An Acoustic Evening with Jason Mraz and Raining Jane 東京公演

投稿者: | 2014年11月15日

 珍しくライブを聴きに行ってきました。今回のお目当てはJason Mrazです。今年発売された新アルバム”Yes!”のワールドツアーで、東京で2回、大阪で1回の公演が行われました。東京の2日目は金曜日の夜、会場は東京国際フォーラムのAホールという超大箱です。以前から時々来日していて気になっていたのですが、公演情報の入手が遅れたり、小さなライブハウスでキャパが小さかったりして、チケットがなかなか取れず。

Yes!

Yes!

 しかし今回はワールドツアーですし、席数もたっぷり。発売情報もしっかりキャッチして無事チケットをゲット、しかもほぼ中央の10列目という素晴らしい場所からJason Mrazの生歌を見て、聴くことが出来ました。

 公演タイトルにも入っている”Raining Jane”は女性4人組のバンド。彼女たちは単純に”バックバンド”以上の存在であり、アルバムの制作にも深く関わっているようです。そしてライブも同じ。どの曲を演奏するにも、ステージ上にいるのはこの4人とJason Mrazだけ。彼女たちはもちろんコーラスもするし、ありとあらゆる楽器をとっかえひっかえ演奏する器用さでした。


 例えばこんな感じ。Jasonが冗談で「僕はガールズバンドのメンバーになったんだ」って言うくらい。そして途中はマイク一本の前に5人集まって、文字通りのAcousticライブ。ちょっとした楽器と、Jason Mrazの歌声だけで演じられる曲の数々は、素晴らしい迫力と完成度。いつもiTunesで聴いているアルバム音源も、本当にこんなにシンプルな構成だったんだと改めて気がつきました。むしろ一発録りしてるんじゃないの?って思えてくるほど。

The Good Match

The Good Match

 ちなみにRaining Janeは自分たちのオリジナルアルバムも出しています。オープニングはこの中から”Form Me to You”ともう1曲を前座的に歌っていました。

 Jason Mrazのライブは初めてですし、この立派なホールでどういう状態になるのかと思っていたのですが、基本的には座ったまま聞き入る、しっとりしたライブでした。大箱なのでそういう演出にしたんじゃないかという気もします。名曲”Butterfly”なんかも、結局ギター(ウクレレだったかも?)1本で一人で歌い上げてしまい、後にいた人が「”Butterfly”を座ったまま聴くことになるとは思わなかった」と言ってました。

 途中Acousticな演奏中は曲間でヒソヒソ言葉を交わしながら、バンドミーティングをしつつ次の曲を決めていた感じでしたが、それ以外はきっちりと作り込まれたステージでした。舞台のバックに映像を流したり、Jason自身が撮影した写真が映されたり。自宅の庭の写真とか、それから南極に行った時のビデオをバックに、きっちりシンクロして歌ったり。

 盛りだくさんだったので、セットリストは全く覚えていないのですが、Yes!に収録されている曲はほとんど網羅されていたと思います。


 ”Love Someone”とか。


 ”Hello, You Beautiful Thing”とか。


 ”Long Drive”とか。

 上に貼ったのはOfficialのビデオクリップです。ちなみに上の3つ、Yes!の2曲目から4曲目に収録されているわけですが、これらはひとつのストーリーで繋がってるんですよね。このビデオを見て始めて気がつきました。


 その他、古いアルバムの曲も思ったよりたくさん演奏してくれました。例えばこの”93 Million Miles”とか。聴いていて鳥肌が立ちました。サビの部分とか「一緒に歌おうよ!」って促されるのですが、音域高過ぎ!で素人には難しいです。

 ちなみに今回のライブはまさかの休憩あり。「喉の調子が悪くてさ、お茶を飲み過ぎてトイレに行きたいからちょっとこの後休憩ね」っていうのは冗談ではなくてビックリしてしまいました。20分ほどの休みを挟んで、結局3時間にわたる長丁場となり、たっぷりと彼の歌声を聞くことが出来ました。


 そして最後から2曲目。ウクレレを持って思わせぶりに”Over the rainbow”を歌った後、”I’m Yours”を歌ってくれました。ここに来て急に観客総立ち。

 最後に”It’s So Hard To Say Goodbye to Yesterday”ならぬ”It’s So Hard To Say Goodbye to TOKYO”で終了となりました。

 とても小さなバンド構成で、本当に手作りの音楽という感じがありありとして、とても新鮮でした。それにJason Mrazの音楽はそのほとんどが彼の歌声で成り立ってる、ということも実感。当たり前ですが本当に歌が上手いです。

 そしてRaining Janeの4人もとても良かったです。リーダーらしきドラムとパーカッションのモナも、背の高いギターのチャスカはもとより、ギターからチェロからキーボードまで操っていたマイと、一番地味なベッキーのベースとシタールの演奏は見事でした。

 やっぱりライブは行くもんですね。好きなアーティストでも再発見の連続です。