昨年末から北日本や日本海側の各地で大雪が降っているというニュースが連日伝えられていますが、多すぎる雪もスキー場にとっては恵みとなっているはずです。それなりの豪雪地帯にあるスキー場でも、例年は12月に入ってから一部オープンし、クリスマス頃まではなかなか全面オープンは難しいというのが常ですが、今年は半月ほど前倒しで雪が降り始め、11月には一部オープン、12月初めには全面オープンというスキー場も珍しくありませんでした。
さて、そんなスキーヤー&スノーボーダーには願ってもない状況が訪れた今シーズンですから、早く降った雪とともに早く始動できれば良かったのですが、私の場合は実質的に1シーズンのブランクがあったこともあって、結局年明けになって初滑りに出かけることができました。
今回は軽い足慣らしと言うことで、泊まりではなく日帰りにしたのですが、少し無理をして早朝4時に東京を出発し、東北道を経て一路福島県を目指します。この時点で具体的にどのスキー場に行くかは決めておらず、とりあえず大ざっぱに磐梯山周辺のどこかへ… という計画性のかけらもない状態でした。まぁ、それは珍しいことではなくいつものことなのですが(A^^;
インターチェンジからも近くて便利な「猪苗代・ミネロ」か「アルツ磐梯」あたりが、有力候補だったのですが、車中でゲレンデ情報を見ていると盛り上がってきてしまい、結局のところより多くの雪を求めて磐梯山の北斜面にある猫魔スキー場まで足を伸ばしてみることになりました。
裏磐梯猫魔スキー場へ訪れるのは3年ぶりです。前回は泊まりでしたし、やはり雪はたっぷりありました。というか、磐梯山の南と北では大きく雪の量がことなり、裏磐梯はそもそもかなりの豪雪地帯です。猫魔スキー場も今シーズンは11月からオープンし、例年はゴールデンウィークの5月まで滑ることが出来る、シーズンの長いスキー場です。
公式サイトは↑こちらです。同じく星野リゾートが経営するアルツ磐梯が、ゲレンデの縮小を重ね、3月の中旬にはクローズしてしまうなど、あまりやる気が感じられない一方で、猫魔スキー場はかなり集客に力が入れられていて元気があるように感じます。
東京から約300km。午前4時に出発し、途中のサービスエリアで朝ご飯を食べつつ、裏磐梯猫魔スキー場に到着したのは午前8時半ごろでした。そして準備をしてゲレンデに出るとだいたい午前9時。ちょうど主なリフトの運行開始時刻です。
3連休の初日でしたが、お正月直後ということもあってか、スキー場はかなり空いていました。リフトの運行開始待ちの行列も大したことはありません。その後営業が始まって以降は待ち時間はゼロでした。
さて、朝のうちはこんな感じで青空も覗いていて、なかなか良い天気でしたが、非常に気温は低く、しかも上空は風が強いらしく雲がどんどん流れていきます。しかし不思議とゲレンデは穏やかで風もほとんど感じません。予報も悪くないので、大きく天候が崩れることはなさそうです。
猫魔スキー場からは裏磐梯エリアがよく見通せます。真っ白な(凍結している?)檜原湖始め、五色沼周辺の湖の様子がよく見えて眺望も抜群。
最初のうちはフォレスト3など中級者コースで様子見。積雪は文句ない量でかっちりと圧雪された上に、うっすらと柔らかい雪が被っていたりして、しかも気温が低いので雪面のコンディションは抜群です。パウダーとか不整地とは別に、こういうしっかり整備された斜面は、これはこれで楽しいですし、練習にはやはりもってこいですね。
連日雪が降り続いているのか、周辺の木々は綺麗に雪で覆われ、樹氷となっていました。この景色久しぶりです。
近寄って見てみるとこんな感じなんですね。柔らかいので触れるとポロポロと落ちていきます。
徐々に山の上に上がるようにして上級者コースにも挑戦してみます。うん、スキーも自転車と同じで一度覚えたものはそう簡単には忘れないようです。もちろん体力の問題はありますが、ちょっとした急斜面も問題なさそう! ということで調子に乗って滑っていたら、いつの間にかあたりはこんな風景に様変わりしていました。
朝方見えていた青空はどこかに消え去り、あたりは一面白い世界に包まれています。しかし風は弱くて相変わらず穏やか。
2時間くらい滑った後は、少し早めの昼食へ。裏磐梯猫魔スキー場は、ゲレンデベースにあるセンターハウス内のレストランのみが営業しています。この日はゲレンデの空き具合からしても、そんなに激しい混雑にはならず12時台でも空席待ちでウロウロする人はあまりいませんでした。
20年くらい前に訪れた時は、リフト待ち20分で、ゲレンデも人を避けて滑るのに苦労するような状態。このレストランも激しい混雑で通路を歩くのも一苦労だった記憶があるのですが、それも昔話と言うことなのでしょう。
リフト待ちもなく、休憩も自由に出来る現状はとても快適で、未だにスキーに出かけている一人としてはとても嬉しいのですが、経営は成り立ってるのか心配になります。
