酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

秋雨の巾着田曼珠沙華公園で一面の真っ赤な彼岸花の絨毯に圧倒される

 ようやく秋の空気が感じられるようになってきたこの季節、私含めネット上のカメラクラスタがこぞって撮影し、SNSやブログにアップしているのが彼岸花(曼珠沙華)です。真っ赤で繊細なその姿は桜やひまわりなどと違った味わいがあって、写真映えもするのでやっぱり撮りたくなります。

 PENTAX K-1改を受け取った日は、ちょうど関東地方で彼岸花の最盛期と言うこともあり、その足でそのまま彼岸花の撮影に行くことにしました。もちろんK-1改のシェイクダウンを兼ねています。

 向かった先は埼玉県日高市にある巾着田です。ここは関東地方では有数の彼岸花の名所で、なんと約500万株もの彼岸花が群生している場所です。高麗川が大きく湾曲している「きんちゃく」状の地形が「巾着田」という名前の由来だそうで、その一帯がお彼岸のこの時期に、一面真っ赤に染まる光景は見事と言うより他にありません。

 一昨年にはじめて訪れてその景色に圧倒されたのですが、昨年はタイミングが合わず今回は2年ぶりの訪問となりました。そして一昨年に続きまたもや雨に降られてしまいました。

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 でも、艶容な彼岸花はあじさい同様に雨の中でも十分に絵になります。

 なお、今回もまた赤の発色には色々悩みつつ、私の環境で飽和しない程度に仕上げたつもりです。ご覧になる環境またはデバイスによってはベッタリな赤い塗り絵になっていたらスミマセン。

巾着田への道

 まずは巾着田曼珠沙華公園の場所を確認してみましょう。東京東部に住む私からすると土地勘のないところで、都心からそう遠くないはずなのですが距離感覚も良く分かっていません。地図で確認してみると、飯能の少し先、秩父よりはだいぶ近いようです。電車なら西武線で池袋から約1時間。車だと関越道の鶴ヶ島ICかもしくは圏央道の狭山日高ICが最寄りとなります。我が地元からはだいたい道のりで100kmほど。うん、遠くありません。


 私が行った日は金曜日で平日。新宿に立ち寄ってPENTAX K-1改を受け取ってから向かったのですが、雨の金曜日で期末も近いとあってか、都心周辺の道路は非常に交通量が多く、事故も多発していました。首都高は特に5号線下りが壊滅的な状況だったので、遠回りを承知で中央道の八王子ICから圏央道に回り込むルートで向かいました。

 しかしその圏央道もなんと鶴ヶ島JCTに向けて20km以上の渋滞とあって、結局青梅ICで下りてその先は下道で行きました。結果的に新宿からそれほど時間がかからずに到着できました。ちょっとした田舎道(というと怒られそうですが)の下道ドライブも悪くありません。

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 彼岸花はちょうど満開。連休前の平日で雨とは言えどのくらい混んでいるかはまったく不明。雨だと臨時駐車場が冠水し、駐車可能台数が相当制限されるという話もありましたが、とりあえず近隣の道路は渋滞してる様子はなく、駐車場もお昼過ぎの時点でもそれほど混んでいなかったようです。

 しかし私は西武線の駅に近い方のコンビニのそばに臨時駐車場の看板を見つけたので、そこに停めてしまいました。見ての通りガラガラです。公園までは徒歩10分くらい。どうせ歩き回るので誤差みたいなものでしょう。そしてこの辺りからすでに沿道には彼岸花が咲きまくっています。

 アクセス情報や開花状況は↑こちらの公式サイトを参照ください。秋分の日の3連休が最盛期で、次の週末はもうだいぶ終わりかかっていると思います。彼岸花は桜よりも見頃が短い、とても短命な花なんですよね...。

雨の巾着田再び


 ということで、お昼過ぎに現地に到着しました。涼しいのは良いのですが雨がシトシトと降っており止む気配はありません。一応傘を持ち、カッパの上だけを着て行きました。

 そう言えば、2年前も雨だったんですよね。残念ですが晴れていて日が差し込む巾着田の景色はまた来年以降楽しみにしたいと思います。

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 さて、この時期は公園への入場に300円かかります。この看板の「現在地」と書かれた側のゲートから入って「あいあい橋」まで行って引き返してくることにしましょう。しかしみごとに「きんちゃく」の形をしていますね。そしてこの地図で赤く塗られた部分が全て彼岸花で埋め尽くされています。

 入場ゲートをくぐったら... というかくぐる前から真っ赤な一面の絨毯が見えています。すごい!

