iPhone4のホームボタンが効かなくなってきて我慢できずにiPhone4Sに機種変更してしまったわけですが、通信機器としては用済みになったiPhone4も、32GBもの容量があることですし、オーディオ&ビデオプレーヤー兼携帯ゲーム機としては十分に使えます。
ということで、勿体ないのでiPhone4のホームボタンを自力修理してみることにしました。ネット上をさまよえばその手の情報は山ほど見つかります。
ホームボタンが効かない!
まず、私のiPhone4がどの程度の症状だったのか、動画を撮っておきました。
スリープ状態からホームボタンを押してログイン画面を呼び出そうとしています。もちろん普通は1回押せば画面が表示されますが、この動画では9回押してやっと反応しました。実際のところワーストケースでこのくらい。調子が良ければ1回で済みますが、平均的には4,5回押してやっと反応するといった状態でした。
デコピンも何度もしてみましたが一向に改善せず。どうやらボタンの部品そのものの物理的な劣化によるもので、解決には物理的に修理するしかなさそうです。
購入品
ホームボタン修理のために購入したのは下記の4点。交換用のボタンとスイッチ部の基板、それにiPhone4用の工具キット。それに勢いで電池も交換することにしました。ボタンの修理だけならコストは1,000円以下。電池を合わせても2,000円しません。
なお念のため書いておきますが、自力での分解修理はもちろん自己責任で行いましょう。また電波法の問題にも留意が必要です。
さて、分解の手順については↓このページを参考にさせていただきました。と言うより、これを説明書代わりに見ながら作業を進めました。手順書としてはほぼ完璧なページです。
詳細な作業手順は上記リンク先を見ていただくとして、以下は私なりの備忘録です。
必要部品準備
工具と交換用のパーツが届きました。これからさっそく分解を始めます。参考にしたページによると素人なら3時間かかると書かれています。
専用工具キットにはドライバーが2本、プラスチック製のへらが2本、ピンセット1本、ギターのピックみたいなやつが一つ、そしてなぜか吸盤が一つ入っていました。
この中で本当に特殊な工具と言えるのは、iPhone4専用のドライバー1本だけです。もう1本のドライバーはプラスの精密ドライバーですし、他のモノも代用が利きそうなものばかり。これ以外に大きめのマイナスドライバーとマイナスの精密ドライバーが必要です。
背面を開ける
まずはドックコネクタ脇の2本のねじを外し、背面ガラスを開けます。専用工具が必要なのはこの最初の2本のねじだけで、他は普通のプラスねじです。
そしてパカッと外れます。まずは第一関門突破。
電池を外す
続いては電池を外します。まずは小さな金属製カバーを取り去ってからコネクタを外します。で、電池本体を取り出すわけですが…
ここでいきなりトラブル発生! いかにも電池を持ち上げるためと思われるプラスチックのタブが出ているのですが、電池は少し強めの両面テープで留められているので、このタブを引っ張ってもちぎれてしまうだけだとか。事前に知っていた私は無駄な抵抗はせず、工具キットに付属の大きめのヘラを電池の下に押し込んで、てこの原理で電池を剥がそうとしました。
そしたら工具の方が折れてしまいました(^^; どうやらここはもっと強力なものが必要だったようです。大きめのマイナスドライバーがお勧めです。
ちなみに新旧電池の外観比較。右がiPhone4から取り出した電池、左は新しく買った交換用の電池。どちらも3.7V, 1430mAhというスペックは同じ。でも新品電池の方がどうも作りが雑です。この電池、純正の保守部品ではなくサードパーティ品なのでこんなものなのでしょう。
メイン基板取り出し
電池を外したら次はメイン基板を外すべく、フラットケーブルのコネクタやら、基板を止めているネジやらカバーやら、色々外していきます。
ちなみに途中でも書いたように、ネジの形状や大きさ長さがいちいち違っているので、外した場所を忘れないようにしておかなくてはなりません。こういうの苦手なので、かなりいい加減な管理をしました。
液晶側パネル分離
これでもまだホームボタンにはアクセスできず、さらに本体シャシーから前面ガラスユニットを剥がします。
内側に10カ所ほどネジがあり、そのうち6個はワッシャー付き。少し斜めにドライバーを差し込むことになるので、全長の短いドライバーじゃないと苦労するかも知れません。
ようやく剥がれました。左が本体シャシー。と言ってももはやもぬけの殻ですが、ホームボタンが寂しく取り残されているのが分かります。そして右がフロントガラス。こちらには液晶パネルもくっついています。
いよいよホームボタン交換
ここまで来てようやく本題のホームボタン部品交換に取りかかります。
