今年もこの季節がやってきました。毎年飽きずに繰り返していること、何度も訪れている場所はたくさんありますが、中でも1月中のニセコ行きは1年の中でもっとも楽しみにしている年中行事のひとつです。今回も昨年の秋口から計画を立て、航空券やホテルを予約し、インフルエンザの脅威を何とかかわしつつ、迎えた1月の最終週。年明け早々有給休暇を5日も使ってまるまる1週間休みをとり、5泊6日という日程で出かけてきました。
以前は普通の国内旅行並みに2泊3日で行っていたのですが、次第に1泊ずつ延ばすようになり、とうとう5泊という贅沢をするようになったのですが、その目的は「天候待ち」と「体調調整」です。冬の北海道のなかでも特に豪雪地帯のニセコ周辺は、雪嵐になることもあれば、晴れの日がずっと続くこともあります。理想は前夜にがっつりと大雪が降って、翌朝から晴れ渡るというパターンなのですが、わずか2泊ならもちろんのこと、5泊してもそんなベストなコンディションにあたる保証はありません。
ならば少しでも良い条件で滑りたいということで、ガイドさんにお願いし、スキー場エリア外に出てバックカントリーの真似事をするようになって早5年。それでも飽き足らず、昨年からは「ニセコワイスCATツアー」に参加するようになりました。このツアーは1日あたり12人限定で、他の誰も足を踏み入れないワイスホルンを滑りまくるというもの。しかも登りはCATを利用するので、自分の足でハイクアップする必要もないという、至れり尽くせりなツアーです。
この地域のシンボル的存在でもある蝦夷富士こと羊蹄山はこの時期雲に隠れがちで、あまりその姿を見せることはありません。この美しい火山はスキー場があるアンヌプリやイワオヌプリ、そしてワイスホルンとともにこの一帯に上質な雪を降らせる重要な役目を果たしているそうです。
今回その姿は初日のニセコへ向かうバスの中から見えただけでした。でも、わざわざここを訪れるスキーヤー&ボーダーにとっては、姿を見せてくれるよりも雪を降らせてくれる方がずっとありがたいです。
前半2.5日は予習をする
移動日の午後半日を含めた前半の2.5日は、4日目に予定しているニセコワイスCATツアーに向けての準備期間です。今シーズンは色々あってここまで滑りに行くことが出来ず、これが初滑りとなってしまいました。スキーは自転車のように一度覚えるとなかなか忘れないとは言え、いろいろと肩慣らし、足慣らしをしなくてはいけません。もちろん一番の心配はスタミナなのですが。
1日目の午後:穏やかな青空が見えた唯一の日
羽田を6時半に出発する飛行機に乗ると、新千歳空港で朝食を食べてからバスに乗り継いで、お昼過ぎにはニセコに到着します。そのまま宿泊先のホテルで別送してあった荷物を受け取り、午後からさっそく滑りに出かけました。
穏やかな天候に誘われて、山頂付近まで登ってきました。森林限界を超えたアンヌプリの山肌はすでに日陰になっています。最後のシングルリフト、K4も動いているようなので乗ってリフトで行ける一番高いところまで行ってみましょう。
さっきバスの中から見えた、綺麗な青空と羊蹄山はいつの間にか湧いてきた雲にかき消されつつあります。しかし風もなく穏やかな午後でした。結果的に今回6日間滞在してK4リフトに乗り、アンヌプリのピークをチラッとでも拝むことが出来たのはこの日1日だけでした。
それにしても、このK4トップからの一枚バーンを滑り降りるのはゾクゾクして気持ちいいです。
K4リフトから長い長いコースを滑り切り、やっとのことでヒラフの街並みが見えるところまで下りてきました。この小さな町は今インバウンドを原動力としたかつてない再開発景気に湧いています。その様子はここからヒラフの街を眺めるだけでも良く分かります。10年前とはガラッと景色が変わりましたから。
それは今年始まったことではなく、もう何年も前から毎年感じていたことですが、ここ2〜3年の変化には改めて驚かされます。その辺のこともスキー報告とともにつらつら織り交ぜて今回は書いてみました。
2日目:たまにはビレッジへ行ってみる
ニセコのスキー場は、ヒラフ、花園、ビレッジ、アンヌプリという4つのスキー場の集合体です。ヒラフと花園のリフト券は共通券なのですが、4つ全てのエリアを自由に移動するにはそれとは別に全山券を買わなくてはなりません。
