気温は下がってきたもののどことなくスッキリしない最初の連休。久しぶりに車をびゅーっとどこかに走らせてみようと思い立ち、適当に出かけてみることに。出発時の空はどんよりした曇りで、写真という感じもなかったのですが、一応カメラ一式は積み込みました。
連休中ですし帰りの高速道路の混雑予想なども考慮してとりあえず東の方向へ向かいます。太平洋の海沿いは日が射しているらしいという情報を得て、ゴールデンウィーク頃のネモフィラで有名なひたち海浜公園へ行ってみることにしました。
この時期のひたち海浜公園に、何があるか知らないけど何かあるかもしれない! 何もなければ仕方がない、という適当で謙虚な気持ちが功を奏したのか、意外なくらいにスッキリ晴れ渡った青空の下、秋の気配をちょっとだけ感じることができ、短時間でしたが写真的にも気分的にも良い気分転換になりました。
国営ひたち海浜公園
まず最初に目的地を確認しておきましょう。国営ひたち海浜公園は茨城県の太平洋沿岸部、大洗の少し北にある巨大な公園です。
東京から常磐道と北関東自動車道(とそれに続く東水戸道路)を経て約130kmほど。空いていれば2時間ほどの、近すぎず遠すぎず、ちょうど良い日帰りドライブコースです。
この公園を一躍有名にしたのはネモフィラの風景です。最盛期はものすごい人出で大混雑します。3年ほど通いましたが、今年は日程がいろいろ合わずにパスしてしまいました。なのでひたち海浜公園を訪れるのは1年半ぶりとなります。
春先にはネモフィラが一面を覆い尽くす「みはらしの丘」は、秋本番に向けてコキアが植えられており、10月のちょうど良い時期には一面真っ赤になるそうですが、今の時期は多分まだ青々としています。真っ赤なコキアが見られるのは例年10月中旬だそうです。園内には「みはらしの丘」以外にも、それこそ一日かけても回りきれないくらいの広大なエリアが広がっています。
連休中日の午後でしたが、常磐道も友部JCTも北関東道にもどこにも渋滞はなく、駐車場も空いていて入場ゲートもガラガラでした。ネモフィラの喧噪からしたら嘘みたいに快適で、ゆったりした時間が流れています。しかも! 茨城県に入ると空がいつの間にか晴れてきました! 東京はどんより曇り空だったのに。
とにかく、真っ青なネモフィラや真っ赤なコキアみたいな特別な目玉はないことを承知の上で、それでもカメラを持って広大で空いてる公園内をブラブラしてみましょう。
緑のコキア
はい、やってきました、みはらしの丘。手前は「ジニア」のお花畑が満開です。そして奥の丘が緑に染まっていますが、下部の濃い緑の部分はまだ花が咲いていないコスモス畑です。上部に広がる黄色っぽい方がコキア。そうか、最盛期にはちょうどコスモスも満開になるようになってるのか!
モコモコをもっと良く見るために、とりあえず近づいてみましょう。
おー! なんかすごいです。コキアは真っ赤になっていなくても、このコロコロした姿を見てるだけで楽しめます。
せっかくだから丘の上まで登ってみましょう。
なかなか良い絶景が広がっていました。見ての通り空はすっかり晴れ渡り、日差しが強かったです。真夏の暑さとは違いますが、山登り(丘登り)するとちょっと汗を掻くくらいでした。
どアップにして良ーく見てみると、結構細かい枝がワサワサと伸びていて、細かい葉っぱに覆われていることが分かります。別名「ホウキ木」とか「ホウキ草」と呼ばれる所以が分かるような気がします。かわいいですね、これ。
その辺の公園にも生えていれば良いのに。というか、立派な姿のわりに、春に芽を出して晩秋には枯れてしまう一年草なんですよね。だからこそこの「みはらしの丘」で、春のネモフィラ秋のコキアとして交代制になっているわけです。
ネモフィラの丘として定番の撮影場所から撮ってみました。手前のほとんどはコスモスです。ということで、コキアが赤くなった頃あるいはコスモスが咲いた頃にまた訪れてみたいような気がします。
そのコスモスも、実は良く見るとちょっと気が早いやつがポツポツともう咲いていました。
秋の風を感じるススキ
背が高くて青空と太陽によく映えていました。ススキを見ると一気に秋を感じます。なので結構地味な植物ですが大好きです。
風に揺られてどこにピント合わせれば良いのかまったく分かりませんが、構わずDFA★50mmF1.4で開放付近にセット。シャッタースピード連動外警告が出ますが気にしない!