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 ほら、こんな感じ。どこを見ても、そしてどこまで行ってもこんな感じで一面真っ赤なので、何をどう撮ったら良いものやら逆に迷ってしまいます。雨でレンズ交換もままならないので、まずは最初に付けておいたDFA★50mmF1.4だけで何とかするしかありません。上は絞り込んでパンフォーカスに(と言ってもF5.6なので手前と奥はボケてます)、下は開放F1.4でわざと遠方をボカしました。手前の黒い物体は切り株です。

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 しかし! 50mmでF1.4の威力があるとなると、ぐいっと寄ってもっとボカしまくりたいですよね。これだけ群生してるのを台無しにして、一輪にフォーカスを当てて他は溶かしてしまうという贅沢。

 DFA★50mmF1.4は、最短撮影距離が40cmと大口径単焦点レンズにしてはそこそこ寄れるので、こういうのもわりといけます。でも絞り開けすぎると玉ボケでも入れないと何が何やら分からなくなります。何でも何時でも開放にしたがる癖は何年経っても抜けないです。

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 でもピント位置にだけ注意して、フレーミングとか背景とか前景とか何も考えなくても、アウトフォーカス部は真っ赤にに溶けきってしまうこの状況は、一面彼岸花で埋め尽くされたこのロケーションならでは楽しめるものだとも思います。

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 せっかくの雨の日ですから水玉でも撮らなきゃ... と思ったのですが、さすがにDFA★50mmF1.4はそこまで近寄れません。雨の中ではレンズ交換できないし、あまり色々持って行くとレンズの選択に迷ってしまって気が散るし、せっかく一面の赤い絨毯なのだから寄ってしまうのももったいないと思い、今回は敢えて今回はDFA100mmマクロは持ってきてませんでした。でも水玉用にあっても良かったかも...。

 なお上の2枚はK-1の高画素センサーと、DFA★50mmのレンズ性能に頼って、少し大きめにトリミングしてそれっぽくしています。

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 目線の高さから足下を見下ろしてみれば、こんな密度で咲いているわけで、どうりでどこを向いても一面真っ赤になるわけです。これがまだらではなく本当にずっと奥の方まで延々続いているのだから、どこをどう撮って良いものやら途方に暮れます。

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 途中にあった看板。てっきり人工的に彼岸花を植えまくったのだと思い込んでいたのですが、これらの彼岸花の群生はそもそもは野生だったということをこの看板を読んで始めて知りました。今は観光バスがガンガン乗り付けてくる(この日もたくさん来ていました)ような有名観光地になったからには、それなりに人の手を入れ、整備して維持しているのだとは思いますが。

望遠ズームに切り替える


 DFA★50mmF1.4はこういう被写体でもなかなか楽しいのですが、やはり望遠が使いたくなります。グイッと引き寄せつつ圧縮効果と大きなボケを使えば簡単!な気がしてきます。ということで、雨がしのげる屋根がある場所を見つけ、DFA★70-200mmF2.8にレンズを付け替えてみました。

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 ほら、こんな感じ。下のカットはどこにピントあってるかよく分かりませんが、とにかく前ボケをたくさん入れました。傘持ってる人達を邪魔に思う必要はなくて、積極的に入れてしまいましょう。ここは観光地ですからね。

 彼岸花の中を抜ける道は狭く、混雑するとどんな状態になるのか分かりませんが、この日は雨の平日とあって、そんなに混んでいませんでした。しかしとにかく通路はドロドロで水たまりだらけなので足下は泥まみれになります。カメラマン的にはさらにしゃがんで膝を突いたりするので、全体的に泥で汚れても良い格好をしていく必要があります。さすがに腹ばいになったりはしていません。

