SSDのアライメント調整

投稿者: | 2010年8月27日

 アライメント調整と言っても車の足回りではなくて、PCで使用しているSSDのアライメント調整をやってみました。これは、Windows XPでSSDを使用するときに必要となる作業だそうです。Vistaや7では問題ありません。私もThinkPad X40をSSD化してWindows XPで使用していますが、アライメントなんてまったく気にしていませんでした。ということで、遅ればせながらSSDのアライメント調整とやらをやってみました。

 ディスクのアライメント調整というのは、パーティションを作成するときのオフセット値(=先頭位置)を最適化する作業のことを言います。Windows XPでフォーマットしたディスクはこのオフセット値が63論理セクタ(31.5KB)となるそうです。が、これはSSDで使われるMLC NANDのページサイズ(たいていの場合4KB)で割り切れない、非常に中途半端な値なのです。この状態ではページの途中からパーティションが始まることになり、その後もクラスタとページの境界が一致しなくなってしまいます。これでは特に小さなファイルのランダムライト性能に大きな悪影響を及ぼしかねません。

 このオフセット値を正しく設定し、SSDのページとセクタの関係を適正化するのがアライメント調整の目的です。この理屈から行くと、ランダムアクセス速度の改善が期待できます。

アライメント調整の作業

 以下、私のSSD化済みThinkPad X40で実際に作業した手順です。CD/DVDつきのドライブベースと、Windows XPのOEM版インストールディスク、Windows Vistaのインストールディスクを使用しました。
 この作業は基本的にパーティションの作り直しになるので、現在使用中のディスクの場合は、再インストールまたはバックアップ&リストア作業を伴います。私の場合はまた一から綺麗さっぱり再インストールしました。

  • Windows VISTAのインストールディスクで起動
  • インストーラー起動後、「修復」を選びコマンドプロンプトを開く
  • “diskpart”コマンドを起動
  • “list disk”で対象のディスク番号を確認。シングルドライブなら普通は”0”
  • “select disk 0″で対象のSSDを選択
  • “clean”で現在のパーティションを全て解放(この時点で中身が全て消えます!)
  • “create partition primary align=1024″でオフセットを1024KB(2048論理セクタ)に指定しパーティション作成。
  • “diskpart”コマンドおよびコマンドプロンプトからEXIT
  • 再起動しつつ、Windows XPのインストールディスクに入れ替えて、XPのインストーラーを起動。
  • FATでクイックフォーマット(クイックを選ばないとアライメント設定が壊れるらしい)

 あとは普通にWindows XPをインストールすればOKです。ちゃんとオフセットが設定されたかどうかは、インストール完了後に、”msinfo32.exe”を使用すると以下のように確認できます。

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 msinfo32.exeを実行し、コンポーネント>記憶域>ディスクと選んでいくと、上のような画面になります。この中で「パーティション開始オフセット」が先ほどの作業で調整したもの。1,048,576バイトを512バイトで割ると、ちゃんと2048論理セクタとなっています。4096でもちゃんと割り切れるので、たぶんこれでOKだと思われます。

ベンチマーク

 さて、アライメント調整の効果はいかに? アプリなどを再インストールする過程の体感速度は、かなり改善しているように感じます。これは好結果が期待できるかも?ということで、簡単なベンチマークを取ってみました。なお搭載しているSSDはOCZSSDPATA1-32G18というモデルで、MLCの32GB、Silicon Motion製コントローラ搭載でPATA I/Fな1.8インチSSDです。

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 上がアライメント調整後、下は調整前です。どちらもFlashfireを併用しています。ディスクの使用容量とか細かいところ環境が違うこともあるのですが、思ったような改善効果は数字には出ませんでした。いや、ランダムライトは少しずつ改善していると言えるのかも。でも相変わらずランダムライトは遅いままです。体感の差はプラセボだったのかも。

 SSDのアライメント調整に関する情報はネット上にたくさんあり、いろいろ参考にさせて頂きました。それによると、SSDのコントローラーによって、効果が出やすい、出にくいと言った差があるそうです。このOCZの安い1.8インチSSDは後者の部類ということなのかも。それにしてもランダムライトが遅いんですけどね。でも、1.8インチHDDよりは総合的にずっと快適なことに変わりはないので、これで良しとしたいと思います。

カテゴリー: PC

SSDのアライメント調整」への4件のフィードバック

  1. C300使い

    PATAですよね?
    SATAのC300の話で恐縮ですが、NCQが有効な状態になって、ランダムライト(QD32)のスコアが伸びました。

  2. Hi

    C300使いさん、コメントありがとうございます。
    そうです、このSSDは普通のPATAです。私もC300は別のPCでWin7を入れて使ってます。確かにQD32のスコアはすごく伸びますね。

  3. suomi

    既存の環境を保ったまま調整することは出来ないのですか?

    TrueImage等でバックアップ後、アライメント調整をして、それからバックアップを書き戻したら、結局元に戻ってしまうのでしょうか。

  4. Hi

    suomiさん、要するにSSDの物理セクタと論理セクタの位置関係の調整作業なので、データを保ったまま実施するのは無理ではないかと思います。
    クリーンインストールは必ずしも必要ではなくて、パーティションの作成とフォーマットを伴わないバックアップ&リストアなら大丈夫なはずです。個々のバックアップソフトウェアの挙動については使ったことがないのでよく分かりません。

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