今月のはじめにWindows 7 RC版(Release Candidate=製品候補)が公開されました。既にあちこちのPC系ニュースサイトなどでレビューされまくっていますが、遅ればせながら私もダウンロードして試してみることにしました。使用したパッケージは64bit版。インストール先はβ版のときと同様にとりあえずVirtualBox(最新のVersion 2.2.2を使用)の仮想マシン上です。
インストールはちょっと手違いがあったものの順調に完了。インストールの経緯をじっと見守っていなかったので、どのくらいの時間がかかったのかは分かりません。インストール後は、VirtualBoxのGuestAdditionをインストール。さらにRealtekのAC97ドライバーを入れました。
ネットワークはIntel Pro1000 MTのエミュレーションでNAT接続。しかし、仮想Windows 7の通知アイコン領域に表示されるネットワークのステータスには、なぜか”!”マークがつき接続が完全でないことを示しています。でも、この状態でも普通にインターネットにもホストマシンにも繋がります。これがWindows 7の問題なのか、VirtualBoxの問題なのか、よく分かりません。少なくともWindows XPゲストだと特に問題はありません。
β版を触ったときには、色々な点で明確な未完成感があったのですが、さすがにRC版はかなり完成度が上がってるようです。それでもまだ、ちょっと触ってるだけでも英語のメッセージを目にすることがあります。”RC版”というのは「テストの結果Fatalな問題がなければこのまま製品版になる」という位置づけじゃなかったんでしたっけ? ま、メッセージ類の翻訳は、OSの完成度にとって本質ではないのかもしれませんが、この辺にはまだなんとなく未完成感が漂っています。
さて、VistaユーザーがWindows 7に最も期待するところは「動作が軽くなる」と言う点なのですが、各所のレビューによれば、その軽快さはRC版でも引き継がれているとのこと。が、β版の印象が強く、色々と期待が膨らみすぎたせいか、RC版を使ってみた第一印象としては正直なところ、「もしかしてβ版より重くなった?」と感じてしまいました。
並べて比べたわけではないので多分単なる思い込みだと思いますが。特にフォルダを開くときなど、時折フリーズしたように反応が無くなるのは、Windows XPゲストでも発生するような気がするので、もしかしたらVirtualBoxの問題かもしれません。
ということで、何となくベンチマークをしてみました。比較したのは、VirtulBox 2.2.2上のWindows XP SP3 x86ゲストと、Windows 7 RC x64ゲストです。ベンチマークソフトはCrystalMark 2004R3を使用。CPUはPhenom X4 9350e、マザーボードはFoxconn A7DA-S、グラフィックはオンボード、ホストOSではCPU MaskをしてシングルCPUで計測しています。画面解像度はホスト、ゲストともに1024×768です。
この結果からすると、少なくともVirtualBox上では、Windows 7 (x64)はWindows XP (x86)よりも遅いのは確かなようです。特にCPUとメモリー、GDIやD2Dなどの2Dグラフィクス関係は大きな差があります。実際の使用感もこのあたりが差となっているのでしょうか。ゲスト上のHDD性能については、値が異常に良すぎる上に計測のたびに値が大きくぶれるので、無視したほうがいいようです。
ちなみに最近のVirtulaBoxでは、ゲストOS上でもOpenGLアクセラレーターが効くようになっています。なのでOpenGLのテスト結果は、ゲストOSもホストOSもほとんど同じとなっています。この勢いでDirect3Dもアクセラレートしてくれると、このゲスト環境もかなり使いやすくなるのに。
ある意味XPより7が重いのは当たり前なのでしょう。もっと言えば、64bitと32bitという差もあるので、この結果から何か一般的な結論を導くのは無理というものです。ということで、ゲストとホストの比較も含め、この結果はあくまでも特殊な環境上での特殊な参考比較結果ということで(引張っておいてスミマセン)。
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ということで、実際にWindows 7の使用感を確かめるに、実PCにちゃんとインストールしてみたくなってきました。別パーティションを使用すれば、VistaやXPとデュアルブートできるようなので、気が向いたら試してみようかと思います。