CESで発表されたPENTAXブランド謎の新製品

投稿者: | 2015年1月7日

 つい最近、ドイツで開催されたフォトキナが終わったばかりですが、毎新年の風物詩CESがラスベガスで開幕しています。そして来月は日本でCP+も行われます。他人事ながら、短いピッチで「ネタ」をひねり出さないといけない各カメラメーカーは、大変なのではないかと心配してしまいます。というか、数年前まではCESでカメラの話題ってあんまりなかったと思うのですが、どうなんでしょう?

2015CES_1
 それはともかく、リコーイメージングからもCESに合わせて新しい発表がありました。とはいえ、新製品ではなく、開発中製品の参考出品という扱いのようです。


 まずはこれが正式なリリース。内容は非常にあっさりしています。

 上に引用した製品写真に加え、今日になって現地で展示されている実物(もしくはモック)の情報がちらほら入ってきていますが、これらの製品について、私なりの推測と期待を書き留めておこうと思います。

謎の一眼レフ

 当初は公式発表された写真しか情報がなく、いろいろ憶測が飛び交いましたが、その後CES会場に展示された実物の情報が徐々に流れてきています。それらを合わせてみると、前後デュアルダイヤル、モードダイヤルは右手グリップ側上面、Wi-Fi機能および専用ボタンつき、左手側に開くバリアングル液晶搭載、ブラックボディに加え、少なくともホワイトボディがある、と言ったところまでが判明しているようです。

 これらの情報からから読み解けるのは、どうやらこれはK-30/K-50ラインの新製品だろうと言うこと。製品名は既に決まっているっぽいのに、展示品は左肩の製品名ロゴにテープを貼って隠しているようです。順当に行けばK-70なのですが、そこは命名規則をそろそろ変えてきたかもしれません。

 ボディサイズはよく分からないのですが、見た目の印象では小さく感じます。左手側がかなり切り詰められているのもそうですし、グリップサイズとペンタ部のサイズの比率からしても、K-3はもちろんK-50よりも小型のは間違いなさそう。オーソドックスでなかなか良いデザインだと思います。

 ファインダーはK-S1でも実績があるので、K-3とほぼ同じスペックの100%視野率で0.95倍のガラスプリズム式ファインダーであるはず。そこは心配ないでしょう。

 問題はペンタックスの一眼レフでは初となるバリアングル液晶。すでに野暮な出っ張りがボディ左端にあるのが確定しているわけですが… 液晶部がボディ後ろに出っ張って、右手のボタン操作やファインダーを覗くときの邪魔にならないか心配です。あと防塵防滴もどうなんでしょうか? 市場要求が強いのは分かりますが、個人的にはどうでも良いと言うよりは、むしろありがたくない機構です。チルトだけで良いのに、というのが正直な感想です。

 あとはタッチスクリーン式かどうかも、製品スペックとしては重要なところかも。それこそ私にとってはどうでもいいのですが。

 それよりも私としてはゴミ取りが今度こそDR IIになってるかどうか?とか、搭載されているセンサーはK-3と同じか、K-S1と同じか、あるいは最新型なのか?などなど、気になることはたくさんあります。

 この製品に関しては春頃発売予定となっているので、製品化はそう遠くないはず。CP+あたりで正式発表を期待したいと思います。

謎の標準ズーム

 謎の一眼レフの画像に何気なく取り付けられている謎の標準ズーム。ロードマップにもなかったのにいきなり登場しました。リリース画像ではよく分からないのですが、現地の展示品には正面に製品名がプリントされており、概ねスペックが判明しているそうです。

 それによるとこのレンズは「smc PENTAX DA L 18-50mm F4-5.6 DC WR RE」という名になるようです。ここから読み取れることはたくさんあって、まずはHDコーティングではなくて、旧来のsmcであり、AF用のDCモーターを内蔵し、簡易防滴であること、といったことが分かります。

 そして一番の特徴は沈胴機構を持っている、ということ。末尾の”RE”が沈胴機構を表しているのでしょう。そのおかげでとてもコンパクトに収まっていて、見た目もなかなか格好いいです。この謎の新一眼レフにも合ってますし、K-S1にも似合いそう。K-3とかK-30と組み合わせるとどうでしょうか?

