中古で安く手に入れたFA50mmF1.4ですが、半ば衝動買いに近かったわりには、その後飽きることなく気に入ってよく使っています。長すぎると思った焦点距離というか画角も、意外に感覚が掴みやすく気に入っています。私はやっぱり望遠寄りのほうが好きなのかも。奥が深いのは一緒だと思いますが、取っ掛かりは広角レンズよりも簡単ですからね。
というのはさておき、このレンズは元々フィルム時代に作られたもので、もちろんいわゆるフルサイズに対応したイメージサークルを持っています。PENTAXでその画角を使い切るにはフィルムを使うしかありません。ふと思い立って、MZ-SにこのFA50mmF1.4をつけて久しぶりにフィルムで写真を撮ってみました。
気に入ってよく使っているFA31mmをK-5などデジタル一眼レフにつけた場合の、フィルム換算の焦点距離が約47mmですので、フィルムで50mmを使うのとほぼ同等。つまり画角的には使い慣れているはず。そして、きっと開放時の柔らかさも、ボケの硬さも、発色やらいろいろなことも、フィルムで撮ると味わい深い写真が撮れるに違いないと夢見て…。
いわゆるフルサイズのファインダーで見る50mmF1.4の世界はとても新鮮で、何でもないものにカメラを向けても、なにかすごく良い写真が撮れるような気がしてきます。撮っているときは、デジタルでは取れない味わいある良い写真が撮れたに違いないと勝手に思い込んでいましたが、仕上がりはかなり期待を大きく裏切るもので、少し凹んでしまいました。以下、コメント無しで何枚か張っておきます。
PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, 1/1000sec, F2.0, Fujicolor 100
PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, 1/750sec, F2.8, +1.0EV, Fujicolor 100
PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, 1/350sec, F8, Fujicolor 100
PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, 1/6000sec, F1.4, +0.5EV, Fujicolor 100
PENTAX MZ-S, FA50mmF1.4, 1/250sec, F8, Fujicolor 100
撮影地は見ての通り新宿の都庁周辺。K-5をペンタックス・フォーラムに出しに行ったときに、時間つぶしにと思ってMZ-Sも持って行って撮ったものです。
何でもない看板を撮ってしまったりするのはファインダー像の美しさに騙されるから。2枚目の桜と都庁なんて、ファインダーで見ていると「これは傑作だ!」と思ったのですが、結果はなんか残念な感じに。それでもここに貼ったのは、当初期待した「フィルムならではの何か」がかろうじてちょっとはあるかなぁ、と思った5枚です。
ちなみに使用したフィルムは以前に買ったまま使わずに放置していた「フジカラー100」という、とても潔い名前のごく普通のネガフィルムを使いました。ちなみにデジタル化に当たっては、EPSON PM-A900というプリンタ複合機のフィルムスキャン機能を利用しています。
仕上がりをすぐに確認できないフィルムならではの、”想い”と結果のギャップを久しぶりに経験しました。絞りや露出を変えてやたらにシャッター切ることも出来ませんし、一枚入魂か、さもなければ、とりあえず撮ってしまえ、という開き直りで撮るしかありません。
これに懲りず、次はちゃんとリバーサルを使って再挑戦してみたいと思います。
FUJIFILM カラーネガフイルム フジカラー 100135 FUJICOLOR-S 100 36EX 1
- 出版社/メーカー: 富士フイルム
- メディア: Camera
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
自分もコダックGOLDという安物のフィルムを使って撮ったら大した事が無くてがっかりしました。
やはりいいフィルムを驕らないとダメなのか、デジタルの進化でフィルムにこだわる必要もあまり無くなったということでしょうか
どうなんでしょうね。ネガフィルムは気楽に使えて良いのですけどね。DPEは1日で仕上がりますし。ただ、ネガだと今ひとつ思った通りの結果が得られにくくてモヤモヤした気分になったのは昔も同じで、やっぱりリバーサルだよな、となる気分も含めてなんだか懐かしいです。
ネガフィルムは寛容度が高いからどうしても平均的な仕上がりになりますよね。
昔はリバーサルがコスト高く感じていたのでほとんどネガフィルムで撮ってました。
綺麗な青空も普通の空色になるし、輝かしい緑も普通の緑になるし…
懐かしいな
リバーサルはどうやって鑑賞するか?という問題もありましたね。ライトボックスとルーペ、スライドプロジェクター… どちらも買った記憶があります。プリント前提だと、ダイレクトプリントは高いし、質もネガから丁寧に焼いてもらった方が綺麗な場合が多かった気がします。いずれにしても懐かしい話です。