それどころか調子に乗って太陽入れてしまうとか。さすがに気持ち絞りましたが、かなりのオーバー目でポストビューは真っ白に見えました。が、RAWファイルからハイライトを落としていくとちゃんと青空とか写ってました。うん、そうだと思ってた。以前のPENTAX機はなんだかオーバーに弱いというイメージがありましたが、K-1はフルサイズセンサーのおかげか、本当に余裕があります。
で、ちょっと思いついてオーバーにならないように絞ってみたり。光芒出るかと思ったのですが、そうでもなかったです。もっとマイナス補正しないとダメかな?
ちなみに50mmとは言え開放F値の低いレンズで太陽見るのは危ないし、スクリーンやシャッターやCMOSセンサーが焼けるといけないので、あれこれ考えずほんの一瞬のうちにシャッターを切りました。
ということで、久々に箱根の仙石原とか行ってみたいなーと思ってしまいました。
この時期の本命と言えば彼岸花
と言っても、これもちゃんと植えて管理しているという感じではなく、もしかして野生?というくらいあちこちに自由に生えていました。群生はしておらず、多くても2~3株が一カ所に固まっていれば良い方で、ほとんどは一匹狼状態でした。ということで、勢いドアップ写真が多くなります。
ほら、こんな感じですかね。彼岸花はアンダー目にバックを黒く落として… と言う撮り方が定番ですが、わりと大きな木で覆われた森の中に咲いていたりするので、マイナス補正を適切に操ればそんなに苦労することなくこんな感じに撮ることができます。
特に木漏れ日がちょうど彼岸花に差し込んでいたりしたら最高です。今回は光と太陽の運行を読んで、わざと日差し待ちしたりしました。でも、同じこと考えてるカメラマンがいて、ちょうど日が射した頃に目当ての場所に行ってみると、撮影のための待ち行列が出来てたりしました(A^^;
真上から見ると花の構造がよく分かりますね、一本の茎で6つの花が付いています。だいたい成長具合は揃ってるようで概ね60°ずつの角度で綺麗に全方向に向かって花が開くんですね。
さて、コキアやススキには100mmマクロはまったく不要でしたが、彼岸花には役に立ちそうな気がしてDFA100mmマクロも念のため持ってきていたので、寄り放題です。彼岸花の花びら(なのかな?)のキラキラした質感とか、近寄ると見えてくるものがありますね。
ただし、もしかしたら今回の写真は見る環境やデバイスによっては赤がベッタリ潰れてるかも。一応ヒストグラムを見つつ、私のiMac5Kではギリギリ鮮やかなところに合わせてあります。というか、以前は色飽和しないように気にしていたのですが、最近は色飽和くらい別に良いか、と開き直りの心境になりつつあります。
マクロレンズでグッと寄ってると、どうしても気になるのが先っちょが黄色くて花粉を湛えている雄しべです。なので、雄しべにピントを持ってきたりしてみました。ちなみに黄色い”やく”が付いてないのが雌しべだそうです。”やく”が落ちてしまったのかと思ってました。
ちなみに雄しべは小さすぎてAFはたいていの場合背景に引っ張られてしまうのでMF(というかクイックシフトフォーカス)しています。しかもライブビューではなくOVFで。思ったより歩留まりよかったのは、K-1のファインダーのおかげか、自分の腕と目のおかげか??
前ボケとかあとボケとか、たった一輪でもマクロレンズがあれば楽しめます。でも、やっぱりワサッと群生してるところも行ってみたいなぁ~と改めて思いました。関東では巾着田が有名ですが、一昨年に一度行ってみただけで昨年は行ってないので、2年ぶりに訪れてみようかな?と思っています。
今回試用したカメラとレンズなど
ということで、望外に晴れた青空の下、空いてるひたち海浜公園の散歩と往復のドライブを愉しむことが出来ました。ちなみに帰りは常磐道の渋滞を避けて、つくばJCTから圏央道→東関道を経由して帰ってきました。外環道含め最近は経路が色々選択できて便利になったものです。
さて、今回使用したカメラは久しぶりのPENTAX K-1 MarkIIです。やっぱりこれを手にすると色々安心します。レンズは望遠系を多用するかな?という予想の元、DFA★70-200mmF2.8とDFA100mmF2.8マクロ、そしてDFA★50mmF1.4に加えて、念のため標準ズームのDFA24-70mmF2.8を持って行きました。
結果、DFA★70-200mmF2.8はあまり使わず、単焦点の2本を中心に使いました。それにしても、こうしてみるとDFA100mmF2.8マクロはすごい良いレンズだなぁ、と改めて思います。
ギュインギュインうるさいとか、IFじゃないとか、ライブビューでAFが合わないとか、色々欠点もありますが、何しろ小さくて軽くて簡易防滴で、これだけ写るということが最大の特徴ですから、もうこのままで良いんじゃないかと思います。