結果的に天気もよく道路状況は全く問題ありませんでした。そしてレンタカーで気ままに移動していると、目の前に広がる見たこともない道東の雪景色に、いちいち感動して写真を撮りたくなってしまいます。
それを見越してか、この辺りの国道にはこまめに駐車スペースが道路わきに設けられているので、そのたびに車を止めて写真を撮っていくことができます。そうすると全く移動が捗らなくなってしまうのですが、先を急ぐ旅ではないのでのんびりとドライブ&写真撮影を楽しんできました。
特に有名な撮影スポットでもなんでもない、この地域では日常の当たり前の風景なのでしょうが、私の目から見たら完全な非日常。それらをたくさん撮ってきたので、まとめて貼っていきたいと思います。
大空町メルヘンの丘
現場についてみるとこんな感じ。手前の雪原は畑で奥に向かって緩やかな丘陵になっており、数本のカラマツの木立が並ぶという出来すぎの風景。夏はまた綺麗なんだろうなぁ、と思います。
晴れてはいたのですが、すっきり快晴と言うわけではありません。でも雲の表情も含めてとても綺麗です。空港から運転を始めて、ほとんど最初に見た景色がこれですから、すっかり感激してしまいました。もちろんこのすぐ後に見た流氷にはもっと感激しましたけど。
望遠レンズでも撮ってみました。でもやっぱりここは広角〜標準で撮るのが一番イイかも。しかし一面の雪原に冬の淡い青空というシーンは、光はたっぷりあるのに逆に色味とかホワイトバランスの正解がよく分からなくなってきます。
場所は道の駅ではなくて少し網走よりに走った西側です。駐車スペースはありますが、せいぜい10台分くらい。歩こうと思えば道の駅から歩けます。朝日は順光、夕日は逆光になりますが、晴れていればどの時間帯でも楽しめそう。
感動の径
適当に行き着いた道路はこんなところでした。国道はさすがに交通量が多くてアスファルトがでていましたが、ここは圧雪のまま。でも真っ直ぐな道路の両側は一面の畑と思われる雪原。そして走っているうちにだんだんと海が見えてきました。
望遠で海の方を撮ってみると、沖の方が流氷で真っ白になってるのが分かります。帯は太いのでそんなに遠くなさそう。この景色を見たときに、今日は流氷が見られる!と確信しました。
やや逆光気味ですが、南東方面には少し雲を被った斜里岳が見えます。雪原はまったく降りっぱなしの状態でどこまでも綺麗。
「感動の径」っていう名前はずいぶん大きく出たもんだ、と思いますが、あながち間違ってはいません。国道よりもアップダウンのある地形を走り抜けるので、より北海道らしい丘陵地帯の景色が見られます。いやいや、本当に感動しました。
場所はこの辺です。国道39号線から道をそれて少し山の方に入り、県道246号や490号の合流地点から、名もなき農道のような道路をひたすら海のほうへ。県道ですらないとは言え、十分に道幅があって走りやすい道路でした。とにかく景観は抜群です。
釧網本線沿いから見た夕日
いやいや、もう言葉になりません。何でもない場所なんですけどね。雪の上に幾筋か見える足跡は、人のものではなく何か動物が付けたもの。残念ながらその正体に出会うことはありませんでした。
場所は↑このあたりです。国道244号から線路沿いの道入り、少し行ったところ。この一帯はどこを見ても同じような景色だらけです。
ウトロ周辺の海岸線沿いの風景
斜里町で日没を迎えましたから、ウトロについたのはだいぶ暗くなってから。夕飯を食べたお店の駐車場はすぐに海に面して、そこからカメラの高感度性能に頼って試しにシャッターを切ってみたのがこれ。肉眼ではほとんど真っ暗でしたが、流氷のかけらが浮かぶ海と、雲の表情がちゃんと写りました。
そして翌朝、ホテルをチェックアウトしてまず最初に向かったのはウトロ港。その先端のウトロ崎へ行ってみました。ウトロ崎は天然の岩山になっていて、そのうちの一つはオロンコ岩と呼ばれ、夏期は頂上まで登ることも出来ますが、冬は封鎖されています。ウトロの港はこうした天然の岩で出来た堤防ををうまく利用して造られたことが分かります。岸壁もこうして雪を被っているし、海面も凍っているようです。
漁船も陸揚げされており、この時期港は完全に休業状態のようです。夏期には知床岬まで遊覧する観光船もウトロから出ているのですが、それももちろんこの時期はやっていません。
ウトロからさらに知床半島の奥へ少し移動してみましょう。この先、知床五湖や羅臼に抜ける道路は通行止めになっていて、特に何かがあるわけではないのですが、景色が良さそうなので少しドライブしてみました。
流氷は網走に接岸していなくても、風向き、海流、緯度の関係で知床半島には接岸してる場合があります。この日はウトロ近辺も接岸はしていませんでしたが、海上には流氷のかけらと思われるものがあちこちに浮かんでいました。それにしても空よりも海は濃い青で何とも言えない景色です。
途中に海のすぐ近くまで下りられそうな場所がありました。しかし、一面雪が積もっていて、あるところから突然海になっており、ここが元々砂浜なのか岩場なのかも分からず、うっかりしたら雪を踏み抜いて海に落ちてしまうかも知れないので、迂闊に歩き回るのは危険そう。恐る恐る人の足跡があるところだけ少したどってみました(それでも絶対安全とは言い切れませんが…)
流木も雪に埋もれています。
雪の上に刻まれた足跡は人のものだけではなく、明らかに野生の動物によるものがあります。これは雪の表面にうっすらついてるだけで、肉球がありそうな動物のもの。こんなに雪の上を軽々と歩けるほど小さな動物って何だろう?
