K-3 IIのリアル・レゾリューション・システムで夜景を撮ってみる

投稿者: | 2015年12月17日

 先日ある人に「K-3 IIに買い換えた一番の理由はやっぱりリアル・レゾリューション・システムですか?」と聞かれたのですが。即答で「いいえ」と答えている自分がいました。実際のところK-3 IIに惹かれた一番の理由はAF.Cと手ぶれ補正の強化です。次点がGPS内蔵。リアル・レゾリューション・システムはおまけの飛び道具だと思っています。

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 そんな話をしていると、そう言えば「リアル・レゾリューション・システム」なんてあったなと思いだし、久しぶりに使ってみることにしました。

前回のおさらい

 前回リアル・レゾリューション・システム(以下”RRS”)試したのはK-3 IIを購入した直後、とりあえずどんなものか?と思って試してみました。

 真昼に遠景を撮っただけですが、拡大してピクセル等倍で見てみると思った以上に効果が出ることがわかり、驚いたものです。

 ただし、このときは何も考えずJPEGでONとOFFを別々に撮影してしまったのですが、RAWで撮ると現像時にONとOFFが選べるという仕様になってることを後から知りました。もちろん、画質的にもRAWからじっくり追い込んで現像した方が有利と思われます。

 ということで、今回はRAW撮影し、PENATX Digital Camera Utility 5.4.2で8bit TIFFに現像し、その後Lithroom CCで微調整した上でJPEG書き出し&Flickrへのアップロードを行ってます。現像作業については後述します。

 ということで以下撮影結果です。

RSSで東京スカイツリー夜景撮影

 ちょうど日暮れの時間帯の東京スカイツリー。お膝元のドームガーデンへ行ってみました。

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 東京スカイツリーのライトアップは、なぜか日没後しばらく経ってから点灯します。この日は午後4時45分でした。クリスマスに向けてグリーンのスペシャルデザインでした。

 レンズはHD DA16-85mmでF8まで絞り、ISOは200に固定。露出計の表示より少しアンダー目に補正して、シャッタースピードは1秒前後となりました。もちろん三脚使用しセルフタイマーでシャッターを切りました。

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 ドームガーデンはほとんど東京スカイツリーの真下にあります。ソラマチの中にあって人の流れから外れた盲腸のような場所なので、天気の良い週末でも人はほとんどいなくて空いています。なので三脚を立ててもOK。

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 このカットでRSSのONとOFFを比べてみましょう。上述の通り一枚のRAWファイルから、現像時にRSSのONとOFFを切り替えています。それぞれの出力結果からピクセル等倍拡大し一部を切り取って並べてみたものです。

 どうですか? やはり全然解像感が違いますね! …とは言えません(A^^; 一応RRSオンの方は鉄骨をつないでいるボルトや手すりの桟などがより解像しているのがわかりますので、差があるのは確かですが、購入直後に試し撮りした時ほど明確な差は感じられません。

 このように差がイマイチ微妙なのは、撮影条件のせいなのか、レンズのせいなのか、撮影時に微妙にブレたりしたせいなのか分かりません。う~む…。

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 16mm(フルサイズ換算24mm相当)では縦位置にしてやっとスカイツリーの全景が入る程度。やはりもっとワイドレンズが欲しいです。ということで、ここでは何度か使っている魚眼ズームの出番。このレンズ、そもそも解像するレンズではないので、RRSする意味はほとんど無いかも。でもやってみました

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 いずれにしてもやっぱり普通の12mmとか10mmくらいの超広角レンズが欲しいです。しかもカリカリに解像するやつ。同じことはずっと言い続けていますし、その間別のレンズは衝動買いを繰り返しているのですが、なぜか超広角には手を出せないままここまで来てしまいました。こうなるとフルサイズとD FAレンズが一通り出るまではぐっと我慢ですかね。

RSSで浅草寺夜景撮影

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 参拝客というか観光客は午後10時を過ぎてもまだちらほらいます。が、昼間と比べたらガラガラ。心置きなくど真ん中に三脚を立てられます。

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 宝蔵門の麓から見上げる五重塔。有名なポイントで陳腐ですけどこの構図が大好きです。とっても浅草寺らしいと思います。

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 ここで先ほどの東京スカイツリーと同様に、現像時にRRSオンとオフを両方書き出してみて、解像度を比較してみました。

 東京スカイツリーよりは幾分分かりやすくて、瓦の模様などが明確に違っています。ただ、やはり思ったほどの差ではなく、これだったらRRSオフでも十分と個人的には思えてしまいます。

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 宝蔵門から本堂方面。普段手持ちだとラフに撮ってしまいがちですが、三脚を使っているとじっくりと中心点を探し、慎重に対称と水平をとって… と撮影作業自体が丁寧になりますね。三脚は滅多に使わないですが、色々発見がありました。

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 宝蔵門と弁天堂の間にあるいわゆる「濡れ仏」と呼ばれている仏像。二体並んでいるのですが、これはその左側の仏像です。背後に綺麗な銀杏と東京スカイツリーが見えたので撮ってみましたが、絞りの選択が今ひとつで背景が中途半端にボケてしまいました。

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 仲見世へ出てきました。すっかりお正月の準備が整っています。やはり人通りはかなり少ないですが、途絶えると言うことはありません。並んでいるお店はすでにすべて閉まっています。以前は閉店後もお店の看板にもなっている蛍光灯が点いていた気がするのですが、今は提灯用の電球のみが街灯代わりに点いているだけ。提灯もすべて仕舞われています。しかもこれ、今時白熱電球なんですよね。そのうちLEDになるのでしょうか。

