酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

マウントアダプターでPENTAX Q7に110レンズをつけて遊んでみる

 さて、ありがたいことに知人の好意でPENTAX auto110 superのセットを入手したわけですが、ボディは動かないもののレンズは光学系もそこそこ綺麗で、ピントリングなどの動きもスムーズです。むしろシャッターなどのメカがない分、壊れるところがなくこのまま問題なく使えそうな状態。そこでレンズだけ活用することにしてみました。

K5LS3296.jpg
 となればこれしかありません。マウントアダプターを使ってPENTAX Q7に取り付けてみるに限ります。新旧ペンタックス製の超小型一眼の融合です。

マウントアダプター

 マウントアダプターを探してみたところ、Qマウントとauto110マウントのアダプターは複数見つかりましたが、名前を聞いたことのあるKIPON製を購入してみました。Amazonで8,000円弱なり。

K5LS3267.jpg
 マウントアダプターの有名ブランドかと思えば、結構パッケージは怪しい雰囲気です。中身も本体が入ってるだけで紙切れ一つ入っていません。ちなみに中国製です。

K5LS3270.jpg
 中から出てきたのはこんなものです。金属製でひんやりした手触り。重量も結構あり造りはしっかりしています。仕上げもまぁまぁ。こちらはQマウント側。

K5LS3269.jpg
 ひっくり返してauto110マウント側はこんな感じ。一応レンズのロック機構は付いていますが、もちろんそれ以外の電気的、機械的連動機構はいっさいありません。純粋なる変換アダプターです。

K5LS3275.jpg
 早速PENTAX Q7に取り付けてみました。Qマウントのフランジバックは9.2mm。auto110はQシリーズ並みの小型機とはいえ、歴とした一眼レフですのでフランジバックは26.5mmほどあるようです。その差分十数mmほどがこのマウントアダプタの長さとなっています。マウント径もQマウントの方がだいぶ大きいです。

K5LS3279.jpg
 いよいよauto110のレンズをつけてみます。まずは一番小さな18mmから。どうですかこの姿。これ、超カッコイイ!! auto110は絞りもシャッターもボディ側にあるため、レンズ側はとてもシンプルです。それだけに長持ちしてこうして使える状態のものが多いのではないかと思います。

 なお、PENTAX Q7にこうやってマウントアダプターで取り付けた場合、シャッターはセンサーによる電子シャッターで、1/8000secまで対応しますが、その代わりローリング歪みが出やすくなりますので、動くものには注意が必要です。絞りは調節する手段がありませんので常にF2.8開放固定です。なお、手ぶれ補正は効きます。

 マウントアダプタを利用する時に注意すべき点は、ちゃんと無限遠が出るかどうかですが、このKIPON製のアダプタは短めに作ってあるらしくオーバーインフ気味で抜かりありません。ということで遠景も問題なさそう。

18mm F2.8

 ということで、auto110用のレンズを使ってPENTAX Q7で写真を撮ってみました。まずは18mmF2.8です。

K5LS3277.jpg
 上にも18mmF2.8を取り付けた姿は貼りましたが、改めてこんな感じです。最短撮影距離は約25cm、ピントリングの回転角は約160度ほどです。Q7で使った場合はフルサイズ換算で83mm相当の中望遠レンズとなります。

IMGP2586.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 18mm F2.8, 1/4000sec, F2.8, ISO200, AWB
 遠景を撮ってみました。こんな感じです。ちょっとふんわりしていますが、思ったより悪くありません。

IMGP2587.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 18mm F2.8, 1/4000sec, F2.8, ISO200, AWB, auto110-1
 Q7のスマートエフェクトにはその名もずばり"auto110"なるモードがあったことを思いだし設定してみました。auto110用のレンズで撮るにはぴったり? なはず。で同じ場所で同じようにスカイツリーを撮ってみたらこんな感じになりました。よりぼんやりとし、色が薄くなり若干転び気味で、周辺減光もすこし加えられているようです。110フィルムってこんな感じなんですかね。比べられないのが残念です。