キタキツネですかね。是非姿を見てみたかったですが、会えず仕舞いでした。
ウトロを通る国道334号線は、ずっと海沿いを走っていて、ところどころにある絶景ポイントにいちいちパーキングスペースが用意されています。そこを見つけては寄り道していると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
斜里周辺の雄大な畑とカラマツ並木
これもカラマツでしょうか。いかにも北海道らしい真っ直ぐの並木があちこちに立ち並んでいます。防風の役目なんでしょうかね。
並木が雪面に作る縞々模様とかつい撮りたくなってしまいます。
少し視線を上げればそこには海別岳が。素晴らしいパウダーの斜面が広がっていそう。スキーで滑ったら気持ちよさそうだな〜、とか考えてしまいます。
何重にも重なるカラマツ並木の向こうには斜里岳が。雪景色も良いですが、新緑や紅葉の季節はどんな姿を見せるのか、あれこれ妄想してしまいます。
斜里岳は海別岳とは違ってもっとごつごつした感じ。それにしても何もないまっさらな雪原との対比が本当に綺麗で、肉眼で見た感動はなかなか写真には写し取れません。
この一帯は国道334号線の周辺が綺麗に碁盤の目に区切られ、畑が広がっています。起伏はない平地でカラマツの並木は東西に並んでいて、どこもかしこも写真を撮りたくなる絶景だらけでした。
多くの映画やドラマの撮影地となった能取岬は荒涼としていた
そこには能取灯台が寂しく建っているだけで何もありません。風に吹き飛ばされるのか、雪もそれほど積もってるわけではなく、ところどころは地面が見えています。いえ、ベンチや柵や遊歩道らしきものはあるので、雪のない季節にはとても良い公園なのかも。
海縁は断崖絶壁になっていて、流氷の吹きだまりみたいなのがあります。遠くに見えるのは知床連山。今朝はあっち側にいたんだよなぁ〜。
能取灯台と知床連山とか。
西の方に見えるのは能取湖の入り口でしょうか。日が傾いてもうすっかり夕方のようです。さて、そろそろ空港に向かって帰りましょう…。
車があれば網走からはすぐ。沖縄旅行でもいくつか岬&灯台巡りをしましたが、北海道の岬にも来られて良かったです。
また必ず来るぞ!道東
ということで、あと一つくらい記事にする(食べ物編?)かも知れませんが、概ね北海道旅行記はこんな感じです。わずか一泊でしたがとても盛りだくさんで楽しめました。
ちなみに足となってくれたレンタカーはホンダのフィットでした。もちろんスタッドレスタイヤを履いており、しかも4WD仕様です。特に予約時にそういう要望を出したわけではなく、この地域ではこれが標準なんだろうと思います。沖縄で借りたレンタカーよりは、ずっと乗りやすく運転しやすい車でした。
さて、過去に北海道は何度も訪れたことあるのに、実は札幌とニセコにしか行ったことがなく、函館も小樽も富良野も美瑛も釧路も帯広も稚内の方も行ったがありません。今回は初の道東、と言っても網走周辺とウトロだけ。しかも世界遺産でもある知床半島の自然はほとんど見ていません。屈斜路湖とか摩周湖とか、海沿いだけでなく山の方には行けませんでした。
冬は冬でとても美しいのですが、まずはやはり夏期にもっと時間をかけて旅をしたい、とつくづく思いました。
そして今回の旅のきっかけとなったJALの「どこかにマイル」もとても面白い企画で気に入りました。次にまたマイルがたまったら、行き先不明の航空券をもらおうかと思います。行き先は… また北海道かも知れないし、四国かも知れないし、実は九州も行ったことなかったりするし…
カメラとレンズ
レンタカーの移動だったのであまり重さは気にせず、大きめのカメラバッグにPENTAX K-1と、15-30mm、24-70mm、70-200mmのF2.8トリオを詰め込んで回ってきました。流氷観光船に乗るときは、どのレンズを使いたくなるか分からなかったので、カメラバッグごと船に乗りましたが、それ以外は基本的にカメラバッグは車のトランクに置いたままで、歩き回るときはレンズを1本だけに決めていちいちカメラバッグごと担ぎ回ることはしませんでした。時々、レンズを交換するために車に引き返したりしましたけど。
特に今回は15-30mmが使っていて一番楽しかったです。超広角は風景にはとても相性良いですから、フルサイズの大きなファインダーに映る超広角の映像はとても刺激的。24-70mmはさすがに標準の中の標準とあって、これ1本あればほとんどのことに対応できてしまう万能ぶりを実感しました。さらに70-200mmは大きくて重たいですが、確実にこのレンズじゃないと撮れない映像があって、逆にこのレンズがあるからこそ見えてくる景色というものがあります。元来望遠好きの私にとっては、むしろ標準レンズと言ってもいいくらい画角がしっくりくるレンズです。
三脚や単焦点レンズやさらに望遠のレンズ、あるいはサブでK-3IIを持って行くことも考えたのですが、あれもこれも要るかも?と考えていたらキリがないと思って、ボディ1台、ズームレンズ3本で割り切りました。結果的にこれで十分というか、あれを持ってくれば良かった!」的なことはなく、旅に出るにはこれ以上の機材は要らないし、逆にこれ以下ではもはや満足できないんだろうなと思います。
初めまして( ^ω^ )
いつも拝見させてもらってます!
道東いいところですよね。地元なのでついつい書き込ませて頂きましたm(_ _)m
ここを見てPENTAX K-1を買い、はてブロ始めました。
これからも楽しみにしています!
mae (id:hibi-mae) さん、
はじめまして。コメントありがとうございます。
道東の魅力にすっかり取り憑かれました。必ず再訪したいと思います。
K-1仲間なんですね。ブログも拝見いたします!
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございます!
こちらこそよろしくお願いします( ^ω^ )