新しいレンズを手に入れました。そのレンズとはDA40mmF2.8 Limitedです。超薄型のその姿からパンケーキレンズと呼ばれ、PENTAXのレンズの中でも特徴的な一本。他社にはこの薄さのレンズはまず見当たりません。現行品はHDコーティング化されていますが、私が手に入れたのはsmc版の旧型です。以前同じ仕様のSilver Editionを持っていたことがありますが、機材のフルサイズ化にあたり手放してしまったので、このレンズを手にするのは2度目となります。
DAシリーズですから、本来はAPS-Cサイズにしか対応していませんが、MF時代からあるテッサータイプのシンプルな光学系をそのまま使ってるように見えることなどから、フルサイズもカバー出来るのではないか?と言われています。K-1発売以降、そういうテストレポートはたくさんありますので、答えは分かっているわけですが、実際に自分の目で確かめてみなくてはなりません。
APS-Cでは持余した画角でもあり、ほとんど同じ焦点距離を持つFA43mmF1.9 Limitedもすでに持っていたりするので、積極的に使いたいと思ってるわけではないのですが、K-1に取り付けるとほとんどボディキャップ状態になるその姿は、なかなかカワイイです。この姿を見るだけでも価値があるかも(^^;
実はPENTAX K-mも一緒に手に入れた
さて、そもそもなぜどうやってこのレンズを手に入れたかと言うと、お得意の衝動買いとかそういうのではありません。幸運なことに「もう使わないからあげる」という友人が現れ、もらう事ができたのでした。
しかもレンズだけでなくボディ付きで。そのボディとはPENTAX K-mです。カラーバリエーションと高感度性能でベストセラーとなったK-xのベースとなった機種で発売は2008年。K-7よりも古いカメラです。ボディは非常に小さくてKPをはるかに下回るし、K-S1とほとんど同じか少し小さいくらい。ただしファインダーはペンタミラーの低倍率、低視野率版で、測距点のスーパーインポーズもありません。
画素数は約10MピクセルCCDです。このK-mは最後のCCD機として実はひそかに人気があったりします。ライブビューは出来ないし、高感度性能もそれほど高くはありませんが、CMOSにはない独特の発色をするとか。
ですが残念ながらこのK-mは壊れています。友人によると電源が入らないとのこと。一応修理に出したのですが、部品払底で修理不能で戻ってきたそうです。で、捨てるくらいならあいつにやろう… ということで、私のところに送られてきました。
なお電池はこの通り、単三x4本です。専用充電池は用意されていません。エネループ使用が基本となりますが、緊急時はアルカリ電池も使えます。この仕様はK-xまで引き継がれ、K-r, K-30, K-50はリチウムイオン電池のD-LI109か、ホルダーを使用して単三電池も使えるハイブリッド仕様でした。その後、K-SxシリーズになってからK-70, KPに至ると単三はサポートされなくなっています。
実際のところ手元にやってきたK-mは、友人の申告症状とは少し違って電源が入ったりしたのですが、どうも動作はおかしくて不安定で、どこか壊れているのは確かなようです。特に電子ダイヤルは完全に逝っていて、電源が入ったとしても絞り優先などでは使えなさそう。プログラムかフルオートが前提となりそうです。
でも頑張れば撮影は出来そうなので、後日試してみたいと思います。
で、ボディはともかくレンズはまだ使えるし売ることも出来るし、いろいろ勿体無いわけで、その後友人との交渉の結果、結局そのまま私の手元に残ることになりました。こうなったらありがたく使わせていただこうと思います。
厚さわずか15mm、重さも90g以下。フジツボフードが付いてきて、ねじ込み式のキャップが特徴です。トップに貼ったように、このレンズをK-1につけると、ほとんどマウントキャップみたいな姿になります。ペンタ部のでっぱりよりもレンズは薄いくらいかも。
なお以前にDA40mm F2.8のシルバー版を買ったときのエントリーはこちらです。この時はK-5とK-xを使っていましたっけ。懐かしい…
DA40mmF2.8 Limitedのフルサイズへの対応度
さて、K-mのほうはさておいて、レンズは早速K-1に取り付けて使ってみましょう。その上で気になるのは、どの程度のイメージサークルを持っているか?です。早速試してみましょう。
