鈴鹿のF1日本グランプリ・ウィークエンド

投稿者: | 2013年10月24日

 しつこいようですが再びF1日本GPネタです。コースを走るF1マシンの姿は、既にこれでもかというくらいお届けしましたが、鈴鹿サーキットのF1グランプリウィークエンドは実際のところどんな感じなのか?について全く飛ばしてしまいました。

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 しかし実際に鈴鹿サーキットで見るF1の楽しさは、コース上だけではなく、鈴鹿サーキット内の周辺環境あらゆる場所とそのホスピタリティの高さにあります。これがすべてではないのですが、私が見て経験した今年のF1グランプリ周辺の様子をまとめておきます。

 鈴鹿サーキットの入場ゲートは朝8時開場。金曜日は始発で東京からやってくるとどんなにがんばっても9時になりますが、土曜と日曜は名古屋に泊まっても余裕で8時に来ることができます。

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 トンネルをくぐった先にはGPスクエアのエントランスゲートがあります。チケットの本格的なチェックはここで行われます。これより手前は遊園地の入場券でも入れますが、これより先はレースの観戦券を持ってないとは入れません。

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 いずれにしろ、日曜日でもこれらのチケットゲートで渋滞が発生するようなことはありません。GPスクエア内にはF1グッズのショップテントはじめ、色々なものがあります。F1ファンならここだけで半日は優に過ごせてしまいます。

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 2015年からエンジンサプライヤーとしてF1復帰を決定したこともあって、ホンダの展示は気合いが入っていました。ここは第一期、第二期、第三期をそれぞれ代表するホンダのエンジンを積んだマシンが飾られています。

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 こんなイベント用の特設ステージも。決勝の日にはCSのF1中継ではおなじみの「オグたん」こと小倉茂徳さんが来ていました。現役レーシングドライバーの吉本大樹さんもステージ上にいます。金曜日からこうした大小様々なイベントステージがここでは行われています。それを見る方もこんな感じでとても緩いのです。

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 ちなみに土曜日と日曜日の朝食は例年鈴鹿サーキットに着いてから食べていました。それも遊園地内にあるプッチタウンキッチンの朝食バイキングと決まっていたのですが、なんと今年はやっていませんでした。朝食難民となって近くで営業していた別のお店に入ったのですが、やはり物足りません。これは私たちにとって由々しき重大問題です。来年以降は復活を切に望みます。ということで、アンケートにしっかり要望を書いておきました。

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 金曜日の午前中、フリー走行1回目を見たCスタンド脇のカメラマンエリアはこんな感じです。2コーナー立ち上がりからS字2個目をクリアしていくところまでが見渡せます。

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 金曜日の午後、フリー走行2回目を見た場所はヘアピンの出口側、Iスタンド下。コースが異様に近いです。ここに見えている緑の土手のほとんどがカメラマンエリア。

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 後を見上げると常設Iスタンドです。金曜日は自由席だったのですが、ここはやはり人気があるようでとても混んでいました。

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 足下を見下ろすと、すぐ目の前にはプロカメラマンがいます。ホントすぐそこですが、このわずかな高さの差がプロとアマチュアの境界線。さらにそのちょっと先に見える縁石はもうコースです。

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 あまりに天気が良くて気持ちいいので、生ビールを飲んでしまいました。鈴鹿のコース脇で飲むビールはプラスチックカップといえども格別です。空に浮かんでるのは飛行船の形をした風船。エミレーツ航空の広告でした。

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 土曜日の午前中、30分以上歩いてやってきた西コースの最西端、スプーンコーナーの周辺はこんな状態です。とてものどかで、エントランス付近のGPスクエアとは景色が一変します。しかし、なぜかそこに流れる雰囲気はやはり鈴鹿サーキットならではのもの。

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 土曜日午後にやってきたヘアピンのクリップ付近外側。ヘアピン付近では最も見通しが良い場所です。ちなみに、F1期間中は毎日ウェディングパレードが行われます。鈴鹿サーキットで結婚式を挙げたカップルの中から、抽選でこの3日間にパレードをする権利が当たるそうです。新郎はドライバー、当然新婦さんが主役です。

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 予選ではトロロッソのベルニュのマシンが目の前で火を噴いて止まってしまいました。ベルニュはマーシャルに誘導され、しばしコース脇で待機した後、私たちのいるカメラマンエリアの中を通って、観客が普通に使っている通路へ。ここに迎えが来ることになっていたようです。しかしそのわずかな時間に人だかりができはじめます。
 ベルニュの姿を追いかけて通路に出ようとした私に対し、ゲートのスタッフが近づいてきて何か言おうとしています。「やめてください!」と静止されると思ったその場で彼の口から出たのは、「まだそこにいますよ、そこ!」でした。お墨付きをもらって追いかけたあと、カメラを持ってないことに気づき、ポケットに入っていたiPhoneで撮った写真がこれです。