普段は花園とヒラフだけで十分楽しめるので、これまでに全山券を買ってビレッジやアンヌプリに行ったことは数えるほどしかないのですが、この日は久々に全山券を買ってみました。いや、間違えて買ってしまったというのが本当のところです(A^^;
ちなみに天候はこんな状態。大粒なれどもサラサラに乾いた雪がひっきりなしに降ってきます。滑ってるそばから積もっていく勢い。見通しは悪いですが、2日後のワイスCATツアーに向けてどんどん雪が積もると考えれば、願ってもない素晴らしい天気です。
ビレッジはのベースはヒラフのように古くから開発されていたのですが、スキー場直結で一番目立つ巨大なホテルが建っています。元々建設したのはプリンスホテルだったのですが、プリンスグループのリゾート経営縮小に伴い、今はヒルトンホテルに経営が変わっています。「東山」と呼ばれていたこのスキー場が「ビレッジ」に変わったのも、プリンスからヒルトンになってからだと思います。
ビレッジエリアはほとんど知らないのですが、ヒラフ同様に新しいホテルやコンドミニアムが建設され、生まれ変わっているのでしょうか? スキー場の様子はあまり活気があるように見えなかったのがやや心配です。
ちなみにヒラフのスキー場全体は東急グループが経営していますが、この建物がそのメインとなるゲレンデ直結のホテル ニセコ アルペンです。ビレッジの巨大なヒルトンホテルとはかなり趣が違いますが、ニセコでは数少なくなってきた、昔から経営が継続している老舗ホテルです。
昨年読んだ本にも書いてあったとおり、このアルペンとセンターフォーリフト、そしてヒラフスキー場にはいろいろな歴史があるわけですが、いずれにしても現時点において立地としてピカイチなことに変わりはありません。もしかしたら莫大な額での買収を提案されてたりするんじゃないかと、勝手に想像してしまいます。
東急が今のニセコの活況をどう見ているか分かりませんが、規模的にも設備的にもこの古いホテルは他と比べて見劣りがしてきました。同じく立地抜群だったニセコ高原ホテルやジェイファーストのように、インバウンド需要が活況を呈してきた時期にもかかわらず、解体されたまま再建されない例もあるし、ヒラフ坂の最上部にあってもっとも老舗だった山田温泉ホテルは、売却されて建て替えられ、今シーズンからニセコスカイという超高級ホテルに生まれ変わりました。この古き良きアルペンも安泰であるとは思えず、いろいろと先行きが不安です。
3日目:リフトが動かず図らずも休養日
明けて3日目、事前の天気予報はそんなに悪くはなかったはずなのに、なぜか朝からリフトが動いていません。どうやら山の上では強風が吹き荒れているとのことです。
結局お昼まで待ってもメインのリフトが動かなかったので、この日は滑るのを諦めてヒラフの街をぶらぶら散歩して過ごしました。
おー、また新しいホテル or コンドミニアムが建つのかー。比羅夫界隈を散歩していると、こんな看板があちこちにあります。中には去年から看板のままでまったく建設が進んでないように見られる場所もあったり。
不動産屋さんの店先にかかる物件情報。一、十、百… なんと軒並み1億円超え。一体誰向けのどんな物件なのやら? 退職金でこの辺に移住しつつ老後は優雅に暮らしたいなぁ… なんて庶民の夢とは無関係な世界のようです。
一方で変わらない風景もあります。ひらふ坂の脇で昔から営業しているワックス屋さんは、かなり前からここにあったような気がします。
今回は丸一日することがなくなったこともあって、はじめてワックスがけをお願いしてみました。作業風景を少し見ていたのですが、とても丁寧にホットワックスがけしていて、最終的に仕上がるまで数時間かかりました。もちろん、冷やしたりする時間があるので他の作業とパイプラインになっているわけですが。いずれにしろこれで1セット2000円なら安いくらいだと思います。おかげでソール面はツルツルでとても綺麗になりました。
夕暮れ時のとあるヒラフの街の一角。一瞬カナダかどこかのスノーリゾートだと言っても通用しそうな風景が広がっています。このホテル、実はなぜかメルマガに登録していて予約の案内とか時々来るのですが… 宿泊費が予算とだいたい一桁違っています(^^;
いよいよニセコワイスCATツアーへ
さて、ここからが実はこのエントリーの本題にして、今回のニセコの旅のメインイベントです。
滞在4日目の水曜日はいよいよニセコワイスCATツアーへ行ってきます。昨日まで荒れ模様だった天候はだいぶ落ち着いたようです。
