品川で開催された「大江戸ビール祭り 2017 秋」でプレミアムフライデーを堪能する

投稿者: | 2017年11月1日

 ここ数年のことだと思うのですが、公園などの野外においてちょっと珍しいビールが飲める事を売りにした、期間限定のビールイベントがブームとなっています。この手のイベントとしては「オクトーバーフェスト」が有名ですが、元々大阪、横浜、東京で本国に合わせて秋に細々と行われていたものが、今では全国で季節を問わず開催されているような状況で、どれが本物の「オクトーバーフェスト」なのか分からないくらい、様々な主催者によるイベントが乱立している状態とも言えそうです。

 いや、日本にはそれこそ何十年も前から「ビアガーデン」とか「お花見」という文化があったわけで、屋外でお酒を飲むというイベントが人気を博す素地はあったのでしょう。昭和の香りする古き良きビアガーデンが衰退し、有象無象の居酒屋で飲める普通のビールから消費者が離れていく一方で、ドイツやベルギーを初めとする海外産ビールや国産含めたクラフトビールが市民権と人気を得て、別の次元でビールブームはやってきています。

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 そんな波が私が毎日通う職場がある品川にも押し寄せてきました。繁華街でも何でもない港南口のオフィスビル街のど真ん中で開催されるというそのイベントに興味津々で出かけてきました。

大江戸ビール祭りとは

 この祭りは、東京クラフトビールマニアという法人が運営するビールイベントで、どうやら2015年から都内各地を中心に、概ね4半期ごとに開催されているようです。池袋や新宿、六本木あたりは定番としても、品川で行われるのは今回が初めてだと思います。場所は品川インターシティの中庭で10月25日の水曜日から29日の日曜日まで、5日間に渡って開催されました。ここはフリーマーケットが時々開催されているくらいで、普通はあまりこの手のイベントが開催されたことのない場所です。

 参加するクラフトビールの銘柄は30以上、提供されるビールの品種は200以上だそうです。しかもほとんどが国内産と言うところが「大江戸」たる由縁なのでしょうか。ベルギービールやドイツビールのイベントは参加したことがありますが、国産クラフトビール中心というのは始めてかも。

プレミアムフライデー!

 同じく品川周辺に勤めている友人が指定した待ち合わせ時刻は午後4時。なにそれ、まだ普通に就業時間だろ!と思ったものの、この日はプレミアムフライデーだしまぁ良いかと言うことで、まだ明るいうちから飲み始めることにします。

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 券売機で事前に食券を買う方式だったのですが、なんと2000円分まとめて買うと、100円件が20枚出てくるという仕様になっていました。メニューによって値段が100円単位で違うので、こうなりますよね…。しかし20枚出てくるのに結構時間がかかります。そのためか、良い時間帯になってくると結構長い列が出来るとの事前情報がありました。とは言え4時は全く問題なかったです。

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 ビルの谷間のわりと狭いスペースに各銘柄のテントが所狭しと並んでいます。オクトーバーフェストのようなものすごく巨大な規模のイベントではありません。でもこのくらいの規模感は全体が掴みやすくて良い感じです。各テントをウロウロしながら品定めが出来ますから。

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 最初の一杯はここに決めました。沖縄のヘリオスクラフトビールです。サイズは大中小が選べて小サイズだと500円という良心価格。これなら酔いつぶれる前に色んな種類を飲むことが出来そう。

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 これはその名も「肉専用ペールエール」です。ほぼ名前だけに惹かれて発注してしまいました。ペールエールにしてもかなり色は濃いほうですが、その見た目通りホップの苦味が利いたパンチのあるペールエールです。

 このプラスチックカップは小サイズで500円也。一杯味わうには十分な量です。ジョッキでグイグイ飲み干すようなビールじゃないので、これで十分楽しめます。

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 なにか肉を食べなくては!ということで、グーラッシュ。ドイツ風のシチューと言うことで牛すじみたいなお肉がゴロゴロ入ったシチューです。なかなか美味しかったです。もちろんビールとの相性も完璧。

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 次の一杯はこれ。岡山は独歩ビールのマスカットピルスです。これ、かなり人気があるそうですね。名前の通りとてもフルーティでスルスル飲めてしまいます。フルーツ系のビール(酒税法的には発泡酒扱い)というとちょっと変わり種っぽいですが、これはビールの苦味好きな人でも納得のフルーツビールではないかと思います。

