スキーのメンテナンス

 前回のスキーで使用したショートスキーの影八甲田ですが、昨2008年シーズンは一度も使わなかったこともあって、オフシーズン中にチューニングに出していませんでした。その前の2007年シーズンも使用したのは初滑りの一度きり。使用後にはちゃんとベースワックスがけをしておきました。ということで、そんなに傷んでいないはず、と思っていたのですが、前回のスキーで滑り終えてから滑走面を見てみるとびっくり。一面真っ白になっていました(ToT)

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写真でもはっきり分かるくらい白くなっています。特にエッジ付近はひどいものです。

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模様のない黒い部分はよりはっきりと…。これはひどい。これでも普通に滑れましたけど。

 これはいわゆるベースバーンというやつでしょうか。滑走面は全体的にやられてはいるのですが、左右ともに前後左右のエッジ付近四カ所ずつは特にひどいことになっています。
 と言っても、前回のチューンから数えてわずか2日間の滑走だけでこんなになってしまうとは、俄には信じられません。元々この板は長い板に比べて圧倒的にベースバーンになりやすいなぁ、とは感じていましたのですが。エッジ長が絶対的に短いため、長い板に比べて特に加重が集中しやすいという面があるのでしょうか? あるいは、やはり約2年間使わずに保存しておいたのが良くなかったのかも。もしくは、最後にかけたワックスがいい加減だったのか…。色々思い当たることはあります。

 ベースバーンを防ぐには、ベースワックスはもちろん、適切な滑走ワックスをこまめに、丁寧にかけることが基本のようですが、エッジ周辺だけさらに固いワックスを掛けるということもあるそうです。なるほど!
 と、納得している場合ではありません。今更対策を調べてもすでに後の祭り。ベースバーンはソール面の細かい毛羽立ちですので、本来なら再度チューンに出して、削ってもらわなくては直りません。でも、その前に気休めだけでも、と言うことでワックスがけをしてみることにしました。

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一応、こんなに綺麗になりました!

 この板、一度チューンに出しているにも関わらず、ソール面はフラットではないことがホットワックスを掛けているとよく分かります。基本的に中央部が凹んでいるのですが、前後方向にも微妙な凸凹があって結構複雑な形状。凹んでいる部分はうまくスクレーバーがかけられません。このソール面の形状もエッジ側に特に負担をかける原因なのかも。

 ともかく、一応ベースワックスを丁寧にかけて丁寧に磨いてみると、思ったよりは艶やかにはなりました。と言っても、根本解決したわけではないので、これで滑るとまたすぐに真っ白になるのでしょうけど。ま、今シーズンはもうこの板は使わないので、このまましまっておいて、オフになったら二年ぶりにチューンに出したいと思います。 

青雲遙かに 大内俊助の生涯:佐藤雅美

青雲遙かに 大内俊助の生涯 (講談社文庫)

青雲遙かに 大内俊助の生涯 (講談社文庫)

 

  最近本を選ぶときの一つのテーマとしているのが「幕末」です。今回読んだ本は私の大好きな作家の一人、佐藤雅美さんの書いた幕末の物語。歴史小説を手がけた人は誰しも幕末ものを書いて見たくなるものなのでしょうか。それはさておき、佐藤雅美さんと言えば時代考証。特に経済関係の考証の深さは有名ですし、先日読んだ「町医 北村宗哲」では江戸時代庶民の医療事情を扱っていました。そして今回のテーマは「学問」です。江戸時代の学術界に一歩を踏み出そうとしたある一人の青年、大内俊助の物語。タイトルにあるようにその生涯を扱った大河ドラマです。

 本屋さんでこの本を手にしてまず驚くのはその厚さ。通常350ページ前後が一般的な分量なのですが、この本はなんと780ページもあります。価格も文庫本にして堂々の1,000円越え。普通に二分冊できる文章量は、さすがに一人の人間の生涯を扱っているだけのことはあります。後で触れますがその内容から考えても、取り扱いやすさから考えても、総額が高くなるのは仕方ないとして、本来ならば上下巻にして欲しいところです。鞄の中にも収めづらいし、電車の中でも読みづらいし、愛用しているブックカバーもできないし…。しかし、そんな扱いづらさを補ってあまりあるすばらしい小説でした。

 主人公の大内俊助は仙台伊達藩の大番氏の家に生まれた長男。剣術よりも学問にその才を発揮した彼は、将来藩政を担う身として、江戸の昌平坂学問所へとやって来たところから物語は始まります。学問所には同じように全国各藩からやってきた同年代の秀才、天才が集まっています。共同生活を送りながら、勉強に、人間関係に、あるいは遊びにと忙しい毎日を送りながら、将来に漠然と不安を感じつつ思い悩む俊助。と、ここまではまるで学園青春ドラマそのもの。

 時代は江戸後期。俊助が学問所に暮らしていたのは、江戸の経済を壊滅させたと悪名高い、水野忠邦による天保の改革の時代。そして南町奉行が鳥居耀蔵、北町奉行は金さんでお馴染みの遠山影元でした。学問所は単なる学校とはいえども、幕府の直轄であり、またそこに学ぶ若者達は単なる学生の身分でありながら、日本全国の藩政に近い位置にいる大身の御曹司ばかり。俊助は漏れ伝わってくる外国の情勢と政治の噂を耳にするようになると同時に、学問を続けていくことの意義と自分の将来に疑問を感じ始めます。

 そうやって色々なことを経験し、悩み、ちょっとした事件に巻き込まれつつ、波瀾万丈の道のりを歩みながらも、学問のみならず人生を学びながら、大内俊助は立派な学者になり伊達藩を背負っていきましたとさ… というありがちな物語と思えば、全くそうではありませんでした。全体の1/3を過ぎたあたりから、ある意味小説的なオチの付け方の常道に反する、予測不能なストーリー展開へと入っていきます。

 前半部分では、俊助が思い悩み始めながらも江戸の町に馴染んですれていく様子とともに、江戸時代の学問界についての解説が織り込まれています。この辺は佐藤雅美さんらしいところ。当時主流の学問と言えば儒学。孔子と孟子を聖人として、その残された言葉の意味をひたすら追求し解釈する学問です。ある意味これは哲学のようなもの。儒学は封建的な幕藩体制にとっても都合の良い内容でした。
 しかし、経済問題よりも医療問題よりも、儒学についての時代考証というのは、現代に生きる私みたいな凡人にとって、全く関わりがないだけに非常に難解です。しかし、物語の中の大内俊助は、儒学あるいは朱子学の内容に疑問を感じ、それを追求していくことに空しさを感じ始めます。

 そして後半。大内俊助の人生は大きく変動していきます。むしろここからこそがこの小説の主題。俄然面白くなるところです。是非ここで事細かに語りたいのですが、それはこの小説の最も面白いところであり、読み始めたときには全く期待していなかった展開でもあり、その意外さはこの本の楽しみの重要なポイントでもあります。なのでここでは我慢して詳しくは紹介しないことにします。ともかく、時代は進み、浦賀にはペリーが来航し、幕府は混乱しながら開国の道を歩み始め、時代は幕末へと向かっていきます。

 しかしこの本で語られる幕末とは、他の多くの資料や小説で語られている、薩長はじめ朝廷や徳川将軍、そして各地の大名達による国内の政争についての物語ではありません。ともすれば、新政府樹立を目指した薩長にこそ、時代の流れを読む先見の明があったと思われがちですが、幕末の初期においてはそうではありません。尊皇はともかく、薩長が唱えていた攘夷(=鎖国堅持)は時代に逆行するも甚だしい理念でした。一方で幕府はなし崩し的に開国を余儀なくされたとはいえ、海外の軍事力を恐れ、それに対抗するためにも、外国の技術や情報を取り入れ、日本の海軍力の増強に力を入れ始めました。この流れは明治維新により新政府が樹立された後加速した「富国強兵」の政策へとつながっていきます。