特別な装備は不要な気楽に参加できるツアーですが、一応未整備の自然の中を滑るとあって、ビーコンは必須です。持っていなければ貸してもらえます。発信モードに設定し、ウェアの下のお腹あたりに装着しておけば特に気になることはありません。
もう少し本気になって深入りするようになったら自前で用意した方が良い装備ですが、今のところは借りて済ませています。
さて車でワイスホルンの麓へ移動し、CATに乗り換えます。これは新車でしょうか?去年より新しくなってるような気がしますが、もしかしたら箱だけ新調したのかも。
なおこのツアーは基本的に外国人向けに出来ているので、全て英語で進行していきます。ガイドさんもメインは昨年同様オーストラリア人でした。が、その他のガイドさんとCATの運転手さんは日本人なので、分からないことは日本語で対応してもらえます。というか「え? 日本の方ですか? 珍しい〜」と驚かれるところまでがセットですし、実際昨年もいたガイドさんには「お久しぶりです」って感じで、覚えられていました。それは私たちが特別何かやらかしたからではなく、珍しい日本人客だからだと思われます。
CATに揺られること10数分。いや、20分くらいかかったかな? ワイスホルンのトップ(本当の山頂山頂よりも少し下)にやってきました。
このツアーは1日あたり12人限定。ガイドさんは4人(+CATの運転手)さんです。ワイスホルンはニセコのスキー場があるアンヌプリよりは小ぶりな山ですが、この山をガイドさん入れて一日あたり16人しか滑らないわけで、ノートラック&フカフカなパウダーを滑り放題です。
ちなみにこのツアーは連日行われているわけですが、前日のトラックなどは、夜のうちの降雪および風に吹き消されて、だいたいリセットされています。
が… 事前に言われていたのですが、この日の山頂付近は前日の風によって表面の軽い雪は全て吹き飛ばされ、固い雪面が露出していました。パウダーとはほど遠い状態ですが、しばらくは我慢我慢。その吹き飛んだ雪が吹きだまってる場所がこの先にあるはず…。
ほら!あった!この動画の中程に録音されている高笑いは自然と出てきたものです。パウダー滑走動画を撮るようになって数年になりますが、毎年コンディションや場所は違えど笑いしかこみ上げてこないです。
ちなみに、まったく同じ日の同じ場所を上手い人が滑るとこんな見事なSnow Splashを上げられる状況だったんですよ!
こうした映像映えする滑り方というのは、綺麗な正しい滑りかたとはまた別だと、以前ガイドさんに教えられたことがあります。大した雪じゃなくても3倍すごく見せる方法はあるとか。その技術を習得すれば普通のディープパウダーを超すごいディープパウダーに見せることが出来るはず。そんな上級者技はさておくとして、まともに滑ってる姿を撮ってもらえるように、来年こそはがんばりたいと思います。
さて、風で吹き飛ばされた雪が吹きだまるボウル状の谷だけではなく、こんな開けたまっさらな雪面にトラックを刻んでいくのも楽しいです。
このCATツアーが行われるワイスホルンは、手つかずの自然の山ではなく、もともとはスキー場があった場所であり、ゲレンデだった場所は木のない緩やかな斜面となっています。そして朽ち果てたリフトの設備もそのままに残っています。搬器はないもののロープはそのままになっていますが、このまま復活させることは難しいでしょう。
スキー場を完全廃業するには、リフト設備も基礎から廃棄して原状復帰しないといけない、と聞いたことがあります。それが本当ならここはまだ形式上営業休止中か、もしくはCこのATツアーをやるために営業中と言うことになってるのかも知れません。
さて、今年のニセコワイスCATツアーが、去年と大きく変わっている点は昼食です。昨年はワイスホルンの麓で営業を続けていたワイスホテルでカツ丼や温かいコーヒーなどを飲み、きちんと整備されたトイレも利用することが出来ましたが、なんと昨夏の間にそのワイスホテルは営業を停止し、果ては建物も取り壊されてしまったそうです。
温泉ファンにも密かな人気があった名ホテルだったそうで、だからこそスキー場がなくても営業してこられたのだと思いますが、その影には単なる経営不振というだけではなく、昨今のニセコブームが影響しているようです。いったい何が起きているのでしょうか?
