10月に入って台風が来ては過ぎ去っていくたびに気温は下がり過ごしやすくなってきました。都内にいてもそろそろ秋の深まりをようやく感じることが増えてきたように思います。秋らしさと言えば紅葉ですが、春には桜が目に入る程度には、東京でもささやかな紅葉を見ることができます。本格的に始まるのは例年11月中旬以降となりますが、そろそろその片鱗が見え隠れしているのではないかと思い、今年の初紅葉狩りへ近所の散歩道へ出かけてきました。
FUJIFILM X-M1, XF27mmF2.8, 1/800sec, F4, ISO200, AWB, STD
台風27号が何事もなく過ぎ去った日曜日、こんなに抜けるような青空を見るのは凄く久しぶりな気がします。秋から冬にかけては空気が澄んできて、写真を撮るには良い季節でもあります。
手にしたのはFUJIFILM X-M1と2本のレンズ、XF27mmF2.8とXC16-50mmF3.5-5.6 OISのみ。このセットなら小さなカバンにもすっぽり余裕で入ります。ポケットに入れて… というのももう少し寒くなって厚手の上着を着るようになったら、可能かもしれません。
FUJIFILM X-M1, XF27mmF2.8, 1/1700sec, F2.8, ISO400, AWB, STD
近所の川沿いの桜並木。木の幹を撮りたくなったのはいつの頃からでしょうか。桜の木は紅葉して散るのが早いですね。ここだけ見ていると、だいぶ季節が進んでいるような気になってきます。
FUJIFILM X-M1, XF27mmF2.8, 1/2500sec, F2.8, ISO200, -1.3EV, AWB, Velvia
かと思えばまだまだ青々とした葉をたたえた木もあります。OVFじゃないのを良いことに、完全に太陽をフレームに入れてしまうと言う暴挙に出てみました。センサーを傷めるといけないのでさっさとシャッター切ったので、何がどう写ったのかは後で確認。さすがにフレアは出ていますが、目立つゴーストもなくなかなか抜けが良いです。さすがシンプルで無理のない構成の単焦点レンズです。
FUJIFILM X-M1, XC16-50mmF3.5-5.6 OIS, 1/150sec, F7.1, ISO200, +1EV, AWB, Velvia
まだ緑のような黄色くなってるような微妙な状態。いや、どっちかというとまだまだですね、ここは。いずれにしても、紅葉ならやはりビビッドな色合いが似合うでしょと、フィルムシミュレーションをVelviaに設定。
FUJIFILM X-M1, XF27mmF2.8, 1/550sec, F2.8, ISO200, +0.3EV, AWB, STD
東京都の木と言えば銀杏。都内にはあちこちに銀杏並木があります。全国的に普通なのか、東京だけのものなのか分かりません。その銀杏も微妙な色合いで黄緑色になってます。しかしちらほらギンナンも落ちていたので、もう季節に入ってきてるのかも。神宮外苑の銀杏並木の見頃はそろそろでしょうか?
