オートモービル・カウンシル 2017で往年の名車を愛でる

投稿者: | 2017年8月12日

 先週の週末のことになるのですが、幕張メッセで開催されていたオートモービル・カウンシル 2017という展示会をブラブラと見てきました。自動車関連の展示会と言えば、2年に1回開かれる東京モーターショーが有名ですが、その他にも東京オートサロンとか実は色々あります。前者がメーカーの新型車やコンセプトカーなどを展示する正統派の自動車ショーだとすれば、後者はチューニングカーのためのモーターショーと言われています。

 そして昨年から始まったオートモービル・カウンシルは、クラシックカーのモーターショーという位置づけということで、国産から輸入車まで世界各国の往年の名車が集う展示会となっています。

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 特にクラシックカーマニアではないのですが、ちょうど暇な時間が出来たので、どんなものなのか幕張までひとっ走りして見に行ってきました。

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 会場は幕張メッセのホール2つ分だけ使用されており、比較的こぢんまりとしていました。しかし小さいなりに結構見所たくさんで色々ありました。展示スペースもゆったりしていて、このくらいだと隅々まで回れそうです。

フランス車

 まずはお目当てのフランス車を見て回りましょう。

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 中でも真っ先に訪れたのは原工房ブースです。

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 原工房さんが展示していたのは05世代の3台で、まずは405グリフ。ちなみに全て売り物なのでプライスタグが付いています。この405は150万円なり。

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 そして3シリーズのご先祖様309GTi。そう、306もまだデビューしていない時代になぜかこの309が9番を使ってしまったが故に、3シリーズは08以降数字を増やせなくなってしまいました(というだけの単純な理由ではないと思いますが)。

 309は205のノッチバックバージョンで、3シリーズの中でも変則的な成り立ちを持つが故に、車名も変則的な番号が使われたのだと思います。部品の多くは205と共通です。歴代のプジョー車の中でもわりと変態度(褒め言葉として使っています)が高く、それ故に世界中に熱狂的なファンが今でもいるそうです。原工房ブースにはイタリアで309倶楽部の代表を務めるというおじさんがやってきて、熱く309のことを語っていったとか。なおこの309GTiの値段は85万円なり。

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 そして309のベースともなった205。80年代後半の輸入車ホットハッチの代表的な一台です。今や路上では見なくなってしまいましたが、バブル世代の人達にとっては懐かしさを感じる有名な外車ということで、結構そういう昔話をしながら懐かしそうに見ている妙齢の男性/女性が沢山いました。こちらは80万円となっています。

 あとでいろいろ出てきますが、他のブースに並んでいる旧車が軒並み一桁か二桁違うプライスタグをつけている中、この3台は激安と言えます。もちろんそこには市場原理が反映されているわけですけど。

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 さてここからは別のショップの展示品です。シトロエンDSがたくさん並んでいるブースがありました。こういう光景はFBMとかで見るのでそんなに驚きはしません。DSはわりと繊細な車だと思うのですが、結構ガシガシと人が乗り降りしていて、大丈夫なのかな?という感じでした。

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 なかでもこのフレンチブルーのID19ファミリアールは格好良かったです。お値段は620万円…。

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 これは別のブースにあったDS 19カブリオレの運転席まわり。往年のシトロエンらしいかなりアバンギャルドな運転席です。外装カラーがそのままダッシュに見えてるのもイイですね。
 
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 今回のオートモービル・カウンシルの目玉展示車の一つとしてあげられていたのがこの2CV。なんと4WD版だそうです。しかも通常のフロントだけでなく、リアにもう一つエンジンが搭載されてるという力業で4駆化されたもの。アルジェリアの油田開発用に作られた超レア車で、全世界に30台もないそうです。恐らく日本にあるのはこれが唯一の個体でしょう。

