タイトルについてのお話はさておき、少し前の話になりますがリコーイメージングからPENTAX Kマウントの新レンズが発表になりました。いえ、これを「新レンズ」と言っていいのかどうか難しいところで、むしろ「DA Limitedシリーズのリニューアル」と表現した方が正しいかもしれません。すでに発売済みのDA Limitedレンズはすべて単焦点で計5本。これがすべて新型になって再発売となります。
変更点はコーティングが”smc”から最新の”HDコーティング”になること、そして絞りが円形絞りになり、さらに外装デザインが幾分変更され、ブラックモデルだけでなくシルバーモデルもラインナップされることです。それ以外のスペックに変更はなさそうです。
HD PENTAX-DA Limited シリーズ発表
単なるマイナーチェンジにすぎないようですが、光学系にとってコーティングの変更というのはものすごく大きなことなのではないかと想像します。デジタルの時代になって、各社技術開発をし、進歩を遂げている部分でもありますし。もちろん、それによってどれだけのメリットが得られるのか?が最終的には重要です。DA Limitedシリーズは開放F値も抑えめで、わりとシンプルな光学系のレンズが多く、これまでにもあまり逆光に弱いという噂も聞きませんが、最新コーティングの恩恵はどれだけ得られるのでしょうか?
また、些細なことですが、DAレンズの中で唯一SPコーティングが施されていなかったDA40mmF2.8 Limitedに、HDコーティングとともにSPコーティングも施されたことに、このレンズをもつ一ユーザーとしては興味を引かれます。
さて、これらのレンズは買いかというと、私としては悩ましいところです。というか、既にDA Limitedレンズは21mm、40mm、70mmの3本を持っています。しかもK-5 Limited Silverと同時に限定販売されたSilverバージョン。しかし実は、この3本の稼働率はかなり低いです。そもそも、Limited Silverをコンプリートしたい!というコレクター的動機で手に入れたものなので、仕方ありません。
むしろ常用レンズと言えば、FA Limitedシリーズの2本、FA31mmF1.8AL LimitedとFA77mmF1.8 Limitedばかり使っています。なので、個人的に実用的な意味ではFA Limitedシリーズの方こそ最新コーティングでリニューアルし、DFA Limitedにして欲しいところです(技術的な可能性については全く分かりませんが)。
妄想ついでにもし万が一FA Limitedを同じような形でリニューアルし、DFA化したとするならば、それはフルサイズ機の登場を予告する動きと勘ぐってしまいそうなところですが、そうではなくて、今回このタイミングでAPS-C専用のDAレンズに手を付けてきたと言うことは、当然ながら当分はAPS-Cフォーマットを続けるという意味でもあり、逆を言うとフルサイズは当分ないのかな?とも思わせます。
またさらに、レギュラーモデルとしてシルバー仕様もラインアップされたというのはなかなか興味深いです。K-30やK-50にカラバリがあるから、というよりは、今後K-5クラスの上位機種でシルバー仕様がレギュラーカラーとして出てくるんじゃないかと妄想してしまいます。
ってことで、とりあえず折を見て新型のDA15mmF4ED AL Limitedでも買おうかな?と思っています。私にとっては初の超広角レンズとして。シルバーにするかブラックにするかはギリギリまで悩みそうです。
オリンパスが一眼レフから撤退
こうしてリコーイメージングはまだまだKマウント一眼レフ機を続けて行く意思を見せている一方で、フォーサーズ機を長年放置していたオリンパスからは、公式に一眼レフの終了宣言が出されました。これで、一眼レフ機を製造するメーカーは、ニコン、キヤノン、シグマ、ペンタックス(リコー・イメージング)と、中判機を手がけるいくつかのメーカーだけになってしまいました。