 そうした中、幕府はオランダ等の外国から最新鋭の蒸気船を導入するとともに、日本においても洋式の造船技術を確立しようとします。咸臨丸は幕府がオランダから購入した二隻目の軍艦。明治維新に先立つこと8年前の1860年に、勝海舟や福沢諭吉ら遣米使節団を乗せてアメリカはサンフランシスコへと、太平洋を初めて横断した日本の船です。
 ちなみに、最後の将軍、徳川慶喜が鳥羽伏見の戦いから逃げ出した際に利用した開陽丸も、咸臨丸以降、幕府が導入したオランダ製の最新鋭艦でした。咸臨丸、開陽丸含め当時幕府が所持していた数隻の艦船は、その後徳川幕府が瓦解した後に、榎本武揚の指揮によって北海道まで落ち延びますが、最終的には全て新政府軍に接収されました。

 海外製の艦船を導入し、海外式の航海術を学んで初めて太平洋を渡った日本人達。そこには長い眠りから目が覚めて、新しい世界を目の当たりにして戸惑いながらも、不安と同じくらいの希望に溢れ目を輝かせていた様子が伺えます。世界と渡り合っていく決心をして、その第一歩としてサンフランシスコへ渡った咸臨丸。新大陸を目指したヨーロッパの冒険家ほどのことはありませんが、日本人にとっての大冒険だったに違いありません。そんな大きな時代の流れの中では、幕府だの朝廷だのといった小さな問題は関係ありません。咸臨丸をアメリカへ送り込んだのは徳川幕府。その後、明治維新を経て世界と渡り合えるだけの国を作っていったのは明治新政府でした。どちらも日本人の歴史には違いありません。

 さて、なぜこんなことをつらつらと書き連ねているのか? それは大内俊助の生涯の後半が、まさにこれらの大冒険に関係するからです。学問に疑問を感じ始めた大内俊助の人生は、幕末を挟んで大きく変化します。そして彼は、本当の学問とは?勉強することの意義とは?という疑問への答えを見つけたのでしょうか?
 明治維新を経て、日本の教育制度、教育の内容も大きく変貌を遂げます。昌平坂の学問所で当時のエリート達が勉強していた儒教は跡形もなく消え去りました。では儒教は不必要な意味のないものだったのか? 俊助は維新を経験し、海外の文化に触れることでそこに一つの答えを見つけます。

 そしてとても美しいラスト。大河ドラマのラストらしく、とても感動的です。ここまで読んでみて、佐藤雅美さんの描く物語の結末というものを読んだのが、これが初めてであることに気がつきました。というのも、他の作品は全てシリーズものであり、どれ一つ完結を迎えていません。ともすれば考証にこだわり、解説的になりやすい佐藤さんの小説。しかし、このオチは見事です。浅田次郎ばりだと思います。

 おすすめ度;★★★★★

豚もつ鍋専門店 とん舎@新小岩

 暖かい日が続いた中で急激に寒さが戻ってきた週末、冬らしく体が温まる物でも食べに行こうと言うことで、もつ鍋屋さんに行ってきました。もつ鍋は一時期とても流行りましたが、このお店はそんな流行とは関係なく豚もつ鍋一筋。いや、もちろんもつ鍋以外にも色々メニューは揃っていますけど。で、冬だから鍋、という安易な考えでやってきた我々を迎えるのは店の中に貼られた鍋の五箇条。良い言葉が並んでいます。鍋に季節なし、鍋にルールなし、鍋にタブーなし…。うん、その通り!

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鍋の五箇条。心に響きます。

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これが名物のもつ鍋の赤。一番上に被さっている油揚げが特徴です。

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どこに行っても必ず食べるレバ刺し。さっぱり味でした。

 もつ鍋には赤と白があるのですが、赤はもちろん辛味系。白は和風だし。鍋に夏冬なしとはいえども、やはり寒い日には赤のもつ鍋が一番です。これにお好みに応じて辛味噌を混ぜて頂きます。我々は特別に辛味噌ではなくて粉末の唐辛子をもらいました。というか、この店に何度か通ってる友人が以前に唐辛子を特別に発注したのを覚えていて、今回は何も言わずとも持ってきてくれたり。常連と言うほど通い詰めているわけではないのに、ちゃんと客の顔と好みを覚えてくれているというのはすごいことです。

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もつ焼き五本盛り。見た目地味ですが美味い!

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こちらはネギ塩五本盛り。これまた美味い!

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ビールのおつまみに最適。炙りベーコン一枚焼き。

 もつ鍋のほかには豚しゃぶもありますし、串焼きや刺身なども。飲み物はまずはビールで乾杯は基本として、久しぶりに本格芋焼酎を飲みました。ここしばらく忘れていた味です。美味しい豚料理には焼酎がとてもよく合います。焼酎はやめられなくなるのが難点ですが。いつものことながら、今回もよく飲み食いしました。鍋と豚料理に芋焼酎を飲みながら幕末を語る酔っぱらいたち。もちろんこのまま終わるわけはありません。

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銘柄は忘れてしまいましたが、おいしい芋焼酎を何杯も頂きました。

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パークホテルの隣。この看板が目印。


 豚もつ鍋専門店 とん舎
 東京都葛飾区東新小岩1-1-1
 TEL: 03-3697-1808
 18:00~23:00
 休業日不定

 もつ鍋をがっつり食べて、焼酎をグイグイ飲んで良い気分になったところで二次会です。最近飲み友達の一人がやたらに「回転寿司に行きたい!」と言うのですが、回転寿司では落ち着かないだろうと華麗にスルーしてきました。でもあんまり無視し続けるのもかわいそうと思い、酔った勢いもあってとうとう回転寿司につきあってあげることに。さんざん飲み食いした後だし、普通二次会で行くところじゃないのですが、そんなことには気づいていません。ということで、南口に移動し、いつも行くカラオケ屋の下にある回転寿司へと行ってみたのでした。

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お刺身三点盛り!このくらいなら食べられるでしょ。

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時間が時間なのでほとんど廻っていません。ということで要個別発注。

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飲み物は熱燗で。

 ここは牛丼チェーン店の松屋が資本を出している回転寿司です。内装も凝っていて高級店の雰囲気。全品105円統一価格という、わかりやすい激安店ではなく、ネタによって一皿(=2貫)105円から上は840円まで、実に8ランクに分けられています。お皿の色を見ながら手元の値段表とつきあわせて… と面倒くさいことは放っておき、酔っぱらい達はお皿の色などお構いなしにどんどん発注してしまいます。っていうか、まだ食うのか!というほどに。

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ねぎトロ。緑のお皿は137円也。リーズナブルです。

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この光りものはコハダ<。やはり137円也。

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蟹!赤いお皿はちょっとお高くて368円。

 食べ始めたら止まらないお寿司。さっきさんざん食べてきたはずなのに、なぜかお腹に入っていきます。ちょっとこってり系だった豚料理に対して、口直しにもなりますし。寿司は別腹というのを実感しました。はっと気がつけばお皿の山。ただの酔っぱらいではなくバカな酔っぱらいです。

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4人で23皿。ま、普通ですね。二次会じゃなければ。


 回転鮨 福松新小岩店
 東京都葛飾区新小岩1丁目48番地11
 TEL: 03-5661-2772
 11:00~23:00

 お寿司もたらふく食べて、良い気分になって、さて次はどこへ? そうです、まだ食べるのです。飲むのです。先週病欠した友人のために、トロ函へちょっと行ってみることに。さすがに三次会にとろ函というのは如何なものかと、酔っぱらった頭にも罪悪感がよぎりましたが、ほんのちょっとだけ、ということで許してください。

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あの灯りと暖簾が俺たちを呼んでいる。

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軽めのお酒、と思って発注したホッピー。これで焼酎三杯飲めることを忘れてた。

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焼き蛤最高!

