例年まれに見る暖冬の今シーズン、スキー場はどこも雪不足でお正月を過ぎても一部オープンがやっとという感じの寂しい状態が続いていました。東京地方も冬らしさが不足していてなんとなく気持ちが乗らずにいたのですが、ようやく先週辺りから各地スキー場にもドカドカと雪が降り始めたらしいと聞きつけ、ようやく初滑りに行ってきました。
早い年ではクリスマス前後、平均的にはだいたいお正月くらいに初滑りをしているので、今シーズンは実に約2週間遅れです。雪の降り方も同じく2~3週間くらい遅れてるように思います。
なるべく雪が沢山あるところを目指し、日帰りとしてはかなり遠いですが、がんばって福島県は磐梯山麓にあるアルツ磐梯スキー場へ行ってきました。
東京からは道のり約300km。朝4時半頃に出発して途中のSAで朝食を食べつつ9時前には到着します。この時期の東北道はほとんど渋滞しないので快調です。暖冬で盛り上がらないシーズンのためか、スキー場の駐車場の入りも少なめに感じました。
朝一のリゾートセンター前。お天気はどんより曇り。しかし風もなく雪も降らずガスもかからず、暖かくもなく寒くもない穏やかなスキー日和でした。積雪は麓で50cmそこそこ、山頂付近でやっと90cmだそうで、ゴンドラはやっと先週から動き始めたばかりだそうです。
ですが、もっと土があちこちに出ているかと覚悟していたのですが、木々やリフト下など周辺も含めて思ったより沢山雪はあります。今年は「今まで経験ないほどの雪不足」的な話を時々見ますが、今回見た限りではもっと雪が少ないシーズンは20年くらい前には普通にあったと記憶しています。むしろ、ここ5年くらいスキー場的には雪に恵まれすぎていたのではないかと思います。
アルツ磐梯は東日本大震災以来、第3クワッドが運転されなくなってしまいましたが、今シーズンはとうとう解体されていました。支柱も4本残すのみ。搬器の倉庫は残っていますが、乗り場などの設備はほとんど撤去されています。これでいよいよかつての規模に戻ることはないことが確定です。
しかし第3クワッドの代わりに、昨年辺りからCATツアーが開始され、第3クワッドでしか上れないコースは、引き続きゲレンデとして活用されるようです。これはこれで面白い試みだと思いますし、特にパウダーフリークの練習にはいいかも。残念ながら今シーズンのCATツアーは来週から営業開始となるようで今回は利用できませんでした。いつか体験してみたいです。
アルツ磐梯は林間エリアも立ち入り禁止ですし、パウダー向きのゲレンデではありませんが、私はもはやこの太いスキー以外で滑ることが出来ない体になってしまいました。なので今シーズンもARMADA NORWALKで乗り切る予定です。このスキーにはまったく不満がありませんし飽きもありません。ただ、フルロッカーも乗ってみたいなぁと思う程度です(^^;
ちなみにこの日、アルツはごくわずかな個人情報と引き替えに、一日リフト券が1,000円になるというキャンペーンをやっていました。到着まで知らなかったのですが、これを目当てにやってきたお客さんも多かったことでしょう。標準価格は4,700円ですから実に79%OFFです。もちろん私たちもそれを利用しました。この安さは前代未聞。素晴らしい!