FUJIFILM X-M1, XC16-50mmF3.5-5.6 OIS, 1/1100sec, F5.6, ISO200, AWB, STD
度重なる台風でだいぶやられてしまったようですが、コスモスも少しだけ残っていました。定番の青空バックで。ピントが奥の花びらに行ってしまいました。老眼で背面液晶ライブビューだと、こういう細かい部分まで気が回りません。
ちなみにここにあるように、AFポイントは49点からマニュアルで好きなところが選べるのですが、同時に一つ一つのAFポイントのサイズも5段階に変更することが出来ることに気づきました。
左が最大で、右が最小。これらを合わせて5段階に設定可能です。AFボタンを押して、十字キーでAFポイント選択、その状態でサブコマンドダイヤルを回すとAFポイントのサイズが変わっていきます。この機能と操作性はなかなか優れものです。過去に使用したことのあるX-Pro1やX-E1でも同様のことが出来たのかもしれませんが、今回偶然に初めて気がつきました。スミマセン、説明書とか読まないもので…。
FUJIFILM X-M1, XF27mmF2.8, 1/1200sec, F2.8, ISO200, AWB, STD
XF27mmF2.8はパンケーキサイズで画角もフルサイズ換算で40mm相当と絶妙なのですが、何しろ欠点は寄れないことです。Xシリーズの単焦点レンズらしく全群繰り出し式であるが故なのでしょうか? 花を見るとがぶり寄りして開放で撮ってしまうひとつ覚えも何とかしたほうがいいのですが、やっぱりやりたくなってしまいます。ボケはとても綺麗な方だと思います。このカットはかなり背景がかなりごちゃごちゃしてうるさい上に、色彩の濃い花が点在していてなおかつ逆光ですから、綺麗にまとまってる方ではないかと思います。相変わらず抜けも良いです。
FUJIFILM X-M1, XC16-50mmF3.5-5.6 OIS, 1/320sec, F5.6, ISO200, AWB, STD
種類が分かりませんが、トンボがたくさん飛んでいました。いや、休んでいました。蜂や蝶のようにせわしなく動き回らないので、撮るのは簡単ですね。ピントが今ひとつな気もしますが。
FUJIFILM X-M1, XF27mmF2.8, 1/4000sec, F4, ISO200, -0.7EV, AWB, STD
季節外れの噴水。まだ日中なら涼しげだなと感じられます。XM-1は1/4000secまで対応していますので、明るいレンズもたいていの場合開放まで生かし切ることが出来ます。
FUJIFILM X-M1, XF27mmF2.8, 1/2900sec, F2.8, ISO200, AWB, STD
さらに季節外れなひまわり。ヒメひまわりの一種かと思います。狂い咲きではなくてまだまだシーズンのようです。結構たくさん咲いていました。
FUJIFILM X-M1, XC16-50mmF3.5-5.6 OIS, 1/30sec, F5.6, ISO200, AWB, B&W
そしてまさかとは思いつつ、紫陽花を見に行ってみると、そのまま枯れた花の残骸がまだそれと分かる状態になっていました。夕立にも台風にも負けず、まだ花の形を保っているとは。
FUJIFILM X-M1, XC16-50mmF3.5-5.6 OIS, 1/400sec, F5.6, ISO200, -1EV, AWB, B&W
額紫陽花もこの通り。まだピンク色の額が残っていたりします。綺麗ではない、というよりは見苦しいので、人が手入れしているとここまで放置されることはないのかもしれませんが、野生だとこんな状態。このあたりは紫陽花だらけなのですが、こうして枯れても残っている花だらけで、それはそれで異様な光景です。
FUJIFILM X-M1, XF27mmF2.8, 1/500sec, F2.8, ISO400, -0.7EV, AWB, Velvia
気がつけば、また木の幹を撮ってしまいました。影が面白い形をしていたもので。Velviaモードはコントラストも高めになるのでしょうか。派手な色がなくてもキリッとして良い感じです。
今回は意識してXF27mmF2.8を使うようにしました。コンパクトなX-M1にはとても合うレンズですし、絞りリングがないこともこの組み合わせで使ってる限りは気になりません。それよりも薄くて小さいことのメリットは非常に大きいです。フードがなぜか用意されていませんが、描写性能も安定しています。
しかし、やはり惜しいのは最短撮影距離。どんなレンズでも必ず上がる不満点で、キリがないと言えばそうなのかもしれませんが、それでも感覚的にこのレンズの最短撮影距離は遠すぎると思います。背面ライブビュー専用のX-M1と組み合わせていることもあるのだろうと思います。
一方XC16-50mmのほうは必要にして十分と感じます。さすがは標準ズーム。ワイド側に寄ったズーム域、軽量であること、そして手ぶれ補正も良く効くことなどから、こちらのレンズの方が気に入ってしまいました。単焦点派としては何とかXF27mmの上手い使い方を見つけたいと思っているのですが、XC16-50mmのオールマイティぶりには敵わないかもしれません。