 ほんとに飲み過ぎ、食べ過ぎです。さすがに四次会はありませんでした。私はどこかへ行きたいと叫んでいたようですが(A^^;

RICOH GR Digital II

 デジタルカメラを買い換えました(A^^; またか!と思われる向きもあるとは思いますが、その辺はまぁ色々事情がありまして、簡単に言ってしまえば私お得意の飽きっぽさの虫が騒ぎ始めたと言ったところです。今度のカメラはRICOH GR Digital IIです。ニコンのCOOLPIX P6000はいいカメラだと思ったもののどうにも手には馴染まず(→ Optio W60 1.5ヶ月インプレ)、ということで、気がついたら、コンパクトで写りが綺麗で使いやすいカメラは無いものかな?と、探し回っていました。

 そんな時に見つけた衝撃のプライスタグ。価格.comをなにげに見ていたら、RICOHのハイエンドコンパクト機であるGR Digital IIがなんと4万円を大きく切っています。最近は再び値上がり傾向にありますが、私が思わずポチッと購入してしまったときは、3万6千円台中盤の値段がついていました。後日COOLPIX P6000を処分して手にした金額を勘案すると、差額1万円以下でGR Digital IIを手に入れたことになります。これはお買い得(なはず)! しかも以前使っていたCaplio R5で使っていた電池もそのまま使えます。

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結局私も RICOH GR DIgital II のオーナーになってしまいました。

 私のカメラ関係の戯れ言におつきあいいただいてる方は記憶されているかもしれませんが、2005年秋に初代GR Digital が発表されたとき、私はこのカメラをかなり酷評しました。これはGR風なだけの自己パロディ製品ではないかと。しかしそれから3年以上、地道にファームウェアのアップデートを繰り返し、一度だけH/Wのマイナーチェンジを施して、その他GR Blogを通じて色々なサポートおよび広報活動を繰り広げてきたRICOHの姿勢を見ていると、これは本当にデジタル時代のGRを目指しているのかも?と、思い始めてしまいました。

 GRの遺伝子云々はさておき、軽量コンパクトなボディに明るいワイドな単焦点レンズを組み込み、いたずらにスペックを追わず、写真を撮ることに特化した機能性などなど唯一無二なカメラであるのは確かです。大きなセンサー、本格的な光学ファインダーがあるに超したことはありませんが、それらを無理して組み込大きく重たくなってしまうより、やはりこのカメラはこのサイズ、重量に収まっていることがとても重要なことだと思います。まぁだったら過去のGRの栄光に縋ることはなかったのではないかと思いますが。広告戦略として楽なのは分かりますけど。

 ということで、3年前にこんなものいらない!と思ったものの、それから時間が経過するに従ってGR Digitalを見直しました。と書くと上から目線で偉そうなのですが、最近色々なカメラを触ってみて、結局欲しくなってしまったというのが偽らざる事実。そして結局手に入れてしまった私はやはりRICOHのカメラからは離れられなくなってしまったのかも(A^^; はい、負けました…。

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ケースはsuonoのココア、ストラップはARTISAN&ARTISTの赤ステッチ。

 基本スペックは今更繰り返すまでもありませんが、何よりもGR Digitalを特徴付けているのはレンズ。28mm相当、解放F2.4の単焦点ワイドレンズ。明るさやその描写性能が云々も大事ですが、それよりもズームがないという潔さは、撮る側のスタンスに大きく影響します。ズームができるカメラでもワイド端を使うことが大半なのですが、いざというときに安易にズームすることができないため、対象物を見て仕上がりをイメージする目が変わることになります。ポジションを変えるか、フレームの切り方を工夫するか、そのまま諦めるか… 。

 センサーは1/1.7インチの10Mピクセル、初代GR Digitalに対し画素ピッチが小さくなったため、小絞りボケに厳しくなってるはずですが、1/3EVステップの7枚羽根絞りも継承されています。露出モードはプログラム、絞り優先、マニュアル。絞りはグリップ上部のダイヤルで調整可能。またRICOHのカメラではお馴染みのADJボタンに加えFnボタンを1つ備え、これらのボタンへのショートカット機能割り付けを自由にカスタマイズできます。また、光学ズームがないGR Digitalにもなぜかズームボタンがついており、これを操作するとデジタルズームができるのですが、このズームボタンは露出補正スイッチへと設定変更可能。むしろデフォルトはこっちでも良いくらい。

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Pモード、1/400sec、f/5.6、ISO80、-1EV。とある運河の夕景。風景では電子水準器が役立ちます。

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Pモード、1/13sec、f/2.4、ISO400、とある駐車場にて。手ぶれ補正なしでもこのくらいなら何とかなります。

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Pモード、1/250sec、f/4、ISO80、とある夕暮れの風景。空の色が綺麗。

 DNG形式のRAW記録も可能で、その場合JPEGも同時に記録されます。記録時間は初代GR Digitalから大きく改善され、さらに記録中の操作、次の撮影も可能なことから、RAW記録でも待たされる感覚はありません。JPEG FINEも同時記録されることから、メモリー容量さえ許されるならRAW記録で常用可能です。液晶ファインダーは2.7インチ。明るさ、フレームレートも十分で高画質です。そして最近デジタル一眼レフでもはやり始めてきた電子水準器付き。カメラ店のデモ機は水準器が必ずONになっていますが、出荷製品のデフォルトはOFFです。試しに使ってみると傾きの検出は意外にシビアで、通常のスナップ撮影などでは水準器を気にしていると、シャッターチャンスを逃してしまいそうです。なので、やはりこれは風景撮影など必要なときだけONするのが正しい使い方のようです。水準器のON/OFFもDISPボタンで簡単にできます。

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Pモード、1/250sec、f/4、ISO80、とあるテントウムシ。露出は正確ですが、左後ろのビルが変な風に白飛びしてます。

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Pモード、1/30sec、f/2.4、ISO800、NR/ON、とある駅前の大道芸。見た目よりちょっと明るいかも? NRは強力です。

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Pモード、1/25sec、f/2.4、ISO400、RICOHお得意のマクロはやはり強力です。

 わずかな間ではありましたが、以前使っていたCOOLPIX P6000とこのカメラの大きな違いは一にも二にも大きさと軽さです。それ以外の写真を撮るための機能や操作性などは実はそう大きく変わりません。でも、鞄に入れておいても嵩張らないし、冬場なら上着のポケットに入れておけますし、どこにでも気軽に持って行けて、とっさに取り出して写真を撮るというような機動力は重要です。ホワイトバランス含め出てくる絵も私好み。RICOHのカメラはやっぱり良いです。R8では納得いかない思いをしましたが(→ R8戻ってきたけれど・・・ )、結局また帰ってきてしまいました。懲りないやつです。

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オリジナルのGR1よりは一回り小さいようです。

 ということで、GRDIIIの噂もちらほら出てきたこの時期、今更手にしたGR Digital IIですが、すでにあちこちで言い尽くされてきたことも多いものの、色々と紹介したい特徴はありますし、早速気に入らないところも出てきているのですが、その辺はまたもう少し使い込んでからということにしたいと思います。とりあえずご報告まで(A^^;;;

小岩トロ函&竹とんぼ@新小岩

 新小岩に数ある飲み屋さんの中でももっともユニークな居酒屋がこのトロ函。ある日お店を探してブラブラしているうちに偶然見つけて「ちょ、あ、あそこ何?」と言葉にならない言葉を発しながら、吸い込まれるように入ってしまったお店です。まるでどこかの漁港の市場に迷い込んだかのような店構えと店内。店の名前の通り魚箱(=トロ箱)を重ねただけのテーブル、日本酒のケースに板を張っただけの椅子、活気があって気安い店員さん。そして海産品を中心にした炭火焼きメインの料理も、他では食べられない特徴的なものばかり。もちろんお値段は高くありません。形態は違うけど、浅草橋西口やきとんに似た雰囲気。下町風なB級感に溢れ、どこかホッとする猥雑さのあるお店です。

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漁り火に吸い寄せられるイカのように酒飲みが吸い込まれてしまいます。

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料理は海鮮の炭火焼き。写真は鮪のスペアリブとエンガワ炙り。

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焼き物だけじゃなくお刺身もあります。甘エビとか。

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鮪のゆっけとか。

 食べ物は基本的に海鮮焼き物。テーブルには大きな四角い七輪が運ばれてきます。これがとにかく暖かいというか熱いというか暑いのです。お店は道路に面した二面には壁が無くオープンエア。空調なんてものはありません。なので、冬場は冷たい空気を感じながらも七輪の炭火に当たることで暖がとれるのでちょうど良い感じ。しかし夏場はたぶん熱くて暑くて大変なことになってるのではないかと思われます。夏はトロ函のシーズンオフと勝手に決めつけているので、夏のトロ函を体験したことがないのですが。

 焼き物は鮪とかイカとか蛤とかエビとかサザエとかカニとか色々なものがあります。中にはハムとかちょっと変わり種も。ウニだって焼いてしまいます。が、もちろんお刺身も種類豊富。食材によって焼き方食べ方が色々あるのですが、その辺のノウハウは店員さんが説明してくれますし、焼いてる途中で食べ頃を教えてくれたり、なかなか開かない蛤をあけてくれたり。話に夢中になって忘れていると「それ、もう焼きすぎ。早く食べた方が良いよ!」と注意してくれるので、どんなもので安心して焼けますし、間違いなく美味しく食べられます。

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唐辛子入りのチューハイ。その名も金魚。そんなに辛さは感じません。

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蛤、カニ味噌甲羅焼き、ウニ、そしてハム。

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ししゃもは網にくっつきやすいので注意!