で、その結果ニセコワイスCATツアーの昼食会場は上の写真のようになってしまいました。はい、左のプレハブ小屋が昼食会場です。
そして肝心の昼食メニューがこれです。カツサンドとアボカドサンドに、ポットの中には温かいスープが入っています。なるほど… う〜ん、去年のカツ丼が懐かしい!
状況的にサンドイッチで十分だし、仕方ないと思うのですが、味的にはもう少しなんとか改良の余地があるのではないかと思います。せめて「おにぎり」も選べたらな… とか。味付けについては日本人向けではないだけかと思っていましたが、とても身体の大きいヨーロッパ系のおじさんも半分くらい残していましたら、やっぱり口に合わなかったのではないかと思います。
なお、女性用の仮設トイレは用意されています。男性については… ご想像にお任せします。
午後は白樺の林の中に入り込みツリーランも楽しんでみました。以前はこういうトラバース的なツリーランは苦手だったのですが、最近はまったく平気になりました。トラックに乗って木と木の間をすり抜けていくスリルは、ディープパウダーの斜面を豪快に滑るのとはまた違った面白さがあります。
ということで、トップまでCATで登り、そこから滑り降りてまたCATに乗ってトップに登り… というループを繰り返すこと計6本。午前中に4本、午後に2本で終了となりました。予定ではあと0.5本だったようですが、参加者の疲れ具合などを見て最後に中止となりました。
たったの6本か…と思われるかも知れませんが1本長さが相当にあって、しかもゲレンデとは違った未整地の雪面ですから、ここを1日に6本滑ると普通の人ならもうヘトヘトです。これで終わりと言われて、残念な気持ち半分、ああ良かったという思い半分…です。
これがCATの車内に貼ってあるワイスホルンの地形&コース図。基本的にスキー場時代のゲレンデだった場所は、CATの通路に使われており、滑るのは元コース外がほとんどです。
どこをどう滑るかはその日の雪の状況と参加者の腕前、足前を見つつガイドさん達が決めています。人によって得意不得意が色々あるし、疲労は急激に来ることもあるので、何気なく滑っているようでいて実はずっと見られている… わけです。もちろん安全のためにも重要なことなので、そのあたりがしっかりしていることも、このツアーが安心して誰でも参加できる由縁です。
TG-5で記録したGPSログをGoogleマップに貼ってみたらこうなりました。実は昨年も同じようにGPSログを取っていたのですが、それと比べるとほとんど同じところを滑ったことになります。前回も今回も言っていない上半分の方はどういうコンディション、あるいはレベルに達したら行けるんでしょうかねー。
ということで、今年も大満足なニセコワイスCATツアーでした。また来年も是非参加して、このカッコイイCATに乗りたいと思っています。
↑詳しくはこちらがこのCATツアーに関する公式サイトです。ちゃんと日本語版もあります。
残り1.5日は初心を思い出す
メインイベントを終えて今年のニセコの旅も残り1.5日しかありません。もう十分満足したかと言えば、ひとつだけ心残りがありました。今年はまだあそこへ行ってないのです。ファットスキーに嵌まるきっかけとなった、花園エリアにあるストロベリーゲートへ。
5日目:ストロベリーへ行って花園の大開発に驚く
天候は安定せず、再び嵐となる予報もありましたが、朝からなんとかリフトは動いているようです。ただし山頂までは到達できそうにありません。でも良いのです、ヒラフと花園間を行き来できさえすれば。
花園第一クワッドリフトを降りたところからすぐにアクセス出来るストロベリーゲートは、その手軽さからは想像できないくらい奥深い斜面です。そしてコース取りによって全く違う顔を見せたりもします。こんな開けたオープンバーンもあれば…
こんな密度の高い森もあって…
最後には広大な何もない広場に出ます。一体夏の間ここはどうなっているのか?
何度滑ってもおっかなびっくりで、まったくまともに滑ることが出来ないのですが、それでも止められない魔力がここにはあります。スキー場内のゲレンデに囲まれたエリアとは思えないくらいに、本格的なバックカントリー風味が味わえて、本当に素晴らしいです。
新雪がなくてガチガチの時は地獄のようなところなんですが… 思えばここを基礎板で滑って何かを発見したのが、CATツアーまでつながる全てのはじまりでした。ただ、以前はなかなかゴールにたどり着かないと感じていたのが、今回は「あれ?もう終わりか」と感じました。へっぽこなりに進歩しているのか、単に慣れただけなのか?
