さて、手に入れた(借り物ですが)ばかりのXF14mmとX-E1をもって写真を撮りに出かけることにしました。久々に良く晴れた週末、超広角レンズで何を撮ろう?と考えたところで、真っ先に頭に浮かんだのは、東京スカイツリー。今まで何度も何度も写真を撮りに行っていい加減同じような写真しか撮れなくなっているというのに、進歩のないことです。でもこのレンズでまずは試しに撮ってみると言ったら、それしか思い浮かびません。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/1900sec, F2.8, ISO200, +0.67EV, AWB
もうすっかり桜の季節は過ぎ去ったと思っていたのに、北十間川沿いには葉桜がまだまだ綺麗に咲いていました。空も高くてスカイツリーもとても格好いいです。
さて、東京スカイツリーの周囲からソラマチの中を一周してみましょう(いや、実は2周しましたけど^^:)。この日持ち出したカメラとレンズはこれ一台一本だけ。念のためにと、使い慣れたカメラとレンズを持って行くと、ついそっちに逃げてしまいそうになるから。でも一本勝負ならそういう浮気はできません。とにかく14mmで撮ってみるしかないのです。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/2400sec, F2.8, ISO200, AWB
いきなりワイドマクロ… と言いますか、マクロと言うほど近寄ってはいませんが。超広角レンズとはいえ近距離のものを解放で撮れば、バックは大きくぼけてくれます。しかも結構綺麗に。ワイドマクロも使い方次第で悪くありません。というか、これはこれでやっぱり面白いなぁ、と思ってしまいました。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/3500sec, F5.6, ISO800, -1EV, AWB
迷路のようなソラマチの中に吹き抜けがありました。この写真も一応スカイツリーも写っています。もうちょっとゲイン塔入れたかったのですが、どうもしっくり来ませんでした。ISO設定はオートにしていたのですが、シャッター速度にだいぶ余裕がある割になぜかISO800まで上がっていました。それでも全くそれを感じさせない描写は見事です。X-Pro1でも感じたのですが、APS-CサイズのX-Tran CMOSは素晴らしく高感度性能が良いと思います。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/220sec, F4, ISO200, -0.67EV, AWB
春は空気がモヤッとしがちですし、最近は週末ごとに雨が降ったり風が吹いたり、ろくな天気の日がなかった中で久々の綺麗な快晴。手前の街灯は東武橋の欄干にあるものです。うっかり絞りを中途半端に開けてしまって、街灯は少しボケています。使い慣れていない焦点距離のレンジなので、絞りと深度の感覚も今ひとつわかっていません。MFモードならレンズ先端部に刻まれた深度目盛りが利用できるので、それを見ながら目測でピントと絞りを選んだりするのが一つの正しい使い方なのかも。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/210sec, F5.6, ISO400, -1EV, モノクロ
X-Pro1と同様にモノクロモードも複数あり選ぶことができます。フィルター効果を加味したもので、やはりフィルム時代の仕上がりをエミュレートしていると言えるのでしょう。X-Pro1もそうでしたが、なぜかこのカメラもモノクロで撮りたくなります。広角レンズとモノクロも相性が良いですし。面白くもない写真ですが、撮っているときも楽しいし仕上がりもなんだか新鮮に感じられて自己満足できます。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/550sec, F22, ISO800, AWB
ドームガーデンから眺める東京スカイツリー。午後には完全逆光になります。それはともかく、感度がISO800になってしまったのは、意図せず絞りリングがAポジションから少し動いてF22に設定されてしまったためと思われます。それにしても感度上げすぎな気がしますけど。このカメラのプログラムオートと感度オートの挙動はやや癖があるようです。それよりも、絞りリングをうっかり触って動かさないように注意が必要です。しっかりとファインダー表示を確認しない撮影者が悪いのですが。
太陽が画面内にはいる最悪の条件で、強いゴーストが出てしまっていますが、絞りすぎたこともあってこればかりは仕方がありません。むしろ逆光「感」が出ていて良いかも。フレアはあまり感じられず、コントラスト感は安定していますし。感覚的には最新設計のレンズだけあって、逆光には強いレンズ他と思います。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/1900sec, F2.8, ISO200, AWB
東武橋の脇にある看板。「おしなり公園」って言うのか、ここは。「おしなり」とは「押上」と「業平」という、地名から来ています。でも東武橋があるのはソラマチの西端で「業平」側。東端へいくと「押上」。川に沿った遊歩道は全部「おしなり公園」ってことなのでしょうか。それはさておき、これもまた絞りの選択を間違った気がします。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/30sec, F2.8, ISO640, AWB
東京ソラマチの中のエスカレータ。複雑に入り組んでいて面白そうだったので色々撮ってみたのですが、どうしたら良いのかわかりません。中央のエスカレータのに虹色のモアレが出ていますが、これは縮小によって出たものではなく、オリジナルにもこのまま出ています。ローパスレス故というよりはX-Tans CMOSが苦手な条件なのかもしれません。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/3000sec, F5.6, ISO800, AWB
東京ソラマチの押上駅側です。なんだか日暮れの雰囲気ですがまだ午後3時前。Velviaモードはカラーバランスも独特でコントラストが高め。時々びっくりするような写真になることがあります。でもなかなか気に入っています。下手したらすべてVelviaで撮ってしまいたいくらい。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/2500sec, F3.2, ISO400, AWB
やけに背が高かったのですが、これもツツジですよね? Xマウントはフォーカルプレーンシャッターで、X-E1の最高シャッタースピードは1/4000sec。そして最低感度はISO200までですが(ISO100は設定可能ですがJPEGのみの減感モード扱い)、F2.8くらいなら解放で露出範囲外になってしまうことはありませんでした。F1.4のレンズだと解放は場所を選ぶところでしょう。いずれにしても、こういう撮影守備範囲の広さでは、コンパクト機のX20よりはしっかり考えられているようです。
FUJIFILM X-E1, XF14mmF2.8 R, 1/8sec, F3.2, ISO200, AWB
さて地下鉄に乗って帰りましょう。比較的小さくてサッと撮れるカメラなので、思いついたらすぐにシャッターが切れます。絞り優先で使っていたのをシャッター優先に切り替えるのも一瞬。露出コントロールに対する操作性では、本当にこのXシリーズの3ダイヤル方式(絞りリング、シャッターダイヤル、露出補正ダイヤル)の右に出るものはないと思います。
さて、14mmという画角は思ったよりもずっと扱いやすいと思いました。覚悟していたからなのかもしれませんし、撮影場所が特殊だったこともあってもう少し広ければ良いのに、と思ったことも何度か。画角というかパースペクティブの強さも思ったより感じません。近景と遠景を意識して入れたつもりでも思ったよりも自然に写るなと感じます。うん、どうしたら良いのかわからないのは相変わらずですが、これは意外に面白いかも?ということで、色々撮ってみたいと思います。
X-E1はまるで自分のカメラのように手になじみます。大きさ重さも絶妙で手触りも良いし信頼感もあり、とても良いカメラです。EVFに慣れてしまえばケチの付け所がなさそうです。それでもこれでハイブリッドファインダーだったら… と思わずにはいられません。いや、それってX-Pro1そのものなワケですが、ボデサイズのちょっとした差は大きいです。