 飲み物の定番コースは、まず生ビールで乾杯。その後チューハイに移行するのですが、ここには金魚という名の変わったチューハイがあります。と言うのも普通のチューハイに唐辛子が入ってるだけなのですが。特に唐辛子の味がするわけでもなく、かといって風味はあって何とも不思議な飲み物。お代わりを頼むと唐辛子がどんどん追加されたり。今まではそのまま飲んでいたのですが、今回初めて店員さんから「まず唐辛子をつぶしてから飲むと美味しいよ」よ教えてもらいました。さすがに唐辛子を潰して飲むと少しピリっと来るかと思えば… そうでもありませんでした(A^^; 不思議な飲み物です。

 その他浅草ハイボールとかホッピーとかホイスとか、そういう安酒が各種あります。間違っても高級な焼酎や日本酒が飲めるわけではありません。中でも格別に美味いのが熱燗。中身の酒がなんなのかは分かりません。一合くらいの小さな燗用のヤカンで出てくるのですが、冷えたらいつでも七輪で暖められます。好みに応じてぬる目から熱々まで自由自在。でも、七輪に乗っけるといつもうっかりと暖めすぎてしまい、あり得ないくらい熱い熱燗に。日本酒の飲み方としては掟破りですが、そんな熱い日本酒が飲めるのもまた一興なわけで(A^^;

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イカのホイル焼きと焼きおにぎりと熱燗。カオスな組み合わせが展開される七輪。

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ホイル焼きの中身はこんな感じ。腸もそのままのイカ一杯の味噌味焼き。

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最後の締めはラーメンで。麺は普通にサッポロ一番です。

 熱燗を飲み始めるともう止まりません。泥酔コースまっしぐら。いや、でも変な悪酔いしないのは熱燗しすぎてアルコールが飛んでるせいでしょうか。店の雰囲気にも飲まれて良い気分。食べ物も焼き物とはいえ海産物はどれもさっぱりしていて、飽きが来ないしお腹にももたれません。なので、これまたいくらでも行けてしまいそう。この日は締めにお寿司と焼きおにぎりとラーメンというフルコース。でもぺろりと全て食べきってしまいました。

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まるでどこかの漁港にやってきたかのような店内。

 と言うことで、雰囲気、料理、お酒の三拍子揃っていて私的には新小岩にある飲み屋の中でも確実に三本の指に入ると思います。最近は上野や新宿にも開店したそうですがそちらはどうなんでしょうか。ちなみに店名は”小岩”トロ函ですが、最寄り駅は小岩ではなく新小岩です。


 小岩トロ函
 東京都葛飾区新小岩1-24-6
 TEL: 03-3656-1280
 17:00~23:00(土日祝日は16:00から)
 無休

 さて、トロ函を後にして二次会です。この日は飲み始めが少し早かったのでまだカラオケという時間ではありません。ということで向かったのはつくねが美味しい竹とんぼという居酒屋さん。夫婦二人でやってる小さなお店は常連さんで一杯でしたが、運良く奥のテーブルに入れました。看板にも”つくねの店”と書いてあるほどつくねには力を入れています。発注してから肉をこねて作り始めるので時間がかかります。そのかわり味は絶品。芯まで肉汁に溢れたジューシーさが堪りません。

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これがそのこだわりのつくね。

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覚えていないのですが、どぶろくを飲んだようです。

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手作りポテトサラダ。ポテトサラダがうまい店に外れはなし。

 つくね並に時間がかかるのがポテトサラダ。これも手作り。しかも下手したらこれまた発注を受けてから作り始めます。なので出てきたポテトサラダは熱々。他にも串カツとか色々と美味しい料理があります。どれもこれも手間のかけ方が半端ではありません。つくねを筆頭に料理には手を抜かないこだわりの店。いつも満席になるのも頷けます。

 二次会なので食べ物はおつまみ程度でしたが、お酒はハイボールとどぶろくを頂きました。いや、ハイボールは覚えているのですがどぶろくは飲んだ記憶がありません。でも、写真に残ってるし、きっと飲んだに違いありません… (A^^; ここのどぶろく、美味いんです。そして非常に危険なお酒なのです。

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看板に偽りなし。

 たっぷり飲み食いしたこの後、カラオケに向かいました。そこでまたピザとかスナックパラダイスとか食べながら猛烈に悪酔いするチューハイを飲み続けるバカたち…。


 竹とんぼ
 東京都葛飾区新小岩1丁目51-12
 TEL: 03-3653-4807

スキー2009:マウントジーンズ・スキーリゾート那須

 2月11日の祝日にスキーに行ってきました。昨年や一昨年などはこの建国記念の日は土日と合わせた連休となり、各地のスキー場がシーズン中もっとも混雑する特異日となっていたのですが、今回は週のど真ん中、水曜日という孤立した祝日。超暖冬と言うこともあってあまり混雑はないだろうと予測しました。目的地は今年初の東北道方面。日帰り圏内ではハンターマウンテンが王道ですが、今シーズンはなるべく行ったことがないところに行こうと言うことで、那須にあるマウントジーンズへ行ってみました。

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東斜面に広がるゲレンデ。広がる景色はほぼ平地という独特のロケーションです。

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ゲレンデ上部は林間コースになっています。

 新規開拓とはいえ、実は私個人的にはここは初めてではありません。もう何年前か忘れましたが何度か来たことがあります。東北道の那須高原SAのスマートETC出口を出ると、スキー場まではわずか20分。が、私のナビはスマートETC出口を認識できず、ルート案内がかなり混乱した上にかなり遠回りルートを経由してしまいました。結局通常ルートとは逆方向からアクセスすることとなりましたが、とりあえず無事に第一駐車場に入れました。

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今回は久々に影八甲田を投入。ちょっと後悔・・・。

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現地の方言(と思われる)で書かれた立て看板とか。

 マウントジーンズは縦に長く山頂から麓までは1,500mほど。コース数は10、リフトが4本、ゴンドラが1本と、規模はあまり大きくありません。しかしメインのサンアップ、サンダウンや唯一の上級者コースワイルドウッドロードなどは、コース幅が広くて斜度の緩急もあり、なかなか良いコースです。少し長めのトレーニングバーンみたい。穴場(と言うほどではありませんが)はむしろ、ノーズウッドトレイルのほう。速度の遅いペアリフトでしかアクセスできないのですが、空いていてとても良い感じです。

 以前の記憶ではコース数が少なくて斜面も普通で特に印象のないスキー場だったと思ったのですが、今回来てみて、意外に面白い良いコースだなぁと感じました。ただ、残念なことに雪質はよくありません。量は問題なかったですが、気温が高いこともあってか、ジャリジャリと言うよりはガリガリでした。春スキーのような重さはなかったですが、それだけにスピードが出るとかなり恐怖です。

 このスキー場のもう一つの特徴はレストラン。麓のセンターハウスには1階と2階にレストランがありますが、我々が利用したのは2階のほう。ここには唐揚げ定食とか生姜焼き定食とか、ミックスグリルとかあるのですが、これがレンジでチン!な、いかにもゲレ食という類のものではありません。見える場所でシェフらがちゃんと唐揚げを揚げ、鉄板で肉を焼いています。それだけに出来上がるまでちょっと時間がかかるので、正直混雑するスキー場のレストランとしてはどうかと思う点もあるのですが、味だけは町中の定食屋さん並に本格的でした。お値段はやや高めですけど。