あまり適切なシーンではなかったのですが、とにかくケラレや周辺減光の様子を知りたくて、絞りを変えながら適当に無限遠を撮ってみました。上から開放F2.8、F4.0、F5.6、F8.0です。開放ではそれなりに周辺減光があり、絞るにしたがって改善していきますが、本当の四隅の減光はF8まで絞らないと改善しないようですがケラレというほど酷くはありません。というか、これはもはやこのレンズの「味」の部類かも
なお、Lightroomで現像時にレンズプロファイルを当てると、周辺減光はちゃんと補正されます。開放F2.8でも↑こんな感じになります。歪曲はもともと少ないようであまり変わりません。もちろんどちらも手動でも補正できます。
これは別のシーンでF5.6に絞って撮ってみたもの。レンズプロファイルによる補正は使用していません。下半分の解像を見てみると、概ねDA★55mmF1.4をフルサイズで使ったときとと同じ感じで、APS-Cの領域外であるところを境に急激にボケボケになります。この辺は絞ってもあまり改善せず、これが気になるかどうかは使う人の感覚と使用目的次第でしょう。
K-1 + DA40mmF2.8 Limitedで撮影してみる。
目的地は浅草。日が暮れて神谷バー前の交差点は良い雰囲気になってきました。街角スナップ風味で切り取ってみます。
いつも大混雑の雷門。普通に撮るのは飽きたので提灯に寄ってしまいましょう。幕末に焼けたままになっていたところに、戦後になって雷門を再建する資金を出し現在の姿に復元したのは松下幸之助というのは有名な話です。2013年に新調された提灯には敢えて旧社名がそのまま使われています。
仲見世はまだお正月飾りのまま。正月と言えば、中国の旧正月休みが始まってそっち方面の観光客は特に増えているようです。いつもにぎやかですね。
あわぜんざいで有名な元祖スイーツ店、梅園。意外に空いていそうでした。何度か入ったことありますが、今日はパス。
観光客にまったく媚びを売ることなく、我が道を行っている感のある伝法院。春には庭園が公開されたりすることもありますが、普段はカメラを向けるだけでも怒られたりするんですよね。幼稚園に通う子供がいたり、水子供養の人が訪れたりするからなのですが。もう時間が遅くて門は閉め切り誰もいなかったので、ちょっと撮らせてもらいました。
おなじみの宝蔵門までやってきました。浅草寺の建物は古さを感じさせず、隅々までいつもピシッとしています。実際のところ本堂も含め浅草寺の建築物はすべて戦後に再建されたもので、実は鉄筋コンクリート製です。さらに本堂の瓦は実はチタン製だったりするのはちょっとしたトリビアですけど。宝蔵門ももしかしたらチタン瓦なのかも?
ド定番の宝蔵門とスカイツリーは抑えておきたいポイントです。浅草寺はライトアップもされるので夜が綺麗ですね。
ですが、なんと五重塔はメンテナンス中でカバーを被っていて姿は見えず。これは残念。姫路城みたいに絵でも描いておけば良いのに。
浅草寺本堂の横にある浅草神社は提灯飾りが並んでいました。三社祭はまだずっと先ですが、これもお正月バージョンの飾りつけなのでしょうか。
ということでDA40mm+フルサイズでの試し撮りは大体こんな感じです。やはり隅っこはよく見ると流れてボケボケですが、光量は補正も可能でそんなに気になりません。私的には十分フルサイズで使えるレンズだと思います。それよりも開放では全体的にフワッとシャープネスが落ちる感じがあります。かといってそれほど明るいわけでもないので、F4くらいに絞り気味で使うのがバランス良いかも?と感じました。
APS-Cで使っていた時は60mm相当という微妙な画角で、なかなか使うのが難しいレンズでした。これ一本で済ますという勇気はありません。しかしK-1に組み合わせると40mmという、やはり中途半端な画角になるものの、こうして街角をスナップ的に切り取っていくには結構好きかも?と思えてきました。これなら標準レンスというか付けっぱなしレンズとして役に立ちそう。似たような画角のFA43mmを苦手に感じていたのはなんだったのか?と思いますが、意外にこの3mm分の差は大きいのかも知れません。
K-1の大きさと重さもこのレンズを付けてしまえばかなりの部分はカバーできてしまいます。ということで、タイトルに書いたのは半ば本気で、ボディキャップ代わりに常に付けておいて、カメラバッグに投げ込むときもこのレンズは常に持ち出すようにしようかな?と思っています。
PENTAX リミテッドレンズ パンケーキレンズ 標準単焦点レンズ HD PENTAX-DA40mmF2.8 Limited ブラック Kマウント APS-Cサイズ 21390
- 出版社/メーカー: ペンタックス
- 発売日: 2013/09/20