IMGP2484.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 18mm F2.8, 1/1250sec, F2.8, ISO200, AWB
 空を見上げて紅葉を撮ってみました。ストレートに撮ってもこんな感じにふわっと柔らかい感じ。なんか良いですね、こういうの。auto110モードを使わなくてもそれらしさがにじみ出ているような気がします。

IMGP2616.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 18mm F2.8, 1/320sec, F2.8, ISO200, -0.3EV, AWB, ハードモノクローム
 ハードモノクロームにしてしまえばレンズの味もなにもない... かと思えばハイライトが滲んだりして、やはり最新のレンズで撮るのと違う気がします。なるほど、オールでレンズで白黒撮るとこんな感じなのか。(って、適当なこと言ってます^^;)

50mmF2.8

 次は少し長くなって50mmF2.8を使ってみましょう。

K5LS3281.jpg
 こんな姿になります。マウントアダプタと外形がほとんど同じで一見、アダプタとは気づかないかも。前玉も大きくてこれまた格好良いです。最短撮影距離は0.9mとちょっと遠目。ピントリング回転角は270度くらいあってピント合わせもかなり容易です。Q7の場合、フルサイズ換算で230mmほどの望遠レンズとなります。

IMGP2577.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 50mm F2.8, 1/8000sec, F2.8, ISO200, AWB
 18mmの場合と同じ場所からスカイツリーを撮ってみました。これまた18mmと似た感じです。少し滲みがあってコントラスト低くて決して解像感は高くないようです。ただ、カメラの液晶でピント合わせをしているかぎりでは、ピークがつかみづらくてシャープさのかけらも感じられなかったのですが、撮ってみると普通に見えます。

IMGP2534.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 50mm F2.8, 1/4000sec, F2.8, ISO200, AWB
 色づいてきた銀杏の木。スマートエフェクトはなにも使っていませんが、なんか色が薄いです。スッキリ晴れ渡る綺麗な青空だったのに。やっぱりこのレンズはこういうものなのかも。

IMGP2532.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 50mm F2.8, 1/400sec, F2.8, ISO200, AWB, auto110-1
 auto110モードにするとこんな感じ。ピントは背景の方に行ってると思いますが、そんなことどうでも良くなるくらいボヤッとしてむしろ良い感じです。auto110というか、古い色あせたネガプリントって感じでしょうか。

70mmF2.8

 お次はさらに長くなって70mmF2.8です。

K5LS3289.jpg
 このレンズには専用フードが付いています。ラッパ型の鏡胴も相まって、ミニチュアサイズなのになかなか風格があります。最短撮影距離は1.5m、回転角は200度くらい。このレンズに限らず、さすがMF時代のレンズなのでピントリングはしっかり出来てますし、動きもとてもスムーズ。Q7で使った場合のフルサイズ換算の画角は322mmと、超望遠域に入ります。

IMGP2558.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 70mm F2.8, 1/8000sec, F2.8, ISO200, AWB
 思わず縦位置にしてしまいましたが、他と同じ位置から撮ったもの。解像感は一番高く感じられるのは望遠効果によるものでしょうか。しかしハイライトのエッジには赤みがかったフリンジが目立ちます。

IMGP2507.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 70mm F2.8, 1/800sec, F2.8, ISO200, AWB, 極彩
 auto110モードとは逆にベタベタに色づけしてしまう極彩モードにしてみました。紅葉だとこのくらいのベタベタ感は見慣れてしまいますね。こうなるとオールドレンズもへったくれもないかも。とはいえ、このレンズ、ボケが結構綺麗かもしれません。

IMGP2548.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 70mm F2.8, 1/800sec, F2.8, ISO200, -1EV, AWB
 普通に撮った銀杏の葉っぱ。やっぱりこの解像度は30年前の110用レンズとは思えません。ただしやはり色滲み(色収差?)が多いですね。ただLightroomなどで簡単に取れそうです。(ここでは敢えて除去していません)