「一眼レフ」というファインダー形式は、その成り立ちを考えると、コンセプトはまさに「ライブビュー」なのだと思います。なので、完全なライブビューがより簡単にできるデジタルカメラに、わざわざ光学的で不完全な「ライブビュー機構」を持たせているのは、無意味で本末転倒なのかもしれません。その矛盾は、一眼レフにLV機能が搭載され、バリアングルだの像面位相差だのと、ともするとそちらに力点を置いたかのような機種の登場とともに顕在化してきました。優れたLV機構があるなら、一眼レフファインダーの必要はもはやないよね、と。
それでも恐らく、一眼レフは完全に消え去ることなく一部の需要のために残るとは思いますが、コンシューマ向けの主流としては、コストもかかりそれほどその機能性に利点が見いだせなくなった一眼レフ機は消え去る運命にあると言われるようになってきました。
一眼レフ用のマウント規格としては最新だったはずのフォーサーズが真っ先に消えさったことは、偶然かもしれませんが象徴的でもあると思います。センサーサイズが小さいほど、一眼レフの利点は薄まり、逆にLV/EVFの特徴は生きてきます。そう考えると、次はAPS-Cフォーマットの一眼レフの存在意義が問われてくるのも必然のように思えます。
もし本当にそうなったとするならば、個人的にはとても残念な流れだと思います。趣味の道具として、理屈ではなく情緒的な面において、小さな接眼レンズをのぞき込み、スクリーンに浮かぶ「光」を見ずして、写真を撮るという行為を真剣に楽しむことができるのかどうか自信がありません。動体追従がどうのとかそういうことではなく、これは長年の間に染みついた感覚です。趣味だからこそ、そういう「気持ちよさ」に拘ってしまうのでしょう。
一眼レフ機は巨大で高価なフルサイズ機ばかりになり、それ以外はすべてEVF/LV機しか選べないとなったならば、どうすれば良いだろうか?と心配になります。それでも私は一眼レフ機を選ぶか?あるいはこんなことを書いていたなんてすっぱり忘れ去って、どれか適当なEVF/LV機を「これは良いカメラだ!」と言って使っているか?
多分後者のような気がします…。
初めての書き込みと思います。
ayaGと申します。
K-7とDA18-135WRのころから拝見しておりました。
自分も一眼レフを持っていますが、小型軽量化のためマイクロフォーサーズ機を入れましたが、あのEVFとやらの見え方は一眼レフで育った私にとってはなじめないもので、やっぱり最初の一眼レフの気持ち良さに戻ってしまいます。
既にゴールの見えている身体ですので、今あるAPS-C型一眼レフが壊れるより先に私自身が壊れてしまいそうなのでその点はあまり心配はしていませんが、一眼レフが少なくなるのは寂しい限りですね。
ayaGさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
やはりカメラが加工した結果ではなく、素材を見ていたいんですよね。そこからどんな写真になるか想像するのが楽しいわけで。
やや大げさに言えば、OVFがなくなると写真の撮り方が大きく変わるだろうな、と思っています。それでも写真という趣味はやめないと思いますが。
今後もよろしくお願いします。
こんにちは。
私もそうですね、EVFよりも断然にOVFのほうがいいですよ。
たしかにEVFはホワイトバランスやアスペックなどの設定をすぐ見えるのは大きいメリットですが、自分の目で自然の光を見ることがすきだからどうしてもEVFになじめないんですね。特に木漏れなどのシーンね。
masato_chuさん、コメントありがとうございます。
全く同感です。EVF/LVの利点は理屈ではよく分かるのですが、感情的にはどうしてもOVFの方がいいと思ってしまいます。
例に挙げて頂いた木漏れ日などの美しいシーンも、OVFでそのまま見ればなんとかこれを写してやろうという気になります。EVFでどう見えるのかは、食わず嫌いで知らないだけかもしれませんが。
EVFについてもう一つ気に食わないところがあります。それは自動レビューをオフにしても撮影直後、EVFはまだシャッター押した瞬間の画像のままで固まってしまうことです。ミラーレス機はほとんど秒間6コマ以上の連写性能を持っていますが。撮ったあとの像消失までの時間はそんなにかかるのはちょっと……
masato_chuさん、一眼レフもシャッター切った瞬間は像消失するわけですが、EVFのそれはまだまだ違和感ありますよね。連写するときは特に。グローバルシャッターになれば解決すると言われてますが、どうなんでしょうか。