富岡八幡宮例大祭についてのエントリーの特別編です。先日の記事で使った写真はすべてPENTAX純正の簡易防滴ズームレンズを使って撮ったものばかりですが、同時にみんぽすさんからお借りしているSIGMA 85mmF1.4 EX DG HSMも使ってこのお祭を撮ってみました。撮影位置を制限される場合はやはりズームレンズ、しかもなるべく高倍率のものが便利ですが、不便なりにも大口径単焦点レンズならではの世界があるはずです。
PENTAX K-x, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F1.6 AUTO (1/1000sec, ISO100, AWB)
また、このお祭は水掛祭りの異名を取るほど大量の水が使われていて、見物客もうかうかしてると濡れてしまうわけで、そう言う意味でもPENTAX純正の(簡易)防滴仕様レンズは便利なのですが、残念ながらこの85mmF1.4は防滴仕様ではない上に借り物なので、濡れないように気をつけました。幸いかなり望遠寄りの画角ですので、距離は十分に取れます。
カメラはいつものK-5の他に、久しぶりにK-xを使ってみました。K-xはK-5以上に小型軽量なので、この巨大なレンズをつけるとだいぶ見た目のバランスは悪いですが、使う上では気になりません。
PENTAX K-5, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F2 AUTO (1/800sec, ISO200, AWB)
富岡八幡宮にはその昔、江戸中期に紀伊国屋文左衛門が巨大な御神輿を奉納しました。残念ながらその御神輿は関東大震災で焼失してしまいました。そして現在は佐川清氏が平成になってから御神輿を奉納しています。しかし、あまりに重たくて渡御どころではないため、現在は飾られているだけになってしまいました。この写真の後ろにちょっと移っている金ぴかのやつが、佐川御輿です。
PENTAX K-x, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F2 AUTO (1/1250sec, ISO100, AWB)
約130mm相当となる画角とF2を切る明るさと相まって、それなりに距離があるのにピント面はかなり薄くて、御神輿が浮き立つようです。そして絞りを開けると速いシャッターが切れるので大量にまかれている水も、一滴一滴が粒になって写ります。こういうシーンは明らかに高倍率ズームで撮ったものと違います。でも、あまりに水が多いと、ピントが水に合ってしまうのですが。
PENTAX K-5, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F2.0 AUTO (1/3200sec, ISO200, AWB)
この浮き立つような空気感で、やはり”人”を撮ってみたくなりますよね。それにしても今回は女性の担ぎ手が多かったように思います。まさに老若男女、ありとあらゆる人が参加しているお祭です。ところで、ここ深川の御神輿を担ぐときのかけ声は「わっしょい」です。これが正式で唯一認められているそうです。
PENTAX K-5, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F2.5 AUTO (1/1600sec, ISO200, AWB)
各町の御神輿は大きさも細工もすべて違っていて、これまた個性があるのです。よく見るととても細工が細かくて繊細。一日中担ぎ回して水をバシャバシャ掛けられても壊れません。いや、ちゃんとメンテナンスしているのでしょうけど。これを維持していくだけでも大変です。それが丁目ごとに町内会が賄っているのです。地元では「町内会って御神輿だけのためにあるんだよね」と揶揄を込めて言われることもありますが(A^^;
PENTAX K-x, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F1.8 AUTO (1/800sec, ISO100, AWB)
氏子の各町には前日の八幸祭で八幡様から神様が出張してきてお神酒所が作られます。そしてその前には道路上に紙垂が掛けられています。そこへ御神輿がやって来ると神様への敬意を込めて御神輿を大きく揉みます。
ちなみに上の写真には背景に東京スカイツリーがチラッと見えています。今回は東京スカイツリーがその姿を見せるようになって初めての本祭り。前回の四年前は着工はしていましたがまだその姿はありませんでした。この風景も今後は当たり前の名物となっていくのでしょう。
PENTAX K-x, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F1.6 AUTO (1/500sec, ISO100, AWB)
岩手県平泉から特別参加の御神輿。地元のお祭でも水掛御神輿渡御をやられているそうで、この富岡八幡宮のお祭へも平泉から担ぎ手の皆さんがやって来ているそうです。
PENTAX K-5, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F3.2 AUTO (1/500sec, ISO160, AWB)
水をたたえた鍋を持って道路に立つずぶ濡れの女性… って普通ではあり得ないシーンですが、このお祭ならあります。消火栓などから派手な放水が目立つ一方で、普通のホーズやバケツ、鍋などでせっせと水をかける人が沿道には山ほどいます。でも、行列の中にはお水を掛けていい人といけない人がいるんですよね。掛けてはいけない人に掛けてしまってもめ事になってるシーンも見かけました。
PENTAX K-5, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F5.6 AUTO (1/500sec, ISO200, AWB)
富岡八幡宮の境内は入れないかと思っていたのですが、時間がよかったのか思ったほど混んではいませんでした。鳥居の前には白木の立派な櫓が作られていて、こんなお金を掛けてどうしたんだろう?と思っていたら、後に天皇皇后両陛下がいらしたそうで、その観覧席だったようです。
PENTAX K-x, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F1.8 AUTO (1/1250sec, ISO100, AWB)
でまぁ、やはりこのレンズの真骨頂はこれかな?と。細かな水滴の中に浮き立つ御神輿。大口径の望遠レンズならではです。なるほど、こういう写真が撮れるのか… と納得。お借りした甲斐がありました。
ところで…
PENTAX K-5, SIGMA 85mmF1.4 EX DG HSM, F1.8 AUTO (1/5000sec, ISO160, AWB)
ファーストインプレでも書いたのですが、このレンズを使っていて気になる点はパープルフリンジです。ここまで貼った写真ではLightroomの補正機能を使って消してあるのですが、上のカットは何もしていない状態です。担ぎ手の袢纏、鉢巻、御神輿の鳳凰や鈴の輪郭など、ハイライトのエッジが紫色に染まっています。サムネイルで見てもすぐに気付くくらい。
K-5が特に出やすいのかと相性を疑ったのですが、K-xでも同様に出ました。絞るとだいぶ押さえられるようです。が、やっぱりせっかくだから開けて使いたいですよね(^^; 描写性能的にはこれだけが気になる点です。