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揚げたての唐揚げ定食。かなり美味いです。

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午後のおやつ、おからドーナツ。二個は多すぎ。最後は気持ち悪くなりました。

 今回はちょっと気分一新するために、板を変えて久々に99cmのショートスキー、影八甲田を持って行きました。昨シーズンは1度も使わなかったのでたぶん2年ぶり。履いた瞬間から後悔が込み上げてきます。でも、仕方ないので何とか滑ってみると、足がぶれて全く安定しません。午前中は(心で)泣きながら滑っていました。

 午後になると何とか慣れてきましたが、このコースはやはり長いスキーで滑ったら気持ちいいだろうなぁと、まわりを恨んで羨んでしまいます。でも、たまにこういうのも初心を思い出せてたまには良いかも。ショートスキーは軽くて曲がりやすいようですが、エッジが短く雪面にかけられる絶対的なパワーが小さいので、丁寧に滑らないと思ったようなラインに乗れませんし、しっかり踏み込まないと板ごと跳ね返されてしまいます。そして板に乗る位置もシビア。さらにもっとも注意が必要なのはブレーキ。長い板のようには止まれません。

 普段いかにずぼらに滑っているかを痛感できました。使ったことのない筋肉も使ったらしく、久々に足に筋肉痛が残りました。ま、ショートスキーは年に1回で十分かも(A^^;

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ノースウッドトレイルは空いていてお勧めコースです。

 思っていたとおり、道路が渋滞して駐車場にも入れないかのような激しい混雑はありませんでしたが、やはりハイシーズン休日とあって、ゲレンデは結構混んでいました。それにしても今回感じたのは、比較的古いウェアを着た子供連れの家族が多いこと多いこと。その点やはりこの日は年に一度だけスキーにやってくる人たちの特異日なのかも。スキーブームを経験した世代が親になって子供を連れて再びスキー場にやってくるようになったのであれば、その子たちが成長するに従って、またスキー・スノーボード人口が復活してくるかもしれません。子供たちには是非スキーは楽しい!という思い出を持って欲しいものです。

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今回のスキーエクスプレス306は青い方で。

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帰りがけに立ち寄った温泉、五峰の湯。

 慣れないショートスキーの疲れと、翌日のことを考えて、まだ滑りたさそうな目をして訴えかけてくる同行者を無視して早めに上がりました。行き慣れていないので周辺温泉事情には疎く、帰り道沿いにあった日帰り温泉の看板に従って何も考えずに入ってみました。五峰の湯はマウントジーンズから少しくだったところにある、那須どうぶつ王国に併設された温泉施設。どうぶつ王国と温泉の組み合わせは不思議ですが、まぁスキー後の立ち寄り温泉としてはそこそこ標準的。湯質だの雰囲気がどうとういう類の温泉ではありませんが、露天も広くて疲れをとるには十分です。

 帰りは再び那須高原SAのスマートETCのゲートをくぐって東北道へ。東北道は比較的平らで真っ直ぐで、冬場は渋滞もなくて運転しやすい高速道路です。おかげで燃費もかなり伸びます。途中にあるSAが他と比べてしょぼいのがちょっと残念ですが。

 東京から150kmちょっとで片道2時間強。朝5時発で一日たっぷり滑り、帰りに温泉に入り、夕飯もゆっくり食べても9時前には帰ってこられます。ここも群馬方面と同様で行き帰りできる日帰りにはとても便利なスキー場です。


 マウントジーンズ・スキーリゾート那須
 栃木県那須郡那須町大字大島
 TEL: 0287-77-2300

フグの日

 2月9日は全国的にニクの日またはフグの日です。肉は最近食べたので今年はフグの日を祝うことにしました。と言っても、実際に行ったのは2月10日でしたけど。で、フグなんてものはいったいどこで食べられるのやら?と思っていたのですが、玄品ふぐというフグ料理のチェーン店があるんですね。恥ずかしながら今回初めて知りました。へぇ~と思ってネットで調べてみれば、東京都内だけで45店舗もある!地元周辺にも数店舗あるらしい。全然知りませんでした。誰も教えてくれなかったし・・・。

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フグの日記念で2月9日と10日はフグ刺し1人前が29円!

 今回行ったのは会社から一駅で行ける大井町の関(なぜ”関”とついてるのかは不明です)。玄品ふぐではフグの日を祝って、2月9日と10日はなんと通常価格980円もするトラフグの刺身一人前が29円の大バーゲン。それ以外のコース料理も特別価格で提供中でした。我々は匠コースという基本コースを頼んでみました。通常一人前で3,900円のところ2,950円でした。ちなみに飲み放題は通常1,500円、ひれ酒1杯付きで1,800円(いずれも2時間まで1.5時間後がラストオーダー)とのことで、いつもなら飲み放題するところなのですが、今回はいろいろあって店員さんの説明を聞いたり、交渉したりしているうちに面倒くさくなって、個別発注することに。

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突き出しではありません。湯引きというふぐの皮の刺身です。コラーゲンたっぷり

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これが単品発注だと29円で食べられるてっさ1人前。

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メイン料理のてっちりです。しゃぶしゃぶみたいにして頂きました!

 匠コースは代表的ふぐ料理二品がメイン。一つはてっさ=ふぐ刺し、もう一つがてっちり=ふぐ鍋です。これにお通しのような感じでコラーゲンたっぷりのふぐ皮がつきます。量が足りないかなと思いましたが、さに非ず。以外に満足感はありました。おなかいっぱい、と言うほどではありませんが。

 ふぐを食べると言えば、大きな皿に渦巻きのように盛られた透明なふぐ刺しを、箸でザーッと掬って食べる、というイメージがありますが、出てきたてっさは一人前ずつ小さな皿に盛られていました。それでも豪快にザーッと掬っても良かったのですが、そこは貧乏性が勝って、一枚ずつ惜しむように丁寧に頂きました。

 てっちりは目の大きいザルに紙のようなものを敷いた変わった鍋でした。皮の部分は溶けやすいのでしゃぶしゃぶのようにして食べろとの指示。でもふぐの皮はツルツルなので、箸でつまみ続けるのが大変。しゃぶしゃぶしているうちに、どこかに行ってしまったり。ふぐ以外にも野菜、豆腐、くずきりなどたっぷり入った、そこそこ豪華なふぐ鍋でした。

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コースにはないですが追加で頼んだふぐの唐揚げ。

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ふぐ鍋は最後に卵でとじたおじやに。

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ふぐひれ酒!

 で、気がついたのですが、もしかしたらふぐを食べたのはこれまでの人生で今回が二回目だったかも。覚えているのは学生時代に新潟に旅行に行って食べたふぐの天ぷらのみ。フラッと適当に入った居酒屋で食べたのですが、そこで出てきたお酒と刺身等々、そしてふぐの天ぷらの美味さは今でも忘れられません。

 そのときほどの感動はないですが、でもやっぱり物珍しさもあったし、他の何ものにも似ていない独特の食感、味わいには大満足でした。刺身にすればいかにも白身、鍋や唐揚げにすればまるで鶏肉のような存在感。皮はコリコリしていて刺身でもしゃぶしゃぶしても美味しくいけます。そしてヒレ酒。なんだか濃縮されたふぐのエキスを飲んでいるかのよう。とても美味しいのにちょびちょびしか飲めず、かといって飲み始めたら止まらない。飲み続ければかなり酔いが回り、体が温まってきます。こんなうまい酒を考えついた人は偉いと思います。

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お店の入り口の水槽にいたふぐ。思ったよりでかい・・・。

 本格的な高級料理店ではないどころか、うっかりすると小さな子供連れの家族がいるような(実際いました)気安いチェーン店ですし、フグの日記念の割引価格だったのに、2時間普通にフグ尽くしの飲み食いすると、結構なお値段になりました。翌日スキーに行く予定だったので、相当控えめにしたのですが。まぁ、でも味・量ともに考えるとそれくらいの価値はあるかと納得です。

