瀬戸内海に浮かぶアートの島「直島」には不思議な時間が流れていた

投稿者: | 2018年3月26日

 JALの「どこかにマイル」を利用した香川県は高松への旅に関して、うどんめぐり編史跡巡り編を既にエントリーしましたが、わずか一泊二日の短い旅の思い出はこれだけではありません。二日目には高松港からフェリーに乗って瀬戸内海に浮かぶ島へ渡ってみることにしました。最初は小豆島を考えていたのですが、色々調べているうちに小豆島よりも直島のほうに行ってみたくなりました。

 直島は人口わずか3,000人ちょっとの小さな離島で、位置的には岡山県玉野市からはわずか3km、香川県高松市からは13kmほどの距離がありますが、区分的には香川県に属しています。

 この島には進研ゼミでおなじみの地元企業(岡山に本社があります)ベネッセが色々出資するなどして、かなり立派で特徴的な美術館があるそうです。それを中心にここ30年ほどの間に独特の観光開発が行われ「アートの島」としてとても人気があるそうです。

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 アートと離島? 一体どんなところなのでしょうか? 早速行ってみましょう!

 直島に関する観光情報は↓この公式サイトが非常に分かりやすいです。さすがにアートの島として観光に力を入れているだけあって、観光協会が運営している公式サイトにしては、とても今風で分かりやすいサイトです。

フェーリーに乗って高松から約1時間

 街の中心部にあったホテルから高松港までは車でほんの5分くらい。高松という街にとって港と海上交通はいまだ重要な位置を占めていることがよく分かります。

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 高松港からはたくさんのフェリーや高速船が発着しています。誘導係のおじさん達がテキパキと働いて、見事に人や車の積み込みを捌いています。直島行きの始発は午前8時台に出発ということで、港には30分ほど前に到着しました。車を直島行きの待ち行列に並べて切符を購入。人は往復990円で乗れますが、車は4m以上5m未満で片道5400円かかります。

 その昔はここまで線路が来ていて、宇高連絡線で鉄道車両も運んでいたんですよね。大昔に乗った記憶があります。今はそんな面影はまったくありませんが、相変わらずフェリーは重要な交通手段として使われているようです。

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 ちなみに今回借りたレンタカーはこれ。日産ノートのePowerです。最新のシリーズハイブリッド車で、ワンペダルで加減速が出来る最新の自動車です。扱いやすいし、モーターらしく出足は滑らかだし、すごい良い車でした。

 なお、直前に出ていった宇野行きのフェリーは、大型トラック含め車両満載で出航していきましたが(乗り切れない車があるほど)、直島行きはそんなに混んではおらず、車両甲板は半分くらい空いていました。どうやら普通に徒歩で上陸する人がほとんどのようです。

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 時刻通りにフェリーは出航していきます。しばし高松にはお別れ!

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 この日も朝のうちは良いお天気でした。出航してしばらく経っても、瀬戸内海ですから陸地や島が見えなくなるということがありません。

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 そしてぴったり50分の航海の後、直島の宮ノ浦に到着です。車なしの徒歩の乗客も車両甲板から乗り降りするシステム。観光客を運ぶだけでなく生活の脚としても利用されているためか、色々と効率的で自由な感じでした。

 さて、目の前の大きなランプウェイが開けば、いよいよ直島上陸です。

古い街並みとアートが融合する本村地区へ

 直島は周囲16kmほどの小さな島で、南半分が観光エリアになっています。車だと20分ほどで一周できてしまうくらいのサイズ感。距離的には自転車でも行ける気がしますが、アップダウンが結構あるのでその点は十分考慮しておく必要があります。いずれにしろ、私たちは車で上陸したので、一気に島を横断し北側の本村地区へやってきました。ちゃんと無料の駐車場が用意されています。

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 本村地区はこんな路地が入り組んだ昔ながらの街並みが残っています。散歩しているだけで楽しめます。この本村地区には家を丸ごとアート化した「家プロジェクト」なるものも行われており、チケットを買うとそれらの家の中に入って見学できます。現在7軒が航海されているそうですが、今回はパスしてしまいました。

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 この辺りの家には全て昔ながらの屋号があるそうですが、こうしたプレートが一軒ごとに掲げられています。特に商売をしているわけではなく、普通の家にも全て付いています。しかも、その屋号が洒落てるんですよね。この「ひこきち」なんてまるで辰巳芸者みたいですね。

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 あるいは、何の説明もなく壁にこんなアートがあったり。さりげなくて街並みに溶け込んでいるから不思議です。

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 古い集落らしく、高台にはお寺とともに神社があります。鬱蒼とした森の中を登っていく石段の先には鳥居があります。とても良い雰囲気です。

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 頂上まで登ってみると八幡宮がありました。わが地元の八幡様にも平安が訪れますようどうかよろしくお願いします… と、神様に神様のことをお願いしてしまいました。

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 直島には地中美術館を初めとして安藤忠雄氏が手がけた建築物がいくつかあります。本村地区の中に安藤ミュージアムがありました。中は撮影禁止なので入り口の写真しかありませんが、このミュージアムの建物自体が安藤忠雄氏設計の建築です。建物はそれ自体がアート作品ですからね。

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 ウロウロと散歩していたら行き当たったこの巨大な建物は、直島町役場に併設されたホールです。周囲はちょっとした日本庭園のようになっていて、これ自体が何かの美術館かと思ってしまいました。

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 本村も海に面した港町です。岡山側へ渡る旅客船(カーフェリーではない)も出ています。日曜日の朝は港全体がひっそりしていて、釣り人がいるだけでした。

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 その岸壁にこんなものがあるんですよね。なんでしょうこれは? 木組みをベースにFRPで出来ているようです。

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 実はこれが旅客ターミナル。と言っても小さな待合室があるだけ。後のスペースは自転車置き場になっているようです。SANNAによってデザインされたそうです。さすがアートの島!