 ちなみに混雑期は三脚や一脚は禁止されています。現場の通路の狭さを見れば当然の措置かと思います。が、この日も2〜3人くらい三脚設置してる人見ました。

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 さて、一部はまだ開花前。その一帯だけ赤ではなくグリーンに染まっているので、むしろ目立ちます。

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 だいたい背の高さは揃っている中で、こうやってピョコッと一人だけ背が高いやつがいたり。撮ってくれと言わんばかり。

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 彼岸花の上には鬱蒼とした森で覆われているのですが、ところどころこうして古い木の切り株があります。ひたすら真っ赤な世界にあって、良いアクセントになっています。しかもしっとり濡れていますし、カメラを向けたくなります。。

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 そして白い彼岸花も時々混ざっていて目立っています。その周囲は特にカメラを持った人だかりが出来ていました。みんな目を付けるところは同じですね。

 さて彼岸花と言えば色は深紅と決まっているわけですが、白い彼岸花は突然変異でも自然交雑でもなく、そういう種類であって赤い彼岸花とはDNAレベルで違うものだそうです(あるときまで赤い花を咲かせていた球根から翌年突然白い花が咲くことはないとか)。

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 なお今回持ってきたレンズはDFA★50mmF1.4とDFA★70−200mmF2.8というDFA★シリーズの2本に、念のため標準ズームのDFA24-70mmF2.8を合わせた3本です。公園内には飲食の屋台が並ぶ広場があって、休憩および飲食のためのベンチとテントが並んでいます。そこに入れば雨はしのげるので、そこでレンズ交換しました。大した雨ではないのでカメラとレンズには雨よけのカバーは要りません。DFA★とK-1シリーズの組み合わせはAll Weather対応ですから、こんなのへっちゃらです。

 なお、今回いくつかのカットはそこまで暗くないのにISO1600で撮っているものが混ざっているのですが、それは私の設定ミスです。いつの間にか感度設定を触ってしまいISO1600に固定されているのに気付きませんでした。それもこれも改造サービスから戻ってきたばかりで操作系のカスタマイズが自分好みに元に戻せてなかったのが原因で、まるで初めて使うカメラの用に手探りで操作していたせいでもあります。

 それでもMark II化したK-1ですから、ダイナミックレンジやノイズ感や発色に気になるところはほとんどないというのがすごいです。

ローキーにするばかりが彼岸花ではない


 さて、ここまで貼った写真も基本そうですし、彼岸花と言えばやはりその艶容な赤を強調したくてローキーに仕上げがちです。実際超格好良くなりますから。

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 こういう感じですかね。アンダー気味に仕上げた上に背景を黒く沈めると、繊細な彼岸花のディテールと質感が浮き上がってくるようです。

 しかし一昨年の記事でも試してみたのですが、雨の中で撮った彼岸花をLightroomで現像していると、意外に明るくキラキラに仕上げてもいけるんじゃないか?と悩み始めてしまいます。

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 例えばこんなのとか。絞り開けすぎてもはや何がなんだか分かりませんが、だからこそこんな感じもアリかな?とか。

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 特に水滴がキラキラしてるとこんな感じにしたくなります。

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 これ実は上の方で同じカットを暗めに仕上げたやつをすでに貼ってあるのですが、背景の玉ボケを輝かせたくて明るめに仕上げてみたりしてひとしきり悩んでしまいました。個人的には結局ローキー仕上げを選んでしまいましたが、これはこれで良いと思います。

彼岸花はまた来年!


 ということで、やはり来年は晴れの巾着田を撮ってみたいです。木漏れ日が差し込む景色はまた一段と素晴らしいことでしょう。

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 そうすると露出をどうするかでもっと悩むことになりそうです。むしろ、こうして明るめに一面真っ赤な絨毯を撮れるのは雨の日だからこそかもしれません。

 あるいは規模的に巾着田には敵わないにしても、東京周辺には彼岸花の名所は一杯あるようなので、それらも巡ってみたいところですが、なにしろシーズンが短いのでなかなかタイミングを合わせるのが難しいところです。が、飽きる前に去って行く潔さがまた彼岸花の良いところかもしれませんね。

PENTAX 一眼レフ K-1 Mark II ボディ 15996

PENTAX 一眼レフ K-1 Mark II ボディ 15996