20-40mmF2.8

 さて、最後はKマウントのLimitedレンズでリバイバルされる(いや違うか^^;)20-40mmズームです。auto110用唯一のズームレンズです。

K5LS3282.jpg
 径が太くなるのでこんな感じに。それにしてもQ7はこういうレンズが似合いますね。全く違和感を感じないのはどうしたことでしょう。何でもないブラックボディにしておいたのが良かったのかも。最短撮影距離は0.7m、ピントリングの回転角は90度しかありません。フルサイズ換算で92mmから184mm相当の望遠ズームとなります。

IMGP2568.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 70mm F2.8, 1/8000sec, F2.8, ISO200, AWB, 20mm
 まずはワイド端の20mmです。なんじゃこのボケボケは! って、ピント合わせに失敗したのか?

IMGP2572.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 70mm F2.8, 1/8000sec, F2.8, ISO200, AWB, 30mm
 中間の30mm付近。やっぱりボケボケ。かつ色収差も出てきたかも。

IMGP2575.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 70mm F2.8, 1/8000sec, F2.8, ISO200, AWB, 40mm
 テレ端の40mmでこんな感じ。だいぶマシになりましたが、ちょっとしたソフトフィルターをかけたかのように滲んでいます。

 やはりこの時代のズームレンズはそれなりの性能だったようです。これでもフィルムなら普通に使えたのかもしれません。中央部しか使っていないとは言え、そこを1200万画素で拡大してしまうとちょっと辛いのでしょう。

IMGP2501.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 70mm F2.8, 1/8000sec, F2.8, ISO200, AWB, 40mm, 極彩
 ボケボケもしくはソフトなレンズこれはで何を撮ったものやら? と言うのは後から思ったことで、液晶画面でピント合わせをしてる間はこの個性的な描写に全く気がつきませんでした。奇跡的にキリッと撮れていた一枚。極彩フィルターのおかげだと思うのですが、もしかしたら浅い回転角のせいでピント合わせが難しいだけなのかも?

IMGP2542.jpg
PENTAX Q7, PENTAX-110 70mm F2.8, 1/8000sec, F2.8, ISO200, AWB, 40mm
 スマートエフェクト無しのテレ端。いや、これはもう立派なソフトフォーカスレンズじゃないかと思えてきます。そう思えば使い道はあるかも。

まとめ

 ということでまとめです。

K5LS3284.jpg
 マウントアダプタでオールドレンズ(と言うほどの"オールド"ではないかもしれませんが)遊びを初めてしてみたわけですが、これは何となく填まってしまうのが分かる気がしてきました。普通のデジタル用レンズでは撮れない世界がありそうです。今回使ってみたauto110用レンズの中ではやはり18mmが一番使い道が広そう。50mmは特に癖も大きそうで画角的にも難しいです。70mmは何でも切り取れて望遠遊びとオールドレンズ遊びがいっぺんに出来てしまいますが、やや優等生過ぎる気も。20-40mmズームはかなりのじゃじゃ馬で、私には手に負えそうにありません。

 ただし、auto110は実はフォーザーズとほとんど同じイメージサークルがあるわけで、本当はマイクロフォーサーズ機に取り付けるのが一番正しい利用の仕方のようです。その場合画角的にも標準域で使え、Qマウントで使うよりはより普通に使えてしまいます。残念ながら私はマイクロフォーサーズ機を持っていないのですが、これらのレンズで遊ぶためにちょっと欲しいかも?と思ってしまいました。

 となればQ7より小型ボディを持つLUMIX GMが適任かもしれませんが、手ぶれ補正がないのがちょっと引っかかります。だとすればPENの安いやつにするという手も... ただしauto110レンズは絞りがないので、ISO100まで下げられて1/4000sec程度の高速シャッターに対応しているボディが必要です。

 なんて真面目に考えてる場合でありません(A^^; この年末はKマウントで出費がかさむので、新たな沼に填まらぬよう気をつけたいと思います。