イタリア車

 お次はイタリア車。フェラーリを筆頭にスーパーカー的な車が多かったです。

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 マルティニカラーだとランチアをイメージしますが、フェラーリ308です。ん? 308? どこかで聞いた車名ですね(^^; フェラーリにはこれ以外にも206とか208という番号が付いたモデルもありましたが、商標でプジョーと揉めたことはなぜかありません。

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 イタリアンなスーパーカーの代表格と言えばランボルギーニ。そのなかでもこいつは有名です。ベージュの塗装が珍しいです。お値段は4千8百万円! ゼロの数を間違えてはいけません。カウンタックは他にもう一台置いてありました。

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 スーパーカーじゃなくても、こういうもう少し身近なイタリア車ももちろん並んでいました。アルファロメオのジュリアTZです。なんとこの個体、1965年から新車のままずっと保管されていて、実走行距離はゼロなのだとか。

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 さらにこれもまたイタリア車を代表する一台。フィアット500です。超かわいいですね。

 アルファロメオのジュリアもそうですが、このフィアット500も同じ名前を使って、復刻されているのはご存じの通り。

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 でも何というか、個人的にはこれが一番好きです。ディーノ246GT。エンツォの長男の名を冠したディーノはフェラーリ製でありながら跳ね馬のマークは付いていません。フェラーリのライトウェイトミッドシップという成り立ちと、小排気量エンジンを積んだが故にフェラーリブランドと区別されたという経緯などふくめ、この時代のフェラーリの中では一番美しいと思います。

日本車

 つぎに日本車関連を紹介したいと思います。日本車に関しては専門ショップだけでなく、メーカーも大きなブースを構えていました。

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 入り口に近いところにあったのは日産ブース。で、その目玉展示車両はこれです。初代のスカイラインのクーペモデル、1960年製です。直列4気筒OHVの1,900ccのエンジンを搭載していました。ブルーの塗装が鮮やかです。

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 それと並んで人気があったのがこちらの初代シルビア。1966年式で、当時は高級車として位置づけられ、かなりお値段も高かったそうです。その結果3年間で550台しか生産されていないという超レア車だそうです。その辺の事情を知ってる人が多いのか、かなり大人気でした。現存する車両はどのくらいあるんでしょうね。

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 そしてスバルブースもあります。展示してある旧車はスバル1000とスバル360。そして奥にチラッと写っているのは現行モデルのWRX S4と、写ってないところにLEVORGも展示されていました。やはりメーカーがこうしてブースを出すからには、もはや一銭にもならない旧車だけではなく、こうして現行車を起きたくなる気持ちは良く分かります。

 ちなみに日産は現行車はなくて、銀座のショールームに置いてありそうなコンセプトカーが飾ってあって、徹底的にイメージ戦略だけに絞ってありました。メーカーによってこのショーに対する考え方はいろいろあるんですね。

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 そして一番人気でブース自体にも気合いが入っていたのがマツダ。徹底的なロータリー攻めです。RX-8がディスコンになり、現在はロータリーエンジン搭載車がない状態ですが、間もなく復活すると言われていますので、単に過去を懐かしむだけでなく、今年秋の東京モーターショーに向けて雰囲気作りなのかも。

 伝説のル・マン優勝マシン、787Bは今でも大人気。1991年のレースはテレビ中継で優勝の瞬間を見ていたことを思い出します。まだ小学生くらいの子どもが大興奮して目をキラキラさせながら見ていました。彼にとっては生まれる前のまさに過去の伝説の名車なのでしょう。

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 途中でリアカウルが外され、リアアクスルまわりが大公開。ブレーキ冷却ダクトから前あたりが4ローターのエンジン、後半はギアボックスです。吸気は右側に集中していて、左側はラジエターでしょうか。モノコックキャビンにエンジンとギアボックスを直列につないで車体構造としているあたりはフォーミュラカーなどと同様です。

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 さてそれ以外にも初代RX-7とか、

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 ファミリア・クーペのロータリー版とか、とにかく展示車両はロータリー尽くしです。

