X-T1とK-3で浜離宮恩賜庭園の菜の花畑を撮りに行く

投稿者: | 2014年3月18日

 寒い日が続いてますが、確実に春は近づいてきているようです。梅の最盛期は過ぎ、河津桜の季節を迎えるこの季節、関東地方ではそろそろ菜の花の最盛期を迎えています。一面に咲く菜の花畑を撮りたいなと思い立ち、千葉県を中心にネットで色々調べていたところ、東京の浜離宮にもあるとの情報を発見しました。浜離宮と言えば秋にはコスモスを撮りに行った所で、我が家からはすぐ近くです。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 1/2200sec, F2.8, ISO100, AWB
 もっと広大で雄大な自然の中に見渡すかぎり咲く誇る姿をイメージして、少し遠出する気でいたのですが、結局お手軽さに負けて今回は浜離宮で手を打つことにしました。都心のビル街に咲く姿もまた東京ならではのものです。

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 カメラはFUJIFILM X-T1にレンズはXF18-55mmとXF56mmの2本。それに自前のPENTAX K-3も持ち出しました。ひょっとすると望遠が使いたくなるかも知れないので、買ったばかりのテレコンと60-250mmズーム、それに念のため20-40mmズームも持って行きました。私にとっての標準機であるK-3に対し、X-T1はどの程度使えるのか比べてみる意味もあります。

高層ビルの麓にある菜の花畑

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PENTAX K-3, HD DA20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/250sec, F8.0, ISO100, AWB
 昨秋にはコスモス畑になっていたところが、そのまますべて菜の花畑になっていました。訪れた日はほぼ満開状態で見事な黄色い絨毯となっています。いえ、実際に上を歩くことはできませんが。雲ひとつ無い晴天と相まって想像していた以上に真っ黄色で迫力ある風景です。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/3000sec, F3.2, ISO200, AWB
 中望遠で一部を切り取ってしまえばここが都心のど真ん中だなんて分かりません。背景にはどこまでも続く黄色い菜の花畑が広がっている… かのよう。実際にかなり広いのは確かですけど。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/3200sec, F2.5, ISO200, AWB
 横には梅の木が並んでいました。これはタイミングが合えばまさに絵に描いたようなシチュエーションになりそう。満開の桜と菜の花の組み合わせって憧れますよね。典型的すぎるけど一度撮ってみたいです。が、この梅の木はかなり控えめで上品な木でした。そもそも満開をすぎてるようですし。それ以前に絞りをどうしていいのか分かりません。結局かなり開けて撮ってしまいました。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/4000sec, F2.2, ISO100, AWB
 空をバックにしようとカメラをローアングルに構えてみても、高層ビルが入ってきます。

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PENTAX K-3, HD DA20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR, 1/1250sec, F4.0, ISO100, AWB
 ならばいっそのこと潔くビルを背景にしてしまうとか。そうするとやっぱり絞りの選択をどうしたものか分からなくなります。

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PENTAX K-3, DA★60-250mmF4ED [IF] SDM, 1/1250sec, F4.0, ISO100, AWB
 遊歩道を歩いて菜の花に囲まれるも良し。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/3500sec, F2.0, ISO200, AWB
 あるいは横から眺めつつお茶を飲むも良し。菜の花のすぐ横でレジャーマットを敷いてお弁当食べてる人もいました。こういうお花見もありかと思います。まだちょっと寒いですけど。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/3800sec, F2.8, ISO200, AWB
 それにしてもこれだけ菜の花が集まっているせいか、甘い香りが強烈に漂っていました。菜の花の香りって初めて嗅いだ気がします。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/200sec, F11, ISO200, AWB
 絞りを開けてボカすばかりでは芸が無いとばかりにXF56mmF1.2で絞ってみました。X-T1には点像復元処理が搭載されているので、回折ボケを気にする必要はありません。もう一段絞って最小絞りのF16にしても良かったかも。

菜の花を食らうヒヨドリ

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PENTAX K-3, DA★60-250mmF4ED + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/2000sec, F8.0, ISO400, AWB
 花には蜂や蝶や鳥など動物が群がっているのが常です。そう言ってしまえば人間もその一種かも。菜の花の場合はヒヨドリが目立ちます。そこそこかわいい姿しているわりに、イラッとくる悪声の持ち主。そしてせっかく咲いてる花をバクバクと食べてしまいます。農作物として作っているとしたら、許しがたい害鳥ですね、こいつは。

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PENTAX K-3, DA★60-250mmF4ED + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/640sec, F5.6, ISO100, AWB
 でも、写真を撮る対象としては中々いいです。まさに「花鳥」の図ですから。メジロの方が小さくてかわいいので好きなのですが、ヒヨドリの方が大きいので撮りやすいです。

K3PS3197.jpg
PENTAX K-3, DA★60-250mmF4ED + AF REAR CONVERTER 1.4X, 1/2000sec, F8.0, ISO400, AWB
 それにしてもお構いなしに食べ続けています。このカットの中にいったい何羽いるでしょうか? ヒヨドリが群がっているその一角だけ明らかに花が少なくなってるのが分かるほどでした。

その他

 菜の花畑で1時間以上過ごしてしまいました。いくらでもシャッターが切れてしまってキリがないし、せっかくなので浜離宮を少し散歩してみることに。ただし、思ったよりも広すぎて、すべてを回るのは体力的にも無理。ショートカットコースをしばし散歩しただけです。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/3200sec, F1.8, ISO200, -1EV, AWB
 他にも梅の木はたくさんありました。桜はあまり見当たりませんが、単に咲いてないから気がつかなかっただけかも知れません。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/1500sec, F2.5, ISO200, -1.67EV, AWB
 都会にあるとは思えないこんなうっそうとした森の中の山道を歩いたり。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/340sec, F4.5, ISO200, AWB
 反省してうなだれているネコに出会ったり。やけに人なつっこいネコでした。

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/3800sec, F1.6, ISO200, -0.3EV, AWB
 一輪だけ花を残した椿… って、これ騙されてるような気が…。椿って常緑樹でしたよね? 落ちた花を誰かが枯れ木に置いただけかな?

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FUJIFILM X-T1, FUJINON XF56mmF1.2 R, 1/850sec, F5.6, ISO200, AWB
 最後はまたまた梅。マシュマロみたいなふわふわした質感の不思議な花です。そして見上げればやっぱり高層ビル。

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 ということで、X-T1とK-3を同時に使ってみたわけですが、そこでどう感じたか正直に書くと「やっぱり一眼レフは良いなぁ」と思ってしまいました。XF56mmF1.2という超面白いレンズを持ってしても、EVFの違和感は拭いきれません。特に高すぎるコントラスト、そして今回特に感じたのは「暗さ」です。K-3のOVFとX-T1のEVFを交互に覗いていると、X-T1のEVFは「暗い」と感じてしまうのです。これだけ光量がたっぷりある場所では、いくらEVFと言えども外光に慣れた目で覗いた瞬間は、その暗さに追従しきれません。最初は何か設定間違いかと思ってしまったくらいです。

 これもEVFだけ使っていると気にならないのかも知れません。しかし明るいものは基本的にそのまま明るく見えるOVFと比較すると、違和感を大いに感じます。もちろん、一眼レフファインダーにも欠点はあって、明るいところでは情報表示が暗くて相対的に見にくくなるという問題があります。どっちに違和感を感じるかは慣れの問題なのでしょうか?