 ながらくキットレンズになっていた18-55mmもようやくお役御免です。AF駆動のスムーズさ、静かさなども含めてようやく他社と見劣りのしないどころか、少し上を行くキットレンズになると期待できそうです。

 私的には必要ないレンズなので多分買わないと思います。というか、標準ズームのラインアップが増えすぎて整理が必要じゃないかと思います。

【同日23:55追記】
CES 2015 – a gallery on Flickr by Scott Burnham
 ちなみに公式発表にない情報のソースは↑このFlickrに上がっている画像たちです。現地で撮影した人がアップロードしたものです。

謎の望遠ズーム2種

 この2本のレンズはロードマップにも載っているし、フォトキナにも参考出品されたものです。

2015CES_2
2015CES_3

 上は70-200mmくらいの大口径(F2.8クラス)望遠ズーム、下は100〜400mm前後のレンジを持つ超望遠ズームとされています。今回もそれ以外の一切の確定情報はありません。またこの2本に関しては今のところ現地情報もありません。

 フォトキナ時点と比べて、外観は赤ラインが消えたり、レバー類がカバーで覆われたり、三脚座とフードがついたりしていますが、それが開発が進んでのことなのか、新たな偽装なのかはよく分かりません。

 レンズ内手ぶれ補正が入ってるという疑惑に加え、実はフルサイズに対応しているという疑惑も依然としてありますが、いずれに対しても答えは出ていません。

 望遠レンズ好きとしては、実はどっちも気になるレンズなのですが、大口径ズームの方が予想通り70-200mmだとすると、ちょっと短すぎるのですがF2.8という開放F値は魅力的です。一方の超望遠ズームはとても気になります。

 昨年はDA★300mmを手に入れて「やっぱりこれでしょ」と思っているところですが、テレ端が400mmを超えて開放F値もF5.6を維持してたりすると、クラッと来てしまうかも。

 どちらにしても、大きさと重さ、それにお値段によってその印象は大きく変わるでしょう。そしてこれがフルサイズに対応しているとなると、あらゆる前提がひっくり返ります。

 この2本のレンズについては気長に発表を待ちたいと思います。

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CESで発表されたPENTAXブランド謎の新製品」への11件のフィードバック

  1. toom

    標準ズームは現在見て取れるスペックは十分で明るさもこんなものでしょう、という感じですが、何よりそれなりに写ってくれることを期待します。
    ボディに関してはまだ不明な点が多々ありますが、コンパクトなズームまで付いてK-S1の立ち位置がよくわからない事になっている印象です。自分もチルトで十分、タッチもレフ機なら不要と思いますが、遅まきながらもトレンドを詰め込んできた初のペンタ機なので期待します。意表を付く機能を隠していたら、より面白いです。
    ズーム2本についてはフォトキナでフルサイズをカバーしているとどこかのインタビューで見かけました。それを信じ、その他の情報をまとめて考えると、フルサイズは今年中に、少なくとも発表はされるだろうと予想しています。が、盛大におっ外れる可能性も十二分ですね。
    過去の記事、「フォトキナに参考出品されたKマウントの謎レンズにフルサイズ一眼レフの夢を見る 」でグチグチとフルサイズへの不満を書き込みましたが、むしろフルサイズ参入して結果を出せる何かがあるなら、是非見てみたいと思うようになってきました。
    というかフルサイズが出なくても、各社技術の粋を詰め込んでいる70-200/2.8らしきものの実力を見てみたいと思います。
    デジカメwatchのインタビューで言っていたように、レンズも揃えてくれるなら個人的には是非35/1.4を、と思いますが、もしあるならズーム優先でしょうか。

  2. すえぞう

    はじめまして。
    先月K-S1を購入した自分としてはなんとも複雑な気持ちです。
    まさかWi-Fiが搭載されるだなんて。
    K-S1とのサイズや重さの違いが気になるところです。

  3. hisway306

    toomさん、標準ズームは最短撮影距離とか、そして何より写りは気になりますね。その辺も含めてキットレンズの決定版になると良いのですが。
    ボディはどうでしょうか? 実はこう見えて中身はほとんどK-3だったりすると面白いですけどね。いや、K-3の立ち位置も不明になるか? でもそういう下克上は結構これまでもありました。
    フルサイズは最近また現実味が増してきているわけですが、レフ機で本当に生き残れるのか、やはり心配です。
    徹底的な小型ボディに仕上げて、新レンズは単焦点レンズ数本のみからスタートするってのも、私の中の妄想としてはアリなのですが。Xマウントの前例もありますし。

