沼と言えばレンズ沼が有名ですが、私は目下のところイヤホン沼にはまりつつあります。イヤホンもピンからキリまで色々ありますし、音質はもちろん装着感などなど、使ってみないと分からない部分が多く、ひとたびこの沼にはまると、あーでもないこーでもない…と色々と買い換えてしまうと言うことが起こりえます。
通常は音質にこだわる高級イヤホンで起こりやすい現象ですが、私は今のところ理想のBluetoothイヤホンを求めてさまよっている状況です。iPhoneはイヤホンジャックが廃止されてしまい、イヤホンの選択肢がぐっと狭くなりました。こういうApple式の独善は本当に勘弁してもらいたいです。
と、Apple様に文句を言っても仕方ないので、昨年中は2つBluetoothイヤホンを買ってみたのですが、どちらもなんとなくしっくりこなくなってしまい、今回さらにもう一つ新たに買ってしまいました。
これで納得できれば良いのですけどね…。とりあえず3つめのBluetoothイヤホンを買うに至った顛末を書き留めておこうと思います。
過去の2製品
その前にまずはこれまでのおさらいです。初めてBluetoothイヤホンを買ったのは昨年の6月です。
Beats X
当時はイヤホンジャックのあるiPhone 6s Plusを買っていましたが、その年の秋にはイヤホンジャックが廃止された新型に買い換えることが決まっていたので、先に慣れておこうということで、初めてのBluetoothイヤホンを買ってみました。
それがこれです。充電ポートもLightningですしいろいろな面でApple製デバイスを搭載した半純正的な位置づけの製品でした。
装着感は良かったし、音もまぁこんなものだろうな、という範囲だったのですが、WEB上の写真で選んだブルーは、実物を見るとなかなか残念な色合いと質感でガッカリしたのと、細かい部分で取り回しがイマイチであること、そして何らかの理由で接続が途切れた後、自動復帰せず再接続が非常に面倒なことが気になって、次第に使わなくなってしまいました。
Palntronic BackBeats Go 3
次に昨年の11月に買い換えたのがこれです。この時点で予定通りiPhone Xに機種変更していたので、そのままBeats Xも使っていたのですが、何というか新しいiPhoneには新しいイヤホンが欲しくなって買ってしまいました。
まーこの記事に書いたとおりです。これ、なかなか悪くないです。接続もBeats X並に簡単だし、むしろ接続が途切れても自動で復帰してくれるし、音も悪くありません。構造上イヤーレシーバー本体に電池が入ってるので、ちょっと重たくて長時間使ってると気になるのと、一方で電池の持ちはあまり良くない(実働で4時間くらいか?)ことが欠点と言えば欠点です。
あと、上に貼った記事ではイヤーピースをコンプライの「大」サイズに取り替えたと書きましたが、やはり「大」では大きすぎたので「中」がちょうど良いと思います。
やはり音質は有線が一番か?
さて、BackBeats Go 3にそんなに不満を抱えていないのになぜ買い換えたのかというと、先日出かけたニセコ旅行がきっかけでした。飛行機に乗るのと、旅先で充電管理を必要とする機器を増やしたくないことから、久々に有線のイヤホンを使ったのです。
それがこれ。4年以上前に買ったUltimate EaresのUE900というカナル型のイヤホンです。Bluetoothイヤホンを使うようになった昨年までずっと使っていましたし、その後もちゃんと大切に保存してありました。
- 出版社/メーカー: Ultimate Ears
- 発売日: 2014/05/09
- メディア: エレクトロニクス
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Ultimate Earsはその後ロジクールに買収され、マイナーチェンジ型のUE900sという製品が現在も販売されているようです。私が買ったときよりも少し安くなってるような気がします。
なお4年前のUE900購入時の記事かこれ。4基のBAユニットを搭載した3-way構成という贅沢なカナル型イヤホンで、iPhoneで使うには役不足と言っても良いレベルかと思います。
で、さっき書いたような事情で久々にこれ使ったのですが… 感激してしまいました。私のバカ耳でもはっきり分かるくらい音が違います。エッジが立ってるというか、奥行きがあるというか、生々しいというか何というか。うーん、Bluetoothする前はこんなにクリアで良い音を聞いていたんだっけ?