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 さて、次は何にしようかな〜?とまたもやテント街を物色。色々あって目移りしてしまいます。残念ながらお子様向けのドリンクはないのですが… 食べ物目当てでしょうか? いろいろ緩い感じで居心地良いです。天候も風もなく気温は少し寒いくらいでちょうど良い感じ。

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 と言うことで、これにしました。黒ビール好きとしては色の濃いヤツを飲んでおかなくては! やはりここはスタウトが定番でしょ、と思って探していたのですが、福島県は猪苗代地ビールのラオホにしてしまいました。

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 ブナのチップで燻煙したという香り豊かなビール。その謂われと見た目から想像すると拍子抜けするくらいに柔らかくて優しい味わいでした。うん、ポーターにしろスタウトにしろラオホにしろ、色の濃いビールは最高!

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 こうなるとやはりビールに合いそうなジャンクフードが欲しくなります。ハーブ入りのソーセージとグリルチキン。見た目は悪いですが味はそこそこいけます。こういうイベントで出るフードにしてはこれで600円と、なかなか良心的な価格です。

日が暮れて調子に乗ってくる

 気がつけば良い感じに暗くなってきました。

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 さすが金曜日とあって一杯飲んでいこうという人で混んできましたが、飲む場所がなかったり、ビールを買うのに行列したりと言うことはありません。賑やかさと混雑具合のバランス的にちょうど良いところ。スーペースが狭すぎるのをちょっと心配したのですが、とりあえず大丈夫なようです。

 一時期の日比谷オクトーバーフェストなんて、身動き取れない満員電車状態になって逃げるに逃げられないと言うことがありましたから…。

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 良い感じに酔っ払ってきて絶好調になってきました。美味しいビールで酔うのは気持ちいいです。ということで次はこれ!

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 4種類のミニカップの試飲セットで1000円也。銘柄は兵庫県は六甲ビールです。4種類の内訳は、大江戸、New Engand IGA、神戸の完熟桃エール、ゆずゴーゼです。六甲ビールなのに大江戸とはなんぞや?と思ったら、このビールフェスのために特別に醸造したビールだそうです。六甲ビールは全体的にフレッシュというかフルーツ系の爽やかな香りに溢れたビールでした。私的にはこの中で選ぶとしたらIGAかな? ゆずゴーセはあまりにゆず過ぎて酸っぱかったです。でもこんなビールがあるんだ!と新鮮な驚きでした。

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 さてさて、他にも東京地場のビールとか、北海道とか色々気になる銘柄がありますが、やはり飲める量には限界があります。あと一杯だけ… と心に決めて厳選しましょう。

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 妙なタップハンドルが付いたここにしてみましょう。

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 品川の夜景に乾杯! ということで、最後の一杯はビールの本場、ドイツにしてしまいました。プランクのヘフェヴァイツェンです。バナナのような香りのさっぱり系。最後の口直しにぴったりな一杯でした。

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 ということで、品川の夜はこれから!という時間帯になりましたが、4時から飲んでる我々はそろそろお終いにしましょう。

 なおこのイベントは日曜日まで開催されていましたが、もう終了しています。また来春にどこかで行われることでしょう。出来れば来秋もまた品川で開催して欲しいです。また明るいうちから飲みに行きたいと思います。

東京の地酒祭りで二次会!

 実はこの週末、品川港南口ではもう一つお酒関連のイベントが行われていました。それは「東京地酒 新酒まつりin港南」 というもの。

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 これも東京都内を巡回しているイベントで港南口にも定期的にやってきます。

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 大江戸ビール祭りではビールに集中しすぎてあまりちゃんと食べていないので、このままでは寝る頃にお腹が空いてしまいそう、ということでがっつり食事をしていくことに。広島焼とかモツ煮込みとか、暖かいものをいただきました。

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 でもまぁ新酒祭りと言うからには、やはり一杯飲んでおかないとね、ということで熱燗をもらったのですが、黄色い!なんでこんな黄色いんだろう? と不思議に思いつつ、何の銘柄なのかはよく覚えていません。味は普通に美味しい燗酒でした。

 ビール祭りが今風のお祭りなら、この新酒祭りは古き良き昭和の祭りです。オープンエアでお酒を飲むという共通点がありながら、全く違う雰囲気を味わえた貴重なプレミアムフライデーでした。品川は飲食やお酒に関しては不毛の地と思っていましたが、これからこういう文化が育ってくると良いなと思います。日常の仕事に差し障りが出ない程度に… (A^^;

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