Optio W60 1.5ヶ月インプレ

 昨年末に主にスキー場での撮影用にと思って購入したPentax Optio W60ですが、その後延べ5日間ほどスキー場で使ってみて、期待通りだったことも、そうでなかったことも、いろいろと分かってきたことがあるので、この辺で中間インプレッションをまとめておきたいと思います。

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ケースは純正のO-CC81(ブルー)、ストラップも純正で防水加工されたO-ST81です。

—画質、露出、感度などなど:△
 まずは画質関係ですが、このクラスのカメラとしては可もなく不可もなく、と言ったところかと思います。端的に言ってしまえば、晴天のスキー場のように光量が十分ある環境下では、とてもきれいに写ります。露出もピントも正確で周辺光量も十分。色乗りも悪くありません。やや無理をした感のある屈折光学系の5倍ズームですが、歪みや解像感などにも特に大きなペナルティは感じません。

 ただし、曇天になると露出が不足傾向になると同時に、コントラスト感のないまるで古くさいデジタルカメラのような絵になることも。さらに光量が不足してくると、手ぶれ補正がないこともあって高感度に設定せざるを得なくなり、ノイズがかなり増えて階調と輪郭が失われていきます。私自身は高感度のランダムノイズをそれほど気にしませんが、このカメラで撮ったISO400以上の写真を見てしまうとちょっと悲しい気持ちになります(A^^;;

 1/2.33インチの10MピクセルというCCDセンサーは、2007年中に発売されたコンパクトデジタルカメラでは主流ともいえるフォーマットだと思うのですが、他社の同スペックのカメラでは基本感度がISO64~80程度であるのに対し、このカメラはなぜかISO50。なぜ基本感度が低いのかはわかりません。でもそれが影響しているのか、とにかく高感度での撮影は苦手なようです。

 スキー場専用機と考えれば大きな問題ではありません。スキー場でも吹雪いて薄暗くなったりすることはありますが、それでもISO400じゃないと写らない、というほど暗くなることは滅多にありませんので。最近はナイターすることもありませんし。

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晴天では当たり前のように綺麗に写ります。ワイド端28mmで小さな光学系の割には周辺まで光量も均一。

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ISO800での作例。こういうシーンは苦手です。でも個人的にはノイズも含めそれっぽくて嫌いではありません。

—オートフォーカス:○
 オートフォーカスの機能は非常に多彩です。顔認識AFは初めて使ったのですが、どうも今ひとつな気がします。と言っても他のカメラと比べたことはないのですが。顔認識をONにしていると、全然関係ないものにも顔認識したり。普通そんなモノなんでしょうか。と言っても通常のAFモードで使えばいいので特に問題はないのですが。その他使ったことはないのですが、笑顔認識やターゲット追尾AFモードというのもあります。

 実用性はともかく、顔認識をON/OFFする専用のボタンがついているのはとても便利です。人物を撮るときだけONして、それ以外ではOFFする、といったことがワンタッチでできますので。これで不要な誤検出はかなり減らせます。顔認識OFF時の通常のマルチAFでは、画面内でコントラストが高い近距離の物体に合わせるという基本アルゴリズムは他と変わらないと思うのですが、その当たり具合はなぜだか非常によくできている気がします。マニュアルAFエリア選択モードが欲しくなることはほとんどありません。

 マクロボタンを押すことで、フォーカスモード切り替えに直接アクセスできることも、ニコンと同じで使いやすい点の一つです。マクロには通常マクロと1cmマクロの二つのモードがあります。通常マクロは10cmまでしか近寄れないのですが、AFが通常時同様に速く、しかもズーム全域で使えます。対して1cmマクロはワイド端のみでAFはかなり遅くなります。必要に応じて使い分けろと言うことのようですが、この辺はよく考えられていると思います。

 また特徴的なフォーカスモードとしてパンフォーカスモードというのがあります。ピント位置が中間に固定されるようですが、もちろん本当にパンフォーカスになるのは、ワイド側で光量が十分にあるときのみでしょう。そもそも絞りも2段階しかありませんし。実質上はすぐにシャッターが切れるスナップモードみたいなものかと思います。使い方次第では便利です。

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カナダのウィスラーにて。白銀の世界ですが、露出もピントも正確で、現地の雰囲気がよく出ています。

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望遠側もこれだけ光量があるところでは期待した以上に綺麗に写ります。

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青空が本当に綺麗に写るカメラだと思います。コントラスト比が高いシーンでも暗部も意外につぶれません。

—操作性、カスタマイズ性:○
 このカメラで一番気に入っているのは操作性。もともとペンタックスのコンパクト機の操作系は、オート専用機としては非常によくできているなぁと感じていました。シーンモード、動画モードも含めて、撮影モード切替はすべてMODEボタンからアクセスし、しかもメニューにはアイコンだけでなく、簡単な説明文も大きな字で表示され、反応も鈍くありません。そして同じように、MENUボタンからはカメラの機能設定や詳細撮影設定にアクセスでき、しかもその中身はかゆいところに手が届く、非常に優れものです。

 操作性で特に気に入った点としては、グリーンボタン(通常はフルオートへの一括リセットのためのボタン)をファンクションボタンとして使うことで、任意の4つの機能を割り当て、ショートカットボタン化することができます。ここに露出補正や感度設定など、とっさに操作したくなる可能性の高い機能を割り当てておくことができます。RICOHのカメラで言えば、ADJボタン、ニコンのカメラで言えばMYメニューに相当する機能です。こういったカスタマイズ可能なショートカットボタンは、オート専用といえども私的には必須の機能です。

 カスタマイズという点で優れているのは、感度AUTO設定時の上限値が決められること。標準ではISO400までとなっていますが、これをもっと低い感度に制限することもできますし、逆にもっと高い感度まで引っ張るように設定することもできます。私は多少ノイズが多くても、暗いところではフラッシュを使わずに高感度で撮りたい方なので、ISO800までは自動で調整されるように設定しています。その画質はかなり厳しいのですが、写らないよりはマシですので。

 このカメラ特有(あるいはペンタックス特有)と思われる優れた設定機能があります。それがモードメモリというもの。これは、電源OFF時にも保持するべき機能設定を細かく決めておく機能です。たとえばストロボモードや感度、測光モードなどは電源OFFしても保持しておきたいけど、マクロやズーム位置、露出補正などは保持せずに、次に電源入れたときには自動的にデフォルトに戻しておきたい、などなど。好みや使い方によって細かくカスタマイズできます。これはすごい機能だと思います。他社も是非まねして欲しい部分です。

—ホワイトバランス、ホールド性、液晶ファインダー:×
 さて、ダメなところですが… やっぱりこのカメラもホワイトバランスがいまいちです。いえ、晴天か曇天かに関わらず屋外の自然光下ではまったく問題ありませんが、電球などの照明下ではCOOLPIX P6000と同様に真っ黄色に振れてしまいます。ニコンといい、ペンタックスといい、老舗のカメラメーカーの作り込みが同じだというのがなんだか不思議です。

 もう一つは問題と言うよりは使いこなしに関わる部分です。初めてこのカメラをスキー場で使用したときに、同じ理由で多くの失敗カットを生み出してしまいました。というのも、自分の手が画面の端に写り込みやすいのです。電源を入れてもレンズが出っ張らないことはこのカメラの特徴であると同時に要注意点であることに気がつきました。ボディ前面と同じ位置(いや。むしろ少し引っ込んだ位置)に前玉があり、しかも28mm相当とわりと広角なレンズを積んでいる以上、そうなるのは当たり前なのですが、スキーのグローブをした手で、写り込まないようにホールドするのは意外に大変です。上下からつまむようにしても、余った指が前に飛び出して、結局写り込んでしまったり。最近は気をつけるようにしてるので、失敗は減ってきましたが、それでもなかなかゼロにはなりません。これは以前のカメラでは起きなかった種類の問題です。

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画面の端に強力な光源があると、スミアのようなものが出やすいです。まぁ、これはこれで雰囲気出ていていいと思いますけど。

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失敗の多くはこれ… 画面端に自分の手が写り込んでしまいます。ホールドにはかなり気を遣わなければいけません。

