日が暮れた直後は東京の都心からも、ちょうど東の空に上り始めた見事なスーパームーンが出ていたのですが、そのうち雲に隠れてしまいました。しかしその後何度か雲の切れ間に姿を見せた隙を狙って撮ってみたものです。
撮影備忘録としては、ISO感度は200に固定。100まで下げても良かったかも。露出はスポット測光に。APS-Cで420mmともなるとスポット測光のエリアはほぼ月の中に収まりますすが、そのまま撮ると月としてはややアンダー気味になります。しかし今回はRAWで撮ってあとからグリグリ現像する予定だったので、わざわざ露出補正はしていません。
試してみたかったのは開放と1段絞ったとき、撮れる絵にどの程度の差が感じられるか?ということ。昼間のビル群でも撮れば良いのですが、月も割とレンズ性能が見えやすいのではないかな?と思い試してみました。
で、上に貼ったのは一段絞ってF8で撮影。手ぶれ補正はONでシャッター速度は1/640sec、何枚か撮った中から一番良さそうなヤツを選びました。というか、ぶれたりピンぼけになったりという失敗は全くなく、どれもほとんど同じで歩留まりというか、安定性は抜群です。
こちらが開放のF5.6で撮ったもの。現像パラメーターもほとんど同じにしました。私の目にはどちらもほとんど同じに見えます。ということで、私的な基準ではDA★300mmF4とHDテレコン1.4xの組み合わせは、開放からほぼ問題なく使えそうです。
ちなみに上の2枚は激しくトリミングしています。いくら420mm(フルサイズ換算で640mm相当)とはいえ、いくらスーパームーンとはいえ、素でこの大きさには写せません。
本当はこのくらいです。
蓮、飛行機
と、これだけでは何なので、これまでに同じ組み合わせで撮った写真を貼っておきます。まずは上野は不忍池の蓮です。
こちらが一段絞ってF8。
こっちは開放のF5.6。
ISO感度をAUTOに設定していたため、F値による露出の差分はISO感度で調整されてしまい、シャッタースピードは1/500secで揃っています。ノイズは光が十分あるシーンなのでそれほど差はありません(ISO100から24Mピクセルセンサーの素のノイズ感がありますが)。もちろんボケ量は差があります。しかしピントが合ってる部分のシャープさは開放から十分。DA★60-250mmF4にHDテレコン1.4xを組み合わせて、開放で撮ったときに感じたようなにじみは気配すらありません。
ついでにもう少し。羽田沖で飛行機を撮ったときの中からテレコン付けて撮ったやつを見直してみました。ただし絞りを変えての撮り比べはしていません。旅客機とはいえ至近距離から撮ったので、ブレを最小限に抑えるためになるべく絞りを開けたいシーンです。
上のANAのB777は開放、下のSNAのB737は0.3段だけ気持ち絞ってます。機体の質感や解像感は綺麗に出てると思います。
周辺減光はごくわずかです。というか、DA★300mmF4単体と比べないと、HDテレコン1.4xの影響は分からないですね。でも組み合わせても気にならない、というのは事実。
ということで、やはりこのテレコンは本当はDA★300mmF4専用なのではないかと思えてきます。
ちなみにテレコンをつけることで心配になるのは画質以外にAF性能があります。本当に微妙なところでは差が出るかも知れませんが、とりあえずここまで使ってみた感じでは、速度的にも制度的にも全くペナルティは感じません。
ですが、実は何となくこのテレコンって必要かな?と疑問を少し感じ始めています。DA★60-250mmが83-350mmになる効果は絶大に感じましたが、300mmと420mmの差が重要な場面って、そんなにないんじゃないかな?と感じ始めています。このレンジで1.4倍程度の画角差は、K-3クラスの画素数ともなると、トリミングで吸収可能な範囲ではないかと。
そういう意味では、月は少しでも長いレンズを使いたい、数少ない被写体であり、だからこそこの組み合わせで撮ってみなくては!と考えてしまったのかも。
とにかく、鈴鹿でどうなるか試してみたいと思います。DA★300mmもHSテレコン1.4xもそのために買ったようなものですから。
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