  4. hisway306

    すえぞうさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
    K-S1良いカメラですよね、先月実物触ってみて実感しました。やっぱりPENTAX機の基本は外してないなと。
    でも、確かに今回の謎の一眼レフをみると、ちょっとK-S1の立場がないような気がしてきますね。その辺、ラインナップの整合性というか棲み分けが下手なのも、PENTAXらしいところなのですが。
    最小ボディは間違いなくK-S1だと思います。この新標準ズームを付けたら最高に合うのではないかと思います。

  5. toom

    投稿してから気づきましたがコメント長すぎですね、すみません。
    フルサイズと同時に単焦点レンズが複数出るなら、APS-C機を含めたKマウント全体としてもレンズが充実するのでアリかなあと。まあ、重く大きく高価になるのですけど。それでも24・35・50mm等のメジャーな焦点域にこれぞという決定盤のレンズが出れば、例え高価でも(限度はありますが)手に入れてずっと使っていこうと思えます。
    そして今更ですが、本年もよろしくお願いします。これからも様々な記事を楽しみに拝見させていただきます。

  6. Resttime

    はじめまして。1年ちょっと前に一眼レフを始めてからずっとブログを読ませて頂いてます。
    今回の標準ズーム、非常にコンパクトで鞄の中に忍ばせる目的で即買いしてしまいそうなレンズですね。コンパクトなレンズ大好きな身としては嬉しい限りです。
    今年も楽しく記事を読ませて頂きます。よろしくお願いします。

  7. hisway306

    toomさん、いえいえ長文だろうと何だろうと、コメント大歓迎です。こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
    フルサイズ用に単焦点レンズを用意するとなるとどうなりますかね。この際、FA Limitedのリニューアルでも良いかな?とか思ってます。それではKマウントとしてレンズラインアップの拡充にはなりませんけど。他社のような巨大で高価なレンズになるくらいなら、FA Limitedくらいの大きさと性能のバランスで、もう少し近代化されていたら、十分ではないかとかとか。
    色々勝手に想像するのも楽しいです。
    id:Resttimeさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
    この沈胴式標準ズーム、レンズとしては一見凡庸なスペックですが、とても評判良さそうですね。パンケーキレンズをたくさん出してきたペンタックスらしいです。
    今後もよろしくお願いします。

  8. kotahorii

    ついにペンタックスもバリアングル液晶を採用してきましたね。
    先月のデジタルカメラマガジンでリコーの方が動画機能は重要であるとおっしゃっていた記事があったので、そういった面も進化しているのではないかと期待しています。
    しかし自分的に気になるのは2本の望遠ズームレンズですね。
    片方はおそらく70-200mm F2.8であろうと予想されていますが、もしこれがスターレンズでフルサイズ対応、なんてことでしたらとても欲しくなってしまうところです。
    ただ値段が気になりますが、、、
    今年は望遠レンズを購入しようとしていたので年始早々悩ましいところです。
    そしてフルサイズへの夢も広がるところです。
    フルサイズの方が優れているとは決して思っていませんが、大好きなペンタックスからフルサイズが出たら、それは欲しくなってしまいます。
    今年はかなり期待の年になりそうです。

  9. hisway306

    ざっそう (id:kotahorii) さん、
    海外市場を考えると、動画と自撮りはとても重要なのかな?と思います。一眼レフで自撮りする要求があるのかどうか分かりませんが、K-S1のLEDにもその辺りへの配慮が感じられたので。そうだとすると、チルトではダメでバリアングルが必須なのかも。
    2本の望遠ズームも、フルサイズも、CP+で何か進展ないかなぁ。と淡い期待としています。

  10. Y2

    絞りリングあるからリミテッドなのか。
    フルサイズでどれだけレンズを揃えられるのかが
    焦点でしょうね。
    レンズだけに。
    ただそんな体力あるのかな、とか。
    K-S1はまったく食指が動きませんが
    この新型の中身はちょっと気になります。

  11. hisway306

    Y2さん、コメントありがとうございます。
    フルサイズがあるとして、レンズのラインナップは一番の心配事ですよね。APS-Cの現状も考えると「本気?」という疑いが残るのは偽らざるところです。
    K-70(仮)は私も大いに気になります。既に分かってることに加えて、AFセンサーとか、AEセンサーとか、どこまでがK-3と同じ(あるいは超えている?)なのかと。

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