しかし、iPhone 7以降はイヤホンジャックがなくなってこういうアダプタが同梱されるようになりました。従来のミニジャック式のヘッドフォンをつなぐにはこれが必須です。
Lightningはデジタルデータしか流してこないので、このアダプタは単にコネクタ変換をしてるのではなく、実は小さなDACチップが入っていると言われています。つまりイヤホンを駆動するアナログ部がすべてこの中に入っているということになります。
ピュアオーディオクラスタの人が聞いたら卒倒しそうな話ですが、オーディオに関しては一般人の私から見ても、これでは「音質」という点であまり良くないだろうなと感じます。
それでもBackBeats Go 3やBeats Xよりイイ!と感じたのはなぜか? Bluetoothよりこのアダプタを通したとしても有線の方がずっと情報量が違うということなのか? あるいはやはり4x BAユニットの威力なのか??
ということで、ここは後者の可能性を試してみることにしました。つまりUE900をBluetooth化することに挑戦してみます。
SONY MUC-M2BT1を買う
長々と書いてきましたが、ここからが本題です。
有線イヤホンをBluetoothで使うには、素直にイヤホンジャック付きのBluetoothレシーバーを使うのが基本です。しかしUE900はmmcxコネクタによりリケーブルが出来るようになっていますので、mmcxケーブル付きのBluetoothレシーバーがあれば一番スマートなはず。
そんな都合の良い製品はあるのだろうか?と探してみたらちゃんとありました。激安の中華製品もたくさん見つかるのですが、ここはひとつ信頼の国産ブランドから選んでみることに。そうすると以下の二つの製品が候補になるかと思います。
ソニー XBA専用着脱ケーブル(ワイヤレスオーディオレシーバー)ネックバンド型SONY MUC-M2BT1
- 出版社/メーカー: ソニー
- メディア: エレクトロニクス
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JVC SU-ARX01BT ワイヤレス リケーブル CLASS-S 高音質化技術 K2テクノロジー搭載/Bluetooth・NFC対応/連続7時間再生/MMCX端子採用
- 出版社/メーカー: JVCケンウッド
- 発売日: 2017/11/09
- メディア: エレクトロニクス
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私は個人的に(いわゆる宗教上の理由で)SONYロゴの入ったコンシューマー製品は絶対に買わないと心に決めて25年ほど経つので、今回もJVCのほうをポチりかけたのですが、どうにもレビューが気になってしまいました。JVC製品の方はあまり口コミが良くありません。
なので、もう十分に大人になったことですし、25年前のことには一瞬だけ忘れることにして(水に流すわけではない ^^;)、ここは一つSONYのMUC-M2BT1の方を買ってみることにしました。ただのアダプターですから良しとしましょう。
箱には「本機にイヤーレシーバー含まれません」と注意書きがされています。そしてどこにもmmcxコネクタに対応しているとも書かれておらず、公式にはSONY製のイヤーレシーバーにのみ対応していることになっています。まぁSONYクラスのメーカーとしては当然の態度なのでしょう。
でも実際にはSONY製のレシーバーしか使えないなんてことはなくて、このケーブルがmmcxコネクタ対応であることは明らかであり、だとすればUEやSHUREのmmcx付きイヤーレシーバーだって繋がるはずで、実際にそうやって使っているという前例はネットにたくさん転がっています。なので安心して購入してきました。
箱から中身を取り出してみるとこの通り。やはりどう見てもmmcxですね、これは。
目論見通りUE900のイヤーレシーバーもこの通りぴったりはまります。接続部に多少段差が出来ますが、ちょっと見た目が格好悪いだけで機能的には何の問題もありません。