—HD動画などその他:○
 おまけ機能でありながら購入の大きな理由になったHDでの動画撮影機能ですが、おまけとしては必要十分です。動画撮影時は白茶けたコントラストの低い映像になり、やたらにスミアが発生するのですが、やはり解像度が高いというのはいいものです。15fpsという制限はむしろあまり気になりません。
 また、動画撮影時はズームも可能です。またAFもデフォルトでOFFなのですが、ズームするならAFはONにしておかないと意味がありません。望遠側はもともと被写界深度が浅くピントにシビアですし、それにこの手のズームレンズはズームとともにピント位置が動くようでもありますし。しかし、動画撮影中にAFをONすると、モーターの駆動音が記録されてしまう(しかもかなり盛大に)ところがちょっと残念です。

 動画モードへの切り替えは、MODEボタンからアクセスするのですが、これはスキー中にグローブをつけたままでの操作は困難です。ボタンが小さくて一カ所にかたまっているせいで、どのボタンを押しているのか分からなくなってしまいます。最近、慣れてきてグローブしたままでも何とか操作できるようになってきましたが。こういう点はダイヤルやスイッチ等で切り替えられると便利なのですが、防水にするためにはそうも行かないのでしょう。水中撮影できる必要はないので、防滴程度まで防水性を落としても良いので、もう少し操作系に余裕があればいいのですが。

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照明下でのホワイトバランスは不安定です。確かに白やグレーが画面内にない厳しい条件なのですが…。

—電池:○
 購入時にもっとも心配していた電池の持ちですが、思ったほど悪くありません。スキー場で動画撮影と再生確認も含めて、日中使い続けても十分に持ちます。さすがにアウターの外ポケットに入れておくと、本体ごとかなり冷え切ってしまい、残量警告が出ることがあります。そういう場合も一度内ポケットに入れて少し暖めてやるとすぐに復帰します。電池残量警告の1段階目はかなり早めに出るのですが、そこからもかなり粘ります。

 一応、予備電池を1個買って必ず持って行くようにしていますが、途中で交換が必要になったことはありません。本当に動かなくなるまでがんばれば二日間くらいは持ちそうです。

—結論:○
 さて結論ですが、まぁ、スキー用途としてはこれで十分かと思います。防水である必要性はやっぱり無いような気がしますが、むしろ小さくて薄くて軽い上に、レンズ鏡胴が飛び出ないというのは、ラフに扱いがちなスキー中の撮影にはぴったりです。その裏返しで指が写り込みやすいわけですが、これは慣れでカバーできますし。レンズキャップがないことも却って安心。レンズ前面の保護ガラスは気軽に拭けますし、そもそも意外に汚れません。

 ということで、このままこのカメラを常用できたら楽だろうな、と思い、マクロも使えるし操作性も良いので、普段使いにも流用しようかと思ったのですが、とにかく暗いところでの撮影が不得意すぎます。手ぶれ補正がないこともそうですが、感度が低くてノイズ多すぎ。さらにホワイトバランスも安定しないとなっては、スキー以外での常用はちょっと難しいです。購入目的は達しているので良いのですが、なんかちょっと残念な気がします。あとちょっとで私にとって完璧な常用カメラになりそうなのに。

 でも、このカメラの軽快さを体験してしまうと、Nikon COOLPIX P6000はいかにも大きすぎると言うことに気がつき始めました。いつでも気軽に持ち歩けて、暗いところでもしっかり写るカメラはないものか?とまた沸々といろいろ思い悩み始めています(A^^;

浅草橋巡回

 土曜日に久々に浅草橋に行ってきました。浅草橋はいろいろ魅力的なお店が建ち並ぶ酒飲みのワンダーランドなのですが、最近はほぼ定番となる巡回コースが決まりつつあります。今回はその定番コースを巡ってきましたので紹介します。

●西口やきとん
 他に類を見ない雰囲気と料理とお酒が飲めるお店。時々無性に行きたくなって仕方なくなります。何度行ったかわからないし、何度もこのブログで取り上げていますが、何度でも紹介したくなるお店です。土曜日の夕方5時半。開店から間もないはずなのに、お店の前には人が溢れていました。いったい何があったのか? 数分早く到着していた友人が立ち席の小さなテーブルを確保してくれていました。奥には椅子席があるのですが、今日はとても椅子に座れる状態ではありません。ここで立ち飲みするのは初めての経験。でも立ち飲みしてこそやきとんの正しい楽しみ方かも。

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目印の赤提灯
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今日は大混雑。店員さんも大忙し。
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奪うようにして手に入れたビールでとりあえず乾杯。

 店内のわずかなスペースに小さなテーブルを置き、それを何人もの人が囲んでいます。立ち飲みとはいえこの密度の高さは尋常ではありません。我々のスペース周辺には、お酒のストックが摘まれていたり、氷を入れたクーラーボックスが置いてあったりしつつ、隣のテーブルとの隙間もわずか。そのうち生ビールサーバーが置いてある台にもお客さんが陣取りました。そんなギュウギュウなのになぜか狭く感じません。むしろ落ち着いたりしてしまうのがこの店の魔力。

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久々にレバ刺しにありつけました。味噌のほかに塩ごま油味もあります。
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皿なんこつも定番です。
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変わり種の串焼きがあるのも特徴。これはきつね(油揚げ)の串焼き。
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定番のほかにその日ごとの特別メニューも豊富。今回は野菜と豚すじの煮込みとか。

 店員さんはいつもやきとんTシャツを着ているのですが、この日は普通に私服の店員さんも忙しく働いていました。オフだったのに今日は混んでるからと言って呼び出されたとか。ぱっと見誰が客で誰が店員だかわからないような混沌とした店内。まさにこの客と店員さんの垣根の薄さがこの店の雰囲気を象徴しています。まわりはみんな酒飲みばかり。小さな店内に押し込められてみんな妙な親近感を覚えます。基本オヤジたちの集団が多いのですが、女性同士のグループがいるかと思えば、カップルも多数、中には同伴か?と思わせるような二人組まで。上級者向けのディープさなのに敷居が高いわけではなく、誰でも受け入れられる懐の深さも持ち合わせています。

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真っ白などぶろく。危険なお酒です。
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ココア割が復活していました。

 お酒はビールに始まり、レモンハイボール、かち割りワイン、サワー各種、どぶろくなどなど。安いB級なお酒に溢れています。昨年秋に来たときには原料高のせいか何かで一時メニュー落ちしていたココア割りが復活していました。うれしくてビールを一杯飲んだ後にすぐに発注したのですが、意外に焼酎が濃くてお酒の味がします。が、がぶがぶ飲んでるうちにほとんどココアの味しかしなくなってきました。うん、これこそい懐かしのココア割の味。とても危険なお酒です。

 5時半から飲み始めて約1時間半。一般の飲み屋さんが混んでくる時間なのに、やきとんはだんだん空いてきました。品切れとなるメニューも増えてきます。小さなテーブル一つに押し込められていた我々には、新たにテーブルが一つ追加で与えられたり。でも我々もそろそろ次へ行く時間です。相当に飲み食いしていい感じに酔っぱらってきましたが、まだまだ宵の口。浅草橋の立ち飲みツアーが続きます。


 浅草橋 西口やきとん  東京都台東区浅草橋4-10-2  TEL: 03-3864-4869  16:30~22:30  日曜・祝日定休

 

●Wine & Dining bevi
 西口やきとんで出来上がった後にやって来たのは、Standing Wine Barのbeviというお店。西口やきとんとは打って変わって洋風の小洒落たワインバーです。でもやっぱり立ち飲みなのです。

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beviはStanding Wine Barという独特のスタイルのお店です。
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まずはシャンパンで乾杯。
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そして赤ワインへ。スペインフェアをやっていました。
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レバーペーストとか、ワインに合うおつまみも各種あります。

 ただし、なぜかこのお店の記憶がいつもありません。薄暗い店内、なぜか店員さんは女性ばかり、本格的なワインリストの数々に目移りし、そしておいしいワインを飲んでいることは覚えているのですが… どうもいつもこの店では泥酔している記憶しかありません。西口やきとんのお酒がちょうど回ってきた頃に行っているせいかと思います。この雰囲気は本当はもうすこし意識がはっきりしているときに味わいたいものです。