第4クワッドで山の上に登ると、低く垂れ込めていたガスの中に入ります。時折隙間から地上の綺麗な景色が覗きます。アルツはいつも晴天のイメージがあるんですけどねぇ。晴れていると左には磐梯山、正面には猪苗代湖という素晴らしい眺めが見られますが、この日の眺望は残念な感じでした。
猫魔ボールへやってきました。アルツ磐梯の本領はここにあると思います。標高が高く雪質もいい上に量もたっぷり。そして厳しくて面白いバーンがたくさんあります。ファットスキーでも楽しめます。しかし猫魔ボールエリアの山頂付近はますます視界が悪くなってきました。
山頂の木々は綺麗に雪化粧をしています。ごく最近にかなり降ったようです。この景色だけ見てると雪不足のシーズンには見えません。
猫魔ボールIIにあるのレストラン、猫魔カフェ。震災後の営業規模縮小で、一時はレストラン営業を止めてしまいただの休憩所になっていましたが、今回は復活していました。しかも外に並んだ幟には「やきにく」の文字が! これは入る(食べる)しかありません。
とはいえ山奥のゲレ食ですから本格的な焼肉というか、自分で肉を焼くわけではありません(いえ、本格バーベキューや、普通の焼肉をやってたスキー場も過去にはあります)。それでも牛タン定食やら和牛肉丼、豚ロース丼などなど魅力的なメニューが並んでいました。お値段は軒並み1,000円越えで非常に高いのですが、リフト券が安かったので良しとしましょう。そういうビジネスモデルなら乗っかるしかありません(^^;
で、私が食べたのは上の写真のやつ、和牛肉丼です。これ、結構がっつりと肉がのっかっていて美味しかったです。300円以下の牛丼とは明らかに違います。それが猫魔ボールの一番奥で、雪景色を見ながら食べられるのは贅沢です。1,600円というお値段にも納得することにしました。
そして焼肉丼を食べたあとも、猫魔ボールでずっと滑っていました。スキーの感覚を取り戻すべくリハビリをしているうちに、いつの間にかガスが晴れて磐梯山も姿を現していました。相変わらず天気はスッキリしませんが。
この雪上車に描かれたロゴマークがいいですね。
コース上は脇パウもほとんどなく、むしろ所々巨大なアイスバーンがありました。アルツはスノーボーダーが多いので、雪面に出来るコブもスキーのそれとはいろいろと違っていて手こずります。
でもなんか好きなんですよね、このスキー場。クワッド3エリアを閉鎖し、一時は猫魔ボールエリアも週末限定となっていましたし、ゲレンデ内のレストランも営業縮小し、さらにはまだ雪があるのに3月中旬に早々にシーズン終了してしまうと言うやる気のなさから、どうにも閉鎖に向けての負のスパイラルに入った感じがあり心配していましたが、今年あたりからは段々と方向性が定まって、今後に向けて攻めに転じてきたようにも感じられ安心しました。90年代から色々思い出のあるゲレンデですのでいつまでも存続して欲しいです。
猫魔ボールからの帰りはリフトを使わず、林間コース(パノラマライン)を使って戻ってきました。ここを滑ったのは初めてのような気がします。このコースは明らかに道路上にあって、ガードレールや標識らしき道路設備が所々に見られます。ここは冬季通行止めとなっているゴールドラインに違いありません。秋の紅葉の季節とかに訪れてみたい道路です。
ということで、あっという間にリゾートセンター前に戻ってきました。朝よりもさすがに人はその後も増えて、週末らしい賑わいとなっていました。もちろん15年前とかはこんなものではなかったですけど。
せっかくなので最後に一本だけゴンドラに乗りました。猫魔ボールは名前の通り猫魔山の山麓というか谷間に作られたゲレンデですが、ゴンドラはまったく別の方向、まっすぐ磐梯山に向かって登っていきます。ゴンドラを降りたところから麓までは総距離3,000m近いロングコースが広がっています。クルージングしているととても気持ちいいです。
ということで、ゆっくりたっぷり滑って午後3時過ぎ。今回は初滑りのリハビリなので少し早めに上がります。ニセコに向けて色々と要改善点や準備不足点が判明しましたのでよかったです。
ちなみに車は私のプジョー207SWです。スタッドレスタイヤを新しくしてから初めてのスキーでしたが、道中はほとんど積雪路はなく、駐車所とその周辺だけ雪に覆われていただけなので、グリップ等々はわかりません。ただ乾燥路の安定性はもはや一昔前のスタッドレスの面影はなく、とてもしっかりしています。
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ということで、無事今シーズンの滑り初めが済んで、いよいよ次回はニセコです! 遅れた寒気がようやく本気を出したようですし、もしかしたら昨年、一昨年以上のパウダーに巡り会えるかも!と、根拠のない夢を見ています(^^;
今回はPENTAX WG-3 GPSでGPSログを取得して滑走軌跡をマップに重ねてみました。