しかし冒頭に書いた通り、この裏磐梯猫魔スキー場は、現在はアルツ磐梯とともに星野リゾートが所有しており、SNSでの情報発信もかなり積極的に行っているスキー場ですから、上手くやれている方なのだと信じています。
さて、そのゲレ食ですが、猫魔のレストランでは塩カツ丼やソースカツ丼など、カツ丼が豊富でそれが売りらしいのですが、丼物は早朝に高速道路のSAで食べてしまったので、ラーメンにしておきました。チャーシュー増量でちょっと贅沢しましたは、味は至って普通のラーメンです。量も十分。でもやはりちょっと物足りないかも。
ちなみに猫魔スキー場のチケットはいつの間にか電子チケット化されていました。しかも昔ながらのゴツいプラスチック製のタグではなく、いわゆるSuicaなどと同じようなカード式。最初に買うときはデポジットがかかりますが、リピーターとなるならそのまま持って帰って良いそうです。そして次に来たときはこのカードを書き換えてくれるとか。しかも駐車場でこのカードを提示すれば駐車代金は無料となると。なるほど、リピーターを増やす上手い手を考えたものです。
ただし、今回我々は次があるかどうか分からないので、返却してきました。もちろんデポジット料は戻ってきます。
さて、午後になるとますます視界は白くなってきました。しかし吹雪いてるわけでもなく何となく不思議な天気です。気温はますます下がってきたのか、顔に当たる空気が痛くなってきました。
山頂はこんな景色でした。積もりっぱなしの綺麗な雪原に霧氷のついた木々。そして実はこの山を越えた反対側の斜面にはアルツ磐梯スキー場があります。
Googleマップの航空写真で見るとこんな感じです。猫魔ヶ岳を挟んで北側にあるのが裏磐梯猫魔スキー場で、南側にあるのがアルツ磐梯スキー場の猫魔ボール。距離にして300mほどで、高低差もほとんどありません。もしかしたらバブルの好景気とスキーブームがもう少し続いていたら、この二つのスキー場は連絡可能になっていたかも知れません。
だからと言って勝手に山に分け入ってアルツ磐梯側に抜けようとする人がいるのか、こんな立て看板が立っていました。ここからは見えませんでしたがネットも張られているようです。
裏磐梯猫魔スキー場はそれほど規模は大きくないものの、一部不整地のまま圧雪されていなかったり、ポールバーンが用意されていたり、色々バラエティに富んだコースが用意されています。私はパウダー用のファットスキーを履いていますが、どんなコースでも滑れる懐の深さがあるので、ポールバーンだって大丈夫です。踏んでも踏んでも全くグリップせず、板が大暴れしますが(A^^;
中にはモーグルの練習コースみたいなものもありました。単なるコブ斜面ではなく、こうしてジャンプ台まで用意されています。なので、素人は絶対には入れません。この写真の人はただ飛んだだけですが、普通の人にはこれもちょっとやそっとでは出来ませんし、この前に滑っていた人はクルッとバックフリップ一回転していました。生で見るとそれだけでも神業に見えます。
それと猫魔のもう一つの特徴が、モンスターパークという名前の通りの巨大なパーク。大小様々なアイテムが用意されています。主ニスのボーダー達が飛んで遊んでいます。もちろんスキーで飛んでも構いませんが、ほとんど見かけません。
じつは私自身はスキー派一辺倒出来ましたが、こういうパークを見ているとスノーボードもやれば良かったな… と少し後悔しています。だって、スノーボードで巨大なキッカーを飛んでるのって、超気持ちよさそうじゃないですか。今からはちょっと無理です。あと20年若ければ… 私の前のリフトに乗ってるボーダーなんて子どもですからね。
ということで、まだシーズンの1回目ですし帰り道も長いということもあって、少し早めの午後3時には上がりました。そして帰り道、山を下りる途中にある裏磐梯レイクリゾートの温泉に浸かって身体を温めて東京への長い帰路につきました。東北道は往路と同じく空いていて全く渋滞などはなかったので助かりました。
実は今月末に2年ぶりにニセコへ行ってディープパウダーを食いまくる予定なのですが、そのための足慣らしと道具のチェックという目的は十分に果たせました。ニセコの後も何回か今シーズンは滑りに行けたらなと思っています。
ちなみにPEUGEOT 308SWは初の雪道デビューでした。最新のスタッドレスタイヤのおかげもあって、雪道走行には全く問題ありませんでした。まぁ、そんなに難所ではないのでこのくらいのところはいけないと困りますが。
ちなみにどのくらいの路面状況だったかと言えば、↑こんな感じでした。ドライブレコーダーの映像を見ると結構スピードが出てるように感じてビックリしましたが、実際にはかなり慎重に走っていたつもりです。これだけ踏みつぶされていて、気温が低い状態なのでスタッドレスタイヤの威力が一番発揮されるような状態だったと思います。
さらに、今回の写真は全てこのカメラで撮ったのですが、これの詳細についてはまた後日報告いたします。