これまで使ってきたBeats XやBackBeats Go 3と違って、U字型のネックバンド式なのですが、重たくもないし固すぎず柔らかすぎず、首にかけっぱなしにしていても気になりません。冬は厚着しているので特に問題ないですが、薄着の夏になるとどう感じるかはちょっと心配です。
ネックバンドのおかげで操作ボタン類の配置と大きさには余裕があります。
充電はmicroUSBで小さなプラスチックのふた付き。この点に関しては可もなく不可もなくと言ったところでしょう。
ちなみに2.5時間でフル充電となり、再生は7.5時間となっています。体積に余裕がありそうなのでもう一声欲しいところですが、実際には日中そこそこの時間使っていてバッテリー切れに遭遇したことはないので、実使用上十分と言えそうです(不良会社員なので日中の仕事中はだいたいずっとイヤホンしています)。
ちなみにBluetoothのオーディオコーデックは、SONY自身がハイレゾ対応として推奨するLDACに対応していますが、当然iPhone側はそんなものは使えません。
iPhoneではAACが使われるはずですが、その辺はペアリング時にiPhone とMUC-M2BT1の間で勝手に決まってしまうので、ユーザーが気にする必要はないし、気にしても確認手段すらない状態です。耳の良い人なら聞き分けられるのでしょうけど。
ペアリングは通常のBluetooth機器と同じで簡単に完了します。一度ペアリングしてしまえば、その後は電源入れるだけで勝手に繋がりますし、途中で何らかの理由で切断されても接続可能な状態になれば自動で復帰してくれます(これ当たり前の動作だと思うのですが、Beats Xが何かおかしいのかも…?)。接続自体も安定しています。
ちなみにMUC-M2BT1の同梱品は充電用のUSBケーブルとキャリングポーチのみ。ネックバンドがあるのでキャリングポーチはわりと大きいですが、嵩張らないし軽いので、カバンの中に突っ込んでも意外なくらいに邪魔になりません。表面の巨大なSONYロゴは勘弁して欲しいところですが、色付きじゃないので良しとしましょう。
イヤーガイドも必要
なお、UE900はケーブルを耳の後ろ側から回して装着(いわゆるシュア掛け)するようにデザインされています。なので、純正ケーブルはイヤーレシーバ側に針金のようなものが入っていて形状が固定できるようになっていました。
しかしSONY MUC-M2BT1のケーブルはそんな風にはなっていません。そこでイヤーガイドという部品を同時に手に入れました。柔らかくて肌触りの良いゴム製で、上の写真のようにケーブルを中に挟み込むことで針金の代わりになります。これによって耳の後ろから回してイヤーレシーバーを装着しても、安定するようになります。
実際に装着してみるとこんな感じ。ただ挟み込んだだけでは外れやすいので、テープで巻いてしまうか、思い切って接着剤で付けてしまうのも良いかも。私はアロンアルファでくっつけてしまいました。
- 出版社/メーカー: NOBUNAGA Labs
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これで満足できるのか?
さて、それで実際に音楽を聴いてみた感想ですが…
う〜ん、やっぱりBluetooth(AAC)を通してしまうとこの程度なのかな?と、ちょっとガッカリしています。これだったらやはりLightningの変換アダプタを通してでも、有線で聴いた方が音質的には良いのではないかと感じています。でもBeats XやBackBeats Go 3よりは良いかも?
LDACだとうどうなのか?と少し興味はありますが、残念ながらそのためにiPhoneをやめるとか、ウォークマンを買うとか言うことをするつもりはなりません。
なので、結局有線に戻るしかないか?と思っているのですが、そうは言っても無線の便利さは捨てがたいし、せっかく買ったものなのでもう少し色々な音楽を聴いて納得するまで(もう十分試してみたと思えるまで)使ってから考えたいと思います。