田植えの季節を迎え水が張られた棚田の風景に満月が映える!大山千枚田の夜景を撮りに行く

投稿者: | 2018年4月29日

 ゴールデンウィークが始まりました!と言っても、私の場合は例年通りこの時期は特に旅行等に出かける予定はありません。なのでいつものぐうたらな休日同様に、連休初日の土曜日にはお昼頃にようやく目を覚まして起き出したのですが、窓の外に広がる日差しと青空と、晴れマークが並んだ3時間毎の天気予報と、そして思ったよりも混んでいない高速道路の渋滞情報を見て、予定してなかったけどどこか出かけてみるか!と、思いついてしまいました。

 しかし午後から出かけるとなれば、勢い夕景の綺麗なところとなるわけですが… そこで思い出したのが昨年初めて訪れた、千葉県南部にある大山千枚田です。見事な棚田が広がる日本の山間部の原風景なのですが、この時期はちょうど田植えが始まった頃なので、田んぼには水が張ってあるはず。青いマジックアワーの空を映した棚田はさぞかし綺麗だろうし、ついでに暗くなるまで粘っていれば星空も撮れるかも!と思い、カメラバッグを車に投げ込んで急遽出かけることにしました。

 天気の良い連休初日にしては空いている東京湾アクアラインを走り抜けるとあっという間に木更津です。目的地である大山千枚田はもっと南房総にあって、保田から鴨川へ抜ける県道34号線のちょうど中間辺りにあります。距離にして片道100kmほど。半日ドライブにはちょうど良いコースでもあります。

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 休憩しながら大山千枚田に向かってる道中に気付いたのですが、この連休前半はちょうど満月を迎える時期でした。ということは星空は無理だな〜、と車中で今さら気付いたのですが、だったらむしろ月明かりに照らされた棚田の夜景を撮れば良いや、ということで相変わらず計画性皆無な行き当たりばったりの撮影小旅行となりました。

 最初に昨年行ったときのことをおさらいしておきましょう。

 前回は真夏の7月に行きました。なので苗は青々と成長して美しい一面グリーンの美しい風景が広がっていました。それに、猛烈に暑かったです(A^^;;;

 今回は季節はずれの暖かさが続いているとは言え、一応まだ4月下旬。千葉県は関東地方でも温暖な気候ですが、田植えがいったいいつ頃行われるのか、東京育ちの私にはよく分からないところですが、きっとそろそろ始まってるはず!

夕日を浴びる棚田

 ということで、現地に到着したのは午後5時前。日没は6時過ぎですからまだまだ明るいです。

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 棚田は北東向きの斜面なので、背後に太陽は沈んでいきます。期待通り田んぼには水が張られていました。

 田植えの状況はどうかと言えば、多くは水が張られているだけで、思ったよりも田植えはされていませんでした。到着した時間他のせいかもしれませんが、この日も特に作業が行われている様子はありませんでした。どうやらこの連休後半に集中的に田植えが予定されているようです。

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 大山千枚田はオーナー制度で運営されていて(全てではないかもしれませんが)、田植えも現地農家の人々の指導の下、オーナー自身で行うことになっているそうです。その他日々のメンテは現地の方がやってくれるそうですが、草刈り、稲刈りなど主要なイベントはオーナー自身が手を下すことが義務づけられているそうです。

 もちろん収穫されたお米はオーナーのもの。ちょっとやってみたい気がしますが、根性も体力もないからすぐに音を上げてしまってダメかも。

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 日が暮れるまでは周囲を散歩して写真を撮りながら暇つぶししています。棚田の周囲には梅や杏、その他柑橘系の実がなる木に加え、桜もたくさんありました。もちろん既に全て葉桜になっていますが、桜の季節も綺麗だろうなと思います。もちろんその頃は田んぼはまだ何もされていない土のままかと思います。でもどんな風景なんでしょう?

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 さて、そうこうしているうちに日没直前の時間を迎え、北東の斜面にある棚田はすでに日陰になってきました。そして空には白い月が浮かんできました。

 しかし、千葉県各地で遊んだ人達が、帰りがけにちょっと寄り道するのか、この時刻になっても意外なくらいにひっきりなしに見物客が訪れています。うん、みんなここ見に来た方が良いよ!

クルマ撮影会で遊ぶ

 さて日没を待つまでの間、ちょっと思いついて愛車撮影会をやってみました。歩き回ってるうちに、ちょうどよさげなポイントを見つけてしまったので、駐車場まで戻ってクルマを移動してきて、という念の入れようです。

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 まーこんな感じです。ちょっと無理矢理感ありますが、うまく日が当たって高い位置から良い感じに撮ることができました。自己満足しています(^^;

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 本当は埃だらけでボディは結構ドロドロなのですが、太陽が当たるとだいたいかき消してくれますね。

 ちなみについでなので、PEUGEOT 308SWの近況を報告しておきますと、まもなく走行距離は1万キロを超えようかというところで、出来ればこの連休中にでもと思っています。トラブルは全くなくて調子は良いので、あと話題に出来るのは燃費ぐらいかと思います。現在でも高速を走れば20km/Lくらいは行きますし、全体的に総合で17km/Lほどを保っています。軽油も一時期より高くなりましたが、走行コストという点では本当に素晴らしくエコなクルマです。

日没を迎える

 さて閑話休題。そうこうしているうちに日没前後のいわゆるマジックアワーにさしかかってきましたが、実際、この棚田の夕暮れがどんな感じになるのか、この時点ではまったく想像が付いていません。空が焼けるには今日は晴れすぎているようですし、太陽は背にすることになるので、色々難しそう!…みたいな感じです

