぬ者が、どうして士族を名乗れようか。久保田宗八郎は、虚しさを感じていた。株式会社、開かれた言論、徴兵制度。西南戦争前夜、すべてが急速に欧米化してゆく。銀座煉瓦街で親しく交わる、若様、巡査、耶蘇教書店主。そして、深い縁で結ばれた元遊女比呂と、互いに恋情を確かめ合った可憐な綾―。名手が、時代に翻弄される人びとの哀しみを描く。

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