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 決勝日の観戦場所、Eスタンドの頂上部からの眺めはこんな感じ。眺めの良さはどこにも負けないかも。とても気持ちの良い場所です。

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 去年まではきっちりと草刈りされていたのに、今年は雑草が伸び放題でした。わざと低い位置から撮ったのでこうなってますが、普通にしていれば観戦や撮影に邪魔になるようなものではありません。

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 Eスタンド上部はこんな芝生が広がっていて、看板で日陰が出来るので、レース前はピクニック状態になります。通常席エリアではレース開始までに退去させられますが、カメラマンエリアはそもそも席がないので、常にこういう状態です。こういう風景を見ていると、自由席の復活を求める声も分かります。ただし、自由席になりそうな場所は、現在はエクストラビューエリアか、カメラマンエリアに指定されてしまっています。なので、カメラマンエリアのチケットは、ある意味、プレミア付きの自由席チケットとも言えます。

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 今年も3日間通して良く晴れました。鈴鹿サーキットから伊勢湾を通して遙か対岸の愛知県の山並みまで見えます。

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 今回の撮影機材。ボディはPENTAX K-30、レンズはSIGMAの50-500mmです。K-30の動体AF性能はK-5とほとんど変わりませんでした。F-1にはやはり厳しいですが、ファインダーを見ていて感じたよりは、実際の歩留まりは悪くありませんでした。それよりも連写時のAF駆動異常の方が困りものです。やたらに連写しなくなったおかげで、撮影カット数は昨年の半分でした。いずれにしても、カメラマンエリアにやってくる周囲の面々の持っている超高級機材からすると、おもちゃのようなものです。あまりに差があるので、かえって気になりません。

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 最終シケイン前のQスタンドには今年もフィンランド国旗の横断幕がかかっていました。ライコネンが参戦していなかった2010年と2011年にもここにかかっていました。今年はライコネン応援席がここに用意されたんでしたっけ?

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 鈴鹿サーキットと近鉄の白子駅を結ぶのは三重交通のシャトルバスです。片道380円でもちろんF1期間中の臨時便。バス乗り場はサーキットのゲートから一番遠い第8駐車場にあります。ちなみにこの写真は日曜日の決勝が終わったあと。一番混んでるはずの時間帯です。人はたくさんいますがこの列の流れが止まることはありませんでした。そのくらいシャトルバスはスムーズに運行され、乗客の誘導は完璧に効率良く行われているのです。

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 行列を整理するための誘導路を造るパイロンはこれだけ用意されているのに、ほとんど使われないという有様です。これが今年たまたまではなくて毎年こうなのです。この三重交通のプロフェッショナルな仕事には毎年感心してしまいます。むしろ、近鉄のほうがネックになってるのではないかと思えてくるくらいです。

 鈴鹿サーキットは決して交通の便が良いわけではないですが、この近鉄と三重交通のシャトルバスの他にも車、バイク、伊勢鉄道、ツーアバス、タクシー、路線バスなど、複数の交通手段があり、上手く分散していますし、なかでも一番利用客が多いと思われる近鉄の白子駅へのシャトルバスも、わざとゲートから遠い第8駐車場から発着することで、行列を上手くほぐして滞留しにくくなっていることが分かります。

 どこぞの三流サーキットとはすべての面で運営の質が違います。

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 今年は日本人ドライバーも日本メーカーの参戦もなかったためか、入場者数はここ数年で一番少なかったようですが、それでもこんな大きな仮設スタンドが造られるのはやはりF1ならでは。来年以降はどうなるでしょうか? ホンダが復帰する再来年は確実に観客は増えるものと思います。チケットが取りにくくなり、さすがのシャトルバスも滞るような混雑は望みませんが、もしかしたら日本でのF1開催は今年限りかも?と昨年来心配していたことを思えば、贅沢な心配だと思います。

 ということで、また来年!

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カテゴリー: F1

鈴鹿のF1日本グランプリ・ウィークエンド」への2件のフィードバック

  1. 丁稚

    へぇ〜想像していたよりものんびりと観戦出来そうですね。こういうエントリーは貴重ですねぇ(^○^)
    >> シャトルバスはスムーズに運行され、乗客の誘導は完璧に効率良く行われている
    たしか数年前、静岡方面から酷い惨状が報告されていたような気がします。あれを見てF1なんて観に行くもんじゃないって思ってる人多いと思います。

  2. hisway306

    丁稚さん、
    天気に左右されるし、長距離歩くし、人が多いのは確かですが、それほど過酷な環境ではありません。お祭りみたいなものです。
    2007年の惨憺たる日本GPは、私も被害を受けたので良く覚えています。あんな状況ならF1ファンでも行くもんではありません。私も翌年はパスしました。あれを経験したからこそ鈴鹿のすばらしさが身に染みます。

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