 Wine&Dining bevi  東京都台東区浅草橋1-35-8 ラ・ミアカーサ1F  TEL: 03-3863-0388  17:30~24:00  日曜・祝日定休

 

●餃子の王将
 そして最近ローテーション入りしたのが、餃子の王将。江戸っ子な我々は意外にこの手のファーストフード、ファミレス系のB級な食べ物が好きだったりします。餃子の王将はJR総武線浅草橋駅西口のすぐ横の高架下にあります。全国にチェーン展開する餃子のファミリーレストラン。それ以上でもそれ以下でもありません。立ち飲み屋巡りで疲れた足を休めるために、どこかゆっくり座れるところ… ということで、マックかスタバでちょっとコーヒーでも飲んで休みますか、という勢いで入ってしまいます。

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締めのラーメンならぬ、締めの餃子。おすすめです。
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普通においしい餃子。ビールによく合います。

 入ったからには餃子を食べるわけで、餃子と言えばビールに一番合う食べ物名分けですから、やはりビールも飲むことになります。今日は米を食べてない、ということで思い出したようにチャーハンまで発注してしまいました。酒飲み恐るべし。

 餃子の王将 浅草橋駅前店  東京都台東区浅草橋1-14-6  TEL: 03-3863-6501  11:00~22:00(平日は22:30まで)

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浅草橋はこれだけではありません。もっと奥深いのです。またいずれ探検に行ってきます。

密謀:藤沢周平

密謀 (上巻) (新潮文庫)

密謀 (上巻) (新潮文庫)

 

  藤沢周平氏の作品といえば、江戸時代の町人を描いた市井ものか、海坂藩という架空の藩を舞台とした武士もの時代小説が有名です。市井ものでは「秘太刀馬の骨」などなど。いずれも江戸時代の泰平の世の中で、存在意義を失いもがき苦しむ武士社会をベースに、独特の美しい文章で武士たちの独特の世界を描き出した時代小説です。

 一方で時代小説と言えば、歴史上の実在の人物を描いたいわゆる歴史小説という分野もあるわけですが、藤沢周平氏はあまりこの分野の小説は書いていません。とは言っても全く皆無と言うことでもなく、俳人小林一茶を題材にした「一茶」や、その他いくつかの史実をベースにした歴史小説が書かれています。今回読んだ「密謀」はその数少ない藤沢周平氏の筆による歴史小説です。題材は戦国時代末期の上杉家、謙信の跡を継いだ上杉景勝と、その参謀として辣腕をふるった直江兼続の物語です。

 直江兼続と言えば現在NHKの大河ドラマの題材となっており、その名前を知っている人も多いことでしょう。戦国時代には織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と言った、天下を争った中心人物以外にも、前田利家、毛利輝元、武田信玄などなど、結果的に争いに敗れ歴史の影に沈んでいった多くの武将たちがおり、それぞれの物語も、敗者のドラマとして、とても興味深いものがあります。中でも上杉謙信の跡を継ぐ上杉景勝は越後地方を治める北方の一大勢力として、織田信長と争い、豊臣秀吉とは手を結び、徳川家康には反旗を翻すなどなど、その去就は戦国時代の歴史を決定づける上で大きな地位を占めていました。

 その上杉景勝を補佐し、いわゆる外交戦略を担っていたのが直江兼続です。その名は上杉景勝とともに日本中の武将たちに知れ渡っていました。彼は戦国の世において上杉家の舵取りをなした政治家であると同時に、実際にいくつもの戦場にて采配をふるった武将でもあります。上杉家は織田信長との緊張関係が続いた後、豊臣秀吉政権下で永年の領地であった越後から、新たに会津一帯へと百二十万石で加増国替えになりましたが、秀吉亡き後にも上杉家の独立を維持するために、急速に勢力を伸ばしてきた徳川家康に反旗を翻しました。
 しかし関ヶ原の戦いにも参戦することはなく、徳川家康とは結局戦火を交えることはありませんでしたが、徳川家康が天下を取った後は結局降伏することとなり、最終的に上杉家は米沢三十万石に大幅減封と再びの国替えとなりました。

 この小説は、景勝が御館の乱を制し上杉家の実権を握った後、豊臣秀吉の台頭から徳川家康が最終的に天下を取ることとなった関ヶ原の戦いに至り、家康の下に上杉家が屈することになるまで、直江兼続がいかにしてその上杉家の舵取りを行ったかが語られています。その大きな歴史の流れはもちろん史実を忠実に再現していますが、直江兼続という人間の人物像、数多くの問題に直面したときの兼継の心の動き、景勝との主従関係、そして兼継を支えた草のものたち(忍術を使うスパイ)の物語などなど、二重三重に重ねられた人間ドラマの部分は藤沢周平氏の時代小説の持ち味が存分に発揮されています。

 米沢に移封となった後の上杉家は、泰平の江戸時代においても、常に徳川家に仇をなした外様の汚名をぬぐい去ることはできず、途中でさらに半分の十五万石に減封されながらも、明治維新に至るまで米沢の地で家名を守り続けました。戦国時代を争った名門のうち、武田が跡形もなく滅亡し、織田、北条そして豊臣など多くの名門が家名を残せずに歴史の上から消え去った中にあって、上杉謙信以来の武将の家柄は江戸時代を通じてずっと残ることとなりました。そのキーが上杉景勝と直江兼続の時代にあったと言われています。

 余談ではありますが、江戸中期の元禄時代に発生したいわゆる「忠臣蔵」の事件において、吉良上野介から養子として藩主を迎えていた上杉家は、その当事者でもありました。当時の上杉家江戸家老の色部又四郎は大石内蔵助にも劣らない才覚の持ち主で、多くの策を弄しつつ上杉家を守りきったと言われています。こうして戦国以降においても上杉はたびたび名前が歴史上に登場しています。

 さて、なぜ藤沢周平氏が直江兼続を題材とした歴史小説を手がけたのか?それは藤沢周平ファンであれば自明のことと思いますが、そのキーワードは「米沢」です。藤沢周平氏が数多く手がけてきた作品のなかに登場する海坂藩のモデルは、紛れもなく江戸時代の米沢藩であり、それはつまり上杉家に他なりません。そして米沢は上杉家が徳川家康によって減封されるまでは、直江兼継の領地でした。そういう意味で、藤沢周平氏の描く時代小説のルーツが直江兼続にある、と言うことなのでしょう。

 最後にこの小説の中で心に残った一節を引用しておきます。これは藤沢周平氏が米沢という地とその歴史に対する思いを端的に表した部分ではないかと思います。

だが、その厚顔の男のまわりに、ひとがむらがりあつまることの不思議さよ、と兼続は思わずにいられない。むろん家康は、義では腹はふくらまぬと思い、家康をかついだ武将たちもそう思ったのだ。その欲望の寄せあつめこそ、とりもなおさず政治の中身というものであれば、景勝に天下人の座をすすめるのは筋違いかもしれなかった。
 <<中略>>  -義はついに不義には勝てぬか。
 そのことだけが無念だった。家康の野望を打ち倒す機会は、上杉にもあったし、石田にもあった。だが実らなかったのだ。石田も上杉も、家康の策略にではなく、家康がその中心に座っている天下の勢い、欲に狂奔するひとの心に敗れるのである。そのひとの心をつかんだがゆえに、家康は天下人になるらしい。

 兼続は、信長も一目おき、謙信の死語も秀吉が礼をつくした上杉の家の名誉を淡々と語った。
 かの武田が、滅びてのちどうなったかをお考えいただきたい。名は語りつたえられても、いまや残る何ものもない。謙信の家を滅ぼしてはならぬ。武者は名を惜しむべきである。しかしながら、家の名を残すために、時には堪えがたい恥を忍ばねばならぬこともある。それも武者の道である。

 
 これは、上杉の歴史の転換点を語っているだけではなく、「歴史は繰り返す」ということをしみじみと実感せずにはいられません。兼続と景勝がこう考えた二百六十年後、徳川家のひとびとは明治維新を前にして同じことを考えたはずです。

 おすすめ度:★★★★★ (藤沢周平ファンはもちろん、歴史小説好きな方にもおすすめです)