新しいボタンを用意します。ボタンのプラスチック部に、実際のスイッチ基板を貼り付けます。両面テープがあらかじめ貼られているので慎重に位置合わせをするだけ。古いボタンのプラスチック部だけ無理矢理剥がせば、再利用も出来るかも知れません。
再組み立て
さて、後は分解してきたのと逆順で組み立てていくだけです。ネジを間違えないように。
組み立て過程は省略しますが、最終的に無事に元の姿に戻りました。電源もちゃんと入りました。iPhoneの右にあるのは、古い電池と問題のホームボタンユニット。そして電池の上にある小さな黒い細長い物体は… 余り物です。恐らくメイン基板のコネクタが集中してるあたりにあったと思われるのですが、どこからどう出てきたのか分からず。組み立ての際は無視して余ってしまいました。ゴム製のパーツなので、何かの保護材のようなのですが。とりあえずなくても問題なく動いています(^^;
と言うことで、直ったホームボタンの威力を確認。動画も撮ってみました。
はい、素晴らしいレスポンス。1回クリックでちゃんと反応してくれます。当たり前のことですが、苦労して自分の手で修理したことで喜びもひとしおです。ちなみに作業時間は全部で1時間強と言ったところ。iPhone分解は初めてでしたが、この手の機器をバラすのは初めてではありませんので… (こんなこともありましたっけ)
しかしこれで「めでたしめでたし!」とはなりませんでした…
カメラの故障
再組み立て後、ホームボタン以外にも一通り動作確認をしていたのですが、カメラに問題が発生してしまいました。というのも、どうやら作業中にユニット内部にゴミが入ってしまったらしいのです。
試し撮りしたらこんな状態になっていました。画面左下に丸い大きな影、そして右下と右上にもバナナ状のぼんやりとした影が映っています。これは、ガラスやレンズに付着したものではなく、どう見てもセンサー上に付着したゴミと思われます。
再度分解してカメラユニットをブロア等で掃除してみましたが、改善しませんでした。というか、余計ゴミが入ったらしく悪化したというのが実際のところです。
ここまで来たらどうしても完璧な状態に仕上げたくなり、ネットでカメラユニットが小売りされてないか探したところ、あっさりと見つかりました。お値段も2,000円弱。もちろん速発注。届いたら速交換。
レンズとLEDライト周囲に付いていた保護材のようなものは、旧ユニットから剥がして新ユニットに張り直す必要があります。小さな部品なので慎重さが求められます。剥がしてしまうと両面テープの粘着力がなくなるので、別途両面テープを小さく切って貼り付けるという、老眼には厳しい作業が必要です。
証拠写真は貼りませんが、カメラユニット交換の結果もちろんゴミは映り込まなくなりました。
完全復活
こんどこそ修理完了です。ホームボタンも新品、電池も新品、カメラも新品。外装は多少の傷はありますが、経年劣化が心配な大物部品二つが新しくなったiPhone4は新品同様のようです(言い過ぎ^^;)。
通信機能は使えないので機内モードに設定していますが、当初の目論見通り「オーディオ&ビデオプレーヤー兼携帯ゲーム機兼メモカメラ」としては十分すぎる高機能、高性能機です。本当は車載オーディオとして使っている、初代iPod touchと置き換え用にしようかとも思っていたのですが、それだけでは何だか勿体ない気がしてきました。
ま、要はムキになって3,000円ほどかけて修理したものの、結局「やってみる」ことが目的であって、作業が完了してしまえば明確な使用用途はないと言うことです。セカンドPCの自作みたいなもんですな(A^^;
壊れたというより、デコピンで壊したという理解でいいんですよね(^^;;
○ながしまさん、
いやいやいや、そもそも壊れたからデコピンをしてみたわけで。
でもデコピンがとどめを刺したかも。
修理されるとは、素晴らしい技術ですね。私のもだましだまし、使ってます。4回ぐらいで反応します(^^;;
○BPさん、
技術と言うほどのものではないのですが、あるとすれば度胸ですかね。あまり手先は器用ではないのに、この手の差作業は大好きです。破壊本能だと思います(^^;
で、やっぱりホームボタン調子悪いですか。iPhone5まで何とか持ちこたえて下さい。
すでに5に乗り換えと思います。余りのゴムですが、「液晶・デシタイザ」ケーブルと基盤の擦れを軽減せさる物ので基盤のトップに挟み、液晶・デシタイザのケーブルを護ってあげて下さい。
鏡文字さん、コメントありがとうございます。
貴重な情報ありがとうございました。やはりケーブルの保護用だったんですね。残念ながらこのiPhone4は知人に譲り渡してしまいました。まだ動いているようです。私自身は現在iPhone4Sを使っています。これもまたそのうち新しいiPhoneを買ったら電池交換とかするかもしれません。そのときは参考にいたします。