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 コスモ・クーペの運転席。クラシックですが、垂直に切り立った計器パネルは飛行機みたいでなんだか格好いいです。

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 マツダのお隣にはトヨタブースがあります。マツダ787Bの人気ぶりに比べて、この閑散ぶり。そりゃぁ格が違いますし、もうその「格」は何をどうがんばっても彼らには手に入れられません。

 ちなみにトヨタ2000でも置いてあるかと思えば、展示車は初代プリウスと最新プリウスだけ。やる気がないならブース出さなきゃ良いのに。もちろんハイブリッド車も自動車の歴史の大きな一つの転換点であることはその通りですが、そういう文化を創ろうとしてるようには見えません。

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 ホンダの展示はNSXのみ。旧型2台に新型2台でした。新型は運転席と助手席に座ってみるのも係員の誘導で時間制限付き。行列が出来ていました。いまや2,000万円越えのスーパーカーですからね。

 NSXよりも歴代シビックでも並べた方が良かったのではないかと思うのですが、どうなのでしょう? 展示会というのは夢のある車を押すべきか、身近な車を押すべきか、その辺も考え方次第でしょう。

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 メーカーブース以外に日本車専門ショップと言うのもたくさんあって、様々な国産クラシックカーが並んでいました。色々あった中から一つだけ気になった日本車をあげるとしたらこのケンメリ時代のスカイライン。GT-Rではなく普通のGT-Xクーペ。でもイイですよね、これ。

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 このリアランプは長いことスカイラインの象徴でしたよね。お値段ははなんと800万円なり!

ドイツ車その他

 あとはドイツ車などなどです。

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 ドイツ車で目立っていたのはアウディ。ラリー仕様のスポーツクアトロS1は、レプリカではなく本物のグループBカーだそうです。

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 あとポルシェはやはり外せません。ナローポルシェは今の時代から見ると本当に小さな車ですね。細かいモデルの違いは私には全くわからない世界ですが、この手前の黒いやつで軽く2千万のタグが付いてます。ポルシェはピンキリと言われますが、キリのほうは本当にキリがないのかも。

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 そしてもう少し身近なところで、ゴルフ2なんぞもいました。全てナンバー付きのままです。

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 ボルボはメーカーがブースを出していました。240と960に加えて最新のV90。ボルボの旧車も固定ファンがそれなりにいそうです。ある時期までは好きだったんですけどね、ボルボ。

意外に楽しめた

 ということで、かなり端折っても写真が30枚超えてしまいました。プ私はジョーだけが好きで3台乗り継いでるものの、ものすごい車好きでも旧車ファンでもないのですが、それなりに楽しめました。
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 何よりモーターショーなどの大規模な展示会と違って、日曜日の昼間でも十分に空いていたのが良かったです。主催者や出展者にすればもっと押すな押すなの大盛況になって欲しいところでしょうが、見物する側からするとこのくらいがちょうど良いです。

 オートモービル・カウンシルは昨年から始まって、恐らく来年も開催されるはず。少しずつ大きくなっていくと良いですね。ただし… 一般入場券が2,500円もするのはいかがなものかと思います。需給と収支のバランスだし、高いからこそほどよい混雑なのかも知れませんが…

オートモービル・カウンシル 2017で往年の名車を愛でる」への2件のフィードバック

  1. 道徳天尊

    こういう楽しげなことは、やっぱり東京なんですねぇ。。見に行けたら、随分テンションが上がりそうです。
    405は、確か友人が初めて乗ったプジョー車だったように思います。ちょっと懐かしいですね。

  2. hisway306

    道徳天尊 さん、
    405もそうですし、とにかく5世代はまず路上では見かけなくなりましたね。私は6世代からですし、この時代からプジョーに乗ってる人は(すでに降りられてるとしても)すごいなぁと尊敬します。

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