美術館エリアの海岸線を散策する

 さて本村を後にしてさらに車を進めてみましょう。島の南東部にベネッセミュージアム、李禹煥美術館、そして地中美術館が並んでいます。その前に海岸沿いにちょっと行ってみましょう。

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 そこにはまるで南国リゾートのようなこんな美しい砂浜が広がっています。夏は海水浴が出来るのかな?

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 ベネッセミュージアムの手前、つつじ荘の近辺の海岸線は直島の見所の一つです。半分くらい砂に埋まった鳥居があります。これがフォトジェニックですね。ここは参道なのでしょうか? 周囲を見回してもお社らしきものはなかったのですが。ググってみると恵比寿神社が近くにあって、その鳥居だそうです。しかしなんでこんなに砂に埋まってしまったんでしょう?

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 その隣には古びたお地蔵さんも立っています。うむ、謎ですね。でもここは大人気写真スポットです。青い海と鳥居とお地蔵さんの取り合わせはなかなか珍しいですから。

 でも、ここのハイライトは鳥居やお地蔵さんではありません。その横に目を移すと… ん?なんかある?
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 うむ、ありますね。海に飛び出た桟橋の先端に異様なものが。近くに行ってみましょう。

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 これは通称「黄カボチャ」と呼ばれていますが、もちろん直島ならではのアート作品。しかもかの有名な草間彌生さんの作品です。いやー。シュールですね。というか、ビックリするくらいこの風景に溶け込んでいます。なぜ海にカボチャ、なぜ黄色? そんな疑問は野暮というものなのでしょう。

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 見れば見るほど格好いいと思えてきました。ここにはこれ以外のオブジェは考えられません。というか、ここにはこれがあるべきとさえ思えてきます。

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 さて、本当はこのあと地中美術館を見ていこうと思っていたのですが、地中美術館は大人気な上に入場者数を制限しているそうです。一応整理券をもらったのですが、そう言われるとなんだか急に萎えてきてしまいました。時間もあまりないし結局「もういいや」ってことして、美術館は全てパスすることに。

 直島は小さな島ですけが、美術館も含めて全てを見て回るには一日では無理と、公式ページにも書いてありましたっけ。今回は半日ですから仕方ありません。また今度と言うことにしたいと思います。

フェリー乗り場のある宮ノ浦を散歩する

 ということで、車を走らせて来た道を戻り、宮ノ浦へ。フェリーまでの残りの時間はここでゆっくり過ごすことにしましょう。

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 宮ノ浦も本村に負けず劣らず、古い街並みが良い雰囲気を醸し出しています。

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 こういう街角にはネコさんが似合いますよね。

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 この二匹はなにやらネコ語で話し合っていました。喧嘩しているわけではないようですが、微妙な距離を取りつつニャーニャー言っててかわいいです。実はカメラマンが私含め山ほど群がっていましたが、そんなのお構いなしです。

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 このド派手な建物は銭湯。その名もベタに「I♥湯」です。これ自体がもちろんアート作品です。中はどんな風になってるんでしょうね。見学も出来たのですが今回は外観だけで我慢することに。

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 少し歩いていくと、古民家を改造したよさげなカフェがあったのでちょっと休憩。

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 コーヒーと「こじゃれたたスコーン」をおやつに頂きました。ホッと一息です。本村もそうでしたが、こういうお店がたくさんあって本当に散歩が楽しいです。

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 さて、おやつを済ませてそろそろフェリーの時間が近くなってきたので港に戻ってきました。宮ノ浦もフェリー埠頭の脇はこんな普通の小さな港町です。

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 しかしその岸壁にやっぱり変なものがありました。藤本壮介さんという芸術家による「直島パヴィリオン」という作品です。ステンレスの網で構成されており、特に何か機能があるわけではありません。中に入ることも出来ます。

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 そしてもう一つ、宮ノ浦港にあるのがこれ。通称「赤かぼちゃ」です。これはもうアレですね、明らかに草間彌生作品です。さっきの黄カボチャと対になる作品で、こちらの方がサイズが大きくて中に入ることも出来ます。

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 フェリー埠頭の真横にあります。なので、船を下りたら真っ先に見に来る人も多いです。私たちは車でしたので、最後に見に来ました。広場にぽつんと置いてある感じですが、風景との一体感という意味では美術館エリアにあった黄カボチャの方が個人的には好きです。

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 ということで、わずか半日に直島観光でした。島全体がアートの島として観光客受け入れに積極的で、しかしありふれた土建中心のリゾート開発ではないオリジナリティに溢れ、集落そのものを観光資源として活用するなど、とても活気があって面白いところでした。

 そして意外なくらいに外国人観光客が多く、世界的にも少しずつ知られてきているようです。岡山側からも行けますしまたいつか再訪したいと思います。

高松の旅関連エントリー

 これで今年のJAL「どこかにマイル」で行く高松の旅レポートは終了です。来年はどこに行こうかな?… じゃなくてどこに行くことになるのかな?

旅に持っていったカメラ

 ちなみに今回の旅で使ったカメラはK-1と28-105mmです。フルサイズ一眼レフでも私にとってはそれほど苦になりません。レンズは24-70mmと迷ったのですが、ちょっと日和って小さくて軽い方にしておきました。

PENTAX 標準ズームレンズ HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR 21297

PENTAX 標準ズームレンズ HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR 21297