木更津江川海岸の海へ続く電柱と君津の工場夜景を撮りに行く

投稿者: | 2017年7月10日

 東京周辺はもはや梅雨明けしてるんじゃないの?と思いたくなるような天気で、真夏のような暑さが続いています。そんな中どこへ行こうか?と考えつつ、行きたい場所リストを眺めていたのですが、これだけ夏っぽいとやっぱり海だよねということで、夕涼みがてら千葉方面へと車を走らせてみました。

 目的地は木更津市の江川海岸という潮干狩りで有名なところ。ここに海へと続く電柱列が立っていて、その風景が有名になり多くのカメラマンが訪れているそうです。ネットに流れている作例と同じ写真を自分でも撮ってみたい! と思っていました。内房沿岸には他にもいくつか海へと続く電柱列がありますが、ここは東京からもアクセスが比較的良い場所で人気があります。

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 日暮れ後のマジックアワーを撮るのが定番ですので、午後遅い時間になってからゆっくり出かけます。この時期は日の入りが午後7時頃ですから、かなり遅めの時間で十分。アクアラインを通った方が早いとナビは言いますが、急ぐドライブではないので館山道まわりでノンビリと308SWを走らせます。 

日没前

 現地に到着したのは午後5時半ごろでした。なんだかんだで日没までまだ1時間半ほどあります。

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 現地はこんな感じでした。潮干狩りが出来る海岸と言うことで、砂浜が広がっているはずなのですが、時刻的に満潮だったのでしょうか。規制線のフェンス部のわりとすぐそこまで潮が迫っていました。全体的に天候は穏やかな一日でしたが、さすがに海辺は風が吹き抜けています。海面もさざ波が立っています。

 条件が良いとウユニ塩湖のようにリフレクションするという話もありましたが、そんなことは年に何回もないと思われます。何しろ目の前は東京湾ですからね。

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 現地ではどっちの方角を向いているのか、今ひとつ分かっていなかったのですが、この季節は日没が最も北西に寄っている時期で、太陽は電柱列に対して真横の方角に沈んでいきます。真冬になるともう少し電柱と日没を絡めやすくなるのかも。

 また、空気が澄んでいると富士山のシルエットが見えることもあるようです。この日は残念ながら低空に雲がかかっていたのか、空気がモヤっていたせいか影も形も見えませんでした。

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 電柱は相当沖の方まで続いています。そして左右に分岐しているのでしょうか。今回は超広角から標準、望遠まで3本のF2.8ズームを持ってきましたが、ここは望遠と相性が良いようです。逆に位置取りが制限されているだけに、超広角は使いづらいです。なので今回は望遠を中心に使って行きましょう。

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 そこそこ多くの人が電柱と東京湾の夕景を見に、あるいは写真を撮りに来ていましたが、撮影場所は自由に選べる状況です。なので海岸線を移動しつつ、どこに三脚を据え付けようか考えてみました。

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 背景の工場も良い感じに見通せるここにしましょう。なお、となりの人達が「あれは川崎の工場群だよね」って言う会話をしているのを聞いて、そのまま信じ込んでいたのですが、あとからGoogleマップで調べてみると、方角的に川崎ではなく君津の工場地帯と思われます。距離的にもそんなものでしょうか。

日没

 さて、午後6時半を過ぎてそろそろ日没です。

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 先ほども書いたように、日没方向は電柱が延びてる方向に対し真横になります。沖には東京湾を出入りする巨大な船の姿が見えます。それに何やら監視台みたいなのもありますね。

 そう言えば、そもそもこの電柱列は沖合にある監視小屋へ電気を送るためのものだそうです。この一帯はアサリなどの漁場なので、そのための監視小屋なのでしょうか。

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 江川海岸の少し北側、小櫃川の河口あたりにも同じように沖合の監視小屋と電柱列があります。あちらも近くまで行けるのでしょうか。

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 さて、太陽はかなり低くなってきました。間もなく日没です。しかし今日の目当ては日没ではなく、日没後暗くなってからが勝負の時です。

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 雲は少しだけで、空一面が焼けることはなさそうです。でもこういうのも綺麗ですけどね。

そしてマジックアワー

 午後7時頃。急速に暗くなってきました。工場が灯り始めるのも間もなくです。

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 夕日の赤さを少し残した雲がかかっていますが、これ以上焼けることはないようです。それよりもホワイトバランスをCTEに設定し、青みを強調してみました。もちろんRAWで撮ってるので後でなんとでもなりますが、今日はこっちの方向で行こうと思います。

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 三脚に乗せて望遠ズームに付け替えてみました。フルサイズ一眼レフと70-200mmF2.8級のレンズを支えるのにそこそこ余裕のある三脚だと思っていたのですが、吹き付けてくる海風によって微妙に揺れてしまいます。脚をなるべく短くして何とか対応しましたが。2枚に1枚は微ブレする状態。せっかく三脚に乗せたのに少し感度を上げたりして、四苦八苦していました。

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 なら少し引き気味にするか… とか。なお、この写真の右端に見えているのが監視小屋です。そして対岸の工場の灯りもぽつぽつ目立ってきました。

 ブレをどうやって抑えるかいろいろ考えているうちに、またもや隣の人達の会話が聞こえてきました。「シャッター速度どのくらい?」「30秒!いっぱいに絞ってる。」って言うのを聞いて「!!!」と驚いてしまいました。なに?30秒? あー、そうかそうなのか!

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 こうするんだ! なるほどねー。考えてみれば当たり前です。このカットで20秒。海面がサラサラになりました。

 しかしシャッタースピードを落とすと余計ぶれるか?と思ったら、なぜか結果はそんなに悪くありません。回折ぼけの方が気になる程度です。

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 さらに30秒。海面のサラサラ具合はあまり変わらないか?

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 そして思い切って60秒。かなり暗くなってきたので絞りもF8まで戻せました。

 K-1の場合通常の撮影モードで設定できるシャッタースピードは30秒までですが、バルブに設定しタイマー機能を使用すれば30秒以上のシャッター速度を設定できるようになります。

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 そしてトップに貼った一枚が今回のベストショット。露光時間は90秒です。工場の灯りも煙突から出てる煙も良い感じです。ちょっと空気の透明度が悪いようですが。海面はもはや何が何だか分からない質感で嘘くさい写真になりましたが、正真正銘、一発撮りでRAW現像しただけです。

また冬に訪れたい

 時刻は午後8時前。肉眼では沖合の電柱はよく見えなくなってきましたが、夜景としてはこれからが本番なのかも。しかし生ぬるい潮風に吹かれて疲れてきたので、今日はこのくらいにしておきましょう。

 天候のおかげもありますが、思ったよりいろいろ楽しめました。本当はもっと場所を移動しながらいろいろ撮ろうと思っていたのですが、それはまた次回にしたいと思います。あと、出来ればカメラは2台欲しいと思いました。暗くて潮風が吹くなか、あまりレンズ交換したくないですからね。


 日没方向がもっと南西に寄って空気が澄んでいる冬にまた挑戦したいと思います。また、内房には他にもいくつか海中電柱列あるようなので、それらも行ってみたいですね。

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

木更津江川海岸の海へ続く電柱と君津の工場夜景を撮りに行く」への2件のフィードバック

  1. 20年くらい前に散々行ってたけどそんな目で見たこと無かったなぁ~(笑)

  2. hisway306

    海中電柱が流行はじめたのは最近ですかね。たしかに内房には昔からあった風景だそうですが。

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