- 作者: 石原たきび
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/04/26
- メディア: 文庫
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日本全国の酔っ払いたちによる奇跡はまだまだ続く!駅のホームで正座して爆睡。バーベキューで雑草をむさぼり食う。お金をなくさぬようブラジャーを財布代わりに。三輪車で暴走して警察に連行される。居酒屋の沢蟹を生きたままお持ち帰り。コンビニで商品のチューハイを勝手に飲む。見知らぬ家に泊まりお昼までご馳走に…お色気ネタやちょっとイイ話も満載の爆笑エピソード集。
昨年9月に発行された「酔って記憶をなくします」の続編です。「ますます」が「酔って」なのか「記憶をなくします」なのか、どちらに掛かってるのか分かりませんが、ますますパワーアップした酔っ払いの生態集です。前作と同様、全国の酔っぱらい達の体験談を集めたエピソード集で、多少の演出がされてるにしろ、基本的に全てドキュメンタリーです。つまり本当にあったこと。事実よりも奇怪でおかしなことはありません。
「会社がらみの失敗」とか「ナゾの言動」など11のテーマに分けてありますが、そのテーマ分けは前作とは少し変わっています。でも、記憶をなくすほど酔っ払った人間がやることと言えば、それほど違いはありません。馬鹿なことをするか、馬鹿なことを言うか、まぁそんなところです。
私自身もお酒に飲まれることが多いとあって、ここに出てくる多くの酔っぱらい達の気持ちがよく分かります。そうそう、そういうことあるよなぁと。そこまで行かなくても、そう言うことしでかしてもおかしくないなぁと。
こう言っては何ですが、ここに出てくるのは笑い話で済むギリギリで踏みとどまった人達。その先に行ってしまい、反省するだけでは済まなくなった人も世の中に入るわけで、そこの境目には実は紙一重。その怖さも実感しつつ読まなくてはなりません。前作もそうですが、そういう意味でこれは泥酔経験の多い人向けの本。お酒に飲まれる経験の少ない人にはわかりづらいのかも。
ここで一つ、私の体験談を書いておこうかと思います。(この本に応募してはいません)
死ぬかと思った
数年前のお正月。その日は飲み会がダブルブッキング。一つ目を早めに抜け出して二つ目の飲み会へ。すでに良い感じに酔っ払っていたのですが、遅刻を最小限にとどめようと急いでいたら、あとちょっとで会場到着というところで派手に転びました。あまりにも勢いよすぎて交通量の多い車道に転がり出てしまうほど。幸い車には牽かれませんでした。
すぐに立ち上がって会場に駆け込んだのですが、後に周囲の友人達曰く、やってきたばかりの私は異常にハイテンションだったとか。そして、さっき死にかけたことを饒舌に喋り、いちいち全員に膝のケガの傷を見せて回っていました。その日はアルコールの麻酔効果のためか、まったく痛みを感じませんでしたが、翌日は激しい二日酔いとともに足のケガは激痛に。泣きながら手当をしました。
あと3m
ある夏の夜、門前仲町で快調に飲み過ぎてべろべろのまま帰宅。タクシーに乗ったまでは覚えていますがその後… 隣の部屋に住む人が私の肩をたたきながら「あと3mですよ、がんばって!」と叫んでいるところで気がつきました。
どうやら自宅玄関前3mの共用廊下で私は力尽きて倒れていたらしく、死んでるかどうかを見に来た隣人が、生きているのを確認して叩き起こしてくれたようです。私はすぐにむくっと起き上がり、何事もなかったように部屋に入っていったそうです。
ちなみにその日は飲み屋に買ったばかりのカメラを忘れてきました。しかも体中蚊に刺されまくっていました。
しね!
会社の同僚の送別会にて。体調優れず少し飲んで帰ろうと思っていたのに、いつの間にか良いペースで飛ばしていました。2軒目の韓国料理屋では大声で叫びまくり、隣の人をどつきまくり(一説によると頭突きもしたそうです)、最期は勝手に注文したチーズチジミの上に突っ伏してしまったそうです。前髪に付いたチーズは周囲の人が取ってくれたそうです。その後再び意識が戻り、3軒目の乾杯ではジョッキを割る勢いでみんなのジョッキに叩きつけ、ビールをまき散らしたそうです。(全て”そうです”という伝聞形式なのは、又聞きだからです^^;)
ようやく帰宅の途につく頃には、なぜか猛烈に機嫌が悪くなり、一人自宅へ向かう電車の中から、参加していた人々に執拗に「しね!」というメールを送りつけていました。
えーっと、これ以外にもたくさんありますが、今日のところはこの辺で…。(なお、一部差し障りのある部分はぼかしてあります)
【お気に入り度:★★★★☆】
Hiさんの話はいつ聞いても面白いです。しかし・・・予想以上にやらかして(略)・・・。
ご自愛ください。
F子さん、お互いさまではないかと思います。F子さんも相当面白いです。いや、面白いのはごうさんのほうか?
BPさん、はい、そろそろ面白いでは済まされなくなりそうなので、十分に気をつけたいと思います。