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PENTAX ビスケットレンズ 標準単焦点レンズ DA40mmF2.8XS Kマウント APS-Cサイズ 22137
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K-mとはこれまたなつかしいですね。
僕はまだK-x(白)を所有していて現役で問題なく動いており、中古のSMC TAKUMAR 28mmf3.5を付けて今も遊んでいます。
初めて購入した一眼レフがK-xですが、オリーブ色のK-mが欲しいと思っていました。
K-1とDA40mmの写りは趣味やスナップ等で使うには十分のように思えます。
気合を入れて作品を撮りに行くぞ~ってときをのぞいて、荷物を軽くしたいしたいときは超便利ですね。
絞ればほとんど普通の写りに見えますし、街中スナップではまったく無問題のようです。
RAWで撮っておけば現像時に補正できますし。
ところで、KPですが、商品企画の若代さんの10年越しの企画だったようです。
ペンタの公式フェイスブックに出ていました。
【PENTAX KP:商品企画からのメッセージ その1】… – リコーイメージング RICOH IMAGING | Facebook
https://www.facebook.com/ricohimaging.jp/posts/1169731539791206
こんばんは。
線が細く感じますね。これはレンズの力ではなく、k-1の画素数が理由ですかね。
k-1になってから、APS-c+FAのような描写が、どのレンズでも感じるような気がします。
もう一つ、このレンズは、なぜかフィルムの匂いがしますね。いい感じだと思いました。
k-1というか、フルサイズ欲しいな~(^^;
id:shasin130 さん、
このレンズは決して解像力が高いレンズではないと思うのですが、それでも繊細に感じられるのは、K-1の力でもあり、レンズの味かもかも知れませんね。
APS-Cで使っていた時には気付かなかった良さが発見できたように思います。
レンズ込みでいただけるのは嬉しいですね。
ところでこいつの電子ダイヤル、
istDの頃から使ってる部品が変わってないのでは?
うちのistDS、電子ダイヤルがいつの間にか使えなくなってて、
同じく、細かい操作ができなくなっていたんですよ。
特にマニュアル時や絞り優先とか。
なのでプログラムオンリーで使ってました。
持病というか、よくあるトラブルらしいです。
確かオムロン製?だったかな。
おそらく電子ダイヤルの部品自体が問題なんですよ。
部品そのものにおそらく問題がある欠陥品。
車ならリコール問題ですけど。
それはそうとSDMレンズを買おうとしているのですが、
ペンタ純正のSDM、曲者でよく壊れるらしいですね。
それもあってか最近、なぜか新しく出るものはDCモーターになってますよね。
1年保証が切れた頃に壊れるとか、壊れないとか。
困ったものです。
Y2さん、
K-xを買ったときにやはりダイヤルの初期不良で本体ごと交換してもらった事を思い出しました。確かに同じようなトラブルはたくさん耳にした記憶があります。同世代のK-7は大丈夫だったので、使ってる部品とか組み付けとかいろいろ違っていて、この安いシリーズでは持病だったのだろうと思います。
istDの時代から同じだとするなら、いい加減K-xまで引っ張る前の段階で対策しろよ、って思います。
SDMのトラブルも確かに良く聞きます。特に16-50mmF2.8に多いような気がするのですが、実際のところどうなんでしょう? 直しても直しても再発するという例もあるようですし。
私はSDMのレンズを3本買ったことがありますが、どれもトラブルには遭遇していません。300mmF4は1年ほどしか使ってませんが、60-250mmF4は7年使いましたし、55mmF1.4は2年が経過しましたが壊れていません。運がいいのかも、ですね。
その運の半分でもMacに振り分けて欲しいと思っています…。
Bellさん、
コメント頂いたのを見逃しておりました。返事が遅くなり、大変失礼しました。
K-mにはオリーブもありましたし、白もありましたっけ。その後のカラーバリエーションの実験機みたいな感じでしたね。
K-1とDA40mmって、本当に良い組みあわせだと思います。このサイズのままDFA化して欲しいです。
若代さん… ここ最近あまりメディアには登場してなかったですね。興味深く読んでおりました。同じく若代企画だったQマウントを何とかてこ入れして欲しい… と思っています。