酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

さよなら207SW

 プジョー306からプジョー207SWに乗り換えたのは2011年の9月のことでした。それからまだ5年9ヶ月。されどもう5年9ヶ月。当初思っていたよりはちょっと早かったかも知れませんが、その207SWともお別れする日がやってきました。

 207SWに乗り換えようと思ったきっかけは、今回と同様にいい加減な思いつきであったことに変わりはないのですが、当時乗っていた306はもうすぐ12年目という老体でしたし、もう十分乗り尽くした感はありました。そして新しい車を選ぶに当たっては、いろいろな事情を勘案し、わりと理詰めで選んだ記憶があります。

 重視していたのは306の時と同じサイズ感と積載量でした。そう考えると3シリーズの後継たる308(当時はT7)は大きすぎたし、207でもハッチバックは小さすぎ。だったら207のワゴンタイプである207SWはぴったりだった、と言うのが一番大きな理由でした。

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 そんな207SWを手放すに当たっては、なんだか「ごめんね」という言葉が浮かんでくるから困っています。まるで今まで約6年間一緒に暮らしていたのに、別に好きな人が出来たからという理由で別れ話をしてるかのような、そんな罪悪感を持ってしまうのはどうしたことでしょう。お前はこの207SWを本当に愛していたのか? 仕方なく付き合っていただけなのか?

 いや変な例え話というか擬人化をしてしまいました。話がおかしな方向に行く前に修正しておきましょう。

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 207SWのスタイリングは当時のプジョーが推し進めていたキャブフォワードで背が高く、大きな吊り目にガバッと口を開けたフロントマスクが特徴です。全体のフォルムはコロッとしていて可愛いし、流麗で美しくもあります。

 ボディカラーはソリッドの白、プジョー的には「ビアンカホワイト」と呼ばれる昔ながらの基本色です。ビアンカホワイトってイタリア語と英語で白白って言ってるようなものでしたっけ。いずれにしろヨーロッパではタクシーに使われるような無彩色。でもそれが日本で乗るにはかえって新鮮でした。306ではわりとレア色で憧れていたので選びました。

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 エンジンはBMWと共同開発した1.6Lエンジンの自然吸気エンジン。馬力もトルクも十分でよく走りましたし、燃費も5年9ヶ月街乗り中心で12km/Lを超えていますから、まぁまぁだったのではないかと思います。

 ATは306時代と変わらずPSAとルノーが共同開発したAL4でした。名前の通り4段しかないATですが、時代が進んで進化していたのか、エンジンとの相性が良かったのか、207のボディとの相性が良かったのか、4段しかない割りには走りはスムースでした。

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 この5年9ヶ月の走行距離は僅か25,000km弱。北は福島県まで、西は諏訪までしか行ったことがありません。東は千葉、南は... 伊豆にも行ってないか...。

 かといって毎日の通勤に使っているわけでもなく、買い物車というわけでもなく。車はなくても生活には困らないな、と当たり前のことを実感してきた5年9ヶ月でした。

 でも写真を撮りに行くときは車移動は本当に楽で助かるんですよね。とりあえずレンズを多めに持って行けるし、三脚も脚立も持って行けますから。そうでなくても、なんか車がない生活は寂しいな、と思います。

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 フランス車は壊れるという定説が実際に生きていたのはいつ頃までだったのか分かりません。少なくとも私の207SWは完全トラブルフリーでした。困ったことと言えば、HIDヘッドランプが時々片方付かなくなることがあっただけ。それだって標準装備ではなく、勝手に後付けしたものだからプジョーのせいではありません。

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 スキーにも良く行きました。この10年ほどの間はかなり雪が多かったので、かなり厳しい雪道も行きました。特に2014年2月の野沢温泉はすごかったです。というか、関東地方が大雪に見舞われ、東京出発時点からすでに大雪が降っており、走り抜けたすぐその後ろから高速道路が次々に通行止めになる状態で、約300km以上を走りさらに雪深い野沢温泉までたどり着きました。

 ただ207SWは前後バランスなどがよくなりすぎて、かえって雪道では前輪のトラクションがかかりにくかったのかな?と素人判断しています。306では一度も経験のなかったスタックを経験したこともありました。

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 ということで、よく走り、故障知らずで燃費も良くて手間もかからず、格好良くてありふれていなくて、とても良い車でした。でも...

 最初に変なことを書いたとおり、なにか207SWには申し訳ない気がしています。あまり遠くまで行かなかったのも、それ故に走行距離も伸びなかったこと、手をかけることもなく放置気味だったこと、最初の頃を除いてブログに取り上げることもほとんど無くなったこと、そして6年を前に乗り換える気になったこと...。これらは全て207SWに対し、306の時のような「愛」が足りなかったんだろうな、と思ってしまいます。

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 それは207SWがあまりにも実用的に優れすぎていて、優秀すぎたせいだと思います。そんな優等生な207SWに付き合って行くには私の方が不真面目すぎたのかも知れません。。

 そう、「お前はオレにはもったいないよ...」などとクサいことをリアルで言ったことはもちろんありませんが、無機物の車相手なら言えるかな? なので最後に降りるときに声に出して... いやいや、言いません言えません。自分でゾワゾワしてしまいそうです。

 それよりも「さよなら!」の一言だけにしておきましょう。

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