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 なお、PENTAX Digital Camera Utilityまたはボディ内現像した場合、露光中に動いている人の写り方はRRSをオンしてもオフしても同じです。風に揺れる木の枝や葉っぱのように、合成をミスってドット模様になったりしません。恐らく動き検出というか、4枚の画像を比較して類似性がないと判定された部分(明確に被写体が動いたと判定された部分)については合成を諦めているのではないかと思われます。

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 雷門まで戻ってきました。以前、人っ子一人いない夜中の雷門を見た記憶があるのですが、この日はまだまだ観光客がいます。しかし時刻は午後11時少し前。人波が途切れる瞬間を待って、しばらくうろうろしていたのですが、午後11時になった瞬間にライトアップが消灯してしまいました。

とある運河の風景

 最後におまけカットです。

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 夜景撮影をした帰り、最寄り駅から徒歩で帰宅途中にふと見つけた運河の風景が綺麗だったので、思わず再度三脚とカメラをセットして撮ってみました。せっかくならもっと低感度に設定してたっぷり露光した方が良いと思ったのですが、あまり露光時間が長いとRRSは4倍の時間がかかるのでいろいろ大変です。ここは橋の上で車が来ると微妙に橋ごと揺れるので、少し露光時間を切り詰めるために感度を上げてみました。それでも4枚の画像から合成する関係上、NR効果はあるようで、普通に撮るよりS/Nは良いと思います。

RRSで撮ったRAWファイルの現像方法

 さて、RRSで撮影したRAWファイルの現像はLightroom CCでも出来ますし、K-3 IIのボディ内現像あるいはPENTAX Digital Camera Utility(以下”PDCU”と表記)の最新版(Ver 5.4.2以降)を使うと、上記の通り現像時にRRSをONするかOFFするかを選ぶことが出来ます。

PENTAX Digital Camera Utilityで現像

 なので今回はPDCUを使用して、パラメータは撮影時デフォルトのままで、RRSをONまたはOFFのみを操作して、ストレートに8bit TIFFで出力。その後改めてLightroom CCで微調整してJPEGに書き出しました。

スクリーンショット 2015-12-13 11.42.29.jpg
 RRSで撮影したRAWファイルをPDCUに読み込み、Laboratoryモードにすると、このようにRRSをON/OFFするメニューが現れます。プレビューも変わるので注意してチェックすれば効果のほどを事前に確認することが出来ます。

スクリーンショット 2015-12-13 11.25.41.jpg
 PDCUは、現像のパラメータがPENTAXのカメラに搭載されている機能と一致しているため分かりやすいし、カメラ内で現像されるJPEGを基準に調整が出来るので色々楽ちんです。また、RRSに限らずホワイトバランスのCTEやカスタムイメージの銀残し、あるいは回折補正など、汎用品にはない特徴的な機能もサポートしているところが特徴。しかし、基本的な操作性や動作の安定性等を考えると、(少なくともOS X版は)常用するにはちょっと厳しくて、Lightroomの変わりにはなり得ません。今回の場合のように補助的に使うのが一番良さそうです。

スクリーンショット 2015-12-16 22.40.01.jpg
 ちなみにRRSで撮影したRAWファイルは1カットあたり100MB越え。通常撮影したものは30MBほどですから、おおむね4倍弱のサイズとなっています。恐ろしいですね。ちなみにJPEGはシーンによって変動しますがLargeサイズのスーパーファインで概ね10MB弱です。

Lightroom CC 2015でRRSを現像

 ちなみにLightroom CCでRRS撮影したRAWファイルを現像するとどうなるのかも試してみました。特にRRSに関する設定はなく、通常撮影したRAWファイルと全く同じ扱いとなります。

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 ですが、仕上がりはPDCUあるいはボディ内現像した場合とかなり異なります。例えば、上に既に貼った仲見世のカットの場合、Lightroom CCで直接JPEGに書き出すと、こんなことになってしまいます。人が動いた部分におかしな模様が付き、昔の3D画像のよう。恐らくLightroomの場合は動き検出をせずに、とにかく全画面均一に合成しているのでしょう。なので動いてる部分は全て必ず破綻すると思われます。

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 もう一つ例を挙げておきましょう。これも上で解像度比較に使った東京スカイツリーのカット。一見問題なさそうですが、PDCUで現像したものと結果が異なるのです。展望台付近の灯りの明るさや色合いがなぜか違って仕上がります。ライトは点滅したりしていますので動いてるのと同じにことになってしまうのでしょう。幸いこのカットの場合は違和感ありませんが。
 
 ということで、RRSで撮影した画像の現像についてはLightroomはあまり現実的なツールではなさそうです。撮影の手間に加え現像の手間もかなり増えることになりますが、究極の解像度を目指すためにRRS中を使うならやはりRAWでじっくり手間をかけた方が良さそうです。

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K-3 IIのリアル・レゾリューション・システムで夜景を撮ってみる」への2件のフィードバック

  1. kotahorii

    Kマウントでカリカリに解像する広角レンズってピンときませんよね。300mm F4や55mm F1.4などのスターレンズはやはり解像するイメージがありますがいずれも望遠域ですよね。広角のスターレンズ期待したいです。

  2. hisway306

    ざっそう (id:kotahorii) さん、
    シグマだとどうでしょうね。カリカリに解像するというイメージがあるのですが。倍率の問題があるので広角レンズは解像感を感じにくいだけなのかもしれません。

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