1,000mmオーバーの超望遠で隅田川花火大会を撮ってみる

投稿者: | 2016年8月2日

 夏になると日本全国各地で開催されるのが花火大会です。東京東部でも7月最終土曜日は隅田川花火大会が毎年行われています。江戸時代中期まで歴史を遡ることが出来る由緒正しい花火大会で、東京の街中で開催されるとあって、上がる花火自体は小粒なものが多いのですが、非常に有名で多くの人出で賑わいます。とは言え、土手に寝転んでゆっくり見る… というものではなく、会場近辺は殺人的な混雑になることでも有名。わざわざ出かけていく気にはなれないので、毎年遠くから眺めつつ、テレビ東京の中継で見物するだけにしています。

 ゲリラ豪雨に見舞われたりしたこともありましたが、今年は日中から穏やかな快晴。空気も澄んでいて遠くからでもよく見えるということで久しぶりに写真を撮ってみることにしました。撮影地は浅草の第二会場まで直線距離で約5km。花火自体が小さいのでかなりの望遠が必要です。

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 そこでふと思いつきました、アレを使ってみるチャンスではないかと。ということで、Q-S1にマウントアダプターを介してDFA望遠ズームを取り付け、1,000mm相当級の超望遠で撮影してみることにしました。

Q-S1 + DFA150-450mm F4.5-5.6

 まずは「Kマウントレンズ用アダプターQ」のおさらい。

 この記事で取り付けた姿だけ紹介して、実写はしていなかったDFA150-450mm F4.5-5.6をいよいよ使ってみることにします。

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 その姿はこんな感じ。手持ちでは無理なので、もちろん三脚(マンフロット 190 4段 カーボン)に載せてしっかりと固定します。それでもピント合わせのためにピントリングに触るとライブビュー映像はグラグラと揺れてなかなかピント合わせは難しいです。

 露出モードはマニュアルにしてシャッター速度は10秒前後に設定。感度はISO100で固定し、絞りリングは半分くらいまで回してやや絞り気味に。RAW記録にして(多少の)露出の過不足やホワイトバランスは後で考えることにします。

 レリーズにはリモコンを使い、さらに3秒セルフタイマーに設定してブレをできるだけ抑えました。今回やってみてはじめて気がついたのですが、今愛のセットアップではどうやら露出開始は電子シャッターで物理シャッターは露出終了時だけ働くようです(いわゆる電子先幕シャッターみたいなもの)。アダプター使用時だけでなくQマウントでは全ての場合でそうなるのかどうかは分かりません。いずれにせよブレ防止には理想的な方式です。


 ちなみに使用したリモコンは以下の記事で紹介した互換品です。Q-S1はもちろんK-1でもK-3 IIでも、PENTAXブランドのカメラは何でも使える万能品。Q-S1のリモコン受光部は正面のグリップ部(右手側の丸い出っ張り)にありますので、前面からボディに向けて操作します。

隅田川花火大会を撮影!

 ではいよいよ撮影結果です。35mmフルサイズ換算で690〜2070mm相当となりますが、主にズームの中間付近からテレ端までを使いました。三脚に載せているので手ぶれ補正は切りました。なので焦点距離情報は適当な数字を入れてしまいました。

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 これらはワイド端近辺だったはず。800mm相当前後でしょうか。もう十分に一眼レフでは難しい領域です。APS-Cならまだしもフルサイズだとどんなレンズが必要になるやら。Nikon 1なら何とかなりそう。

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 これは200〜300mm近辺。ということで概ね1,000mm相当を超えてきた当たり。この辺が使いやすかった(と言うのも変ですが)です。右下にチラッといえてるのが浅草ビューホテルです。花火はビューホテルよりかなり手前で上がっています。

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 さらにズームリングを回して、多分これはもうほとんどテレ端だったと思います。ということは約2,000mm! 花火の奇跡がウネウネしてるのはブレのせいではないはず。ビルの航空障害灯はほぼ点に写ってますから。

 全体的にはピントが甘いのか、ブレが抑え切れていないのか、あるいはこのレンズの性能なのか、花火という条件が厳しすぎるのか、いかにも中心部を激しくトリミングした感じの、線の太さ、エッジの甘さがありますが、縮小して見る分にはまぁまぁかと思います。夜でよく分からなかったのですが、そもそもこれだけの遠景になると、空気のちょっとした霞や揺らぎで、そもそもクリアに撮るのは難しいと思われます。

 と言うことで、やはり「Kマウントレンズ用アダプターQ」はお遊びの範疇を超えないようです。超望遠ごっここそが正しい遊び方とは言え、2,000mm相当近いという領域はやり過ぎでしょうか。でも念のため今度は月を撮ってみたいと思っています。そこまでやれば満足するはず(^^;

K-1 + DFA150-450mm F4.5-5.6

 ちなみにボディをK-1に付け替えたバージョンも撮影しておきました。フルサイズで450mmだとちょっと足りなかったので、APS-C相当くらいにトリミングしています。

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 さすがにこちらはサムネイルで見ても分かるくらいにクリアでシャープです。これはもうセンサーの差というか、レンズとのマッチングの差でしょう。

 晴海で行われてきた東京湾大華火祭はずっと大玉が上がる派手な花火大会で、隅田川よりも楽しみにしていたのですが、東京オリンピック開催準備の煽りを受けて昨年を最後に当面は中止となってしまいました。

 なので、これから数年はもっと隅田川花火大会を見直して行きたいと思います。今年調べた感じでは東京スカイツリーと絡めて第一会場の花火(第二会場よりも大玉が上がる)がよく見えそうな場所があったので、来年はそっちを狙おうかと考えています。

PENTAX Kマウントレンズ用アダプタ Q 39977

PENTAX Kマウントレンズ用アダプタ Q 39977

1,000mmオーバーの超望遠で隅田川花火大会を撮ってみる」への2件のフィードバック

  1. opa

    おお!早速ですね。
    Q-S1と装着レンズの大きさに笑ってしまいそうです。
    花火、きれいに撮れていますね。
    今回も楽しく拝見致しました、次回も期待しています。

  2. hisway306

    opaさん、
    はい、思いついてやってみました。でもやってて思い出したのですが、3年前にもQ7で同じようなことやってました。この時は250mmでしたけど。
    http://history.hatenablog.com/entry/2013/08/11/220047
    Qマウントで450mmというのは外観も笑ってしまいますが、ライブビューでピント合わせ&フレーミング決めをやってるときが、あまりにあり得なくて一番笑ってしまいます。
    このシリーズ、次回があるかどうか分かりませんが、思いついたらまた何か撮ってみたいと思います。

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