さて、そんな素晴らしいコースがある花園エリアは、典型的なバブルとスキーブームに乗り遅れて開発されたスキー場であり、何とか3本のクワッドリフトとコースとセンターハウスは出来たのですが、麓のリゾート開発は未着手のまま放置されていました。スキー場全体が香港資本になってから海外客誘致と各種ガイドツアー、バックカントリーなどにいち早く力を入れ、ゲレンデベースに宿泊設備を一切持たないまま上手く運営されるようになっていましたが… やはり昨今のニセコブームに乗って大規模開発に手をつけることになったようです。
今まで何もない森だったゲレンデベースの一角には、一気に4棟もの建物を持つ巨大外資系ホテルの建設が急ピッチで進められていました。この勢いだと来シーズンには開業するのでしょうか?
なお、すでに公式WEBサイトがオープンしています。が、問い合わせ先が書かれているだけで具体的なことは何も分かりません。
これまで花園ゲレンデの中心地となっていたレストハウスHANAZONO308は、すでにややキャパ不足でしたが、これも新たに巨大なレストハウスが新たに建設され、現在のHANAZONO308の建物は別の用途に転用されるそうです。
ちなみにHANAZONO308の中は、今年もこんな状態でした。ここはカナダか! スイスか!あるいはニュージーランドか!ここ大好きだったんだけどなー。新しいのも楽しみですが、この絶妙な雰囲気が失われないか心配です。
さらに驚きなのは、ヒラフのセンターフォーなどと比べると圧倒的に新しい花園第一クワッドリフトは廃棄され、6人乗りの新リフトに掛け替えられるそうです。確かに現状では十分な輸送力があるのですが、ベースがこれだけ開発されるとなると、クワッドとは言え1本限りでは心許なくなるのでしょう。
さらにさらに、新しいコースとリフトも新設する予定があるのだとか。
この勢いはヒラフの再開発状況を見ていても頷けるのですが、今回のこの投資がまたもや「遅れてきた開発計画」にならないことを祈っています。大好きな花園ゲレンデの雰囲気が変わってしまう(かもしれない)のは残念ですが、このままではいられないとしたら、廃墟と化すよりは人で溢れてしまうほうがずっとマシですから
ただし、ニセコもヒラフを中心にすでにオーバーツーリズムの問題が各所に見え隠れしています。ヒラフに限らず花園の宿泊キャパの大幅な増強は、それに拍車をかけることは間違いないでしょう。インバウンド需要はまだしばらく衰える気配はありませんが、いつまでも続くものなのか誰にも分かりません。願わくはそのニセコブームの恩恵が私たちのような短期滞在中心でコスト重視の国内客にも使いやすいものであればと思います。
最終日:嵐になる
長い旅もとうとう最終日になりました。天候は予報通り悪化して、これはリフト動かないだろ、と思っていたらまさかの運行開始のアナウンス。となれば帰途のバスが出るまで最後の半日も滑っていくことにしましょう。
と思って、とりあえずセンターフォーに乗って山の上まで上がってきたのですが、とても滑れる状況ではありませんでした。うっかりすると、この位置からでも目の前の温度計の塔が見えなくなってしまうくらいに、ホワイトアウトする瞬間があります。そうすると、上下左右含めた方向感覚を完全に失う状態に入ってしまい、とても滑っていられる状態ではありません。
なので、山の上にあるレストランでゆっくり休みながら、吹雪見物することにしました。あとは頃合いを見計らって山を下っていくだけです。
ちなみにスキーが散乱しているのは、同じこと考えた人が多いからということに加え、立てかけて置いても強風でスキーがなぎ倒されてしまうためです。そうして飛び散ったスキーと、最初から立てかけることを諦めてそのまま放置されたスキーで、こういう状態になっています。
ということで、何となく締まりのない〆となってしまいましたが、吹雪の中をそろそろと下ってきて、今年のニセコの旅は終了です。
過去には晴れ続きでカチカチの雪しかなかったこともあれば、1月なのに雨に降られたこともありました。かと思えば、もう要らない!というくらいの素晴らしい大雪に見舞われて、そこらの何の変哲もないコースが軒並みディープパウダー化したこともあります。自然相手の遊びですから、そういうのは仕方ありません。今年はメインイベントのニセコワイスCATツアーが存分に楽しめたのだから、それだけで十分です。
ということで、また来年! (なおニセコ関連記事はもう一つだけ書く予定です)
※ なお先日自宅で洗濯したスキーウェアは新品のような着心地で、防寒も防水も完璧に機能しました。