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 日没後、急速に光を失いつつある空に対して、逆に存在感を増し始めた月。田んぼの水面はいままで泥水色でしたが、暗くなってくると深く青い空の色を映し始めてきました。やっぱりこうなるとホワイトバランスはCTEにして、この色味を強調するしかありません。

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 水面に映るお月様…。風情がありますね。でも、実際はこの頃から辺りはカエルの鳴き声で大変な喧噪に包まれつつあり、風情のかけらもありません。いや、蛙の声こそ田園風景のBGMとしてあるべきものなのでしょうけど。

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 綺麗な葉桜と青い空を映す棚田。そう言えば、景観のために桜の季節にわざわざ水を張る田んぼもあるとか。そうなるとカメラマンが押し寄せるんでしょうね。

 ちなみにこのくらいの時間になってくると、一般の観光目的の人はさすがにいなくなって、ポツポツ現れたのは私と同業者たち。立派なカメラに三脚を携えているひとたちが集まってきました。やはり同じこと考える人はいるもんですね。もちろんここは有名な場所ですから当たり前ですけど。

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 そしてこんな感じになってきました。CTEではちょっと青過ぎるかもしれませんが、そのままにしておきます。満月まであと一歩の月と、それを映す棚田。

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 日が沈んでいった西の空はこんな感じ。やはり今日は焼けませんでした。花粉は収まったようですが、少し春霞っぽい空気だったので、もしかしたら… と思ったのですが、赤くはならずただひたすらに紫色に沈んでいきます。水面リフレクションも良い感じです。

満月だけど星を撮ってみる?

 さて、さらに暗くなってくると辺りは完全に月明かりに照らされ始めました。

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 こんな感じです。うーん、月がこんなに明るいものだったなんて!

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 昼間に撮っていたようなアングルと画角で、棚田をたっぷり露光時間かけて撮ると、まるで昼間と見間違えそうな感じに写ったりしますから。これはわざとアンダー目に調整して夜感を取り戻していますが、実際肉眼ではここまでハッキリ明るくは見えません。

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 さて、こんな明るい月が出ていますが、せっかくここまで来て、この時間まで粘ったからには、やっぱり星を撮ってみましょう。

 と言うことで適当にやってみるとこんな感じになりました。サムネイルでは分からないと思いますが、画面右の方にはそこそこ星が写りました。ちなみに画面左の方がぼんやり白くなってるのは月があるから。やはり月灯りの威力は絶大ですね。

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 それならばということで、こういう場合はインターバル合成をやるしかありません。これで500枚/40分のカメラ内合成をした結果です。ここで気付いたのですが右の方に沈んでいくオリオン座が写ってました。冬を代表する星座であるオリオン座も季節が終わり、来冬までのお別れです。

 右に映り込んだ強烈な光源は道路を行き交う車のヘッドライトです。完全に人里離れた山奥ではないので仕方ありません。むしろ積極的に風景の一部として取り込んでしまうしかありません。でもやはりちょっと無理があったですかね。なんか色々バランスが崩れてしまったみたいな、変な写真になってしまいました。

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 そして少し場所を変えてもう一回インターバル合成をやってみました。こちらの方が全体的に上手くいってたのですが、見ての通り途中で雲が流れてきてしまいました。残念!

 ただまぁアレですね。場所が悪いのか棚田の水面に星空リフレクションとはなかなかなりません。

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 というのも、多分この大山千枚田で夜空を撮るベストポイントは、東向きのこっち側だと思うのです。残念ながらこの日は満月が輝いているので、この時間は特にどうにもなりません。でもこれはこれで良い風景ですよね。

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 それでも一応、月を画面外に出して少しだけインターバル合成してみたら、結構たくさん星が写りました。なるほど、こうなるのか! 季節的にこちら側に天の川が昇ってくるはずですし、新月の時期をちゃんと見極めて、天気と予定が合えばまた再チャレンジしてみたいと思います。

使ったカメラ

 カメラはPENTAX K-1 Mark IIです。今回は特に高感度性能とか手持ちRRSとか、新機能を気にすることなく普通に使いました。当たり前ですがまるで使い心地はK-1無印と変わりません。

PENTAX 一眼レフ K-1 Mark II ボディ  15996

PENTAX 一眼レフ K-1 Mark II ボディ 15996

 しかしちょっと気になることがあって、それはたまにハングアップみたいな症状が発生することです。特定の操作をしてるわけではなく、ふと気がつくと完全に固まっていることが、この短い期間に3回ありました。そのうち最後の1回は実は今回の棚田撮影時に起きました。普通にライブビューで撮っていただけなんですけどね。前2回は電源スイッチのOFF/ONで復帰したのですが、今回は電池を外さないと復帰しませんでした。

 K-1無印が近年希にみるド安定マシンだっただけに、K-1 IIのこの不安定さがちょっと気になります。ファームウェアがまだ完成しきってないのだろうと勝手に思っていますが、まさか個体差だったらイヤだな、と。もう少し様子を見たいと思います。

 さて、今回使ったレンズですが、いつもの大三元トリオに加えて、今回は珍しい1本を使ってみました。

 それがこのDA魚眼ズーム。これ、周辺画質がどうこう言わなければテレ端限定でクロップすることなく、フルサイズの画角で使えてしまいます。しかもRAWファイルをLightroomで現像するとレンズ補正が効いて、超広角レンズ風味になってしまったりします。

 今回は15-30mmでも足りないと思う場面は結構あったので、思ったより大活躍しました。レンズ補正は仕上がりを見ながらかけたりかけなかったりしています。敢えて歪んで周辺光量落ちたままの方が良い場合もありますので。

 このレンズ、K-1/K-1 IIを持ってる方にも是非クロップ無しで使ってみて欲しいお勧めレンズです。

PENTAX 超広角ズームレンズ HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR 21280

PENTAX 超広角ズームレンズ HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR 21280

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310